監督作『沈黙-サイレンス-』が日本でも大ヒット中のマーティン・スコセッシが製作総指揮を務め、オスカー女優のブリー・ラーソンはじめ、アーミー・ハマー、キリアン・マーフィら豪華キャストで贈る“最狂”ギャングバトル『フリー・ファイヤー』(原題:FREE FIRE)の日本公開が4月29日(土・祝)に決定。併せて、場面写真が解禁となった。ある場末の倉庫。銃取引で集まった2組のギャング。しかし、ある揉めごとから交渉がこじれ、突如として壮絶な銃撃戦が勃発!全員瀕死の発狂状態の中で、最後まで生き残るヤツは…。2016年、トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門にて、最高賞の“観客賞”を受賞した本作。世界中からエッジの効いたクレイジーな映画を集めた同部門の観客賞といえば、過去には北野武監督『座頭市』(’03)や園子温監督『地獄でなぜ悪い』(’13)が受賞するなど、近年では感度の高い日本の映画ファンからも一目置かれる映画賞となっている。しかも、この狂作を世に送り出したのが、先月、渾身作『沈黙-サイレンス-』を引っ提げ来日を果たした巨匠マーティン・ スコセッシ。その真骨頂ともいえるギャング×狂気をテーマにした本作で製作総指揮を務めるスコセッシが、監督に大抜擢したのは、エドガー・ライトとタッグを組んだ『サイトシアーズ 殺人者のための英国観光ガイド』では独特のブラックユーモアを、トム・ヒドルストン主演『ハイ・ライズ』では階級社会の狂気を見事に描いた注目の気鋭、ベン・ウィートリー。さらに注目なのは、従来のイメージを180度覆して怪演を見せる豪華なキャストたち。主演には、『ルーム』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したブリー・ラーソン。同作での優しいママとは一転、劇中では罵詈雑言&拳銃をぶっ放しまくっている。さらに、『コードネーム U.N.C.L.E.』の長身イケメン俳優アーミー・ハマーや、『第9地区』のシャールト・コプリー、『インセプション』のキリアン・マーフィ、『シング・ストリート未来へのうた』のジャック・レイナー、『高慢と偏見とゾンビ』のサム・ライリーなど、映画ファンには堪らない俳優陣が、いままでにないキャラに扮している。およそ90分間、ワンシチュエーションで見せるクレイジー・バトルロワイアルに、引き続き注目していて。『フリー・ファイヤー』は4月29日(土・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月08日巨匠マーティン・スコセッシによる最新作『沈黙-サイレンス-』の大ヒット御礼舞台挨拶が1月31日(火)、TOHOシネマズ日本橋にて行われ、出演する窪塚洋介、イッセー尾形、塚本晋也が登壇した。公開されて1週間あまり経ち、3人のもとには感想が続々集まっているという。窪塚さんは、「僕が18歳でデビューしたときより反響が大きい気がしています。“一言では言えないんだけど”と言った後に永遠にしゃべってくる人が多かったりして」と、様々な方面からのリアクションを喜んでいた。『沈黙-サイレンス-』は、日本文学の金字塔と称される遠藤周作書「沈黙」を、スコセッシ監督が28年もの間、映画化を希望し温め続けてきた渾身作。幕府による非情なキリシタン弾圧下にある江戸初期の長崎を舞台に、ポルトガル人宣教師フェレイラ(リーアム・ニーソン)が拷問に屈して棄教したという真相を確かめるため、日本にやってきたロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)らの葛藤を描く。ハリウッド俳優に加え、窪塚さんや、イッセーさん、塚本さんのほか、浅野忠信、小松菜奈、加瀬亮らが参加していることでも大きな話題になっている本作。中でも、宣教師を取り締まる井上筑後守役のイッセーさんには大きな賛辞が集まっている。サンフランシスコ、LA、NYと渡り歩いたというイッセーさんだが、「映画が終わってロールが出てくるでしょう?全員が拍手をするんですけど、イッセー尾形のときはシーンとして(笑)。でも、日本で見た感想を聞くと“桁が違う”と言われます。100年に残る映画だと。…それは僕が言ったんだけど(笑)」とジョークを織り交ぜつつ充実感を語れば、窪塚さんも「100年、1,000年、万年残りますよ!」と力強く賛同した。本作は第89回アカデミー賞の撮影賞にロドリゴ・プリエトがノミネートされている。迫力のある映像美に圧倒されるが、塚本さんは「ご本人はいたって普通で。芸術家っぽくないというか、あんちゃん」と表現した。窪塚さんは、「“チョット、ミギ”とか“スイマセン”とか、誰よりも先に日本語を覚えてくれました。“こういうときは何て言うんだ?”って聞いてくれて、覚えると早速使って。そういうところも一流なんだなと思いました」と、撮影の様子をふり返っていた。『沈黙-サイレンス-』はTOHOシネマズ スカラ座ほか公開中。(cinamacafe.net)■関連作品:沈黙-サイレンス- 2017年1月21日より全国にて公開(C) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
2017年01月31日デンマークのコペンハーゲンに生まれ、マーベルコミックとブルース・リーをこよなく愛する日々を送っていたマッツ・ミケルセン少年。このときの彼はもちろん、大人になった自分が『ドクター・ストレンジ』という名のマーベル世界で、ブルース・リーばりのアクションを披露することになるなど夢にも思っていなかった。「スパイダーマンが好きだったんだ。筋肉もなく、けれども口だけは一人前のピーター・パーカーに10歳の僕は共感してしまった。しかも、そんな彼に超人的な力が突然備わる。それって、どんな子どもも夢見るシチュエーションだろう?あとはハルクも好きだったな。マーベルコミックやブルース・リー好きの友だちは周りにもたくさんいたけど、僕はちょっと、それらに時間を費やし過ぎていた子どもだったかもしれない(笑)」。『ドクター・ストレンジ』で演じたカエシリウスはマッツ少年が愛したヒーローではなく、それどころかヒーローのドクター・ストレンジと相対する存在。だが、信念を持って行動し、戦いを繰り広げる闇の魔術師カエシリウスを「悪」と決めつけることはできない。「僕は常々、演じる人物に“生”を吹き込みたいと思っている。それがたとえ悪役であってもね。高笑いをしながら子どもを喰らう悪役はもう古い。昨今の悪役はもっと興味深いし、大抵がヒーローの写し鏡になる存在でもあるんだ。だからこそヒーローは葛藤するし、敵の持つエネルギーから自分を引き離そうとする。ということは、悪役も説得力を持っていなくてはならない。それがいまの悪役、いまの世界なのだと思う」。まさに「写し鏡」であることを物語るようなアクションシーンが、中盤に訪れる。「アクションはこれまでにも経験してきたけど、カンフーは初めて。もちろん夢の時間だったし、『体が動くうちにやっておかないと!』と思った(笑)。大変だったけど、ベネディクト(・カンバーバッチ)や素晴らしいスタントチームと共に、ネバー・ギブアップの精神でいいシーンにできたんじゃないかと思っているんだ」。「大変」と言いつつどこか余裕を感じられるのは、子ども時代から準備は万全だったからか。しかしながら、俳優の道を歩み始めた頃もまだ、後の自分がマーベル映画や、はたまた『スター・ウォーズ』シリーズに出演することなど予期していなかったという。「デンマーク以外の国で仕事をする自分すら想像していなかったしね。いまだにシュールな感じがするよ。でも、デンマークの一俳優である僕がハリウッド大作に参加し、興味深いキャラクターを演じさせてもらえるなんて本当に光栄だと思っている。自分の仕事ぶりが誰かの目に留まり、評価されたということでもあるから」。母国デンマークをはじめとするヨーロッパの映画からアメリカのTVドラマ、ハリウッド大作まで。いまや世界各国を飛び回り、作品に飛び込むのがマッツの俳優人生だ。「作品選びにおいて最も大切にしているのは、監督。その次に大事なのは、脚本。確固たるビジョンがあり、そのビジョンを不眠不休で形にするエネルギーを持っている監督かどうか。そんな監督であれば、たとえ理解の範疇を超えた企画であったとしても、一緒にやりたいと思えるものだよ。もちろん、脚本が素晴らしいに越したことはないけどね」。一緒に仕事をしたい監督は、「たくさん。本当にたくさん」。苦悩の表情を浮かべてみせる。「すでに亡くなった人たちも含めてね。その中には、日本を代表する名匠(黒澤明)もいる。でも、どう頑張っても会えないから、彼らの作品を観て自分を慰めるよ(笑)。“仕事をしたい監督のリスト”を作らないといけないのであれば、僕の長年のヒーローであり続けているマーティン・スコセッシがトップに来るかな。えっ?彼も日本に来ていたの?ニアミスじゃないか…。でも、それが人生ってものだよね」。昨年はカンヌ映画祭で審査員も務めたマッツだが、「実は俳優になってからの方が映画を観なくなった。理由を何度も考えたけど、はっきりした答えは出ない」とのこと。しかし、“仕事をしたい監督のリスト”が長いものになるほど、映画愛は深い。「映画に関わる者として、いろいろなことに気づいてしまうのが一因かもしれない。リラックスして観られないんだ。でも、そうだね…、僕にとって大きな意味を持つ作品を1つ挙げるとしたら、(クシシュトフ・)キェシロフスキの『デカローグ』かな。いまも繰り返し観ているよ。出演者はあまり知られていない人たちばかりだけど、だからこそクリーンで美しい傑作だと思う」。さて、2010年にはデンマーク女王からナイト(騎士)の称号を授与され、“北欧の至宝”とも称されるマッツだが、俳優の兄ラースもナイトの称号保持者。つまり、ミケルセン家には“至宝”が2人もいることになる。こう指摘してみると、「あと3人いるよ。妻と子どもたち2人も、僕にとっては至宝だから」。何て素敵な答え。「“至宝”なんて言われると、暗殺されるんじゃないかと恐怖を感じるよ(笑)。デンマークにはまだ国王という存在もいることだし、争い事には巻き込まれないようにしないと。でも、皆さんがそう言ってくださるということは、僕たちの作った作品や演じた役を気に入ってくださっているということだと思う。だから、もちろん嬉しい。僕らが映画を作るのは自分たちのためではなく、皆さんに観ていただきたいから。皆さんが『よかった。好きだ』と言ってくださる以上に、僕らが求められることはないしね」。(text:Hikaru Watanabe/photo:You Ishii)■関連作品:ドクター・ストレンジ 2017年1月27日より全国にて公開(C) 2016MARVEL
2017年01月30日映画『ハクソー・リッジ』が2017年6月24日(土)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー。第二次世界大戦時を舞台にした、ある兵士の「実話」『ハクソー・リッジ』は、第二次世界大戦時下で武器を持たない兵士として、アメリカ史上初となる名誉勲章を受けた兵士デズモンド・ドスの実話をベースにした物語。銃を持たずに激戦地”ハクソー・リッジ”に赴き、衛生兵として一晩に75人もの日米の負傷兵を救ったデズモンド。戦争なのに銃を持たない。それは戦地ではとても困難な状況。「殺すのが戦争だ!」という上官から問題視され、仲間の兵士たちからは嫌がらせを受ける。やがては軍法会議というところまで事態は進む。恋人のドロシーは、このままだと刑務所に入れられてしまうと心配する。そんな中での葛藤、行き場のない苛立ち。彼の行動がいかに勇気のあるものだったのか、一人の兵士の強い信念と葛藤を描いていく。臨場感あふれる戦闘シーンも見どころの一つだ。話題作を世にだしてきた監督メル・ギブソン初代『マッドマックス』でアクションスターの座を掴み、アクションから、ちゃめっけたっぷりなコメディ、そしてドラマまで幅広い演技で愛されたメル・ギブソン。主演&監督を担当した『ブレイブハート』(1995年)でアカデミー監督賞を受賞。その後もキリストの最期を描いた『パッション』、マヤ文明を描いた『アポカリプト』と衝撃的な作品を世に送り出してきた。彼が10年ぶりに監督を務める映画が『ハクソー・リッジ』だ。アンドリュー・ガーフィールド主演主演は『アメイジング・スパイダーマン』シリーズや、マーティン・スコセッシ監督の最新作『沈黙‐サイレンス‐』で注目を集める、若手実力派のアンドリュー・ガーフィールド。脇を固めるのは、『ウェディング・クラッシャーズ』のヴィンス・ヴォーン、『アバター』のサム・ワーシントン、『マトリックス』のヒューゴ・ウィーヴィングら。なお、『ハクソー・リッジ』は、第89回アカデミー賞において作品賞、監督賞、主演男優賞、編集賞、録音賞、音響編集賞といった主要6部門にノミネートされ、編集賞と録音賞を受賞した。ストーリー人を殺めてはいけない。そう強く心に決めていたデズモンド(アンドリュー・ガーフィールド)は、軍隊でもその意志を貫こうとしていた。上官(サム・ワーシントン、ヴィンス・ヴォーン)や同僚(ルーク・ブレイシー)に疎まれながらも、妻(テリーサ・パーマー)や父(ヒューゴ・ウィーヴィング)の助けを借りて、銃を持たずに戦場に行くことを許可される。そして、デズモンドは激戦地“ハクソー・リッジ”での戦闘に参加することになった。敵の攻撃がすさまじく、味方は一時撤退を余儀なくされる。その最中、負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモンドは、たった一人で戦場へ留まることを決意するが…。作品詳細『ハクソー・リッジ』公開日:2017年6月24日(土)監督:メル・ギブソン出演:アンドリュー・ガーフィールド、サム・ワーシントン、ルーク・ブレイシー、テリーサ・パーマー、ヒューゴ・ウィーヴィング、レイチェル・グリフィス、ヴィンス・ヴォーン原題:Hacksaw Ridge配給:キノフィルムズ© Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016
