「竹下景子さんにとって『連続テレビ小説』の出演は5本目になります。“ヒロインの祖母役”は、’17年秋から放映された『わろてんか』以来、4年ぶりです」そう語るのはテレビ局関係者。『おかえりモネ』では、ヒロイン・百音の祖母である永浦雅代を演じている竹下景子(67)。「作中ではすでに亡くなっている設定ですが、物語の語り手であり、回想シーンなどにも登場します。竹下さんは23歳のころに大物政治家との鼎談をきっかけに、“お嫁さんにしたい女優ナンバーワン”と言われるようになりました。それから40年あまり、本人も『おばあさん役のオファーが増えています』と、周囲に語っていますが、さしずめ“お祖母さんにしたい女優ナンバーワン”ということでしょうか」(前出・テレビ局関係者)竹下は’84年に写真家・関口照生氏(82)と結婚。’86年には長男・関口まなと(35)、’88年には次男・関口アナン(32・本名アナム)が誕生している。竹下を知る舞台関係者はこう語る。「知人たちには、『まさか息子たちが2人とも俳優になるとは思わなかった』と、語っていました。アナン君は、もともと美術大学の映像学科で学んでいました。ところが在学中に『監督は大変だから俳優になりたい!』と、言い始めたそうです。まなと君は、お父さんの照生さんの“語学は大事”という考えから、中学卒業後、イギリスに単身で留学することになりました」もともとはまったく俳優になる気はなかった長男も、劇作家シェイクスピアに感化され、“俳優の道”に目覚めたという。「まなと君も雑誌の取材に対して、『特に母には“あなたは俳優に向いていないからやめなさい”と、言われた』、と語っていました。デビュー作はハリウッド映画の『47RONIN』、出演時間は10秒ほどでした」竹下の知人は次のように語る。「親子の関係はとても良好です。今年1月に景子さんが『徹子の部屋』に出演したときにも、まなとさん・アナンさん2人ともが、コメントを出していました」まなとは“女優・竹下景子のすごさとは?”という質問にこう答えていた。《いまでも仕事を続けていること。だいたいどの現場でも、母とお仕事された方がいらっしゃること》■「小遣いは月20万円いっちゃうかも」前出の知人が続ける。「まなとさんらしい素直でまっすぐなコメントだな、と思いました。あまり知られていませんが、’19年から’20年にかけて放映された帯ドラマ『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)には、景子さん・まなとさん・アナンさんの3人がそれぞれ出演しています。景子さんは『徹子の部屋』でも3人で共演できたことを喜んでいました。実は6月には舞台『続・まるは食堂』(東京芸術劇場・シアターウエスト)で景子さんとアナンさんが共演するのです。2人ともそういったことを事前に宣伝に使おうとしないので、もったいない気もしますね」“竹下さんを主演に”という制作サイドのオファーがアナンを通じて伝えられ、彼女が承諾したのだという。「まなとさんはデビューから7年、アナンさんは6年ほどになりますが、まだ“有名俳優”とは言い難いです。景子さんは知人たちにも『今年こそは(息子たちが)売れてほしいです』と、語っています」(前出の知人)母としては息子たちへの金銭的援助もせざるをえないが、そんな関係について’17年には、《竹下景子そうです、あなたは『過保護のケイコ』》といった見出しで週刊誌の記事で報じられたこともあった。アナンの友人は言う。「アナン本人も援助については特に隠しておらず、バラエティ番組で“(小遣いは)月20万円いっちゃうかも”と明かして話題になりました。お兄さんも似たような境遇ですから、きょうだい合わせると40万円ということなのかと思いました。アナンは演技には本当に真摯に取り組んでいます。“自分は舞台に人生をかけている”という意識が強い半面、“売れること”“お金を稼ぐこと”に、あまり興味を示さない傾向があるのも確かです」バラエティ番組での“小遣い20万円発言”から5年。息子たちは2人とも30代になっているが、金銭的援助は続いているのだろうか?前出の知人に聞くと……。「以前はまなとさん、アナンさんは実家暮らしだったのですが、最近、独立して実家を出たのです。景子さんとしても“やるからには中途半端ではなく、きちんと俳優という仕事に向き合ってほしい”と考えていますし、2人が副業をしているという話も聞きません。家賃も必要でしょうし、援助は2人合わせて60万円近くになっているようです。景子さんは楽天的ですから苦にしている様子はありません。しかし息子さんたちと『早く孫の顔を見せて』という話題になったとき、『まだ俳優として食べられないから、結婚はしない!』と、断言されてしまったことは、さすがに残念に思ったようです」“お祖母さんにしたい女優ナンバーワン”が孫を抱く日はいつ訪れるのか。「女性自身」2021年6月1日号 掲載
2021年05月20日「朝ドラはお姉さん(広瀬アリス・24)が“先輩”なんです。一昨年『わろてんか』に出演した経験を踏まえ、クランクイン前にすずさんに『(ヒロインは)セリフ量もシーン数も膨大だけど、どんなに撮影が詰まっていても笑顔を絶やさないように』とアドバイス。その“教え”をすずさんはしっかりと守っていますね」(NHK関係者)広瀬すず(20)主演のNHK連続テレビ小説『なつぞら』。4月10日に放送された第9回の視聴率が23.1%と、最高記録を更新!広瀬は戦争で両親を亡くし、父(内村光良)の戦友(藤木直人)の養女として引き取られ、豊かな想像力でアニメーターを目指すヒロイン・奥原なつを演じる。「広瀬さんは役柄の『なつ』から、現場ではスタッフや共演者から“なっちゃん”と呼ばれています。共演者さんへの気遣いも常に忘れず、出演者のマイクの電源を入れたり切ったり、率先してやっていますよ」(制作スタッフ)朝ドラ第100作の記念作品として『なつぞら』には松嶋菜々子(45)、小林綾子(46)や山口智子(54)、岩崎ひろみ(42)ら、歴代の朝ドラヒロインたちも続々出演――。「昨夏から始まった北海道・十勝ロケの休憩時間には、牧場のアイスの差し入れを片手に、松嶋さんと小林さん、岩崎さんが当時の思い出を語り合い、“なっちゃん”が笑顔で聞き入っていました。また各地の収録現場のスタジオ内にはスタッフの名前と写真の一覧表が貼ってあるのですが、空き時間に“なっちゃん”は顔と名前をじっと眺めてきちんと覚えています」(前出・制作スタッフ)広瀬は今回の役作りで、あるこだわりがあったという。「“純朴で活発な農家の女のコ”っぽさが出るよう、いちばんスレンダーなときより最大3kg体重を増やして撮影に臨んだそうです。当初は意識して甘いものを食べるようにしたと聞いています。“おいしくてつい食べすぎちゃうからキケン”だそうです」(番組関係者)広瀬は撮影現場にもスイーツを差し入れしているという。「彼女がCM出演している製品を『なつぞら』仕様に変更して、『パイの実』ならぬ『なつの実』や、『コアラのマーチ』をもじった『なつのマーチ』など、オリジナルパッケージを作って、皆さんに配っていました。現在は都内で主に『東京編』の撮影を行っています。『北海道編』より顔がシュッと見えるようにメークなどでも工夫しています」(芸能プロ関係者)どんなにご当地グルメに囲まれても涙ぐましい努力で“体重3kg増”キープ。その“格闘”に勝てるのが朝ドラヒロインの証し!
2019年04月17日ドラマ『わろてんか』や『ブラックペアン』での役柄やふんわりとした容姿から、女性らしい人を想像していたら、その素顔は意外にサバサバ。葵わかなさんは、きっぱりとして男前、少年のような人でした。以前、葵わかなさんの元に取材に伺った時に、雑誌名を告げるや否やキラキラした瞳で「年末の宝塚特集をいつも楽しみにしています」と言われたことがある。宝塚をはじめとしたミュージカルへの愛を熱く語っていた葵さんが、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で初舞台を踏む。なんとこの作品は、日本では宝塚で初演され、‘11年からは話題のキャストを迎えて上演されている人気作。演出は宝塚版と同じく小池修一郎さん。これはぜひ、葵さんに話を伺わなくては!――ミュージカルファンとして、念願が叶った感覚なのでしょうか。葵:昔からミュージカルは好きでしたが、正直、自分のなかでミュージカルは観るもので、出ることは考えたことがありませんでした。でも、この『ロミオ&ジュリエット』のオーディションのお話をいただいて、「もし受かったら出られるってこと?」って思ったら、挑戦してみたくなって。そこからボイストレーニングし、必死に歌を練習しました。だから、受かった時は嬉しかったです。ただ、いざ出演が決まってからはドキドキ。観る側としては馴染みのある世界でしたけれど、自分が舞台に立つのは全く未知の領域。これまで観客の前でお芝居をしたこともないので、恐怖心はすごくあります。――でもすでに制作発表会見で、大勢のオーディエンスを前に歌を披露されていますよね。葵:ボイストレーニングの時って、歌の先生とふたりきりなんです。でも、会見のための歌稽古では、たくさんのスタッフさんが立ち会うんですよね。そこでまず緊張してしまって…。制作発表までには多少慣れましたけど、ほんの短いフレーズを歌っただけなのに、ものすごく疲れていて、それだけ気を張ってたんだなと。――稽古が始まって、憧れの世界に入っている実感はありますか?葵:舞踏会の振り起こしをした時、観ていた場面だって思って、嬉しかったです。動きが全部カウントで決まっていて、それがちゃんとお芝居に見えるというのは面白い発見でした。それに、制作発表では緊張していたのが、セリフが入ってお芝居の中で歌うとなったら、大丈夫になってきました。役柄がつくと、普段のお仕事と近くなるからなのかもしれません。――『ロミオ&ジュリエット』という題材についてはいかがですか。名作ですし、憧れのようなものはありましたか?葵:じつは、ミュージカルに挑戦したかったというよりも、この作品に出てみたいという気持ちの方が先なんです。それで、出るからには歌も歌わないと、という感じで…。最初は宝塚で観たんですが、歌がすごく素敵だったのと、いまの年齢にしかできない役だったことも大きかったです。――小学生の時に芸能界に入られて、女優というお仕事に気持ちが向かうようになったきっかけみたいなものはありますか?葵:当時はやりたいことも具体的になかったんですが、オーディションなどでお芝居する機会が増えるうちに楽しいなと思い始めて、それがいまも続いている感じです。――いままだ20歳で、大学にも在籍されています。将来の可能性がたくさん広がっているなかで、女優というお仕事に感じている魅力ってなんでしょう?葵:なんでしょう…子供の頃からこの世界にいて、アルバイト経験もなく、自分に他の仕事ができるのかなって思うんです。