2017年9月30日 10:30
離婚時に一括で貰った養育費を使い切った…追加請求はできる?
さらに言えば、申立人は、1,000万円の養育費のほかに、離婚に伴う財産分与・慰謝料として3,000万円を受け取っていたのですが、その3,000万円を父親の事業につぎ込んで使い切っていました。
裁判所も、「『成年に達する迄の養育費として』1,000万円を受領したのに、事件本人の中学卒業までに使い切ってしまったことについては、その支出につき計画性や工夫が足りないと批判されてもやむを得ない面がある」と申立人を批判しています。
しかしそれでも、相手方も私立だけの教育コースを歩んでおり、子どもにも同程度の教育を受けさせることが不相当とはいえないということも理由にあげて、養育費の追加請求を認めています。
親が子どもに対する扶養義務を果たすために負担する費用が養育費ですが、子どもがどの程度の扶養を必要とするのか、あるいは親がどの程度の扶養を負担できるのかといった事情は、養育費の金額を取り決めた後に変動することもよくあります。
しかしその変動が取り決め時に予見可能であったのなら、そのことも踏まえて取り決めをしているはずですから、取り決めた額から増額(減額も)する必要はないと裁判所に判断されることになってしまいます。