2017年01月28日マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の小説を映画化した『沈黙-サイレンス-』が1月21日(土)に公開を迎え、日本人キャストの窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈が舞台挨拶に登壇した。窪塚さんはスコセッシ監督の演出について「(自身が演じた)キチジローの人となりについて、具体的に演出された記憶はない」と明かし、既にオーディションの時点で「冗談で『カメラを回せ』と言い、『お前はもうキチジローだから』と言ってくれるくらい、僕の中のキチジロー像を信頼してくれていた」と語る。実際、現場でも「Amazing!」「Great!」などと称賛されていたそうだが「1月5日のL.A.でのプレミアで作品を観て初めて気づき、ハッとしたんですが、キチジローがピュアにイノセントに見える芝居の部分は一切、使われていなかったし、僕が(ハリウッド映画ということで)アピールしているような部分も一切、カットされていた。ダメでも『Amazing!もう1回』とうまく役者をノセることが骨身に染みついてて、あの人の手のひらで踊らされて、帰ってきたんだなと思いました」と俳優の個性を尊重しつつ、しっかりと撮るべき部分を引き出していく、名匠の演出に感嘆していた。浅野さんは「絶対にこの監督とやらなきゃ!」との思いでオーディションに臨んだそうだが「実は、一度、オーディションに落ちた」という。それでも「あきらめずにいたら、(今回演じた)通詞の役をいただけました」と明かす。塚本さんは「最初のオーディションは8年くらい前。それからずっと関わり、つい最近までアフレコなどをやっていて『まだアフレコがあるよ』と言われる気がして、ソワソワしてます(笑)」とようやく公開にこぎつけたことがいまだ、信じられぬよう。予告編でも登場する、海の中で十字架に磔にされるシーンはどのように撮影されたのかを尋ねられると「引き潮のシーンは本当に海で撮っていて、満ち潮は危ないので、巨大な波のプールで撮った」と明かした。プールとはいえ、何度も水をかぶる過酷な撮影だったそうで「波で付け歯が割れて吹っ飛んで、よく見ると最後は白い歯で叫んでます(笑)」とその凄まじさの一端を明かした。小松さんは撮影時19歳だったが、初めてのハリウッドの現場は「日本と全然違っていて、たくましくなった気がします」とふり返る。「吸収し、得るものが多かったと思います」と力強くうなづいた。イッセーさんは、隠れキリシタンたちを棄教させる奉行の井上を演じ、海外でも高い評価を得ているが、特にリアム・ニーソン演じる宣教師を穴吊りの拷問にするシーンに言及し「人間が“終わっていく”ところを目撃した」と語る。「人間をモノとして扱い、それを見ている自分もモノになった気がしました。だから、井上も決して勝者ではないと思います。この撮影を潜り抜けて、自分は『人間として生きているはずだ』と問い質す時が来ると思います」と語った。窪塚さんは、本作が“弱者”を描いているという点について「これから言うことは明日の新聞には載らないと思いますが…」と前置きした上で「2011年3月11日の震災で、弱者がたくさん生まれました。なのに、この国の政府の連中は、ほかの国に1兆円とかバラまくのに、この国の弱者に目を向けようとしない」と激しい口調で語り、原発再稼働についても「この国を切り売りしてる」と強く批判する。そして、映画の中で苦しむ人々、そして神の沈黙する状況に、こうした日本の現状を重ね「だから、自分の心の中に答えを見つけて、生きていくしかない」と訴える。最後に「重い映画かもしれないけど、いまの時代に必要だと思います」と呼びかけると、会場は拍手に包まれた。『沈黙-サイレンス-』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:沈黙-サイレンス- 2017年1月21日より全国にて公開(C) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
2017年01月21日世界20か国以上で翻訳され、いまも読み継がれる遠藤周作の名作「沈黙」を原作に、巨匠マーティン・スコセッシ監督が映画化する『沈黙-サイレンス-』。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でカイロ・レン役を演じ、一躍注目を集めたアダム・ドライバーが、本作では約23kgも体重を減量し、驚愕の姿を披露していることが分かった。17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎。日本で捕えられ棄教したとされる高名な宣教師フェレイラを追い、弟子のロドリゴとガルペは日本人キチジローの手引きでマカオから長崎へと潜入する。日本にたどりついた彼らは想像を絶する光景に驚愕しつつも、その中で弾圧を逃れた“隠れキリシタン”と呼ばれる日本人らと出会う。それも束の間、幕府の取締りは厳しさを増し、キチジローの裏切りにより遂にロドリゴらも囚われの身に。頑ななロドリゴに対し、長崎奉行の井上筑後守は「お前のせいでキリシタンどもが苦しむのだ」と棄教を迫る。次々と犠牲になる人々。守るべきは大いなる信念か、目の前の弱々しい命か。心に迷いが生じたことでわかった、強いと疑わなかった自分自身の弱さ。追い詰められた彼の決断とは――?本作のキャストには、主演のアンドリュー・ガーフィールドを始め、アダム、リーアム・ニーソン、日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら各世代の実力派が集結。人間の強さ、弱さとは?信じることとは?そして、生きることの意味とは何かを問いかける、世界が注目する歴史大作だ。本作で、アンドリュー演じる主人公・ロドリゴの同僚であるガルペ役に起用されたアダム。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』やコーエン兄弟の『インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌』、海外ドラマ「GIRL/ガールズ」などで知られる彼は、鬼才ジム・ジャームッシュの新作『パターソン』(原題)にも出演し、演技の領域を作品ごとに広げている注目株。本作出演には、「信仰の危機という考えに魅了されたが、これはいつでも普遍的で、今日的な意義をもつ考えだ。2人が不満を抱え、疑いを持っているところが気に入った」と、ロドリゴとガルペ、2人の聖職者の内面的葛藤に魅力を感じたと語り、想像を絶する17世紀の日本にたどり着いた宣教師たちを演じるにあたって、「普通、聖職者というのは冷静で理性があると思う。でも、ここでのイエズス会士は先駆者で、荒っぽくて強気だった。彼らは忍耐力がなければならなかった。当時の状態は過酷で、彼らは荒っぽく、洗練されてはいなかった。いま、僕たちが考える聖職者とは違っていた。僕は彼らのことを探検家だと思っている」と独自の解釈を示している。そして、スコセッシ監督との撮影については、「時間を惜しみなく使ってくれる。どんなシーンでも、どんな質問についても、彼は喜んで話し合ってくれる」と話し、「史上最高のフィルムメイカーの1人と思っている人と協力することは僕にとって気持ちの高揚する、すばらしい経験だ。監督はこの映画を可能な限り最高のバージョンにしたいと思っているから、すでに考え抜いた概念を人に説明するのが上手で、俳優には、役を自分のものにしてほしいと思っている。彼を驚かせ、自分を驚かせるようなことを望んでいる。そういう態度を見せてくれたから、スコセッシほどの評判の高い人と協力する怖さを忘れて演技に集中できた」とふり返った。さらにアダムは、演技自体だけでなく役にリアリティを与えるために過酷なダイエットも行ったそうで、「確かアダムは51ポンド(約23kg)減量し、アンドリューは48ポンド(約22kg)減量した。2人にとってものすごい試練だったはずで、78日間の撮影は身体的にも精神的にも非常に過酷だった」と監督は語っている。それについてアダムは、「ほとんどの時間、お腹をすかせて、疲れていることは(演技も)役に立った」と語り、ガルペが背負った試練は栄養不足だけではなかったことを鋭く指摘。「彼らは海と陸地を何千マイルも旅した。スクリーンには登場しないが、登場人物の姿から感じとらなければならない部分だ。彼らが2年もの間、過酷な状態で旅を続け、故郷を遠く離れて困難に耐えたということを」と語り、映像では表現されない宣教師という名の“探検家”たちの旅にも思いを馳せている。また、製作のアーウィン・ウィンクラーも、「誰もがアダム・ドライバーの外見がどれだけ変わったかに気づいて驚くと思う」と話し、「クレイジーだと思ったんだが、エンディング近くのシーンで彼は海に飛び込んだ。水槽ではなくて、本物の海にね。映像を見ればカメラが引いて、大きくワイドに撮っているのが分かる。海水は凍えるように冷たかったから、彼は何かひどいことになるんじゃないかと心配した。すぐに毛布で体を包んだが、彼は何度でもやる気だった」と彼の役者魂を明かしている。“カイロ・レン”から“ガルペ”へ、精神面だけではなく肉体までも役になりきったアダム。演技者として新たな“覚醒”を遂げた彼の姿を見逃すことなかれ。『沈黙-サイレンス-』は1月21日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:沈黙-サイレンス- 2017年1月21日より全国にて公開(C) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
2017年01月20日“イノセント”――。そんな言葉で窪塚洋介は、自身が映画『沈黙-サイレンス-』において演じたキチジローという男を表現した。「子どものような無邪気さの中にある弱さや強さ、汚さや綺麗さ。マーティンはそこを捉えてくれたみたいだった」。マーティンとは、マーティン・スコセッシ監督。数々の名作を世に送り出してきた世界的巨匠が心を揺り動かされたのは、キチジローという役というより、窪塚さん自身の“イノセント”な部分だったのかもしれない。遠藤周作の名作小説を原作に、江戸初期の長崎で、厳しいキリシタン弾圧の中でも、それでも信仰に命を捧げる者たち、布教を続ける宣教師たちの姿を通して、人間の強さや弱さ、生きる意味を問いかける。窪塚さんが演じたのは、キリシタンだったが、弾圧により家族を失い、自らは棄教したキチジロー。マカオから宣教師のロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)、ガルペ(アダム・ドライバー)を日本へと導きながらも、弱き心のゆえに裏切りを働き、奉行へと彼らを売ってしまう。「無邪気な」「汚れなき」「純潔」から「お人好し」「無知」という意味まで持つ「innocent(イノセント)」。そもそも、窪塚さんがキチジロー役を得ることになった経緯からして、イノセントという言葉がぴったりである。最初にキチジローのオーディションの話があったのは、約7年前。だがこのときは、スコセッシと顔を合わせることすらないまま、1次審査の段階で落とされたという。理由は「ガムを噛んだままオーディションの部屋に入って、その瞬間に女性キャスティングディレクターの『マーティンは、あんたみたいな無礼な若者は大嫌いだから』と超キレられた」から…。決して、とんがっていたわけではなく窪塚さん曰く「控室だと説明されて入った部屋が、オーディションの部屋だった」のだとか。「その時点で終わってました(苦笑)。それでも『やるの?』と言われて、度胸試しじゃないけど『やらない』と言えずに『やる!』となったけど、セリフを覚えてなくて、紙を持っていたら『この期に及んで覚えてないのか?』とさらに空気が悪くなって…。最悪な空気の中で、それに打ち勝てるタフさもなく、呑み込まれて思うようにできなかったんです」。当然のように翌日「もう結構です」という連絡が届き「マーティン・スコセッシの船は出ちゃったんだ。汽笛の音が聞こえる…って夕暮れに泣いてた」と悔やんでも悔やみきれない失敗を嘆いたそうだが、幸運なことに船は出ていなかった! 企画・製作の遅れ、スコセッシが納得する俳優が見つからなかったこともあり、窪塚さんはまたオーディションに足を運ぶチャンスを得た。「行ったら、あの女性キャスティングディレクターがいたんですけど『Nice to meet you.(はじめまして)』と言われて『チャンス、キター!』って。こっちも『Nice to meet you.』と“again”とは言わずに(笑)。それで、やってみたら『面白い! あんた、いいね。もう1回、呼ぶから』って。それでまたすぐに呼ばれたんだけど、その時点で、(前回の演技をビデオで見て)マーティンはすごく評価してくれていたらしいです。