いまは、私にはこの道しかない、というより、自分はこの仕事以外に何もできないかもしれない、という気持ち。ただ、継続は力…じゃないですけれど、習い事でもこんなに長く続いていることって他にないし、この仕事の面白さも知っていて、課題もまだ多いので、いまはそこを果たして、続けられる限りは続けてみようと思っています。――女優に迷いを感じたことは?葵:向いてないかも、と思っても、次の仕事をいただいたり、オーデョションに受かったりすると、頑張ろう、次で挽回しようって思う。あと、過密な仕事が終わったら1週間くらい旅行するんです。そうすると気分が晴れて、頑張ろうって思えたり。基本的には、忙しくしていたいタイプなんですけど。――プレッシャーのかかるお仕事も、軽やかに乗り越えてこられた印象があって…。葵:軽やかではないですが、軽やか風に見せるのは得意です(笑)。じつは、結構悩んだり考え込んだりするタイプなんですが、それは全部、家でやる。どんなに悩んでも、自分にできることは限られている。それなら、せめて現場の雰囲気を良くしたい。だから人といる時は、できるだけ面白くない話はせずに明るくしていようと思って。あと、プレッシャーって、あまり受けない方がいいものだと思うので、そこは考えないようにしています。――大学に進学しようと思われたのはなぜですか?葵:行かない選択肢もあったんですけれど、大学ってどんなところか気になっていたし…勉強が嫌いじゃなかったんです。本を読むのも好きだし、学ぶことが苦じゃないので、仕事と両立しながら、あと4年くらいは勉強するのもいいかなと思ったんです。――でも、両立は大変ですよね。葵:実際にいま行けていないので…。ただ、切り替えは上手い方だと思います。学校では中心的存在でもなく、どちらかというと地味で、仕事の話をすることもなく、本当に普通の生徒でした。ただ、朝ドラの時は切り替える暇もなかったですね。それくらいどっぷりハマって臨んだことで、役と自分が一緒に成長していくような感じがありました。――ロミオとジュリエットは、出会った瞬間に恋に落ちますけれど、憧れはあったりします?葵:最後は悲劇ですからね…。ただ、運命の出会いには憧れますし、小さい頃は、自分にも起こると信じていました。でもいまは、ロミオとジュリエットだからそうなったんだろうと思っています。――これまでにも、ラブストーリーに出演されていますけれど、演じながらいいなぁと思ったりは?葵:いい感じのラブストーリーでも…結構、お仕事モードだと思います。考えて役作りをしたいタイプなので、なぜ彼のことが好きになったのかとか、どういうところが好きなのかとか、冷静に分析しちゃっています(笑)。ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は、2月23日~3月10日に東京国際フォーラムホールCで上演した後、愛知、大阪でも公演。ジュリエット役は、葵さんのほか、木下晴香さん、生田絵梨花さんのトリプルキャスト。ロミオ役は、古川雄大さんと大野拓朗さんのWキャスト。ホリプロチケットセンターTEL:03・3490・4949(月~金曜10:00~18:00、土曜~13:00、日・祝日休)あおい・わかな1998年6月30日生まれ。神奈川県出身。‘09年にデビューし、ドラマ『表参道高校合唱部!』、映画『サバイバルファミリー』『青夏 きみに恋した30日』などに出演。‘17年にNHK連続テレビ小説『わろてんか』のヒロインを演じ注目される。公開中の映画『劇場版ダーウィンが来た!アフリカ新伝説』ではナレーションを担当。コート¥55,000(RPKO/Sian PRTEL:03・6662・5525)トップス¥36,000パンツ¥52,000(共にAKANE UTSUNOMIYA/ブランドニュースTEL:03・3797・3673)その他はスタイリスト私物※『anan』2019年2月20日号より。写真・田村昌裕(FREAKS)スタイリスト・荻野玲子取材、文・安井千恵(by anan編集部)
2019年02月13日連続テレビ小説「わろてんか」でヒロインの藤岡てんを演じるなど、若手注目株として期待されている葵わかな。そんな彼女が、小池修一郎演出の『ロミオ&ジュリエット』で初舞台、初ミュージカルに挑むことになった。【チケット情報はこちら】今回オーディションの末に出演が決まった葵だが、このジュリエット役は初めて自ら「やってみたい」と熱望した役だという。「私が思うに、このお話ってすごく幸福で、でも悲劇的でもあり。その塩梅が私にとってはまずツボで。そして愛し合うふたりがすごく羨ましく見えますし、私たちには触れられない儚さというか、神聖さがある。ジュリエットはお嬢さまという点で憧れる部分もありますが、なによりひとつのものに命をかけた女性だってことがすごくカッコいいなと思って。今この年代でしか出来ない役でもありますし、ぜひ挑戦してみたいと思ったんです」キャピュレット家のひとり娘にして、敵対するモンタギュー家のひとり息子・ロミオと運命の恋に落ちるジュリエット。誰もが知る悲劇のヒロインだが、この少女について葵はこう分析する。「すごく不安定ですよね。強さと無知が混在しているというか。だからはたから見ると“そっちいっちゃうんだ!?”って思うようなことでも、それが若さゆえの危うさであり、魅力にもなっていて。だからこそあれだけドラマチックな運命を辿ることになったと思いますし、今回演じる上ではジュリエットの中にある芯の強さみたいなものも表現していけたらなと思います」ジュリエットにとってロミオは、最初で最後の愛する人。なぜジュリエットがそれほどまでにロミオに惹かれたのか、葵の意見を聞いてみると……。「それはあまり考えない方がいいような気がします。ふたりが出会って好きになったのは、お互いの意思というよりも、なにかそうさせられた、出会わされたからじゃないのかなと。そういうものだったんだって考えた方が、私はすごくしっくりくるんです」若干20歳ながらすでに芸歴は10年近い。撮影現場でも「緊張というよりかは、自分の役割に集中出来るようになってきた」という。だが初めての舞台の現場は今までとはまったく勝手が違うようで。「同じシーンを何度も繰り返すことも初めてですし、なにより相手役が変わるのが一番の衝撃で!普段から考えるスイッチが入っちゃうとわりと頭で考えちゃうタイプなので、こうだって決めつけず、がむしゃらに走りたいなと思います」『ロミオ&ジュリエット』は2月23日(土)から3月10日(日)まで、東京・東京国際フォーラムホールCで上演。その後、愛知、大阪を周る。取材・文:野上瑠美子
2018年11月21日NHK連続テレビ小説『ひよっこ』『わろてんか』をはじめ、ドラマに映画に大活躍中の個性派俳優・松尾諭が、草なぎ剛とともに戯曲家エンダ・ウォルシュによる『バリーターク』の舞台に出演。松尾は草なぎ演じる男1と日常生活を送る男2の役で、バリータークという村の話をひたすら語り続け、奇妙な共同生活を送っているという、ある種特異な物語だ。「もともと端のほうでギャーギャー言っているほうが性に合っている」と自己分析する松尾だが、今回は草なぎとのほぼ二人芝居というメインキャスト。数々の映画や朝ドラ効果について「でも、いまきている感はないですね(笑)」と謙遜するが、引く手あまたとなった人気俳優に、今回の舞台ことや今後の活動のことなど、俳優としての今に迫った。○高橋一生から聞いていた白井晃演出――今回の舞台『バリーターク』ですが、最初の感想はいかがでしたか?最初、わけわからんと思いました(笑)。ただ、演出の白井さんとは一度仕事をしてみたいと思っていて、白井さんの舞台に出てみたいともかねてから思っていました。高橋一生君と仲が良くて、彼がよく白井さんの舞台に出ていて。一生君の舞台を観に行くと白井さんの舞台ということが多く、彼からも白井さんのことはよく聞いていて、そういう意味でも楽しみなことが多かったですね。――具体的には?セリフがすごく多かったり、その意味が難解だということも含めて、楽しみだなということが最初の印象ですかね。いろいろな人に出ることを言いたかったけれど、発表するまで待たなくてはいけなかったので、待っている間誰にも言えなかったことがストレスでした(笑)。人に言いたくてしょうがなかったのですが。――今作も難解そうですが、そういうタイプの作品が好みですか?そうですね。以前出たドイツの劇作家の舞台も難解で、デヴィッド・リンチの映画も難解で、そういう作品が好きなんだと思います。答えはないだろうけれど、余白が多いので、そのスキマをこっちで埋めていくという作業が好き。今回もそれに近そうなイメージです。最初、白井さんに会って話を聞いた時に、デヴィッド・ボウイが原作のエンダ・ウォルシュと親交があったと聞いて、デヴィッド・ボウイはリンチの大ファンで作品にも出ているくらいですから、彼が好きだったと思いながら読み進めると入りやすくなった。確かに世界観などが共通していそうで、最初はわけがわからないと思っていた台本が、興味を持って読めるようになりましたね。――高橋一生さんのアドバイスはありましたか?「白井さんは俳優にとってとてもいいよ」と。「すごく好きだし、体育会系だから松尾君と合うと思う」と。その意味がいまいちよくわからなかったのですが(笑)、稽古が始まってわかったんですけど、白井さんは休憩をまったく取らない。一生君なりにオブラートに包みながら言ったことが、体育会という表現だったのかと。先日、野間口徹さんに会った時にも、「白井さんでしょ? 休憩全然取らないでしょ?」と言われて、そういうことかと。でも、白井さんもよく言われるみたいで、気をつけるようにはしていると言っていました。僕ももともと体育会系なので、楽しみながらやっています(笑)。○新鮮な中心人物を演じてみて――以前の会見で「もともと端のほうでギャーギャー言っているほうが性に合っている」と言われていましたが、こういうメインを務めることで何か思うことはありますか?最初、真ん中に出て行くほどセリフが多くなるので大変だなと思いましたけど、方法論が違うだけで、人様に見せるという意味ではやっていることは同じなんですよね。相手に対してセリフを投げるなど、根本的なことも一緒ですよね。端っこでギャーギャー言っていることも、内側でギャーギャー言っていることも、そうは変わらない。「こんな番手で無理です」ということもなかった。「おっしゃ、やったるで!」という意気込みも、端っこでも思っていることなので同じでしたね。――なるほど。来てみたら同じだったと。まあ何年も前であれば、もうちょっとビビっていたかもしれないですけど、いまはこういう機会を与えていただいて、十分楽しめるようになりましたね。幕が上がってみないとわからないですけど、すごく面白くなるんじゃないかなという期待も多いです。