2014年10月22日 10:00
日本と海外のドキュメンタリー番組の違いとは? "ガチの鬼ごっこ"から透けて見える課題
ドラマも映画もバラエティも日本びいきの私が、唯一海外モノにハマっているのがドキュメンタリー番組。『ディスカバリーチャンネル』『アニマルプラネット』『ヒストリーチャンネル』『ナショナルジオグラフィック』のどれを見ても、理屈抜きで楽しいのだ。
ただ、同時に「日本のドキュメンタリー番組も、これくらい面白かったらいいのに……」とも思ってしまう自分がいる。海外のドキュメンタリー番組が、世界中の人に向けて作られたものである以上、スケールの大きさで劣るのは仕方ないとしても、理由はそれだけではないような気がする。
今回は日本の番組制作現場を取材し続けてきた経験をもとに、その違いについて考えてみたい。
○ドキュメンタリーでは食っていけない
ドキュメンタリーである以上、基本的に台本や演出があってはいけない。人間にしろ、動物にしろ、手を加えることなく、ありのままの姿を映したものが前提となる。その映像を編集するときに、作り手による何らかの意図が入るが、取材対象者が主役であることに変わりはない。
例えば、『ディスカバリーチャンネル』で9月に放送を開始した『ザ・マンハント』。これは元アメリカ海軍兵士ジョエルが各国のエリート特殊部隊を相手に"ガチの鬼ごっこ"に挑むというもの。