あの女性キャスティングディレクターはもう親戚のおばちゃんみたいな感じで(笑)『こんなことやってみたら?』と言ってくれたりして、俺も最初に考えていたキチジロー像をさらに変えて、いろんな引き出しを見せたらすごく気に入ってくれたみたいです」。そして、最後はスコセッシと直接会って、演技を見せることに。「六本木のホテルでノックして部屋に入ったら、振り返ってニコッと笑って『会いたかったよ。(ビデオで見た演技は)最高だったよ。今日は僕が相手役をやるからね』と…。もう『マジか! マーティン・スコセッシを相手に演技できるの? 最悪、これで落ちてもネタになるわ』って思いました(笑)。僕自身、自分の力が出せれば大丈夫だって気がしてたんですが、マーティンは温かいオーラに包んでくれて、こっちを乗せてくれて、俳優をリラックスさせる懐の深さを肌で感じました。満たされた気持ちで力を出し切ったら『(撮影が行われる)台湾で待ってるよ』と言ってくれたんです」。失礼を承知で言うが、今回、スコセッシの『沈黙』に窪塚さんが出演するというニュースを聞いて、熱心なファン以外は「というか窪塚洋介、ここ数年、何してたの?」と感じた人も多かったかもしれない…。10代半ばで俳優デビューし、2001年の『GO』で、最年少で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。映画『ピンポン』にドラマ「池袋ウエストゲートパーク」など、2000年代前半は次々と話題の作品で存在感を放っていたが、その後は、出演作も減っていく。自身「不遇の時代」と認める時期が続いたが、それこそ“イノセント”なまま、己の生き方を変えようとも、周囲が求めるオトナになろうともしなかった。「俺にはそれはできないし、それを求める人が間違ってるって思います。だから、ぶつかることになってもしょうがないし、実際仕事も少なくなった。仕事をしてても、しっくりこないというか…。ひとつひとつの仕事をしっかり本気でやってはいたし、常に『これが最後の仕事だ』という気持ちでやってたのは事実だけど、世の中の温度と自分の温度が合わないジレンマはありました。それが、今回のこの仕事で、一発で報われたなって気持ちはすごくあります」。「そういう運命だったのかな…?」。自分自身は変わったという意識はないが、己の周辺で起こり、身に降りかかる全てをそんな言葉と共に受け止めている。「最近『すごくいい感じだね』と言ってもらえることが多くて、でも自分的にはマイペースなままで、地に足がついている状態ですね。全てをひっくるめて、起こったことは全部、伏線だったんじゃないかって。全てが『いま、いい感じなんですよねー』なんて言ってるこの状況への伏線だったとしたら、報われますね」。もちろん、スコセッシの現場でも、この男は変わらなかった。実力主義で、能力を認められれば、いくらでも上へとたどり着けるハリウッドのやり方は、窪塚さんのスタイルにぴったりだったのだろう。活き活きと、現場で輝きを放った。「最初、現場に観光バスが3台停まってて、『Scorsese』『Garfield』『Driver』ってあって、改造されて、中にソファとかがあるんですよ。俺も含めて他の人は一緒で、完全にすみ分けられてるの。それが、撮影が始まって4~5日経ったら、バスがもう1台増えて『Yosuke Kubozuka』ってあるんです。『お前、使え』って。ありがたいけど、僕は、他の先輩方もいるから気まずいし『いや、俺はいいから』と言ったら『マーティンがお前のために用意したんだから使え』と。俺は普段から舞台の楽屋でもドアは開けっぱなしで、みんな出入り自由で、何を見られてもいいっていうスタンスで、オープンにしてるから、そのときも『コーヒーとかあるんで、みなさん、飲んでください』って感じで開放してました(笑)」。常にドアを開けっぱなしにしているからこそ、入ってくる“運命”もある。「実際、撮影中はいつも現場に顔出して、みんなとくっちゃべってるだけだったりもするし、それも英語を上達させたいってよこしまな気持ちだったりするんだけど(笑)、そこから話がつながって、次の作品のオファーが来たりして」。エリザベス・バンクスと共演する『Rita Hayworth with a Hand Grenade』(原題)のオファーのきっかけも、本作で出会ったプロデューサーがきっかけ。“再ブレイク”などという言葉はそぐわない。この男の無垢なる魂を受け止められる、より広い“世界”がようやく開けたのだ。映画の内容についてもひとつ。本作ではざっと400年以上前の信仰や異文化の衝突が描かれ、それは現代でもなお世界中で続いていることでもある。窪塚さんは、過去には『パラダイス・ナウ』の日本語吹き替えで、自爆テロに向かう青年の役を演じたこともあるが、自身は信仰や、それが引き起こす様々な衝突といったものについて、どんな風な考えを持っているのだろうか?決して論理的でも、体系づけられたものでもないかもしれないが、自分の言葉でこう語ってくれた。「日本で昔から言われる『クリスマスを祝って、正月に神社に行って…』というキャパシティ――ジーザスもブッダもいいじゃん!って言える俺らは世界平和だなと思ってます。世界がカオス(混沌)でメチャクチャになっているいまだからこそ、日本人が担うものがあるのかと。僕自身は、信仰って『あぁ、生きててよかった』とか『ありがたい』って気持ちで、思わず手を合わせてしまうようなものなのかなと感じてます。それは教義というものとは一線を画してあるんじゃないかと。朝日を見たときに自然と手を合わせるようなものが原点だとしたら、誰かに教えられるというよりは、自分の心の中にあるものを信じるものなんだなって。形のあるものはいつか壊れ、なくなるけど、形のないものこそ残っていくのかもしれない。この映画が、そういう自分の心の深いところに入り込み、問いかけるガイダンスのようなものになって、見る人が自分で(答えを)見つけて、腹に落として、それが少しでも良い明日につながったらと思います」。ヘアメイク:KATSUHIKOYUHMI(THYMON Inc.)(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:沈黙-サイレンス- 2017年1月21日より全国にて公開(C) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
2017年01月18日1月21日公開の映画『沈黙-サイレンス-』のジャパンプレミアが17日、東京・六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、マーティン・スコセッシ監督、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮が出席した。アメリカが世界に代表する巨匠・マーティン・スコセッシ監督が、戦後日本文学の金字塔とも言われる遠藤周作の『沈黙』を長い年月をかけて映画化した本作。公開を間近に控えたこの日、再来日したスコセッシ監督が窪塚洋介ら日本人キャストとともに豪華なジャパンプレミアに登場した。窪塚ら日本人キャストとの再会となったスコセッシ監督は「こうやって東京で一同に再会できるのは感慨深いものがあります。これまで2年間編集してきましたが、ずっと皆さんとお付き合いした感覚なので、私にとっては昨日会ったばかりのようです。お馴染みの顔になっていますね」と笑顔。日本人キャストたちの演技については「本当に皆さん素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。皆さんの頑張りや力、深みを見せてもらいました」と賛辞を惜しまなかった。そのスコセッシ監督との作業を問われた窪塚は「こんな極東のどこの馬の骨とも分からない俺に、毎日どれだけ敬意を払ってくれたことか。毎日夢の中で仕事をしているみたいでした。監督が僕らを本当に乗せてくれるので最高に良い芝居ができたし、改めて偉大な監督だと思いました」と感謝しきり。また、加瀬扮する隠れキリシタン・ジュアンの妻・モニカを演じた小松菜奈に、ジュアンが死ぬシーンを2度求めたというスコセッシ監督は「モニカが激しくリアクションするシーンで、彼女の芝居にびっくりして、もう1回お願いするのが痛々しかったです。でももう1回お願いしたら、激しい演技を見せてくれたので見ものでしたね」と褒めち、夫役の加瀬も「小松さんは普段ダルそうなのに、芝居に入ると200%の力が出ます。そのシーンも倒れちゃうぐらい力を出し切っていましたが、次の日も全く同じぐらいの力でやるので、普段パワーを蓄えているのかなと思いました」と小松の豹変振りに驚嘆していた。映画『沈黙-サイレンス-』は、1月21日より全国公開。
2017年01月18日俳優の窪塚洋介が1月17日(火)、都内で行われたハリウッド進出作『沈黙-サイレンス-』のジャパンプレミアに、メガホンをとった米映画界の巨匠マーティン・スコセッシ監督とともに出席し「役者人生、最良の日。本当に幸せです」と喜びを爆発させた。遠藤周作の「沈黙」を完全映画化した本作。17世紀、若きポルトガル人宣教師のロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライバー)は、キリスト教が禁じられた日本で“棄教”したとされる師(リーアム・ニーソン)の真相を確かめるようと来日。キチジロー(窪塚さん)という日本人に案内され、長崎へとたどり着き、厳しいキリシタン弾圧を目の当たりにする。まさに物語のカギを握る大役を務め上げた窪塚さんは、「スコセッシ監督がどれだけ、日本に対してあふれる敬意を払ってくれたことか。過酷な撮影も、長い待ち時間も幸せの一部。この映画を通して、スコセッシ監督の思いが皆さんに届き、より良い明日が来ることを信じています」と感無量の面持ちで、スコセッシ監督に感謝を述べていた。ジャパンプレミアには窪塚さんをはじめ、共演する浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮が顔をそろえ、スコセッシ監督も「ここ東京で、こうして皆さんに再会できて感慨深い。皆さんは俳優としての強みと深みを発揮し、作品の礎としてすばらしいパフォーマンスを見せてくれた。すでに私の周囲からも、皆さんを称える声がたくさんあがっている」と映画の完成、そして日本人キャストの奮闘に心底満足している様子。トーク中もことあるごとに「アリガトウ」と感謝の言葉を口にしていた。「出会えて幸せな作品。スコセッシ監督は辛抱強く、見守ってくれ、繊細な演技も見逃さず、新たなアドバイスをくださった。おかげで難しい役柄も乗り越えることができた」(浅野さん)、「貴重で刺激的な体験。英語など壁にもぶつかったり、迷ったりすることもありましたが、監督には丁寧に付き合っていただいた。ぜひ若い世代の方々にも見てほしい」(小松さん)と日本人キャストも本作への強い思い入れを語っていた。『沈黙-サイレンス-』は1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:沈黙-サイレンス- 2017年1月21日より全国にて公開(C) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
2017年01月17日遠藤周作の「沈黙」を完全映画化した米映画界の巨匠、マーティン・スコセッシ監督が1月16日(月)、都内で来日記者会見を行い、日本公開を控える『沈黙-サイレンス-』について「日本文化への敬意を力の限り描いた“巡礼”のような作品」と静かな口調で熱弁した。17世紀、若きポルトガル人宣教師のロドリゴとガルペは、キリスト教が禁じられた日本で“棄教”したとされる師の真相を確かめるようと来日。キチジローという日本人に案内され、長崎へとたどり着き、厳しいキリシタン弾圧を目の当たりにする。次々と命が失われるなか、ロドリゴらは極限の選択を迫られる…。原作との出会いから28年を経て、念願の映画化が実現した一大プロジェクト。それだけに、「読んだ当時は、どう解釈し、映画として完成させるべきか答えが見つからずにいた。自分自身も信仰心を見失いかけていたからね。もっと深い探究をしないといけないと感じたし、この企画と付き合い続けることは、学びと試行錯誤の旅そのもの。完成はしたが、これで終わりとは思っていない。今後もこの映画とともに生きていくつもりだ」と思いは格別だ。実際に、映画化への確かな自信を深めたのは『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年公開)を撮り終えた頃だといい、「長年、映画化権を持ち続けたせいで、イタリアの権利者から訴えられたり苦労もあったけど、当時再婚をし、子どもを授かったことで自分の中にも大きな変化が生まれ、(映画化の)可能性がグッと広がったんだ」とふり返った。「信じること、疑うことを包括的に描いた作品だ」とスコセッシ監督。激動の時代に本作が公開される意義については、「人間すべてが強くある必要はない。世の中には弱者や、“はじかれてしまった”人たちが必ずいるもの。皆が一個人として、彼らのことを知ることが大切だし、技術が進歩し物質的な価値ばかりが重んじられる現代だからこそ、『何かを信じたい』という普遍的な思いを真剣に考えるべき時期だと思う」と力強いメッセージをおくった。本作は主演にアンドリュー・ガーフィールドを迎え、アダム・ドライバー、リーアム・ニーソンらハリウッドの人気俳優に加えて、日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら実力派が名を連ねる。『沈黙-サイレンス-』は1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:沈黙-サイレンス- 2017年1月21日より全国にて公開(C) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