今回、小林勝也さんもいらして、3人で面白いものができればいいなと思っています。ちょっときれいごと言っていますけど(笑)。○朝ドラでの成長と反響――ところで、いまのご活躍ですが、二期連続で朝ドラにも出られて、朝ドラ効果も感じているところでしょうか。それはまったくないです(笑)。大阪で撮影していたので信号待ちなどをしていて、大阪のおばちゃんは見かけるとすぐ声をかけてくれることはありましたが、街中を歩いていてすぐ話しかけられるほどの反響はないですよ。ただ、『わろてんか』では広瀬アリスちゃんとふたりで漫才をやっていたので、今回も草なぎさんとのふたりの会話劇があって。どこか漫才ではないけれど、かけあいみたいなことがあったほうがいいみたいな話になった時に、直前まで『わろてんか』をやっていたので、同じ流れでできそうだなとは思いました。あのテンポ感はやっていてよかったなと思いました。――『シン・ゴジラ』の時は、「まずは君が落ち着け」がブームになりました(笑)。街中でペットボトルを渡されて、いきなり頼まれたことはありましたけど(笑)。だいたい僕のほうが落ち着いていないので、なんなら僕にやってほしいくらいです(笑)。『シン・ゴジラ』の時は現象としても凄かったので、そういう反響はありましたね。でも、今でも多いのは、実は『SP』なんです。10年くらい経っていますけど、『SP』のことを言われることは多いんです。人によってイメージが違うんですよね。――大注目されて、意識も変わったのではないでしょうか?仮に自分が主演ならと思うこともありますが、朝ドラの主演は無理です。負担がすごい。毎日膨大なセリフの量で、それを10カ月続けるなど無理(笑)。ちょっと無責任なほうがいいというか、もちろん責任をもって仕事をしていますが、主演は全然違う。『わろてんか』の葵わかなちゃんを見ていて、19歳なのにすごいですよ。守ってあげたいなとも思いつつ、10カ月も。僕42歳ですが無理ですね(笑)。――また、俳優としての経験値については、朝ドラを経て思うところはありますか?今まできれいな女優さんとの距離が近い役どころがなかったんですけど、仮にあっても「僕みたいなものが見つめてすみません」みたいなコンプレックスがひどくて、でも今回はアリスちゃんで免疫がつきましたね。性格的に合ったということもあって、ついに美人に慣れたなあと。後は大阪の美味い店をさらに知ることができてよかったです(笑)。○草なぎと役柄チェンジで再演希望――『バリーターク』を経て、今後、どういう作品に挑戦したいですか?僕は作っている過程が好きで、ひとつの作品をじっくりと時間をかけて作り込みする作業は舞台ならではで、大好きです。舞台はライブ感ってよく言いますが、作り込みに惹かれます。ただ、舞台をやりたいとは思っていますが、実際時間がかかるし、稽古前にストレッチをよくするので、健康的にやせていくんですよね。あまりやせると不都合というか、イケメンと競合してしまうじゃないですか(笑)。――そんな心配が(笑)。いえ(笑)。作品は、いろいろな喜劇、シェイクスピアなども挑戦してみたい。この舞台を経て好評だったらアイルランドでも公演してみたいですし、草なぎさんの役柄とチェンジして再演もしてみたい。見えている世界が変わるような気がするんです。草なぎさんの視点になると、またセットも作品も違って見えそうで。本当に対照的なふたりなんですよ。機会があれば、僕の役柄を演じている草なぎさんの姿をみてみたいですね。舞台『バリーターク』は、4月14日から5月6日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場、5月12日から6月3日まで東京・シアタートラム、6月16・17日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演。■プロフィール松尾諭1975年生まれ、兵庫県尼崎市出身。2001年、映画『忘れられぬ人々』で俳優デビュー。2007年、フジテレビ系列のテレビドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』で主要SP役の人、山本巡査部長役に抜擢され、大きな注目を集め、以降、映画『テルマエ・ロマエ』(12)、『進撃の巨人』(15)、『シン・ゴジラ』(16)など、多数の映画・ドラマで存在感ある脇役として活躍中。NHKの連続テレビ小説には、2017年前期『ひよっこ』、2017年後期『わろてんか』と二期連続で出演。お茶の間にも強烈な印象を残す。現在、文春オンラインにて、「拾われた男」を好評連載中。■著者プロフィール鴇田崇映画&ディズニー・パークスを追うフリーライター。年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートをひたすら取材しまくる。ジョン・ラセター、アラン・メンケン、キャスリーン・ケネディ、バイロン・ハワード、ティム・バートンなど、ディズニー映画関連人物のインタビュー経験も豊富。世界のディズニー・パークスでは東京だけでなく、アナハイムも偏愛している。instagram→@takashi.tokita_tokyo※草なぎのなぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀
2018年04月19日NHK連続テレビ小説『ひよっこ』『わろてんか』をはじめ、ドラマに映画に大活躍中の個性派俳優・松尾諭が、戯曲家エンダ・ウォルシュによる『バリーターク』の舞台で草なぎ剛と共演。松尾は草なぎ演じる男1と日常生活を送る男2の役で、バリータークという村の話をひたすら語り続け、奇妙な共同生活を送っているという、ある種特異な物語だ。「これは男が同棲している話です(笑)」と語るように草なぎとの共同作業がメインの作風で、実際草なぎの存在に「助けられています」と語る松尾。共同作業を経て輪郭がはっきりしてきた作品のこと、そして草なぎとの共演の感想を聞く。○草なぎの声の魅力を発見――まず本作に出ると決まった時、率直に何を思いましたか?僕にとっては5~6年ぶりの舞台だったので、まずそれがうれしかったですね。内容を知る前にテンションが上がりましたが、次に内容を聞いて草なぎさんとほぼ二人芝居だと知って「え!?」って、びっくりしました。僕は端っこのほうでわーわー言っているほうが性に合っていると思っていたので、衝撃は大きかったですね。舞台のチラシを見ていただいてわかるように、ほぼ真ん中にいますので(笑)。――草なぎさんとほぼ二人でメインを務めることについては、いかがでしたか?以前、ちょっとだけ仕事をしたことがあるのですが、それは本当にちょっとだけで、しかも草なぎさんは覚えていなくて、「初めまして」と言っていました(笑)。のちのち「そういえばあの時に(笑)」みたいな話にはなりましたが。以前、草なぎさんの舞台を観に行ったことがあって、すごく魅力があるお芝居をする方だなという印象が強かったですね。ご本人自体に魅力がある人だなという印象も含めて。――実際、今回の稽古などを通じて、それまでのイメージと違う点などありましたか?以前拝見した舞台では、男らしさもありながら、ちょっと中性的な役柄で、その感じがすごく素敵だったんです。でも今回、ご一緒していて、声がすごく印象的だと思いました。だからひとりで活字の台本を読んでいるのと、人の声を通して聞くのとでは全然違いますが、「ああそういうことか」と。草なぎさんも僕としても完全には物語を解釈してはいないですけれど、解釈とかそういうことではなく、男1として草なぎさんがしゃべっている姿を見ているだけで、話の世界にグッと近く入っていけた。それはすごく発見でしたし、びっくりしましたね。――向こうのほうから、歩み寄って来てくれている?どうでしょうか。「僕に歩み寄っていますか?」などと聞いたことないのですが(笑)。ただ、ここをこうしよう、ああしようとか、そういう会話はまったくしていないんです。そもそも、ふたりしてべちゃくちゃしゃべったりもしていないんですけど、立ちだしたら自然ですね。抽象的な台本なのでちょっとした動きの違いで、やっぱりセリフも変わってくるから、試そうと思って違う動きを毎回するのですが、草なぎさんもするんです。僕がすれば草なぎさんもついてきてくれるし、その逆もある。そういうことがスッとできるって、草なぎさんだからなのかなと。もしかすると、歩み寄って来てくれているのかもしれないですね(笑)。○草なぎの独特な感性と柔らかさ――『バリーターク』は、これという答えがないタイプの作品ですよね。ここがこうなってこうみたいなわかりやすい作品が多いなか、それとはまったく逆のタイプの作品で、ここにふたりの男がいて、もう一人男が来ます、あとはご自由に、みたいな感じですよね。観る側の人もちゃんと感じることができる作品なので、漫画よりも小説よりも文芸に近い作品かもしれないです。でも僕はすごく世界観が好き。僕は漫画も好きですが、どこかジョジョっぽかったりもするんです。そこまで小難しい話ではなくて、すごく通っているものが普遍的だったりもするんですけど、頭だけで考えるとわけがわからないかもしれない。ガチガチにならず、草なぎさんと僕が変なことしてしゃべっていると思えば、ラクに観られる。考えるよりは感じたほうがいい感じの作品だと思いますね。――お話をうかがっていると、草なぎさんとは相性が良さそうですね。草なぎさんはどう思っているかわからないですが、いままでに会ったことがないタイプの人ではありますね。感性も普通の人とは違う。僕はけっこうディスカッションなどが好きなので、演出の白井さんにもバカなふりをしていろいろと言うんですけど、草なぎさんは黙って聞いていて、あまり自分から言い出すことはないんです。でも先日、めずらしく、「これって実はこの人とこの人がグルなんじゃないですか?」って。そんなこと誰も考えたことがなかったのに、ああ意外にそうかもと。着眼点がまるで違うんです。考え方も柔軟ですし、芝居の対応もやわらかい。僕のほうが年上の役柄ですけど、草なぎさんのほうが年上でキャリアも上ですから、僕はもう安心して心の中ではお兄ちゃんと(笑)。でも、幕が上がるとギスギスするかもしれないですけどね(笑)。――休憩中など、どういう会話を?「それはどこのお茶なの?」とか「何を読んでいたんですか?」とか、わりと普通ですかね。球を投げたらパッと返ってきてすぐ終わり、みたいな感じで。おいおいもっと話すようにしようかなとは思いますが、かといってどういう話をするかはわからないですけどね。すごく優しいんです。もうちょい、プライベートに食い込んでみたいですね。――そういうほぼ二人だけのお芝居を経て、何か新たな発見はありましたか?これがひとりの芝居であれば、あわあわしていたかもしれないですね。でも逃げの発言じゃないけれど、全部ひとりで背負いこまなくていいんです。