『同性カップルの披露宴をしたい』夫夫(ふうふ)として迎えた結婚式の裏側とは?
「同性カップルの結婚式をしたい」
ゲイカップルとしてYouTubeやマイナビウエディングのスペシャルサポーター、多数のメディアで活動されているShoRyo(@shoryochannel)さん。
お二人は2018年にパートナーシップを宣誓し、ゲイカップルの日常を映し出すユーチューブチャンネル「ShoRyo channel.」をスタート。
同年に結婚式も挙げており、夫夫(ふうふ)として視聴者の質問に答えたり、リアルな日常をYouTubeにアップして活動しています。
今回MOREDOORは、お二人が挙げた結婚式についてインタビューしてきました!
YouTubeを初めたきっかけは……
YouTubeを始めた当時は、ゲイカップルの方々の発信がほとんどなかった時代。
そんな中で、結婚式などの大切な瞬間を記録し、共有していくことの重要性を感じたという2人。
さらに、YouTubeで投稿をすることで、自分たちの思い出を記念に残し、将来振り返ることができるところも魅力だと語っています。
結婚式はどのように決めた?
結婚式の場所として、吉祥寺での開催を希望していたShoRyoさん。
ある会場を見に行った際に、「同性カップルの結婚式を行う」とカミングアウトすると、そこのオーナーがとても前向きな反応を示してくれて、「そういうのをやりたかったんです!」と言ってくれたのだそう。
2人は、その瞬間に、"ここだな"と式場を決定したようです。
どんな結婚式にした?
結婚式の敷居を高くしたくなかったという気持ちから、会費制の立食パーティーを、一人当たり1万円で行うことに。
また、服装に関しても、参加者にはおしゃれな服装ではなくカジュアルな格好で気楽に参加してもらうように案内をしたのだそうです。
どのような会にするかも相談し、店内の装飾、料理プラン、衣装やヘアメイク、お花の選択肢までオーナーが提示してくれたと語っています。
誰を招待?
収容人数が限られていたので、職場関係と友人関係のみを招待したShoRyoさん。『また、結婚式の招待ハガキは招待された側に手間をかけさせてしまったり、断りづらそうだなと感じたため作らずに、LINEなどで個別に連絡しました。』と、形式ばったことを思い切って省いたことも教えていただきました。
結婚式当日の心境は?
『私たちの結婚式には約50人の招待客がいました。
翔太さんは非常に緊張していて、のどが通らなかったのを覚えています。
一方、亮さんはリラックスしていて、翔太さんに対して「なぜ緊張しているのか」と笑っていました。』
と、当日のことを振り返ってくれたお2人。
でも、いざオープニング動画を流してそれを自分の大切な人たちが見てくれている光景を目にすると、亮さんは「自分の人生で“まさかこんな日が来ると思っていなかった”から」と、凄く感動して号泣してしまったのだとか……。
結婚式を振り返って、“今思い返しても本当に幸せな時間だった、また泣きそう”と話してくれました。
壁はそんなになかった!?
親へのカミングアウトには、かなりの勇気が必要だったと語る亮さん。
亮さんは、カミングアウトした際の思い出を語ってくれました。
『幸い、親は「あなたが一人じゃないならよかった」と言ってくれました。
本当に安心しましたね。
また、現在の家に引っ越す際、不動産屋さんからは「大家さんによる」と言われました。
最初は男同士のルームシェアはダメだったのですが、直前に大家さんが面会を申し出てくれて、直接話して意気投合しました。
今では大家さんとはとても良い関係で、パンを分け合ったり、みかんを貰ったりしています。
また、私たちが飼っている犬を預かってくれて、散歩やご飯の世話もしてくれるほどで、とてもありがたいお付き合いをさせてもらっています。
面白いことに、偶然にも私たちの苗字は同じでした。
同性カップルとしては、表札を二つ出すこともあるので、お互いにとても良かったと思っています。』
とお二人の日常にあまり壁はなく、むしろ日々を本当に幸せに過ごしている様子が伺えました。
結婚式をして良かったことは?
結婚式まで友人や職場にカミングアウトしていなかったという翔太さん。招待状を送ることで、初めて周囲に知らせましたが、嫌がる人はいなかったよう。
『実際、招待した人全員が来てくれて、とても楽しんでくれていました。
当日はネガティブなことが一切なく、普通の祝福の場としてとても嬉しかったです。
今でも、会場となったカフェには毎年訪れています。
先月も行きましたし、お店のお方が私たちのことを覚えていてくれることが本当にありがたいです。』
と、結婚式が素敵な思い出になったことを語ってくれました。
結婚式を悩んでいる人に向けてアドバイス
『私たちは、来てくださる方々のハードルを下げることを考えました。
友達や会社にカミングアウトしていない人もいるので、そういう方々にも楽しんでもらえる環境を提供したいと試行錯誤しました。
マイナビウエディングさんがLGBTQ+向けのサイトを開設してくれたのは、大きな進歩だと思っています。
少し前まではそのような情報はほとんどなく、あっても一握りでした。
検索すると、まだ多くはストレートなカップル向けの情報に埋もれがちですが、結婚式のやり方次第で自分たちのスタイルを作ることができます!
同性カップルの結婚式のハードルはそれほど高くないと知ってもらいたい。
もし何か嫌なことがあっても、「別にこれから先、会うこともないし」と自分たちは前向きに考えていました。』
マイナビウエディングの取り組みについて
ハンドブックの制作など、配慮に感謝しつつも、あくまでも‟自然な対話”を求めていると語るお二人。
‟意識しすぎて失礼になることもある”
‟同性カップルだからと驚かれることがないよう、普通のお客さんと同じように接していただきたい”
など、当事者だからこそわかる声を届けてくれました。
素敵な結婚式を成功させるためには?
『希望があれば、自分から伝えることも大事だと思います。
人に察してもらうよりも、直接言った方が早いですからね。
会場の構造上、対応が出来ない場合もありますが、やりたいことをプランナーさんと擦り合わせていくことが大切です。
また、プランナーさんにも正直に意見を言ってもらうことが重要だと思いました。配慮ばかりではなく、お互い積極的に相談することで後悔のない結婚式ができると思います。
周りを気にせず、やりたかったことを実現することが幸せに繋がると思うので、結婚式を挙げたければ挙げるべきだと思いますし、その後何か問題が起きたらそのとき考えれば良いのです。
やりたいことはやるべきですね!』
最後に伝えたいこと
LGBTQとして困ったことやトラブルについての質問が多いというShoRyoさんカップル。
しかし、本当は成功例として取り上げられたいと願ってるのだそう。
『ネガティブな視点ではなく、ポジティブなイメージを持ってもらいたいんです!
私たちのような同性婚の結婚式も、素敵で憧れの対象として見られるようになれば嬉しいですね。
』と、本心を語ってくれました。
ShoRyoさんたちの前向きなメッセージが、悩んでいる方や、どう接すればいいか迷っている方の助けになることでしょう。
このインタビューが、LGBTQ+について改めて考えるきっかけとなることを願っています。
次回は、D&I AWARDにて3年連続でADVANCEDを受賞というウエディング業界で初の快挙を成し遂げたブライダルジュエリー企業、プリモ・ジャパン株式会社のインタビューをお届けします!
(MOREDOOR編集部)