2017年01月16日巨匠マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の「沈黙」を基に映画化する『沈黙-サイレンス-』。この度、本作から日本だけに特別映像が到着した。17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎。日本で捕えられ棄教したとされる高名な宣教師フェレイラを追い、弟子のロドリゴとガルペは日本人キチジローの手引きでマカオから長崎へと潜入する。日本にたどりついた彼らは想像を絶する光景に驚愕しつつも、その中で弾圧を逃れた“隠れキリシタン”と呼ばれる日本人らと出会う。それも束の間、幕府の取締りは厳しさを増し、キチジローの裏切りにより遂にロドリゴらも囚われの身に。頑ななロドリゴに対し、長崎奉行の井上筑後守は「お前のせいでキリシタンどもが苦しむのだ」と棄教を迫る。次々と犠牲になる人々。守るべきは大いなる信念か、目の前の弱々しい命か。心に迷いが生じたことでわかった、強いと疑わなかった自分自身の弱さ。追い詰められた彼の決断とは――?原作「沈黙」は、世界20か国以上で翻訳されいまも読み継がれる名作。スコセッシ監督がこの原作と出会ってから28年、いくつもの困難を乗り越えての今回の夢の一大プロジェクトには、主演のアンドリュー・ガーフィールドを始めアダム・ドライバー、リーアム・ニーソン、また日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら各世代の実力派がキャスティングされている。そして今回、スコセッシ監督の来日に先駆け到着したのは、本作のメイキングやインタビューが収められた特別映像。まずスコセッシ監督は「原作を読み終えてすぐ、自分が映画化しなければならないと思った」と語り始め、しかし、あまりに深く壮大なテーマであるため、様々な準備や困難を乗り越えるため28年の歳月を要したと明かした。さらに映像には主演のアンドリューやアダム、リーアム、窪塚さん、浅野さん、塚本さん、そして原作者遠藤氏の長男・遠藤龍之介らのコメントも収録。アンドリューは「この映画のすごいところは、あらゆる人が正しくあらゆる人が間違っていることだ。それに道は一つではない、答えは一つではない」と力説し、また浅野さんも「日本が舞台で日本がテーマでも、人が持っている葛藤が全て」と国境を越えた強いメッセージを代弁している。そして、遠藤龍之介氏は「世の中に絶対的な善、絶対的な悪はほとんどない。悪の中にも善はあるし、良き事の中にも悪しき事がたくさんある」とならではの哲学をよく言っていたとコメントしている。『沈黙-サイレンス-』は1月21日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:沈黙-サイレンス- 2017年1月21日より全国にて公開(C) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
2017年01月16日笑福亭鶴瓶と森川葵が司会を務め、ゲストの友人や関係者への徹底取材からその素顔に迫るバラエティー番組「A-Studio」。1月13日(金)放送回に俳優の浅野忠信が登場。俳優としての役に対するこだわりなど様々なトークを展開する。90年、『バタアシ金魚』で映画デビューすると2000年公開の『御法度』で報知映画賞助演男優賞受賞。2001年には『地雷を踏んだらサヨウナラ』で毎日映画コンクール男優主演賞受賞。2005年には『誰がために』『乱歩地獄』で毎日映画コンクール男優主演賞受賞。2009年には『ヴィヨンの妻』などで日本アカデミー賞優秀主演男優賞受賞を受賞とその演技力が高く評価され、日本のみならず海外にも進出。『マイティー・ソー』『バトルシップ』と立て続けにハリウッド大作に出演したほか、『岸辺の旅』と昨年公開の『淵に立つ』がカンヌ国際映画祭・「ある視点」部門で2年連続受賞と今や世界的俳優へと成長を遂げた浅野さん。今回も同番組では鶴瓶さんが浅野さんの周辺を極秘取材。スタジオでは「若い人で面白い人が出てくると同じ年齢の役をやりたい」「高校生役をやりたい」などと語る浅野さんに、鶴瓶さんが「壁ドンしたい?」と訪ねると「そうですね、こんななって」と浅野さんが答えるなど浅野さんの演技への熱意などいろいろな話が語られる模様。そんな浅野さんだが出演作『新宿スワンII』が1月21日(土)より全国にて公開となる。同作は綾野剛主演で2015年に公開され大ヒットを記録した『新宿スワン』の続編となり、原作の中でも特に人気の高い「横浜王国編」をベースに、シマの拡大のため横浜進出を目論む新宿バーストと、その新宿さえも飲み込もうとする横浜ウィザードとの裏社会全面戦争が描かれる。監督は引き続き園子温が務めアクション監督に『るろうに剣心』シリーズなどで知られる谷垣健治が新たに参加、迫力ある映像は必見だ。また同じく1月21日(土)にはマーティン・スコセッシ監督の28年越しの渾身作『沈黙-サイレンス-』も全国にて公開。スコセッシ監督が遠藤周作の原作を読んで長年に渡り温め続けてきたという作品で、江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教(信仰を放棄すること)したとされる師の真実を確かめるため、日本にたどり着いたポルトガル司祭の目に映った想像を絶する日本を舞台に、人間にとって本当に大切なものとは何かを描き出す。リーアム・ニーソン、アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバーらのほか、浅野さんをはじめ窪塚洋介、塚本晋也、イッセー尾形、加瀬亮、小松菜奈らが出演。浅野忠信がゲストで登場する「A-Studio」は1月13日(金)23時15分~TBS系で放送。(笠緒)
2017年01月13日マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』に日本から参加した浅野忠信、窪塚洋介、イッセー尾形が1月12日(木)、外国人特派員協会で行われた記者会見に出席し、海外メディアを中心とした報道陣の質問に答えた。遠藤周作の名作「沈黙」を以前から映画化を熱望していたスコセッシが自らメガホンを握り実写化。江戸時代初期、キリシタン弾圧の猛威の中で、長崎へとやってきた宣教師たち、キリシタンたちの苦難を描き出す。奉行にやとわれた通詞(通訳)の役で出演している浅野さんは開口一番、英語で「あんまり英語ができないのに、通訳の役をやりました。今日はプロの通訳さんがいるので日本語で話します」と語り、笑いを誘う。棄教を迫られると踏み絵を踏んでしまう心弱き信者・キチジローを演じた窪塚さんも同じく英語で「“踏み絵マスター”のキチジローを演じました」と挨拶すると、会場は笑いに包まれた。独特の甲高い声で棄教を迫る奉行の井上を演じたイッセーさんの演技に対し、海外のメディアからも絶賛の声があがっているが、イッセーさんは井上役について「全ては台本にあった」と語る。原作にも直接の描写はないものの、井上はかつてキリシタンだったという説もあり、イッセーさんもこの点に言及。「(宣教師の)ロドリゴに会って『お前が宣教師であるなら、まず苦しんでる日本人を救うために、キリシタンをやめなくてはならない』という無茶苦茶な論理を見つける。これは一時、自分もキリスト教を信じたことがあると踏まえた上でのセリフだと思いました」とうなずいた。窪塚さんは、映画の見どころを問われ「神が沈黙してることです。自分が自分の心の深いところに入っていき、答えを見つけないといけない――それが一番大切なところだと思います」と語り、外国人記者たちはこれに拍手を送る。また、もしも自分が映画の時代を生きていたらどのような選択をするか?との問いには「僕も“踏み絵マスター”になっているかもしれません」と明かし「キチジローは、踏み絵を踏みます。でも、浅野さん演じる通詞が素敵な言葉を言ってくれますが『転ぶ(※当時の言葉でキリシタンをやめること)』ことと、棄教することは違っていて、転んだら起き上がるので、起き上がったときにまた信じているんだと思う。また踏み絵を踏む、転ぶ、起き上がる――そういうことなんだろうと思います。日本の信仰というのは、自分の心の中にあるもの、自然と湧き上がってくるものを大切にしている。キチジローはワガママで、踏み絵を踏むけど、(それでもキリスト教を)信じている。人間くさいなと思います」と自身の考えを口にした。また、現場でのスコセッシ監督について、3人とも、俳優を縛ることなく、自由に演技をさせてくれる監督であると口をそろえる。浅野さんは、宣教師役のアンドリュー・ガーフィールドとのシーンについて「アンドリューが、台本以上のことをやろうとして、(捕まっている)檻から逃げ出したりしたんです(笑)。予想外なんですけど、そのシチュエーションに自然と入っていけて、僕も追いかけまわしたりしていた」と監督が作り上げた世界観の中で、役として生き、思うがままに演技を楽しんだと述懐。窪塚さんも「現場にいてくれるだけで、演技がしやすくなる人」と語り「そんな監督が『ニューヨークに来たらウチにおいで』と2回も言ってくれたんですが、こないだ、初めてニューヨークに行った際にマネジャーにメールしたら、それはスルーされました(笑)」と明かし、会場は笑いに包まれた。また、本作がアカデミー賞有力と言われている点について問われると、浅野さんが代表して回答。映画の中の神の沈黙にちなんで「(オスカーに)選ばれると思ってますが、選ばれていないとしたら、それは、神様がオスカー会員に余計なことをしゃべっているからだと思います(笑)」とユーモアたっぷりに語っていた。『沈黙 -サイレンス-』は1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月13日今年もWOWOWが生中継する「第89回アカデミー賞授賞式」。日本時間2月27日に開催される今回、同番組のレッドカーペット・レポーターに女優の板谷由夏が就任。俳優の斎藤工もスタジオゲストとして参加することが決定し、WOWOWの映画情報番組「映画工房」のMCとして気心知れた2人が、映画界最大の祭典の生中継を盛り上げることになった。例年、「アカデミー賞授賞式」を独占生中継しているWOWOW。日本のスタジオのナビゲーターにはジョン・カビラと高島彩がすでに決定しているが、今回、「映画工房」でも名コンビを見せている板谷さんと斎藤さんが、レッドカーペット・レポーターと授賞式スタジオゲストにそれぞれ決定。アカデミー賞授賞式を間近で体験できる機会に「すごいことだと思います」とワクワクした表情の板谷さん。今回のオファーを聞いて「まずは斎藤工のことが頭に浮かびました」とのことで、「(2015年にレッドカーペット・ナビゲーターを務めた)工君にはいろいろと聞かなきゃと思って。とりあえず2年前の中継の映像を見ようと思っています」と意欲をコメント。一方、斎藤さんは体験談として「(アカデミー賞授賞式の)レッドカーペットの場はやっぱり生ものですから、状況がどんどん変わっていくんです」と指摘。さらに「僕のときは、ベネディクト・カンバーバッチやエディ・レッドメインといった人たちがいろいろと話をしてくれました。でもその一方で、時間の都合によりスルーしてしまった人もいたんです」と、惜しがりながら述懐。「彼らも授賞式前なので、並々ならぬ意気込みで来ている。だからこそ板谷さんがそこにいるだけで成立するんだと思います。やはり向こうのスターは、何かをかぎ取ることに長(た)けた人たち。同じ職業である板谷さんがそこにいるだけで、通じ合えることも多いんじゃないかと思います」とエール。そして「板谷さんは、ニュース番組で、各地の方々とも接していますが、そういう方たちであっても、来日しているハリウッドスターであっても、接し方が変わらないんです。肩書きや職業で分け隔てない心根を持っている人なので、すごくいい空気が生まれる予感がします」と期待を込める。そんなアドバイスを受けた板谷さんも、「楽しかったなと思えるようにしたいし、楽しいことだけを想像して行きます」と改めて決意を語った。アカデミー賞のノミネート発表は1月24日とまだ少し先だが、おそらく新海誠監督の『君の名は。』や、マーティン・スコセッシ監督が窪塚洋介や浅野忠信ら日本人キャストを起用した『沈黙-サイレンス-』など、日本に関連した作品が賞レースをにぎわす可能性は大きい。「いまはアニメを認めないといけない時代になっている。そんな時代を象徴するのが『君の名は。』だと思うので、ワクワクします」と斎藤さんが語れば、板谷さんも「わたしもワクワクします。『君の名は。』も含めて日本のアニメは世界に自慢できるものだと思うので、世界にどう評価されるのか。楽しみですね」と期待を寄せていた。なお、スタジオゲストには斎藤さんのほか、『ミュージアム』『3月のライオン』の大友啓史監督と、映画評論家の町山智浩氏も決定している。「レッドカーペット生中継!第89回アカデミー賞授賞式」は2月27日(月)9時~WOWOWプライムにて無料放送。「生中継!第89回アカデミー賞授賞式」は2月27日(月)[二・同時通訳]10時~、[字幕版]21時~WOWOWプライムにて放送。<関連番組>・「10分でわかるアカデミー賞の今」(全3回)1月16日(月)14時45分 ~ほかWOWOWシネマにて放送。・「アカデミー賞特集2017」1月23日(月)~2月28日(火)WOWOWシネマ&WOWOWプライムにて放送。・「生中継!第89回アカデミー賞ノミネーション発表」は1月24日(火)22時~WOWOWプライムにて無料放送。(text:cinemacafe.net)