共有していける。草なぎさんもスッとそこに立っていて、そこも僕にはありがたい。やってみると、意外に気を使わずにやれているんです。でも始まったら、緊張でぐちゃぐちゃになるかもしれないですけれど(笑)。○「男たちが同棲している話です(笑)」――最後にうかがいますが、『バリーターク』は、どういうお話だと個人的に受け止めていますか?男たちが同棲している話です(笑)。でも、そうなんです。そこで生が死がと言い出すとややこしくなるんですけど、本当にふたりの男が一つの部屋で生活して、毎日を営んでいるところに、ある日波風が立つ。その生活を壊すことが幸せなのか、続けることが幸せなのか、そう考えると難しくなるんですけど。兄弟でもない、他人でもない、血もつながっていない、友情みたいなものは、もちろんあると思いますが。――人生で時に起こる大きな変化を受け入れる、というお話かもしれませんね。二人だけの生活を何十年もやってきたけど、他人ですからいつしか破たんがくる。日々同じように暮らしていることが幸せなのか、変化を求めてたとえば仕事を辞めることが幸せなのか、会社に骨を埋めるか転職するか、みたいなことですかね。そういう意味だと、普遍的なところもあって、難しい話ではない。ちょっと言葉の端々を捕まえて考えると、世界観が広まっていくとは思います。最初はゆるく観始めて、観終わった後に、いろいろと考えてほしい。そのほうが面白いと思う。描写がちょっと変わっているだけで、ごくごくありふれた人たちと、その男たちをとりまく話ですから。舞台『バリーターク』は、4月14日から5月6日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場、5月12日から6月3日まで東京・シアタートラム、6月16・17日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演。■プロフィール松尾諭1975年生まれ、兵庫県尼崎市出身。2001年、映画『忘れられぬ人々』で俳優デビュー。2007年、フジテレビ系列のテレビドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』で主要SP役の人、山本巡査部長役に抜擢され、大きな注目を集め、以降、映画『テルマエ・ロマエ』(12)、『進撃の巨人』(15)、『シン・ゴジラ』(16)など、多数の映画・ドラマで存在感ある脇役として活躍中。NHKの連続テレビ小説には、2017年前期『ひよっこ』、2017年後期『わろてんか』と二期連続で出演。お茶の間にも強烈な印象を残す。現在、文春オンラインにて、「拾われた男」を好評連載中。■著者プロフィール鴇田崇映画&ディズニー・パークスを追うフリーライター。年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートをひたすら取材しまくる。ジョン・ラセター、アラン・メンケン、キャスリーン・ケネディ、バイロン・ハワード、ティム・バートンなど、ディズニー映画関連人物のインタビュー経験も豊富。世界のディズニー・パークスでは東京だけでなく、アナハイムも偏愛している。instagram→@takashi.tokita_tokyo※草なぎのなぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀
2018年04月18日新年度が始まり、“朝ドラ”ことNHK連続テレビ小説も新たに「半分、青い。」がスタートした。先の「わろてんか」では、吉本新喜劇の女性創業者をモデルにした物語で、ヒロイン“てん”役の葵わかなと夫・藤吉役の松坂桃李のみならず、2人を取り囲む個性的なキャストたちもそれぞれ人気者となった。てんの成人した息子役を演じた成田凌も、その1人だ。さらに成田さんは、井浦新と共演した映画『ニワトリ★スター』で、“ニワトリ”のような赤髪のモヒカン頭で全身タトゥーのうだつの上がらない青年というかつてない役柄に挑戦。これまで、イマドキのカリスマ美容師や主婦にアプローチする役者の卵など、すらりとしたルックスに長いまつげと愛嬌あふれる小動物系スマイルを生かしながら、さまざまなモテ男を演じてきたが、そんなイメージを覆す役柄にも果敢に挑んでいる。このほかにも今年は話題作が目白押し。次なる境地へと向かう成田凌の脱皮を、まさにいま私たちは目撃しているといえそうだ。■愛嬌のあるルックスでヒロインの息子役を好演!「わろてんか」同作が連続テレビ小説初出演となった成田さん。アメリカから帰国し、家業の北村笑店を手伝うことになった息子・隼也役で1月29日(月)の第18週から登場した。アメリカで最先端のエンタメを肌で感じてきた隼也は、昔気質のてんや風太(濱田岳)たちとぶつかりながら跡継ぎとして成長していくものの、銀行令嬢・つばき(水上京香)と“駆け落ち”するという役どころだ。やがて太平洋戦争が始まると、隼也も出征。なんとか戦火をくぐり抜けた北村笑店の面々が勢揃いする日は再び訪れるのか、ヤキモキしながら迎えた最終回では、まるで「吉本新喜劇」の原点のような寸劇にも参加した。それぞれが自分自身の役柄を演じ、北村笑店の歴史をふり返る中、成田さん演じる隼也が伊能栞(高橋一生)役を務めた際には、視聴者から喜びの悲鳴が聞こえてくるかのようだった。なお、4月21日(土)20時~BSプレミアムにて放送されるスピンオフドラマでは、本編では触れられなかった知られざる4つの物語がオムニバス形式で描かれるという。風太とトキ(徳永えり)や「リリコ・アンド・シロー」の広瀬アリスと松尾諭ら、人気を博したキャラクターたちのエピソードとともに、隼也とつばきが駆け落ち以来、大阪に初めて戻るエピソードもあり、「わろてんか」の世界にいる成田さんにもう一度出会える。■キラキラ美容師から頼りない研修医まで、その振り幅に定評あり1993年11月22日生まれ、現在24歳の成田さん。「MEN’S NON-NO」の専属モデルとして2013年より活動をスタート、飄々としたマイペースなキャラと自由度高い独特のセンスで知られている。俳優デビューは高梨臨とW主演した「FLASHBACK」(2014年)。その後、広瀬すず&神木隆之介の「学校のカイダン」では学校を取り仕切る“プラチナ8”の1人、大倉陸を演じて注目を集め、いま第一線で活躍する若手俳優と共演した「She」や「ブスと野獣」をへて、NHK BSプレミアムの「ふれなばおちん」では、長谷川京子演じる主婦に恋する役者の卵、佐伯役を好演。当初は「女はみんな同じですよ」と言い放っていたモテ系男子が叶わぬ恋に落ちていく様子を、繊細に演じる姿がハマっていた。さらに、2016年の「逃げるは恥だが役に立つ」では、百合ちゃん(石田ゆり子)の部下、梅原役に。もしや大谷亮平と石田さんをめぐる年下男子バトル? かと思いきや、最終回にまさかのカミングアウトがあったことは、社会現象化した同作の中でも画期的な出来事の1つだった。■「逃げ恥」から「コード・ブルー」まで4期連続でドラマ出演また、2016年公開の竹内結子×橋本愛の映画『残穢 -住んではいけない部屋-』においても存在感を発揮。大ヒット作『君の名は。』ではテッシーこと勅使河原の声を務め、『キセキ ーあの日ソビトー』では菅田将暉、横浜流星、杉野遥亮と「GReeeeN」のメンバーを演じていたことも記憶に新しい。そして、桐谷美玲主演「人は見た目が100パーセント」では、実際に美容師免許を持つ成田さんが念願の美容師役に。慣れた手つきで編み込みをするシーンは桐谷さんのみならず、多くの女子たちをときめかせたが、実は“ゲス”な一面を持つダメ男だったことも話題を呼んだ。4クール続けての連ドラ出演となった「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~3rd season」では、それまでのキラキラとしたモテキャラから一転、自分に自信が持てない気弱な救命救急フェロー・灰谷俊平役を演じて絶賛された。同作では、同じくフライトドクターを目指す有岡大貴(Hey! Say! JUMP)や新木優子らとともに成長していく姿を見せたが、7月27日より公開される劇場版では、もう少し頼もしくなった彼らを目にすることができそうだ。■赤髪に全身タトゥー、R15指定映画『ニワトリ★スター』で泣かせる!別人のようなキャラといえば、モデルとしても先輩である井浦新と共演したR15+指定のバイオレンス・ラブ・ファンタジー『ニワトリ★スター』だ!深夜のバーでアルバイトをする草太(井浦さん)と気ままな自由人・楽人(成田さん)は、大麻の密売で生活をし、ときどきその一部を“頂戴”しながらその日暮らし。あるとき、ヤクザに関わってしまったことから予測不能な事態に巻き込まれ、2人の運命がかけ離れていく。劇場公開に向けクラウドファンディングが実施された際には、目標金額100万のところ4.5倍以上となる460万円強が集まり、現在、全国にて順次公開中。物語は、宇宙ロケット旅行から裏社会のドラッグ売買に依存症、DVなどが描かれ、少々(いや、かなり)ヘビーな描写があるものの、井浦さんとのバディムービーとしてもファン必見。ラストには成田さん、そして井浦さんの熱演に号泣するという、それこそ“見た目”とは違う至極シンプルな愛に貫かれている。成田さんは、この楽人役をどうしても演じたいと、かなた狼監督に猛アピールしてオーディションで“勝ち取った”という。「体、時間、人間関係、感情、欲、全てをこの作品に持っていかれてしまいたい、捧げたいと思い、必要のないものは排除し、必要なものは求め、染み込ませ、受け入れ、生活にし、大阪という街に、人に、生かされた、2016年の夏(撮影時)でした。俳優として、この上のない贅沢な時間、全てが挑戦であり、全てが“星野楽人”という人間を生かすためのものでした」とコメントしており、並々ならぬ熱の入りようだ。撮影前のワークショップでは、井浦さんとの10日間の“濃い”共同生活を送ったことが伝えられているが、暴力にまみれた理不尽な世界に身を落としていく楽人を演じるために、監督の前で素っ裸で「AKB48」を踊ったこともあったとか。また、初日舞台挨拶では相手役を務めた紗羅マリーの「(成田さんと)手をつないで、見つめ合って“人生を語れ”と(監督に)言われたんです」という言葉に、「自分の汚い部分も全部共有しないと成り立たない、いいものにはならないので、墓場まで持っていく話を2時間、手をつないで目を見てしました」とも明かしていた。「大げさでなく、この作品で僕の役者人生が始まる」とクラウドファンディングのコメントビデオでも語っている成田さん。淡々とした語り口ながら、その熱量が節々ににじみ出ており、文句なしの代表作を手に入れたといえる。■吉田羊・橋本愛・門脇麦らと共演!