【連載第2回】後悔しない離婚「裁判所は親権者をどう判断する?」
と申し上げております。
経済力は、親権者を決定する上での1項目に過ぎず、経済力がないというだけで親権者になれないということはありません。なぜならば、経済力は、相手方からの養育費や公的扶助で補うことが出来ると考えられているからです。
■裁判所では親権者をどのように決めるか
それでは、裁判所はどのような観点から親権者を決めるのでしょうか。それは、「子どもの利益」「子どもの福祉」を重要視しています。
具体的には、父親、母親双方の事情(監護に対する意欲や能力、健康状態、子への愛情、居住環境、監護補助者の有無など)や、子の事情(年齢、性別、兄弟姉妹関係、発育状況、健康状況、現在の環境、新しい環境、子自身の意向など)から総合的に判断されます。
つまり、裁判所は、1つの項目のみを取り上げ、重視をして、親権者の判断をするのではありません総合的に考慮して、「子どもの利益」「子どもの福祉」の観点から、夫婦のどちらを親権者と定めるのがいいのかを判断する、というわけです。ですから、「私は不倫をしているのですが、親権者にはなれないのでしょうか?」という相談を受けることもありますが、不倫をした母親であっても、それのみをもって、親権者になれないというわけではありません。