2017年01月10日マーティン・スコセッシ監督の28年越しの渾身作『沈黙-サイレンス-』のロサンゼルスプレミアが、現地時間1月5日18時にDGA(DIRECTORS GUILD OF AMERICA)にて開催。日本から窪塚洋介、浅野忠信、塚本晋也、イッセー尾形らも駆け、世界の注目を集めた。スコセッシ監督が遠藤周作の原作を読んだ瞬間に映画化を希望し、長年に渡り温め続けてきたという本作。全米での拡大公開を間近に控えて開催されたプレミアには、これまで数多くの大作映画を送り出してきた会場となったDGAに30mにわたるレッドカーペットが敷かれ、世界中の期待を一身に集めるキャスト・スタッフ陣に多くのファンたちや世界各国のメディアが詰めかけた。レッドカーペットには、スコセッシ監督をはじめ、棄教したとされる師フェレイラ(リーアム・ニーソン)の真実を確かめるために長崎に潜入する主人公ロドリゴを演じたアンドリュー・ガーフィールド、物語の重要な鍵を握るキチジロー役をオーディションで勝ち取りハリウッドデビューを飾った窪塚さん、ロドリゴに棄教を迫る通辞(通訳)役の浅野さん、禁教下でも信仰を捨てない敬虔な信者モキチを演じた塚本さん、そして井上筑後守を演じ「LA批判家協会賞」助演男優賞次点となったイッセーさんらも日本から駆けつけ、レッドカーペットに集った。実は日米のキャスト陣が肩を並べて公の場に登場するのは、この日が初めて。28年もの歳月、揺るぐことなく映画化を望み続けたスコセッシ監督を囲んで、注目の日米キャストが顔を揃えたレッドカーペット・イベントは、場内から盛大で温かな拍手に包まれた。主演のアンドリューは、「スコセッシ監督と一緒に仕事ができたことに感謝している。窪塚洋介さん、浅野忠信さん、イッセー尾形さん、塚本晋也さん、皆さんと一緒に仕事ができて光栄。尊敬の念を深め、強い影響を受けた」とコメントした。窪塚さんとの2ショットも見られ、窪塚さんが「すごく驚いて、涙が止まらなかったよ」と感想を述べると、「映画の中の君は本当に素晴らしかった」とアンドリューが応じる場面もあった。ひとり和服姿で登場した窪塚さんは、「(本編を見て)浅野さんやイッセー尾形さん、塚本さんらが役をまっとうする姿に胸を打たれて、ストーリーとは関係のないところでも涙を流しました」と、日本人キャストの奮闘を讃えるコメント。「監督が常に見てくれていて、豊かな演技ができた」という浅野さんは、アンドリューとの共演について「彼は相当役になりきってたから、役と同様あまりコミュニケーションは取らず、厳しく接してくれてとても有り難かった」と振り返った。また、「感無量です。作品を観てもう言葉が出なかった」と語るのはイッセーさん。「ガーフィールドとは、全部本番のコミュニケーションだった。(演技をする)彼の心が動いたと思ったら、刺しにいく」ような撮影だったことを明かした。海の中で磔にされるという過酷な撮影に挑んだ塚本さんは、「本当にこの日がくるのが待ち遠しかった」と感慨深げ。スコセッシ監督の演出で「一番勉強になったのは俳優への配慮と、俳優を自由に演技させる場を整えてくれる」と、映画監督としても現場で学んだことを語り、「尊敬する監督の映画に自分が映っていることか不思議で、まだ信じられない」と、スコセッシ愛をより深くした様子だ。さらにレッドカーペットには、スコセッシと共に脚本を執筆したジェイ・コックス、名編集者セルマ・スクーンメイカー、プロデューサー陣らも駆けつけ、久しぶりの再会に笑顔が絶えないプレミアとなった。『沈黙-サイレンス-』は1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月07日マーティン・スコセッシ監督が手がける映画化でも話題の「沈黙」の作家・遠藤周作による医療ミステリー小説を、田中麗奈主演でドラマ化する「真昼の悪魔」。本作に、昨年「せいせいするほど、愛してる」「潜入捜査アイドル・刑事ダンス」などで大きな注目を集めた中村蒼が出演することが分かった。遠藤周作が1980年に発表した同名小説を原作とする本作。見た目は女神のようで、技能も優秀な美人外科医・大河内葉子が、ひとたび悪のスイッチが入ると残虐な事件を巻き起こし“悪魔の姿”を見せる医療サスペンスドラマ。その美人外科医・大河内葉子を演じるのは、医師役が初挑戦という田中さん。命を救う職にありながら、あらゆる出来事に対して心が動かず、罪悪感もない心の闇を抱えつつ、悪を遂行するという役どころに挑む。そして、中村さんが演じるのは、その大河内葉子の不穏さにいち早く気づく、小説家志望の青年・難波聖人。物語を牽引するキーパーソンとなる。難波は、緊急入院した病院で担当医となった葉子に好意を持つが、やがて彼女に対して疑問を持ち始め、病院内で起きる奇怪な事件・トラブルに「葉子が関係しているのでは?」と思い、彼女の悪事を暴こうとしていく。中村さんは、そんな“悪魔”のような医師役を演じる田中さんに対し、「僕の中では田中麗奈さんのイメージは“悪”とは正反対なので、そんな方がどのように変貌を遂げるのかが楽しみです」と期待を膨らませてコメント。本作に起用されたことに対しては、「大変ありがたいです。遠藤周作さん原作の作品に出られること、素敵な役者の先輩方と共演できること、実際に作品に入るのが本当に楽しみです。台本を読んでみて、なぜか悪魔的な行為をする葉子に興味が湧いている自分がいて、何故こんなことをするのか、何がきっかけなのか。気がついたらそのことばかり考えていました。今まで僕が想像していた“悪”というもののイメージが変わったような気がしました」と、本作が描き出す人間の本質に早くも影響を受けている様子。さらに、「病院内で起こる様々な不可解な事件…何故そんなことをしてしまうのか…、全く考えられない感情ですが、意外とそれは純粋な気持ちや素朴な疑問から生まれるものなのかもしれません。視聴者の皆さんには、僕の演じる難波がそれを紐解いていくので、同じ目線になってこの作品を楽しんでもらえればと思います」とメッセージを贈る。また、制作の東海テレビ・遠山圭介プロデューサーは中村さんを起用した理由として、「中村蒼さんに演じていただく難波聖人は、一番視聴者の目線に近い存在です。どこにいてもおかしくない普通の青年が、虫垂炎がきっかけで入院した病院で、田中麗奈さん演じる悪魔の女医・大河内葉子に魅了され、翻弄され、そして次々と信じられないような展開に巻き込まれていきます。憧れから疑惑、そして絶望から憎悪へと、難波の葉子に対する気持ちは次々と変化し、揺れ動きます」と説明。「若いながらも経験豊富で、幅広く演じ分けられる技量を持つ中村さんは、そんな難波のイメージにぴったりだと思いました。毎回どんな表情を見せてくれるのか楽しみです。人生は少しのきっかけで、思いもよらぬ方向へ舵を切ることがあります。難波にとっては、それが悪魔である葉子との出会いでした。ぜひ視聴者の皆さんも、中村さん演じる難波の目線に立って、葉子と対峙する感覚でご覧いただき、楽しんでいただければと思います」と語り、期待を込めている。さらに、2016年4月~5月にかけて放送された、同枠のオトナの土ドラ第1弾「火の粉」に出演した伊武雅刀、大倉孝二など、ベテラン実力派俳優らが脇を固める。見る者も、虚ろな心を抱え、美しく魔性の雰囲気をまといながら非道な悪を遂行する大河内葉子に魅せられること間違いなしの本作。病院という身近に潜む恐怖に鳥肌が立つ土曜の夜となりそうだ。オトナの土ドラ「真昼の悪魔」は2月4日(土)より毎週土曜日23時40分~東海テレビ・フジテレビ系にて放送(全8回予定)。(text:cinemacafe.net)
2017年01月05日遠藤周作の「沈黙」を原作に、アカデミー賞監督のマーティン・スコセッシが手掛ける『沈黙-サイレンス-』。この度、スコセッシ監督の来日が決定。監督は来年1月中旬に記者会見、そして日本人キャストとジャパン・プレミアのステージに立つことも予定されている。17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎。日本で捕えられ棄教したとされる高名な宣教師フェレイラを追い、弟子のロドリゴとガルペは日本人キチジローの手引きでマカオから長崎へと潜入する。日本にたどり着いた彼らは想像を絶する光景に驚愕しつつも、その中で弾圧を逃れた“隠れキリシタン”と呼ばれる日本人らと出会う。それも束の間、幕府の取締りは厳しさを増し、キチジローの裏切りにより遂にロドリゴらも囚われの身に。頑ななロドリゴに対し、長崎奉行の井上筑後守は「お前のせいでキリシタンどもが苦しむのだ」と棄教を迫る。次々と犠牲になる人々。守るべきは大いなる信念か、目の前の弱々しい命か。心に迷いが生じた事でわかった、強いと疑わなかった自分自身の弱さ。追い詰められた彼の決断とは――。本作は、「初めて遠藤周作の『沈黙』を読んだあの日から28年、ずっとこの作品のことを考えてきました」と語るスコセッシ監督にとって、いくつもの困難を乗り越えて実現した一大プロジェクト。主演にはアンドリュー・ガーフィールドを迎え、アダム・ドライバー、リーアム・ニーソン。さらに日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら実力派が名を連ねる。12月23日(現地時間)から、全米4劇場限定で公開された本作。1スクリーンあたりの興収で1位となる16,000ドルを記録(12月23日単日記録/Box Office Mojo調べ)。そして米レビューサイト、ロッテントマトでも91%の満足度をマーク。賞レースでは、ナショナル・ボード・オブ・レビューでトップテン作品&脚色賞受賞を皮切りに、AFIアワードやボストン・オンライン批評家協会賞でトップテン作品に選定され、LA批評家協会賞「助演男優賞」の次点にイッセーさんが選ばれるなど、4受賞14ノミネートを記録しており、来年1月24日に発表となるアカデミー賞ノミネーションへの期待がますます高まっている。またこの監督来日決定を受け、日本人キャストの場面写真も解禁。窪塚さん演じるキチジローが、十字架を突きつけられ“転べ”と棄教を迫られている一コマをはじめ、棄教したとされるフェレイラ(リーアム・ニーソン)の真実を探るために、長崎に潜入したロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とキチジロー。長崎奉行から隠れ、山中で激しい喉の渇きを訴えるロドリゴを抱えながら、右手を差し出して川へと案内するキチジローの2ショット写真。さらに、長崎奉行所の牢屋にとらえられた隠れキリシタンたち5人の場面写真と3枚が到着。加瀬さんが演じる敬虔な信者である村人は、殴られて右目を腫らし、本作でハリウッド・デビューを飾る小松さんの村人姿も確認することができる。『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年12月28日マーティン・スコセッシ監督のもと、アンドリュー・ガーフィールドらハリウッド俳優とともに、日本から窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形らが出演することでも話題を呼んでいる『沈黙-サイレンス-』。このたび、待望の日本版オリジナル予告編が完成、場面写真2点も合わせて解禁となった。アカデミー賞受賞の巨匠スコセッシ監督が、戦後日本文学の金字塔にして、世界20カ国以上で翻訳され、現在も読み継がれている遠藤周作の「沈黙」を完全映画化した本作。日米の豪華キャストに加え、トータルでアカデミー賞受賞6回、アカデミー賞ノミネート23回を数えるスコッシゆかりの最高のスタッフと、時代考証や美術で日本人チームが参加し、舞台となる江戸初期の長崎を再現させた。届いた予告編は、「初めて原作を読んだあの日から28年、ずっとこの作品のことを考えてきました」というスコセッシ監督のメッセージから幕を開ける。冒頭から、敬虔な信徒であるモキチが荒波の中、水磔に遭うという過酷なシーンが描かれる。演じるのは、『野火』『鉄男』などの映画監督としても知られ、『シン・ゴジラ』にも出演していた塚本晋也。さらに、湯煙の雲仙で行われる信徒への激しい仕打ちを目にし、絶望的な表情で腰を落とす宣教師(リーアム・ニーソン)の姿に、「フェレイラが棄教した」と告げる神父の姿が重なっていく。「あり得ない。日本での布教活動に生涯を捧げられておられた」と驚くガルペ(アダム・ドライバー)とともに「すぐに彼を見つけ出さないと」と、ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)は長崎潜入を決意する。江戸初期、キリシタン弾圧下の長崎に着いた2人の宣教師は、弾圧の中、隠れてキリスト信仰を続けていた村人たちに匿われる。2人を長崎へと導くのは、窪塚さん演じるキチジローだ。彼は「パードレ(司祭)、どうかお助けを。弱い者はどうすれば?」