映画界での活躍が止まらないもともと役者志望だったというだけに、“同僚”坂口健太郎がブレイクしていく様子を、もしかしたら忸怩たる思いで眺めていたかもしれない。とはいえ、いまでは日本映画界になくてはならない若手俳優の1人になりつつあり、次世代カメレオン俳優の声も聞かれている。吉田羊主演、鈴木おさむの監督デビュー作『ラブ×ドック』(5月11日(金)公開)では、広末涼子とともに、吉田さん演じる主人公・飛鳥の恋を翻弄する不思議な診療所「ラブドック」のスタッフに。先日公開された予告映像でも、どこかSFチックで怪しげな姿は早くも話題。また、橋本愛、そして門脇麦という実力派とともに、山内マリコ原作の「ここは退屈迎えに来て」映画化(2018年公開)にも出演、監督は『ママレード・ボーイ』の廣木隆一が務める。高校時代の憧れの存在だった「とにかく格好良くって、背が高くって、サッカー部のエースで、不良とも適度に仲がいい」椎名くん役に抜擢されており、久々のモテ役に期待が高まらずにはいられない。さらに、門脇さんが主演を務め、漫画家・岡崎京子が1994年に発表した青春物語「チワワちゃん」の映画化(2019年)への出演も発表されたばかり。「ヘルタースケルター」「リバーズ・エッジ」も映画化され、時代を鮮烈に切り取ってきた岡崎氏の作品であり、『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY - リミット・オブ・スリーピング ビューティ-』で商業映画デビューを果たした二宮健が監督、共演には村上虹郎や寛一郎、玉城ティナ、新人の吉田志織ほか、栗山千明や浅野忠信と、こちらも話題性には事欠かない。同作にも「僕たち俳優部は監督を信じて、ただ前だけをみて仲間を信じてこれからの毎日を生きます」「役者をやっていてよかったと言える作品になることを願い、ヨシダという役を愛し、生きたいと思います」と意気込みを語っており、俳優・成田凌の“本懐”のようなものが見えてくる。もしかしたら彼は、日本映画界の新たな“風雲児”になり得る存在なのかもしれない。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラブ×ドック 2018年5月11日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開©2017 『ラブ×ドック』製作委員会ここは退屈迎えに来て 2018年秋、全国にて公開© 2018「ここは退屈迎えに来て」製作委員会劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 2018年7月27日より全国東宝系にて公開© 2018「劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命-」製作委員会
2018年04月05日いよいよ最終週を迎えた朝ドラ『わろてんか』。葵わかな演じる主人公てんは、妻、母、夫亡きあとは寄席チェーンの女興行師として「どんなにつらいときでも、笑って乗り越えていく」をモットーに、凛として生きてきました。舞台は明治から昭和初期の戦争時代。特に後半は、普通に生きていくこと自体が厳しい戦下の激動期です。愛する夫・藤吉(松坂桃李)と抱いた「笑いのビジネスを成功させる」という目標がようやく達成されたかに思えたのに、なんとまたふりだしに戻りそうな怒とうの展開に!それでもなぜ、てんは希望を失わず、前進し続けることができたのでしょうか? てんの半生をふり返ってみると、夫との愛と夢に腹をくくった生きざまが見えてきました。■松坂桃李に添い遂げる覚悟。高橋一生の役回りは?愛する藤吉(松坂桃李)と、両親の反対を押し切って駆け落ちしたてん。そのときてんは、母・しず(鈴木保奈美)から喪服を受け取ります。「貞女は二夫に見えず」を物語る白い死に装束は、「愛した人には一生添い遂げる」という覚悟の象徴でした。しずによると、それを縫ったのは祖母のハツということで、おそらく藤岡家の女たちは、もともとそう刷り込まれて育ってきたのかもしれません。実際、てんの父・儀兵衛(遠藤憲一)としずも夫唱婦随(ふしょうふずい)を画に描いたような夫婦でした。すなわち腹をくくり、愛した人に一生ついていくこと。それは『わろてんか』が一貫して描いたテーマでもあり、その愛の力で人生が切り開かれていきます。てんの息子・隼也(成田凌)がつばき(水上京香)と駆け落ちするというくだりも、そのテーマの反復です。じつは隼也も、母てんや父・藤吉と同じように愛する人と歩む道を選んだに過ぎない。そして息子の駆け落ちにより、てんは初めて自分の両親がどれだけ心を痛めたのかを自ら思い知らされることになります。隼也と久しぶりに再会したてんが、「わろてるか?」と心配して尋ねるくだりも、その昔、てんが駆け落ち後に再会した父・儀兵衛とのやりとりと同じです。隼也の笑顔を見て、息子の幸せを確認したてんの表情がじつに味わい深い。愛に生きるという息子を肯定しつつ、じつは自分自身の生き方をも肯定できた瞬間でした。視聴者としては、藤吉亡きあと、絶大な支持率を得ていた伊能栞(高橋一生)になびかないのかしら? というほのかな期待もありましたが、てんはまったく揺らがず、これまでどおりの距離感で伊能と交流していきます。伊能が渡米する前に、てんと2人で“ラストダンス”を踊るシーンでは、友情や同志愛という言葉では言い尽くせない深い絆を感じました。互いの心のうちは、2人のみぞ知るところ。でも、藤吉への愛をまっとうするてんだからこそ、伊能はつかず離れずの大きな愛で、静かにてんを支え続けたのでしょう。■女性が働くことが厳しい時代に、てんが多くの人に支えられたワケ亡くなってからも、幽霊としててんの前に登場し続けた藤吉。これはかなり画期的な試み! 夢枕に立つとか、回想シーンが連打されるというのがこれまでの朝ドラの常とう手段でしたが、やはり『わろてんか』は夫婦の物語ということで、脚本家の吉田智子もそこを貫きとおした感じです。残されたてんは北村笑店の社長となり、女興行師として会社のかじ取りをしていきます。ここでてんを支えたのが“北村ファミリー”でした。シングルマザー、しかも細腕で社長という重責を背負いながら、てんがくじけなかったのは、やはり社員を含めた大きな家族の存在が大きかったと思います。幼なじみでずっとてんを支えてきた風太(濱田岳)とおトキ(徳永えり)夫妻はもちろん、永遠の王子キャラである伊能、そして北村笑店の全員が、てんをあらゆる側面で支えていきます。なぜ、てんは彼らに手厚くサポートされるのか? それは彼女がこれまで彼らを家族として大切にしてきたから。北村家の3つの家訓「始末・才覚・算用」に加え、てんが行動で示した「人財」。まさに「人は財なり」ということで、てんは人生において、家族というかけがえのない財産を築き上げました。もちろん悲しいできごとに涙する局面もありましたが、そういうときも、周りの家族が寄り添ってくれました。情けは人のためならず。つねに人の立場になり、相手を思いやってきたてんですが、その恩恵はそのまま自分に返ってきました。本当に思いやりの大切さを痛感させられます。■戦争で焼け野原となった広場で、何かが起こる!?戦争の建物疎開ということで小屋もたたみ、その後焼け野原となってしまった大阪。てんの目に映ったのは、おそらく絶望的な光景だったと思います。間違いなく、てんにとっての最大の試練となることでしょう。「一生、わろてんか」という藤吉の決めぜりふで結婚したてん夫妻。そんな逆境を前に、てんをもう一度立ち上がらせるのは、きっと藤吉と2人で追い求めた夢でしょう。戦争で物質的にいろんなものを失ったてんですが、「一生、笑って生きていく」と決めた藤吉との約束を忘れたわけではありません。はたして最後の最後で、てんはどんな笑顔を見せてくれるのでしょうか?夫・藤吉との愛に生き、その夢を支え、いつしか自分の夢としてきたてん。そんな生活はまさに山あり谷ありの連続でした。それでもてんと藤吉夫婦がみせてくれたのは、どんな局面でも笑顔を忘れないことで、希望が生まれていくというメッセージ。時代は違えども、夫婦を襲う困難な局面、子育てのつらさと喜び、そして働くということに、腹をくくって笑顔で挑んだてんの生き方には、見習いたいものが多くありました。
2018年03月27日「リリコというキャラクターを演じられたことは、本当にうれしいです」 こう語るのは、女優の広瀬アリス(23)。放送も残すところあとわずかとなったNHK連続テレビ小説『わろてんか』。クライマックスにさしかかり、ヒロイン・てん(葵わかな)率いる北村笑店の個性的な芸人たちのなかでもひときわ異彩を放っているのが、広瀬演じる売れっ子女性芸人・リリコだろう。 「『演じるのが大変じゃない?』とまわりから言われることもありましたが、どちらかというと、自分がもともと持っている“パンチ力”みたいなものでいけるかなと思って。リリコは自分に近い部分がある気がします(笑)」(広瀬・以下同) 放送当初はちょっと意地悪な女のコだったリリコが、女優、芸人として成功をおさめていく過程で、ストーリーに欠かせない存在に。 「リリコはとにかく不器用なんです。でも、ちゃんとまっすぐ芯が通っている。だからこそ、出てくる言葉の勢いなどをとても大切にしていました。お仕事に対する信念や、自分にとっての譲れない部分を明確に持っている女性なので、芸事に対する考え方は、彼女から教わることも多かったです」 『わろてんか』の撮影は終了したものの、4月からスタートするドラマへの出演が決まっている。女優としての抱負を聞いてみると、リリコを思わせるこんな力強い返事が。 「うれしいことに、“広瀬アリス=リリコ”、というイメージをもっていただいている方が多いと思うのですが、まずはリリコのイメージを壊していきたいです(笑)。役者さんって、作っては壊し……、の繰り返しなので」 物語はいよいよ佳境に。戦争の足音が聞こえるなか、笑いを届けようと奮闘する北村笑店の面々。気になるラストの見どころは――。 「『人は幸せだから笑うんじゃなくて、笑うから幸せになるんだよ』というセリフがこれから出てくるんですけど、笑いってとても大切なことだというのを『わろてんか』から学びました。ラストへ向けては、人と人とのつながりの温かさや、笑いの大切さを感じてもらえたら。あとはみなさんのアドリブがちょこちょこと入ってくるので、そこで笑い泣きしてもらえればうれしいです」
