2023年3月1日 18:30
【インタビュー】『エゴイスト』鈴木亮平が見せる弱さや葛藤――「8割は自分」だからこそ伝わる生々しさと熱<ネタバレあり>
映画『エゴイスト』が話題を呼んでいる。国内外の大作ひしめく中、初週の週末興行収入ランキングでトップ10入りを果たし、鑑賞後のレビュー、満足度でも軒並み高い評価を叩き出している。
鈴木亮平演じる浩輔と宮沢氷魚演じる龍太の激しく濃厚な愛の交わり、彼らを襲う過酷な運命、そしてゲイであるがゆえに彼らが直面する様々な困難を描いたテーマ性の深さなど、高い評価を得る理由は数多くある。
だが何よりも心に突き刺さるのは、俳優たちが発する強く、生々しい感情、特に映画の後半で、浩輔と龍太の母・妙子(阿川佐和子)のやりとりには心揺さぶられずにいられない。
これは浩輔? それとも鈴木亮平そのもの――?
昨年のアカデミー賞最優秀助演男優賞に輝いた『孤狼の血 LEVEL2』で見せた狂気のヤクザや数々の漫画原作のキャラクターなど、体重の増減などを含め、どちらかというと役柄に合わせて自身を“変身”させるというイメージが強い鈴木だが、本作では役柄と本人が一体になったような錯覚さえ感じさせつつ、弱さや葛藤、それを覆い隠そうと虚勢を張る姿を見せている。そして、そんな彼の感情を受け止める阿川佐和子の包容力――。
どのようにして彼らのやりとりは生まれたのか?公開初日の翌日、映画館での舞台挨拶を終えた鈴木亮平に話を聞いた。