と赦しを求める。だが、奉行の厳しい追及は容赦なく、イッセーさん演じる井上筑後守は、「お前のせいで奴らは苦しむことになるのだ」と、あくまでも口調は穏やかだが棄教を迫る。「我々が彼らを救うのだ」と、なおも固い信念で前に進もうとするロドリゴだったが、ついに囚われの身となってしまう。彼の牢に現れた浅野さん演じる通辞もまた、「悩むことはない“転ぶ”のだ。お前が転ばぬ限り犠牲がでる」と棄教を迫る。弾圧はさらに激しくなり、目を覆いたくなるような光景に言葉を失い、絶望の表情を見せるロドリゴ。加瀬亮、小松菜奈演じる信徒たちの運命もにおわされているが…。併せて解禁された場面写真は、ロドリゴが長崎奉行の追跡を逃れて山中をさまよう中で、キチジローが自らの罪を告白し、赦しを請う告解のシーン。さらに、奉行所に囚われたロドリゴに、「転べ」と棄教を迫る通辞の姿をとらえたもの。若き宣教師ロドリゴが見た想像を絶する日本と、彼を待ち受ける過酷な運命の一端を、ここから確かめてみて。『沈黙ーサイレンスー』は2017年1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月21日『沈黙-サイレンス-』のマーティン・スコセッシ監督も心酔する“MIZOGUCHI”こと溝口健二、そして溝口監督の弟子である増村保造という、2人の日本を代表する巨匠監督の作品42本を一挙に上映する映画祭「溝口健二&増村保造映画祭変貌する女たち」が、12月23日(祝・金)より開幕。田中絹代、京マチ子、若尾文子、香川京子ら日本を代表する女優たちがレトロモダンな衣装で魅せる“女性映画”特集となっている。溝口監督没後60年、増村監督没後30年にあたる2016年を締めくくる記念企画として開催される本映画祭。「変貌する女たち」のサブタイトルのとおり、女性が主人公の作品に特化した上映ラインナップ。文字どおり、伝説の豪華女優たちの主演作が42本も勢ぞろいし、映画祭ポスタービジュアルでも、田中絹代、京マチ子、若尾文子、香川京子という日本映画史に名を残す女優たちが競演、華やかで鮮やかな色合いに仕上がっている。世界中の監督たちに“MIZOGUCHI”として敬愛され、スコセッシ監督が4K復元を主導した『雨月物語』の溝口監督は“女性映画の巨匠”とも呼ばれるほど、女性たちの姿を描き続けていた。選ばれた14本の作品では、“世界の溝口”に演出された女優たちがまとう、美しい衣装にも注目だ。京都・祇園を舞台にした『祇園の姉妹』や『祇園囃子』では、若かりし山田五十鈴や若尾文子が華やかな芸者の衣装に身を包み、『お遊さま』では上品な着物姿の田中絹代が谷崎文学の世界観を優雅に体現。今回は、溝口監督による歴史絵巻ともいえる多くの作品も上映され、『近松物語』の香川京子、第28回アカデミー賞衣裳デザイン賞ノミネートを果たした『雨月物語』の京マチ子の妖しく美しい着物姿の「日本の美」にはうっとりとさせられそう。また、世紀の美女を描いた『楊貴妃』ではエキゾチックで絢爛豪華な衣装が楽しめ、遺作となった『赤線地帯』では京マチ子、若尾文子ら名女優たちの美の競演も必見。抜群のスタイルを活かす大胆で派手な娼婦の衣装や、木暮実千代の眼鏡美女が着こなす大胆柄の和装など、艶っぽいレトロモダンな魅力にあふれる。かたや、溝口監督の弟子にしてイタリアに留学経験もある増村監督は、谷崎潤一郎原作の『痴人の愛』など、よりエロティックでアクティブな現代女性もたくさん描き出している。『足にさわった女』の大きな女優帽とプリントミニワンピース、江戸川乱歩の世界を具現化した『盲獣』の真紅のニットワンピースとニットハイソックス、『くちづけ』の清楚なノースリーブワンピース、そして増村監督のミューズであり、いまなお「あやや」と呼ばれ、女子たちにも人気の若尾文子の健康的な魅力が炸裂する『青空娘』では、インディゴ染めのデニム風生地をカットしたノースリーブシャツなど、女優たちが着こなすファッションは必見。まさに年の瀬、正月にもふさわしい贅沢な作品群で、名画の中の女優たちのそれぞれの魅力を堪能しながら、時代性も映し出すファッションも楽しむことができそうだ。「溝口健二&増村保造映画祭変貌する女たち」(計42作品)は12月23日(祝・金)より角川シネマ新宿ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月18日マーティン・スコセッシが28年の歳月をかけて、遠藤周作の原作の完全映画化を実現させた『沈黙-サイレンス-』。来年1月からの日本公開を前に、遠藤周作ゆかりの地・仁川にある関西学院大学で、重要な登場人物・キチジローを演じた窪塚洋介を迎えたスペシャルトークイベントが実施され、窪塚さんは完成したばかりの本作について熱く語った。12月16日(金)、関西学院大学で行われたトークイベントでは、遠藤周作研究者の同大学教授の細川正義氏と、遠藤周作学会会員・ノートルダム清心女子大学教授の山根道公氏が、遠藤周作と「沈黙」について対談。その後、スペシャルゲストとして、本作でキチジロー役を熱演し、ハリウッドデビューを果たした窪塚さんが颯爽と登壇した。窪塚さんはまず、本作の感想を「懐の深い作品」とコメント。「『答えはこれなんですよ』と押し付けることではなく、答えに自ら到達するための事実を積み重ねてくれている。本当にマーティン・スコセッシ監督という人が日本に敬意を持っていてくれているなと。撮影現場で1カット終わるたびに出てきてくれて、『よかったよ!』といったサインをくれる。京都から行った太秦の職人さんたちの末端にまで敬意を払ってくれていたし、時代考証やセリフも含めて凄く丁寧に繊細に作ってくれていたので嬉しかった」と、撮影現場での巨匠監督のあり方にも感銘を受けたことを明かす。監督自身もクリスチャンではあるが「本当に目線がフラットなんです。僕らに委ねてくれる感覚が重要で、僕が思う一番の醍醐味として、“1人1人の中に答えがある、それでいいよ”と背中を押してくれる作品だと伝えたいです」と、窪塚さんはその思いを代弁するかのように語り、「浅野(忠信)さんが演じた通辞とアンドリュー(・ガーフィールド)が演じたロドリゴ神父の問答が、まさにキリスト教対仏教の問答なのでとても面白い。どっちにも肩入れすることなく描いているのでその点でも偉大な監督だと感じました」と続けた。窪塚さんが演じたキチジローという役については、「醜くて、弱くて、ズルくて…負の権化のように言われるんですけど」と説明。原作では描かれていないキャラクターの“余白”の部分について、「“イノセント”さというキーワード」に辿りついたことを明かしながら、「イノセントだから弱い、強い、裏切ってしまう…子どものころの善悪の分からないまま成長したという役の捉え方をしました」と、その役作りに触れた。先日の来日記者会見でも、監督は窪塚さんに絶賛を贈っていたが、「28年間やりたいと思って描き続けてきた『沈黙』の自分のイメージしてきたキチジローではなく、本当のキチジローがそこにいた」と監督に言われたそうで、「とても嬉しかった」と真摯にコメント。「マーティンもキチジローにものすごく共感している部分があったと思いますし、みんながキチジローの中に自分をみてしまうのではないかなと思っています」と明かした。また、特に絡みの多かったアンドリューについて、「寝ても覚めてもその役でいるという俳優さんなんです。それによって、もう撮影の後半は追い詰められたロドリゴそのもので挨拶も出来ないし…。ただ完成した映画を観て、その凄さが画に出ていて、感極まりました!役に入り込み過ぎて傍若無人な振る舞いが目立つこともありましたけど、それも映画を観て許せました(笑)」と、“窪塚節”で絶賛。途中、山根教授から「どこまでロドリゴとキチジローとの関係を描いているのか?踏み絵を踏むところで大きなクライマックスですが、そのあとの本当の関係が深まっていくところはどこまで描かれているのですか?」との質問も出たが、窪塚さんは「いわゆるネタバレですね!(笑)」と返して会場を沸かせる場面も。最後に、窪塚さんは「日本の役者さんたちも力強くて格好良くて泣きました…素直に素晴らしくて、正直辞めてもいいかなという気持ちになってます。是非、劇場で観て“沈黙”してください!うそです(笑)」と本作への手応えを覗かせていた。『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月17日アカデミー賞に輝く巨匠マーティン・スコセッシが、世界20か国以上で翻訳されている遠藤周作の「沈黙」を、日米の豪華キャストにより映画化した『沈黙-サイレンス-』。このほど、待望の日本版ポスターとともに特報映像が解禁となった。17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎。日本で捕えられ棄教した(信仰を棄てた)とされる高名な宣教師フェレイラを追い、弟子のロドリゴとガルペは日本人キチジローの手引きでマカオから長崎へと潜入する。日本にたどりついた彼らは想像を絶する光景に驚愕しつつも、その中で弾圧を逃れた“隠れキリシタン”と呼ばれる日本人らと出会う。それも束の間、キチジローの裏切りにより、ついにロドリゴらも囚われの身となってしまい…。スコセッシ監督が原作と出会ってから28年、いくつもの困難を乗り越えて実現した本作には、改めてその演技力を示したアンドリュー・ガーフィールドを筆頭に、アダム・ドライバー、リーアム・ニーソン、日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシほか、EXILE AKIRA、青木崇高、片桐はいりら、各世代の実力派が多数出演していることが発表されたばかり。そんな中、本作の舞台となる長崎の荒れた海を背景にした、ポスタービジュアルが完成。日本オリジナルとなるビジュアルは、重く暗い雲が空を覆い、激しい波が打ち寄せる長崎にたどり着いた2人の宣教師、ロドリゴ(アンドリュー)とガルペ(アダム)の姿をとらえている。棄教したとされる師フェレイラ(リーアム)を探すため、固い信念を胸に長崎へと潜入した瞬間であり、雲の切れ目からは、一条の陽光が差し込んでいるのが見てとれる。そして、ポスターの上部には、宣教師たちを導くキチジローを演じた窪塚さん、通辞役の浅野さん、激しい弾圧を行う長崎奉行・井上筑後守役のイッセーさん、敬虔な信者モキチ役の塚本さん、同じくイチゾウ役の笈田さん、さらに囚われのキリシタンの村人を演じる加瀬さん、小松さんら、主要キャストたちのそれぞれ複雑な表情をとらえている。また合わせて、劇場でも上映が開始された特報(60秒/30秒)も解禁。頑ななロドリゴに対し、すでに絶賛を受けている井上筑後守役のイッセーさんが「お前のせいでキリシタンどもが苦しむのだ」と棄教を迫る様子や、ロドリゴが目の当たりにする“犠牲”、小松さん演じる村人との交流などが描かれていく。守るべきは、大いなる信念か、目の前の弱々しい命か。強いと信じて疑わなかった信仰への思いが揺らぐ若き宣教師ロドリゴ。彼が見た想像を絶する日本とは?彼を待ち受ける過酷な運命とは?「なぜ、弱きわれらが苦しむのか――」というポスターのコピーのように胸に迫る映像となっている。『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月14日遠藤周作の「沈黙」を原作に、巨匠マーティン・スコセッシ監督が映画化する『沈黙-サイレンス-』。この度、EXILE AKIRA、青木崇高ら新たな日本人キャストが発表。また併せて、長崎奉行の武家屋敷のセットで微笑む、髭をたくわえたスコセッシ監督の姿をとらえたメイキング写真も初公開された。17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎。日本で捕えられ棄教(信仰を捨てること)したとされる高名な宣教師フェレイラを追い、弟子のロドリゴとガルペは日本人キチジローの手引きでマカオから長崎へと潜入する。日本にたどり着いた彼らは、想像を絶する光景に驚愕しつつも、その中で弾圧を逃れた“隠れキリシタン”と呼ばれる日本人らと出会う。それも束の間、幕府の取締りは厳しさを増し、キチジローの裏切りにより遂にロドリゴらも囚われの身に。頑ななロドリゴに対し、長崎奉行の井上筑後守は「お前のせいでキリシタンどもが苦しむのだ」と棄教を迫る。次々と犠牲になる人々。守るべきは大いなる信念か、目の前の弱々しい命か。心に迷いが生じたことでわかった、強いと疑わなかった自分自身の弱さ。追い詰められた彼の決断とは――。本作は、1988年、スコセッシ監督が原作「原作」と出会ってから28年、いくつもの困難を乗り越えて実現した一大プロジェクト。人間の強さ、弱さとは?信じることとは?そして、生きることの意味とは?この混迷を極める現代において、人類の永遠のテーマをあまりに深く、あまりに尊く描いた、スコセッシ監督の最高傑作にして本年度アカデミー賞最有力作品だ。キャストは主人公の宣教師をアンドリュー・ガーフィールドが演じるほか、アダム・ドライバー、リーアム・ニーソンらハリウッドスターが名を連らね、日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら実力派が出演する。そして今回、窪塚さんや浅野さんら既報キャスト以外の日本人キャストが発表!