2018年03月24日(提供:吉本興業) 「切ないほどの純愛、2人の人生において、それが“最初で最後の恋”でしたから」 評伝『ブギの女王・笠置シヅ子』(現代書館)の著者で、ノンフィクション作家の砂古口早苗さんが語るこの2人とは、「吉本興業」創業者・吉本せいさん(享年60)の次男、穎右さんと、昭和のスター歌手・笠置シヅ子さん(享年70)。 吉本せいの生涯をモチーフにした連続テレビ小説『わろてんか』では、主人公・北村てん(葵わかな)が、跡取り息子の隼也(成田凌)とつばき(水上京香)の結婚に反対して勘当。駆け落ちした隼也は、母を思いながらも遠く離れた地で、妻子と3人で暮らしているという設定だがーー。 「ドラマと同様に穎右さんと笠置さんの恋愛も、最初は周囲から反対されていました」(以降、砂古口さんによる解説) 昭和18年6月、笠置さんが名古屋「御園座」で先輩役者の楽屋を訪ねたとき偶然出会ったのが、その当時、早稲田の学生だった穎右さんだ。 「笠置さんは松竹楽劇団のスターでしたが戦況悪化で劇団が解散。フリーのジャズシンガーとして活動するも“敵性歌手”のレッテルを貼られて、やむなく軍需工場などへ慰問で日銭を稼いでいました」 一方、穎右さんは吉本の跡取り息子とはいえ、まだ19歳の“社長見習い”だった。 「お互いにひと目ぼれ。とくに笠置さんは、その長身の貴公子然とした雰囲気に言葉を失ってしまったとか、グレーの背広をシックに着こなす端麗さは、まるで米国俳優のジェームズ・ステュアートだったと自伝に書いていますが、このときもらった名刺は生涯大事に持っていたそうです」 穎右さんも、昔からの笠置さんの大ファンだった。 「とはいえ9歳の年の差ですから、姉と弟のような関係でスタート。当初、笠置さんは、穎右さんが自分を女性として真剣に愛していることにしばらく気がつかなかったほどです。それでも、東京でお互いの家を行き来するうちに、一直線に恋の炎を燃えあがらせたのでした」 翌19年暮れには結婚の約束を交わすが、空襲が始まり戦況が悪化するなかで、穎右さんは、なかなか母親に報告することができずにいた。 「しかし漏れ聞こえてくるかたちで、せいさんの耳に入ってしまいます。当然、激怒。結婚を反対されました」 まだ学生の身、2人は釣り合わない……。反対理由はいくつも挙げられた。 「せいさんは生涯で8人の子どもを産んでいますが、長男は夭折。元気に育ったのは3人の女児と33歳で出産した穎右さんだけでした。その約3カ月後に夫の秦三を亡くしていますから、並々ならぬ愛情をそそぎ込んでいたと思います。しかも彼は母親と同じぜんそくもち。徴兵の対象外になるほど体が弱かった」 昭和20年5月、空襲でお互いの東京の家が焼失し、住む場所を失ってしまうが、東京支社長だった吉本せいさんの弟・林弘高さんが、自宅横のフランス人宅を借り上げてくれ、そこで初めて2人一緒に住むことがかなう。 「笠置さんは後に、このときのことを“わが生涯最良の日々”とつづっています。最愛の人とひとつ屋根の下で一緒に暮らすことができたのは、この半年間だけだったからです」 しかし、このころには穎右さんの体は結核に侵され、喀血することもあった。 「8月に戦争が終わると、穎右さんは母親に認めてもらおうと、大学を中退し、東京支店の社員として必死に働き始める。笠置さんももっと活躍すれば認めてくれるのではと、作曲家・服部良一さん宅に間借りし音楽に集中しました」 だが、病状は悪化。昭和22年1月、兵庫県の母親の実家で療養することになった。 「このとき、彼女は妊娠していました。お腹を抱えるようにして向かった、東京駅での“お見送り”が2人の最後の時間となったのですーー。笠置さんは、その2週間後に日劇の舞台に立っています。妊娠5カ月のお腹をスカートとショールでカモフラージュしてやりとげました。“引退公演”だからと」 もう仕事は終わった。兵庫にお見舞いに行きたいという笠置さんに、穎右さんは《臨月も近いので、来るにおよばず》という手紙を送る。そのころ、反対していたせいさんは“孫ができるなら”と態度を軟化させる。 「人づてでしたが、笠置さんに何度も『体にきいつけて』『あんじょうしいや』とメッセージを送ったそうです」 担当医に『長くはもたない』と宣告されたとき、せいさんは、笠置さん1人を穎右さんのいる兵庫まで運ぶためだけに、300人乗りの豪華客船をチャーターしようとする。病床の息子に「しーちゃん(笠置さん)に会いたかったら船を用意するで」と。 だが、穎右さんは「(船に乗ることで)万一のことがあったら大変や。生まれてくる子がいちばん大事。僕はその次や」と、言い残すようにして23歳の若さで亡くなった。産院で訃報を聞いた笠置さんは、当時の日記にこう記している。 《全身がぶるぶるとふるえ、お腹の子までも息が止まるのかと思うばかりだった。(中略)穎右がラッパを吹いて、その音色に合わせて自分が歌っている夢をみた》 それから13日後、笠置さんは産気づいた。 「お腹の子の父の死の報が伝えられた“悲しみのどん底”で、32歳の初産に臨まなければなりませんでした」 彼女を勇気づけてくれたのが、唯一東京に残していった穎右さんの浴衣と丹前。 「彼女はそれを産院の部屋の壁にずっとつるしていました。まるで穎右さんがその場にいるような気がして落ち着くと。陣痛が来たときは、それを抱き締めて耐えたそうです」
2018年03月19日3月16日(金)放送のNHKの朝の情報番組「あさイチ」に、NHK連続テレビ小説「わろてんか」でヒロイン・藤岡てんを演じている女優の葵わかながゲスト出演。10か月に及ぶ撮影をふり返る葵さんの姿にSNS上では「成長した」「きれいになった」の声が続々投稿されている。番組では共演の徳永えりがVTRコメントで登場。徳永さんによれば葵さんは「ちょっとヌケてる“おとぼけさん”なところがある」という。葵さんは「えりさんは京都時代から支えていただいた方。えりさんなしではわろてんかは語れない」と徳永さんへの感謝の言葉を述べていた。「わろてんか」では17歳から50歳を超える年代までを演じるという葵さんだが、特に「子どもが出来た頃を演じるのが難しかった」と、自分と比較的近い年代ながら立場の違う役を演じるのが難しかったと撮影をふり返った。今週のオンエアでは40代を演じているが「逆に離れ過ぎたほうが、自分のイメージする40代を演じられた」という。またオーディションで合格した瞬間の映像も初公開。この直前に「ニャンちゅう」のモノマネを披露したそうで、スタジオでもモノマネを披露していた。ヒロインに決まった際は18歳、その後10か月に及ぶ撮影を経て、役のなかだけでなく自身も成長を遂げた葵さんの姿に、放送が始まると「おてんちゃん、最初より大人になってる!」「この1年でだいぶ貫禄ついたねえ」「最初と比べて落ち着きというか安定感でている」と、葵さんの成長ぶりに感慨を感じている視聴者からのツイートが数多く投稿。「わかなちゃんは落ち着いてるから、てんちゃんと全然雰囲気違うよね」とてんと実際の葵さんの違いに驚くコメントや、「葵わかなさんって、ほんと、クレバーな方ですねえ。賢いお方。ステキ」「演技力もそうだけど、話し方とかも凄くしっかりしてるなぁ」「お芝居しているときより、素のトークのほうが引きつけられる」と、落ち着いたトークの運び方を評価する反応なども寄せられていた。(笠緒)
2018年03月16日現在放送中の連続テレビ小説第97作目「わろてんか」の撮影が無事クランクアップし、主人公・藤岡てん役の葵わかなが本日2月27日(火)大阪で行われたクランクアップセレモニーに登場した。本作は、吉本興業の創業者である吉本せいをモデルに描くドラマ。明治から昭和初期の活気あふれる商都・大阪を舞台に、ヒロインのてんが愛と笑いをもって家族や仲間たちと懸命に生き、日本で初めて“笑いをビジネスにした女性”と言われるまでを描いた一代記。キャストには、松坂桃李、濱田岳、高橋一生、広瀬アリスら注目の若手俳優が出演したことでも注目を集めた。クランクアップし「あぁ、終わった」この日、セレモニーに登場した葵さんは、クランクアップを迎え「いまの率直な気持ちは『あぁ、終わった』って感じです。なんかやっぱり実感がまだあまりわいていないというか、自分の中でまだ明日も明後日も続くんじゃないかって気持ちがあるので」とまだ終わった感じがしない様子。「でも、本当に長いようで短いようで、やっぱり長い10か月間で、楽しいようで苦しいようで、でも楽しい10か月でした」とふり返った。また、今回朝ドラヒロインオーディション3回目で夢をつかんだ葵さん。「ヒロインに決めていただいた日から“てん”というキャラクターとして『わろてんか』の世界で、個性豊かなキャラクターのみなさんと、支えてくれた多くのスタッフさんと、最後までそれを全うするっていう責任というか役割を与えられて、それがそのままちゃんと後悔することなく全うできて、今日お返しできるというのが、すごくうれしいです」とコメント。「人がいればいるほど、うまくいかないことも…」そして「ここ3日は、みなさんがクランクアップしちゃうのがすごくさみしくて、この10か月の中で一番つらい3日間でした」と語った葵さん。「たくさんの人と作るお話で、人がいればいるほど、やっぱりうまくいかないこともあるし、ぶつかることもあるし、それぞれの考え方とか、それぞれのとらえ方とか表現の仕方があって、その中で私が正義だと思うものを貫くっていうのは、時には難しかったし、でもそういうものを持っていたからこそ、分かり合えた人たちとか、分かり合えた時間があったし、本当に濃い10か月だたなぁと思います」と苦労した点も明かしていた。今日は「皆さんのクランクアップ」「今日は、私のクランクアップでもありますが、本当に最初からずーっと一緒に走ってくださった『わろてんか』のチームのスタッフの皆さんのクランクアップでもあると思います」と述べた葵さんは、「本当に心から『私たち10か月よく頑張ったよね』っていう言葉を伝えたいなと思います。皆さん、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました」とスタッフを労った。また放送は3月31日(土)まで続く予定の本作。葵さんは、「最後の最後まで、みんなで精いっぱいやったこの作品を待っていてくださる方がいるっていうのも、すごくうれしいことなので、本当に放送最後の日まで、残りスピンオフとかもあるんですけど、わずかですけど、“てん”として生きられる時間、精いっぱいやっていけたらな、と思います」と最後に締めくくった。連続テレビ小説「わろてんか」は月曜日~土曜日8時~NHK・総合にて放送。(cinemacafe.net)