パフォーマーでありながら、「GTO」や『アンフェア the end』など、ドラマや映画でも活躍を見せるEXILE AKIRAさん、大河ドラマ「龍馬伝」「平清盛」や先日最終回を迎えた「地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子」にも出演していた青木さん、幅広い役どころを演じ分ける渡辺哲、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の出演が記憶に新しい片桐はいり、『キル・ビル』『ラストサムライ』などアメリカ映画を始め海外作品にも出演する菅田俊、プロレスラーで俳優としても活動する高山善廣、「あすなろ白書」や『冷たい熱帯魚』の黒沢あすかが決定。そのほか、井川哲也、遠藤かおる、PANTA、松永拓野、播田美保、山田将之、美知枝、伊佐山ひろ子、三島ゆたか、竹嶋康成、石坂友里、佐藤玲、累央、洞口依子、藤原季節、江藤漢斉、寺井文孝、大島葉子、西岡秀記、SABU、田島俊弥、北岡龍貴、中村嘉葎雄、斎藤歩らも出演する。2016年の賞レースには滑り込みでの参加となった本作だが、12月5日(現地時間)にLAのウエストウッド・ヴィレッジ映画館で行われた初上映会では、集まった700人近い観客によるスタンディングオベーションが贈られるなど、すでにその完成度の高さが話題に。また12日には、「第74回ゴールデングローブ賞」のノミネート発表も控え、ますますオスカーへの期待が高まるようだ。『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年12月09日マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の原作を完全映画化した『沈黙-サイレンス-』。先日、『君の名は。』がアニメ映画賞を受賞して話題となったLA映画批評家協会賞において、本作に出演したイッセー尾形が「助演男優賞」次点に選出。スコセッシも認めた、その個性派俳優の場面写真が解禁となった。原作「沈黙」は、17世紀、江戸初期の日本を舞台に、キリシタン弾圧とイエズス会宣教師たちへの迫害を描いた戦後文学の金字塔。スコセッシ監督がこの原作と出会ってから28年、いくつもの困難を乗り越えて実現した映画は、11月29日(現地時間)に発表された賞レースの前哨戦となるナショナル・ボード・オブ・レビューでトップ10作品に選ばれ、脚色賞にも輝いた。また、翌11月30日には、バチカン宮殿にて特別試写会が行われ、スコセッシ監督はローマ教皇フランシスコに謁見。長崎の隠れキリシタンが250年にもわたる弾圧の中で守りぬいた、17世紀の聖母画「雪のサンタマリア」(日本二十六聖人館蔵)の写真を贈ると、イエズス会派のフランシスコ教皇は「沈黙」を読んだことがあると語り、全世界の注目を集めた。そしてこのたび、LA映画批評家協会賞では、激しいキリシタン弾圧を推し進める井上筑後守を演じたイッセーさんが、助演男優賞の次点に選ばれるという快挙に。その何とも意地の悪そうな姿をとらえた場面写真が解禁となった。イッセーさんが演じる井上筑後守とは、残忍な弾圧政策を推し進める危険人物として宣教師の間でうわさされていた奉行。物腰柔らかなそぶりでロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)に棄教を迫り、追い詰めていく狡猾な人物だ。解禁された場面写真は、山中で囚われた隠れキリシタンとロドリゴの前に現れ、「転べ」(信仰を棄てろ)と迫る井上の姿をとらえている。猛暑と土埃に閉口しながら、手にした扇子で顔にまとわりつくハエを払ってはいるが、その佇まいはいかにも、したたか者といった様子だ。LAで12月4日(現地時間)に行われた本作初の一般試写会で、700人近い観客の前に登壇したスコセッシ監督は、イッセーさんが演じた井上のキャラクターは、すでにオーディションのときに出来上がっていたと語った。「扇子さばき、ハエをピシャリと打つ動作、口の中の埃、彼が意気消沈する瞬間―私たちは皆、お互いに顔を見合わせて『OK』と言ったんだ」とスコセッシ監督は絶賛。ロドリゴを演じたアンドリューも、そんなイッセーさんの演技に、「ヘビ使いと一緒の部屋にいたようなものだ。あなたはヘビであり、同時に食べられてしまう人でもあった」と高い賞賛を贈っている。いち早く評価されたイッセーさんの熱演。本作をスクリーンで目撃する日が、ますます待ち遠しくなってきた。『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月07日マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の原作を完全映画化した『沈黙-サイレンス-』。原作刊行50年、遠藤周作没後20年の節目の年にハリウッドと日本が融合し、アメリカでは12月23日に限定公開、2017年1月から拡大公開となる本作から、初映像となるアメリカ版予告編が解禁となった。スコセッシ監督が1988年に原作と出会ってから28年、長年温め続けてきた待望のプロジェクトとなる本作。17世紀・江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるため、日本にたどり着いた宣教師の目に映った想像を絶する現実と、人間にとって本当に大切なものとは何かを壮大な映像で描き出し、本年度の賞レースにおける最注目作品の1つとなっている。全世界が注目する中、解禁となった予告編映像には、主演のアンドリュー・ガーフィールドをはじめ、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のカイロ・レン役で日本でも広く知られることになったアダム・ドライバーのやせ細った姿が…。さらに、キチジロー役の窪塚洋介、執拗に棄教を迫る井上筑後守役のイッセー尾形に、塚本晋也、浅野忠信、そしてアンドリューと手を取り合う小松菜奈の姿も確認することができる。「主はおっしゃった『世界に赴き全ての者に教えを授けよ』」と、若き宣教師ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)が無人となった村に1人佇み、独白するシーンから幕を開ける予告編。そして、雲仙の山中で絶望し、うなだれる神父フェレイラ(リーアム・ニーソン)が映し出される。一方、教会では、「フェレイラが棄教した」ことを告げられる若き宣教師。「あり得ない。日本での布教に生涯を捧げておられた」と愕然とするガルペ(アダム・ドライバー)と、「すぐに彼を見つけ出さないと」と日本に向かうことを決意するロドリゴ。2人は師と仰ぐフェレイラの真実を確かめるために日本へと向かう。やがて宣教師たちは、キチジロー(窪塚洋介)に導かれ長崎に到着。神を信じる人々に“藁で作った十字架”を授け、隠れてミサを行う。だが、2人が匿われたトモギ村には井上筑後守(イッセー尾形)による執拗な追求が迫っていた。連れ去られる村のイチゾウ(笈田ヨシ)を見つめながら、無力な自分に涙するロドリゴ。「君たちを待っているのは苦痛だ」と告げる井上筑後守による激しい弾圧は、隠れキリシタンである村人たちと、危険な使命に身を委ねたロドリゴをさらに激しく追いつめていく。音楽の緊迫度がいっそう増し、やせ細ったガルペ、囚われたフェレイラ、神に祈りを捧げる村人たち、十字架に張りつけられ海にさらされるモキチ(塚本晋也)、懺悔するキチジロー、したたかに微笑む通辞(浅野忠信)らが次々と映し出されていく。「主よ、あなたは何故、黙ったままなのですか…」。若き宣教師ロドリゴが見た想像を絶する弾圧と、彼を待ち受ける過酷な運命。沈黙を続ける神に問いかける彼の姿が、深い余韻を残す映像となっている。『沈黙ーサイレンスー』は2017年1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年11月28日12月10日より公開される映画『ヒッチコック/トリュフォー』と、パスザバトン(PASS THE BATON)によるスペシャル企画が12月7日よりスタートする。『ヒッチコック/トリュフォー』は、フランソワ・トリュフォーが、敬愛する偉大な監督アルフレッド・ヒッチコックに熱望して実現した長時間に及ぶインタビューの貴重な音声テープをベースに制作された映画。インタビューの模様は書籍として世界中で出版され、“映画の教科書”として映画関係者始めとしたすべてのクリエイターたちのバイブルとして現在も読み継がれている。今回の映画では、当時のヒッチコックとトリュフォーの貴重な音声テープの他、ヒッチコックを慕うマーティン・スコセッシやデビッド・フィンチャー、黒沢清、ウェス・アンダーソン、リチャード・リンクレイターといった今日の映画界を牽引する10人のフィルムメーカーたちのインタビューも収録。いかにヒッチコックが偉大であり、なぜそこまで偉大と言われているのかを改めて知ることが出来る映画となっている。パスザバトンでは同作とのコラボレーション企画として、USEDのショッピングバッグの上から新たなデザインを加えた、すべて1点もののペイントオーバーバッグ(1,500円)を限定発売。映画館のチケット半券を見せると特別価格で購入出来る。また、購入者には「非売品プレスシート」もプレゼントされる。※なくなり次第終了
2016年11月28日主演のアンドリュー・ガーフィールドをはじめ、日本から窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈らが参戦する『沈黙-サイレンス-』。『タクシードライバー』や『ディパーテッド』などで知られる巨匠監督マーティン・スコセッシが挑んだ渾身作として注目を集めているが、11月17日、スコセッシ74回目の誕生日に、先日の来日時に語った本作に込めた想いが明らかとなった。本作は、17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるため、日本にたどり着いた宣教師の目に映った日本を舞台に、人間にとって本当に大切なものとは何かを壮大な映像で描いた歴史大作。スコセッシ監督は、遠藤周作による戦後日本文学の金字塔「沈黙」(新潮文庫刊) を、28年におよぶ構想の末、米日の実力派キャストをそろえて映画化を実現させた。1976年、ロバート・デ・ニーロ主演『タクシードライバー』で全世界に衝撃を与え、80年には盟友デ・ニーロにアカデミー賞主演男優賞をもたらした『レイジング・ブル』、88年にはイエス・キリストを描いて大センセーションを巻き起こした『最後の誘惑』を世に送り出した。7度目のノミネートとなった『ディパーテッド』(’07)でついにアカデミー賞監督賞を受賞。その後も、映画創生期を描いた『ヒューゴの不思議な発明』(’12)、新たな盟友レオナルド・ディカプリオとの5度目のタッグとなった『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(’13)と、精力的に映画を創り続けてきた。その一方、音楽映画にも定評があり、1978年の『ラスト・ワルツ』、ノーベル文学賞授賞で話題のボブ・ディランを追った『ボブ・ディラン ノー・デイレクション・ホーム』『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』など、抜群のセンスでアーティストたちの新たな魅力を映画に定着させている。そんなスコセッシ監督が遠藤周作の「沈黙」に出会ったのは、いまを遡ること28年前、1988年のこと、キリスト教をモチーフにした『最後の誘惑』の撮影中で、読んだ瞬間に映画化を希望したという。「宗教というのは私の人生を色濃く色づけてきたものです。私は、たびたび作品の中で裏社会を描いてきましたが、さらにいろんなテーマを深堀りしていかなければならない、言葉ではなんとも表現できない領域に到達しなければならないと感じていました。それは“信じることとは何なのか”というテーマです」と、その当時の思いを語る。やがて、「数年後から脚本の執筆が始まり、2006年にようやく執筆が終わりました。20年という歳月を経ていますので、その間、父になり、夫になり、そしてフィルムの修復、保存活動などを通じて、私自身もこの小説と共に成長を遂げたと思っています。そういう思いがあってやっと今回作るに至ったのです」。原作にある深遠で複雑なテーマや、権利関係をめぐる調整など、映画化にはとにかく時間がかかったという。また、その撮影の中では、「山中や海など、さまざまなロケ地を巡りました。これが一種のキリスト教への巡礼のような体験になりました」とスコセッシ監督。「それでも、信じるということは、いまでも、劇中のロドリゴ(アンドリュー)やフェレイラ(リーアム・ニーソン)のように試練と感じるときもありますし、自然と享受できるものではない。自らが欲して勝ち取らなければならないものだと思います。人は日々考えたり、書いたり、映画を作ったりして、人間とは何なのか、人間とは良い存在か、悪しき存在なのかということを考えていますが、その過程が、信ずるとは何なのかを探る過程なのだと思います」と、本作の製作過程こそ巡礼の旅路のようだったと語る。さらに、「『沈黙』のストーリーが私の心をつかんでやまないのは、異文化の衝突を描いているからです。信ずるという信仰を心底分かるためには、ありとあらゆる衝撃を通過しなければならないのです。そしてこの物語において、やはり(日本という)異文化の中にキリスト教を持ち込むわけですから、少しずつ削っていかなければならないわけです。そして削っていく行為こそ、その神髄に至る過程なのだと思っています」とも語っている。「こんな想いで作った私の最新作を、早く皆さんにご覧いただきたいと願っています」と、メッセージを贈るスコセッシ監督。人間にとって本当に大切なものは何か、というテーマに挑み、28年の時を経た本作の完成は、間近に迫っている。なお、本作の前売券は11月19日(土)より全国の公開劇場ほかにて発売開始。劇場窓口購入特典は、劇中写真がデザインされたオリジナルしおり(4枚セット)となっている。『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年11月17日きょう17日に74歳の誕生日を迎えたマーティン・スコセッシ監督がこのほど、最新作『沈黙-サイレンス-』(2017年1月21日公開)に込めた思いを明かした。戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の『沈黙』を、『タクシードライバー』、『ディパーテッド』のマーティン・スコセッシ監督が、構想から28年の時を経て映画化に至った本作。17世紀の江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるため、日本にたどり着いた宣教師が目にした日本を舞台に、"人間にとって本当に大切なものとは何か"を描く。キャストはアンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバーに加え、日本から窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら実力派が集結。遠藤周作没後20年、原作『沈黙』の刊行50年の節目の年に、ハリウッドと日本が融合した。監督が原作と出会ったのは1988年。「当時、キリスト教をモチーフにした『最後の誘惑』を撮っている時だったのですが、宗教というのは私の人生を色濃く色づけてきたものです。私は、度々作品の中で裏社会を描いてきましたが、さらにいろんなテーマを深堀りしていかなければならない、言葉ではなんとも表現できない領域に到達しなければならないと感じていました」と振り返り、「それは"信じることとは何なのか"というテーマです」と明かす。そして、数年後から脚本の執筆を始め、2006年にようやく執筆が終わったという。「20年という歳月を経ていますのでその間、父になり、夫になり、そしてフィルムの修復、保存活動などを通じて、私自身もこの小説と共に成長を遂げたと思っています。そういう思いがあってやっと今回作るに至ったのです」と、本作と共に成長した自身について語る。また、「今回、山中や海など。さまざまなロケ地を巡りました。これが一種のキリスト教への巡礼のような体験になりました」と撮影を振り返り、「それでも、信じるということは今でも、劇中のロドリゴやフェレイラのように試練と感じる時もありますし、自然と享受できるものではない。自らが欲して勝ち取らなければならないものだと思います」と監督。「人は日々考えたり、書いたり、映画を作ったりして、人間とは何なのか、人間とは良い存在か、悪しき存在なのかということを考えていますが、その過程が信ずるとは何なのかを探る過程なのだと思います」との考えを示した。さらに、「『沈黙』のストーリーが私の心をつかんでやまないのは、異文化の衝突を描いているからです」と説明。「信ずるという信仰を心底分かるためにはありとあらゆる衝撃を通過しなければならないのです。そしてこの物語において、やはり異文化の中にキリスト教を持ち込むわけですから、少しずつ削っていかなければならないわけです。そして削っていく行為こそ、その神髄に至る過程なのだと思っています」と打ち明け、「こんな想いで作った私の最新作を、早く皆さんにご覧いただきたい」と願っている。Photo Credit Kerry Brown
2016年11月17日マーティン・スコセッシ監督が長年温めてきた遠藤周作の小説の映画化を、日米の豪華キャストにより実現させた『沈黙-サイレンス-』。このほど、本作で主演を務めるアンドリュー・ガーフィールドの場面写真が解禁となった。早くもアカデミー賞最有力と目される本作は、スコセッシ監督が1988年に原作と出会い、その瞬間に映画化を希望し、28年に渡って温め続けてきたという待望のプロジェクト。主演のアンドリューほか、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら各世代の実力派が集結。遠藤周作没後20年、原作「沈黙」刊行50年の節目となる年に、ハリウッドと日本の融合が実現した。アンドリューといえば、2007年、ロバート・レッドフォード監督作品『大いなる陰謀』で映画デビュー。ヒース・レジャーの遺作でテリー・ギリアム監督の『Dr. パルナサスの鏡』(‘09)、今年日本でドラマ化もされた『わたしを離さないで』(‘10)、デヴィッド・フィンチャー監督の『ソーシャル・ネットワーク』(‘10)などで着実にキャリアを積み、そして主人公ピーター・パーカーを演じた『アメイジング・スパイダーマン』2作で、彼の名は世界的に知られることとなった。その後も、リーマンショック後のアメリカに生きる若者を演じた『ドリーム ホーム99%を操る男たち』などで実力を発揮。メル・ギブソン監督による沖縄戦を舞台にした主演最新作『Hacksaw Ridge』(原題)では、敬虔なクリスチャンであることから武器を放棄した救護兵を体当たりで熱演!批評家の評価も高く、アンドリューは日本発の本作『沈黙-サイレンス-』との2作品で賞レースへのノミネートが確実視されている。そんな彼が本作で演じているのは、ポルトガル人の若き宣教師ロドリゴだ。日本に渡った恩師フェレイラ(リーアム・ニーソン)の棄教の真偽を確かめるため、同僚のガルペ(アダム・ドライバー)と共に日本を目指す。長い旅の中継地であるマカオで出会った日本人キチジロー(窪塚洋介)に導かれ、長崎へとたどり着く。だが、無事に到着したのもつかの間、苛烈な切支丹(キリシタン)弾圧を行う長崎奉行の目を逃れ、敬虔な信者であるモキチ(塚本晋也)らが暮らすトモギ村に匿われることになる。今回公開された場面写真は、ガルペと共に潜伏を続けていたロドリゴが、つかの間の休息を求めて、隠れ家から外に出た姿をとらえたもの。降り注ぐ陽光によって浮かびあがるのは、手入れされていない髪に伸び盛った無精ヒゲ。それでも、ロドリゴの表情には輝ける未来を信じる信念が宿っているかのようで、その瞳は輝きに満ちている。どんな苦難にも耐える信念を胸に秘めたロドリゴだったが、この先にはさらに過酷な試練が待ち受けているとも知らず…。世界的巨匠スコセッシの演出によって、ひと皮むけた感のあるアンドリュー。より精神的な表現が必要となる難役に挑んだ若き俳優に、オスカーは微笑むことになるのか。さらにレベルアップしたその演技力に、期待は高まるばかりだ。『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年11月10日2015年に大ヒットを記録した綾野剛主演、園子温監督の『新宿スワン』。その待望の続編『新宿スワンII』が、2017 年1 月21 日(土)より公開されることが決定。綾野さん、伊勢谷友介、金子ノブアキ、山田優ら豪華なキャスト陣に加え、新たに浅野忠信、広瀬アリス、椎名桔平らの参加が明らかとなり、本予告とポスタービジュアルが到着した。スカウト会社・新宿バーストのエース格となった白鳥龍彦(綾野さん)は、勢力拡大を目論む社長・山城(豊原功補)の命により、幹部の関玄介(深水元基)と共に横浜へと送り込まれる。しかし、横浜はタキ(浅野さん)と呼ばれる男が支配する難攻不落の王国だった。警察やヤクザとも裏取引をするタキの謀略によって窮地に陥った新宿バーストは、龍彦を破門することで事態を回避しようとするが…。「オレは歌舞伎町の番犬だ。この街守るためだったら何でもすんだよ!」龍彦は逆襲ののろしを上げ、新宿と横浜は全面戦争へと突入する――。新宿歌舞伎町を舞台に主人公のスカウトマンの成長と、歌舞伎町の裏社会を描いた人気コミックスを映画化した本作。2015年5月に公開された前作は、綾野さんを主演に伊勢谷友介、山田孝之、沢尻エリカなど豪華キャストを迎え、日本映画界の奇才・園監督が実写化。最終興行収入13億円、最終動員数97万人を記録し、名実ともに綾野さんの代表作の1つとなった。そして今年2月に、続編の製作が決定。園監督が続投し、さらに今回アクション監督には『るろうに剣心』シリーズなどで世界的に活躍する谷垣健治が新たに参加。金髪パーマ頭の主人公・白鳥龍彦を演じるのは、もちろん綾野さん。そして、本作から作品に参加する新キャラクターとして、龍彦と対峙する横浜ウィザード社長・滝正樹を演じるのは、マーティン・スコセッシ監督『沈黙ーサイレンスー』への出演など、国内外で強烈な存在感を放つ浅野さん。本作で新たな舞台となる横浜に君臨し、龍彦らと壮絶なバトルを繰り広げる最恐の敵を怪演する。また、自身のキャリアで初となるキャバクラ嬢役・小沢マユミを演じるのは、主演映画『L-エル-』がまもなく公開する広瀬さん。これまで、『銀の匙 Silver Spoon』でのヒロインやテレビ東京ドラマ「釣りバカ日誌」など、女子学生や明るいキャラクターを演じることが多かった広瀬さんは、新たな境地でキャバ嬢役を熱演、綾野さん演じる龍彦を慕うヒロインとしてスクリーンに華を飾る。さらに、映画オリジナルのキャラクターとして、全日本酒販売連合会会長役・住友を椎名さんが演じ、上地雄輔や高橋メアリージュン、要潤、中野英雄ら、アクの強い個性派俳優が、いずれもキレキレの演技でスクリーンに躍動する。まさに邦画史上最強の布陣が出そろった本作に、音楽面でも強力の布陣が決定。主題歌は、前作同様「MAN WITH A MISSION」が書き下ろし、挿入歌にはこちらも前作同様「UVERworld」、そして「MY FIRST STORY」が新しく参加。公開直前の1月中旬には、挿入歌を担当する両グループが参加する『新宿スワンII』スペシャルライブの開催も決定している。これら豪華な顔ぶれが勢ぞろいした予告編映像では、新宿・バーストの龍彦と横浜・ウィザードの滝との対決だけでなく、まさかの龍彦のバースト破門、さらには広瀬さん演じるマユミの涙や、衝撃の橋からの落下シーンなども…。アクションだけでなく、『新宿スワン』らしい胸熱の絆も描かれている。<キャストコメント>●綾野剛(白鳥龍彦役)エンドロールを観終わったとき、素直に体感しました。続編を皆様に届けられることへの喜びと奇跡に感謝しかないと。この溢れる気持ちを早く皆様と共有したい。そして、『新宿スワンII』にしか生まれることのない熱量と共に「いくぞーーー!」と燃え上がっています。●浅野忠信(滝正樹役)漫画の顔が似ていて横浜出身ということもあり、これは自分がやらせていただけるならと思いました。強さの中にある緊迫感と彼の背負ったさだめは演じていてとても楽しめました。それぞれの俳優さんの迫力はかなりみものです!●広瀬アリス(小沢マユミ役)前作を知っていたので、まさか自分が参加できるとは思えませんでした。綾野さんには本当引っ張っていただきました。マユミという女の子を演じるにあたって壁が沢山ありましたが、現場では綾野さんは常に龍彦として接して下さったので、自分もマユミとしてそこにいることが出来ました。『新宿スワンII』は2017年1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:新宿スワン 2015年5月30日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015「新宿スワン」製作委員会
2016年11月09日ジョージ朝倉の同名コミックを実写映画化した『溺れるナイフ』の初日舞台あいさつが11月5日、都内で行われ、主演を務める小松菜奈と菅田将暉、共演する重岡大毅(ジャニーズWEST)、上白石萌音、主題歌を手がけ出演もした志磨遼平(ドレスコーズ)、山戸結希監督が登壇した。初日舞台あいさつ その他の写真東京から田舎に引っ越した元モデルの少女と、神主一族の跡取りの少年が出会い、強烈に惹かれ合っていく本作。マーティン・スコセッシ監督の新作で世界デビューも飾る小松は、「本当に過酷すぎて、明日死ぬんじゃないかと毎日思っていた」とわずか17日間で完遂した撮影を振り返り、「映画が公開されることも含めて、すべては当たり前じゃないんだと知った。ものづくりの大変を痛感しました」と本作への思いを新たにしていた。一方、今年だけで9本の出演作が公開される菅田は、本作が初めての恋愛映画主演となり「山崎賢人と仲がいいですけど、あいつはすごいなと思った」と恋愛映画の常連である山崎に尊敬の念。「ちゃんとカッコ良くないといけないですし、美しくなきゃいけない。そうでなければ本当に『こいつら、何やってるんだろう?』で終わるんですよ」と持論を展開した。その上で「品が良くないといけないし、でも野性味もほしい。どこか気高くないといけないし、血なまぐさい生きざまも撮らなきゃいけない」と役作りを語った。『おとぎ話みたい』『5つ数えれば君の夢』など独特の感性で少女の心情を紡いできた山戸監督は、「特に中高生の女の子は、生きていて毎日が地獄だなと思うことがあると思うんですよ。そういう地獄がここにいる二人(小松と菅田)のように天国みたいに美しければ、映画を観る甲斐もあるというもの。一番輝いているところを撮ってやるという、挑戦する気持ちで撮った」と思いのたけを熱弁していた。『溺れるナイフ』公開中取材・文・写真:内田 涼
2016年11月05日