2018年02月27日話題作に次々と出演する成田凌さんは、まさに“今”の空気感をまとった俳優の一人。ひょうひょうとしたイメージとは裏腹な演技に対する熱い思いを語ってくれました。――モデルと俳優業では、どんな違いがありますか?成田:モデルの仕事は、たくさん写真を撮った上での、ベストな一枚が雑誌に載ります。でも、映像の場合は一瞬だけでなく、動きの流れを撮られるので、ずっとカッコつけていなくていいわけです。だからこそ、生っぽさや人間らしさを伝えることができる。両者のあいだには距離感があるし、僕にとっては、まったくの別ものですね。でも、自分の表情や動きで表現をするという点は共通しているし、それは、すごく楽しいです。――これからやってみたいことはありますか?成田:主役です。主役を演じる人間でありたいです。今はまだ、作品の中の1ピースだと思っているので。――というのは?成田:今は若いからだったり、これから注目されるかもしれないと期待していただき、選んでくださっているところが大きいと思っています。それに対して、満足してもらえる数値は出せる自信はありますが、そうではなく、もっとちゃんと責任や苦労を背負って演じたい。でないと、いつかダメになる気がするんです。だからこそ、本当の意味で自分を選んでもらえたと思える人との出会いや仕事は嬉しいし、ありがたいと思うんです。――いい意味でユルい空気感をまとっている方だと思っていたので、意外なハングリーさに驚きました。成田:いやいや。先輩の結婚式で、目を閉じて30秒ちょうどでストップウォッチを止めるというゲームをやったんですが、僕、46秒でしたから。ものすごくユルいですよ。ぴったりで止めて「持ってる~!」って言われたかったんですけどね(笑)。――主役になるためには、どうするのでしょう。成田:いい作品、いい人間と出会えるように努力をして、ちょっとずつでも頑張っていくしかないです。それにしても、僕は、なかなか芽が出ない…。――俳優としてもモデルとしてもキャリアを積み重ね、活躍している成田さんは、私たちからすると十分、芽が出ていると思いますが。成田:だって、同世代でもっと注目されている役者はまだまだたくさんいるじゃないですか。でも、僕はなかなか芽が出ない。さっきも外で撮影をしたけど、誰も反応してくれなかったですから。おかしいな、きっと僕には何かが足りないんですね。ああ、本当に売れたい!「もっと売れたい」と書いておいてください。注目の人に話を聞くという企画に出ていながら、言うことじゃないですけどね(笑)。なりた・りょう1993年11月22日生まれ。埼玉県出身。2013年より『MEN’S NON‐NO』(集英社)の専属モデルとして活動中。’14年にフジテレビNEXTのオリジナルドラマ『FLASHBACK』で俳優デビューを果たし、以後、数々の映画やドラマ、CMに出演。現在は、NHK連続テレビ小説『わろてんか』で北村隼也役を務めている。カーディガン¥17,000(メティキュラスニットウェア)パンツ¥21,000(ニードルズ)共にネペンテス TEL:03・3400・7227Tシャツ¥25,000(リデウ)シューズ¥74,000(カレッジ)共にアメリカンラグ シー新宿フラッグス店 TEL:03・5366・5425かなた狼監督が手がけるバイオレンスファンタジー映画『ニワトリ★スター』では、秘密裏に大麻を販売している雨屋草太(井浦新)とともに、自堕落な生活を送る楽人を演じる成田さん。裏社会と関わったことをきっかけに不穏な空気が漂い始める、二人の運命の結末とは…?3月17日全国順次公開。※『anan』2018年2月28日号より。写真・笠井爾示(MILD)スタイリスト・伊藤省吾(sitor)ヘア&メイク・宮本 愛インタビュー、文・重信 綾(by anan編集部)
2018年02月25日笑福亭鶴瓶とゲストがステキな家族を求めて日本中を巡る“ぶっつけ本番”の旅番組「鶴瓶の家族に乾杯」。2月5日(月)今夜は朝ドラ「わろてんか」でヒロイン・てんの夫、北村藤吉を演じた松坂桃李をゲストに迎えてお届けする。昨年は「視覚探偵 日暮旅人」のオンエアと『キセキ -あの日のソビト-』の公開からはじまり「ゆとりですがなにか」スペシャル版を経て映画『ユリゴコロ』『彼女がその名を知らない鳥たち』などの公開とコンスタントに話題を振りまいた松坂さんだが、なんといっても「梅ちゃん先生」以来約5年ぶりの朝ドラとなった「わろてんか」への出演は多くのファンを喜ばせたに違いない。明治後期から第二次世界大戦の大阪を舞台に“笑い”をふりまくヒロインの人生を描く「わろてんか」。葵わかなが演じるヒロイン・藤岡てんの夫・藤吉役で出演してきた松坂さんだが、先日の放送で藤吉は亡くなってしまい、悲しみにくれる視聴者も多いのではないだろうか?また松坂さんが“思い込み”や“マインドコントロール”で狙った相手を殺す完全犯罪者を演じて主演した映画『不能犯』が現在全国公開中。沢尻エリカ扮する女性刑事をはじめ新田真剣佑、矢田亜希子、間宮祥太朗ら豪華キャストを“迎え撃つ”松坂さんの“凶気”に満ちた演技は必見。そんな松坂さんをゲストに迎える今回の「鶴瓶の家族に乾杯」の舞台は、大阪府唯一の村である「千早赤阪村」。旅のスタート直後に出会った方のお宅を訪問、そこで二人に投げかけられた言葉とは…!?その後はひとり旅となった松坂さんだが、ふとした出会いで大家族のお宅にお邪魔。そこでのプレゼントにも注目。一方の鶴瓶さんは何かを伐採する音を聞き山のなかへ。そこで出会った男性の家におじゃますることに…今回の“ぶっつけ旅”も見どころ満載だ。「鶴瓶の家族に乾杯」は2月5日(月)今夜19時30分~NHK総合で放送。(笠緒)
2018年02月05日ついに先週、朝ドラ『わろてんか』で松坂桃李演じる藤吉が、てん(葵わかな)に見守られながら、天(てん)に召されました。先週第17週は『わろてんか』から『泣いてんか』へ。第16週で再び脳卒中で倒れた藤吉。この最期の時間の使い方は、夫として父として、そして息子、席主として、100点満点だったのではないでしょうか?なぜなら大黒柱である夫が亡くなるというのは、現代でもとても大きな哀しみと、そして新しい生活への不安が生まれます。しかし藤吉は、愛するてんをはじめ、周りの人々にきっちりとお別れをし、さらにはてんが生きていく術を残して去ることができました。人生、なかなかこうはいきません。■松坂桃李、男前すぎる夫としてのラスト何ごとにおいても詰めが甘くて失敗し放題、おまけに子育てもろくにサポートしなかった藤吉。イケメン松坂桃李のビジュアルをもってしても、女性からのブーイングの声は多く、いつも困ったときに現れる王子・伊能(高橋一生)の支持率は上がるばかりでした。しかし、最後の2週で、藤吉株が急上昇。ここまで北村笑店がビッグになったのは、てんの内助の功はもとより、自分に笑いの才能はなくてもお笑いの目利きだった藤吉の力が大きかったと思われます。だからこそ藤吉は、仕事の采配などをてんにこまやかに教え、妻も立派なビジネスマンとして育て上げていきます。北村笑店の行く末を案じた藤吉が、生涯の盟友となった伊能に、てんの今後をお願いするシーンは男前すぎ! 藤吉は、伊能に業務提携の打診はもとより、残されたてんをいろんな面でサポートしてもらえないかと懇願します。水もしたたるいい男(劇中の台詞にもありましたが)の伊能がいまだに独身を貫くのは、てんのことが忘れられないからではないか? 藤吉は伊能にそのことをツッコみますが、ジェントルマンの伊能は、逆に藤吉とてんの夫婦をセットにしての絆を強調します。実際、ずっと孤独だった伊能が、唯一穏やかに羽を休められる時間が、てんや藤吉といるひとときだったのかもしれません。世にも美しい“二股にならない三角関係”。これぞ、まさに『わろてんか』最大の醍醐味(だいごみ)でしょうか。きっとこの先、形は変わっても、この関係性はずっと続いて行く感じですね。 ■反抗期の息子にささげた父の言葉とは母・息子の絆の深さも再確認。久しぶりに鈴木京香演じる啄子が日本に帰国し、藤吉たちと再会します。啄子は、大きくなった北村笑店に感激するとともに、てんや息子・藤吉の成長ぶりを見て心から喜びます。以前は困ったドラ息子だった藤吉は、いまや正真正銘の親孝行息子に。啄子は藤吉を「天下一の息子や」と賛辞すると、藤吉もこれまで苦労をさせた母に「天下一のお母ちゃんや」と感謝の言葉を返します。反抗期を迎えたてんと藤吉の息子・隼也(大八木凱斗)は、将来的に北村笑店を継ぐことに二の足を踏んでいた時期がありましたが、藤吉の背中を見て改心。見舞いに来た隼也に、藤吉は「勉強して、一生の仕事だと思ったら継いでくれ」という父親としての懐の深さを見せます。いやあ、成長しました!■愛する夫が亡くなったときの妻の覚悟とは藤吉とてんは、酸いも甘いもいろんなことを乗り越えてきましたが、ずっとふたりがオシドリ夫婦だったことはたしかです。てんの母で藤吉の義母にあたるしず(鈴木保奈美)が、藤吉の見舞いに来たとき、「好きな人との苦労は幸せ」という名言を残しましたが、おっしゃるとおり。逆に山あり谷ありだったからこそ、夫婦の絆が深まったのかもしれません。「一生、笑わせたる」とてんに宣言して結婚した藤吉は、まさにその言葉をまっとうしました。というか、藤吉のお笑いの原点は、ずばりそこ。「ほんまはたった一人の女の子を笑わせたかったんや」という藤吉の言葉。藤吉ってば、なんてロマンチストなんだと、しみじみ思いました。てんは藤吉を送り出すとき、しずから手渡された死に装束をまといます。「貞女は二夫に見えず」。てんの静かな表情から、愛する夫と墓場まで添い遂げるという覚悟がうかがえました。■残された妻の戦いがはじまる朝ドラの主人公は、本来ドジ踏んで窮地に立たされてなんぼ、勝負に出てなんぼの役どころです。ある種、トラブルメーカーがおいしい。ところが『わろてんか』において、そのキャラの一端を担っていたのは、ずっと藤吉でした。「笑いを商売に変える」宣言をしてから、矢面に立たされてきたのは藤吉で、てんは刺さった矢をせっせと抜きつつ、援護射撃をしていくというポジションでした。でも、藤吉なき後、ようやくてんが、真の意味での表舞台に立つことになります。すなわち藤吉なきあとこそ、てんの真価が問われていくんでしょう。第18週のサブタイトルは「女興行師てん」。これからはてんが先頭に立ち、『わろてんか』のラストスパートをかけていきます。藤吉の死を嘆いていては、藤吉が浮かばれません。早速、月曜の朝から写真として登場し、てんたちと絡んでいましたが、今後もことあるごとに天国からてんを支えていくことでしょう。松坂桃李が去ったあと、イケメン枠のテコ入れとして、大人になった隼也役で成田凌が登場します。北村笑店の跡継ぎということで、伊能とのタッグも期待できそう。てんが女席主としていかに奮闘していくのか、今後ともエールを送っていきましょう。
2018年01月31日前野朋哉(32・以下前野)「共演はこれで3度目。はじめましての関係ではなかったので気持ち的には楽でした。でも、前回の共演のとき、『家どこ?』って聞いてもかたくなに教えてくれなかったので、踏み込んではいけない領域だと思ったんです」 大野拓朗(29・以下大野)「なんで言わなかったんだろ(笑)。僕、全然言うのに。今回トモチン、うちにけっこう泊まっていますし」 NHK連続テレビ小説『わろてんか』で漫才コンビを組み、ドラマを盛り上げる潮アサリを演じる前野と、舶来家キースを演じる大野。今では大野の家に前野が寝泊まりする仲だという2人が、お互いの素顔、芸人のすごさについて語り合ってくれた! 前野「寝食をともにするという感じで。大野くんは今、大阪に部屋を借りて住んでいるんです」 大野「それで、2人で漫才の練習を夜中までするときとかに、連泊してもらって、うちで一緒に練習しています。ご飯を食べてお酒を飲みたくなるのを『このあと練習が終わったらね』って説得して」 前野「僕はすぐに飲みたくなるので。飲むと練習したくなくなる」 大野「『ここまで』ってしっかりと決めて、そのあと『飲みに行こうか』ってね」 前野「でも僕、すぐに現実逃避しちゃうんですよ(笑)」 大野「現実逃避に奥さんから送られてくる子どもの動画を見ているんです(笑)。けっこう送られてきているよね?」 前野「そうそう。それを見ながらニヤニヤしています」 大野「意外にトモチンはキレイ好きなんです。がさつそうに見えますけど、料理もするし、家庭的な部分もあって」 前野「大野くんもキレイ好きなんですよ。漫才の練習しに泊まりに行ったときに『トイレ、座ってやってね』って言われた。立つと飛び散るせいか(笑)」 大野「そう、僕、キレイ好きなんです。トモチンはいつもご飯を一緒に行くとおしぼりで耳の裏を拭いているんですよ。エチケットだからって。そういう気を配れる人」■演じてわかった、芸人という仕事のすごさ 前野「芸人役を通じて感じたことは、芸人さんはマジですごいなということ。それを痛感しています」 大野「芝居に正解はないとよくいわれるじゃないですか。でも、芸人さんは笑いという正解しかない。笑いが起きるか起きないかがすべてなので、その正解を見つけていく作業が難しいなと思いました」 前野「目の前にいる人を笑わせることがこんなにも難しいということを痛感していますね」 大野「漫才をしているときって、めちゃくちゃ頭の回転を速くしているんですよ。だから3回ぐらい本気でネタあわせをすると、けっこう疲れますね。『ちょっと売店行く?チョコ買う?』みたいな」 前野「空気を読んだり、見えない何かがたくさんあって、芸人さんはすごい仕事だなと、本当に思います」 大野「これからキースとアサリは『しゃべくり漫才』に挑戦していきます。しゃべりだけで通すスタイルの漫才で、現在の漫才のスタイルです。100年以上続くしゃべくり漫才というものをつくりあげる伝説の漫才師なので、今週披露するしゃべくり漫才が、僕らの真骨頂でないといけない」 前野「そうだね」 大野「そして、ひとつの大きな区切りを迎えます。転機というか。涙腺崩壊です」 前野「その大きな出来事によってさらにみんなの結束力が強くなっていくんです。キースとアサリもがむしゃらだった時代を過ぎて、現実が見えてきて大人になっていく。その様子が描かれていきます!」
2018年01月24日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の堀田真由さんです。ヒロインの妹役で念願の朝ドラデビュー!女優を目指したきっかけは、幼少期に観た宝塚。「祖母が宝塚ファンで、初めて公演に連れていってもらった時に『これをやりたい』と思ったんです。タカラジェンヌになることはなかったけれど、表舞台に出て表現するのが、ずっと夢でした」。現在NHK連続テレビ小説『わろてんか』にヒロインの妹“りん”役で出演中。「私自身も末っ子なので、りんちゃんには共感できる部分が多く、役作りしやすかったです。現場は和気あいあいとしていて、まるで第二の家みたい。撮影に行くのが楽しみなんです」6歳から10年間習っていました。宝塚に影響されて始めたバレエ。これは「花のワルツ」を踊っています。実家で飼っている愛犬ビジュ私と似た者同士なんです。この写真も同じ瞬間に目をつむってる…(笑)。お肉大好き!毎日でも食べたい。これは最近実家の近くで食べたユッケ。特に生肉に目がないんです。ほった・まゆ1998年生まれ。昨年、映画『36.8℃ サンジュウロクドハチブ』主演。7月公開の映画『虹色デイズ』に出演。近況はTwitter(@mayuhotta0402)にて。※『anan』2018年1月24日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子
2018年01月22日朝ドラ「わろてんか」では、王子様のような柔和な笑顔や度量の大きさ、意外な腕っぷしの強さが話題を呼び、身を引いて主人公・てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)を見守り続ける伊能栞こと「栞さま」を好演中の高橋一生。2017年ひっぱりだこだった高橋さんの快進撃は、2018年も留まることを知らない。■映画『嘘を愛する女』長澤まさみと共演!1月20日(土)より公開くも膜下出血で倒れて寝たきりになってしまった恋人の名前や職業全てが嘘だったと知った女性・川原由加利が、彼・小出桔平の正体を探ろうとするラブサスペンス。騙され続けていたことへのショックと、「彼が何者なのか」という疑問をぬぐえない由加利は、意を決して私立探偵・海原匠と助手のキムを頼ることに。やがて、桔平が書き溜めていた700ページにも及ぶ書きかけの小説が見つかる。そこには誰かの故郷を思わせるいくつかのヒントと、幸せな家族の姿が書かれ…。ゆるふわパーマの丸メガネ男子となった高橋さんは、この正体不明のミステリアスな男を演じ、観る者を混沌とした感情へ誘っている。■映画『blank13』齊藤工監督の長編デビュー作2月3日(土)よりシネマート新宿にて公開、2月24日(土)より順次公開俳優の斎藤工が「齊藤工」名義で長編映画を初監督。放送作家・はしもとこうじの実話を基にした本作は、13年前に突然失踪した父が余命3か月で見つかったことから始まる、ある家族の物語。主人公・松田コウジ役を高橋さんが演じ、彼女役に松岡茉優、失踪した父親役にリリー・フランキー、母親役を神野三鈴が務め、斎藤さん自身も主人公の兄役で出演する。また、音楽監督は俳優・ミュージシャンとしても活躍中の金子ノブアキ、スチール撮影は世界的フォトグラファー、レスリー・キーが務め、製作には福山雅治も名を連ねている。高橋さんは、溝を埋めれないままにこの世を去った父の葬儀で、少しずつ見えてくる“空白の13年間”の実像に、驚き、戸惑いながらも“何か”を掴み始める繊細な役どころを演じる。決してセリフは多くないが、わずかな表情の変化で感情のひだを見事に表現しており、改めて“俳優・高橋一生”の演技の幅を感じさせる1作となっている。■海外ドラマ「THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから」大人気ドラマで吹替初挑戦!2月21日(水)よりリリース本作は、誕生日が同じ36歳の男女たちが人生の壁を乗り越えようとする中で、大切なものを失い、そして見つけ、運命の糸が次第にたぐり寄せられていく様を描くヒューマンドラマ。エミー賞2部門に輝き、先日のゴールデン・グローブ賞ではテレビの部・ドラマ部門主演男優賞(スターリング・K・ブラウン)を獲得。高橋さんは、自分が演じる役に嫌気がさしているイケメン俳優ケヴィン(ジャスティン・ハートリー)の声を務め、人生の岐路で迷いながらも未来へ前進していく姿を、等身大の演技で見せている。一定の役柄のイメージにとらわれず、様々な顔を見せてくれる高橋さん。今年の活躍も目が離せない!(text:cinemacafe.net)
2018年01月21日1月19日、NHK総合『あさイチ』に松坂桃李(29)が生出演。連続テレビ小説『わろてんか』で共演している高橋一生(37)とお揃いのエコバッグを使っているなど、“仲良し”エピソードを披露した。 今や飛ぶ鳥を落とす勢いの高橋だけあって、彼と親交を深める俳優は多い。だがその“仲良し度合い”が周囲を驚かせている。 「兄弟だと思っている」と明かすほど仲良しなのは瀬戸康史(29)。昨年7月、自身のブログでは高橋のことをこう語っている。 「なんだか、似ているんです。好きなものも、性格も。それに一生さんには何でも話せるし、一緒にいると落ち着くんです。…。んー。なんか兄弟というより、一生さんに片想いしている人みたいだな(笑)いや、でも本当にそうとしか言いようがない」 この“片思い”コメントとともに、高橋が瀬戸の後ろから“抱きしめた”2ショットを公開しているのだ。 また昨年8月、『あさイチ』に出演した高橋は“岡田准一(37)から昔よくキスされた”とも告白している。 まるでBLの世界!だがイケメン俳優たちがみなこぞって“高橋ラブ”になる理由について、芸能ライターはこう語る。 「市川猿之助さん(42)はテレビのインタビューで、高橋さんのことを『オンもオフもない性格』と明かしていました。テレビで見るままのクールさがありつつも、普段から飾らない性格なんです。だからこそ、誰でも心を許してしまうようです」 さらに、彼が人気者となる理由がもう1つあった。 「昨年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』の打ち上げで参加者夫婦に記念撮影を頼まれたのですが、高橋さんは快く対応していたそうです。サイン会や握手会でも“神対応”を見せてくれるため、嬉し泣きするファンも。そうした細かな気配りも、彼の魅力を引き立たせているようです」(前出・芸能ライター)
2018年01月19日第15週に突入したNHKの連続テレビ小説『わろてんか』のサブタイトルは「泣いたらあかん」。とはいえ、てん(葵わかな)と夫・藤吉(松坂桃李)が二人三脚でやってきた北村笑店は、いまや傘下に15店舗も構え、寄席の商売としては順風満帆な様子です。勢いに乗る藤吉は東京進出を目指すも、ある日、関東大震災が! 大波乱を迎えそうな今週は、どうやらママたちの支持率が高い、高橋一生演じる伊能が大きく揺さぶられる回となるようで、いまからドキドキします。■高橋一生のほころびがたまらない!関東大震災に遭ったキース(大野拓朗)が大阪へ連れてきたのは、“東京のお母ちゃん”と呼ぶ記憶喪失の女性・志乃(銀粉蝶)でした。志乃を見た伊能のただならぬリアクションに気づいたてんが彼を問い詰めると、どうやら彼女は伊能を捨てた母親だったよう。イケメン青年実業家の伊能は、どちらかというとクールでぬかりがないタイプ。だからこそ、ときどき見せるほころびがたまらないんですよね。たとえば、心を許すてんや藤吉に見せる子犬のような笑顔や、内面に抱える孤独さには、胸がキュンキュンします。伊能ファンとしては、もっともっと揺さぶって! とリクエストをかけたくなるくらい(笑)。■2番手俳優にロス現象が起こる理由『わろてんか』で、主人公てんと結ばれた1番手俳優は、藤吉役の松坂桃李。ですが、毎朝ママたちがときめくのは、いつもてんのピンチをスマートに救ってくれる王子様・伊能役の高橋一生です。不器用で直球勝負に出がちな藤吉に比べ、伊能はカーブやスライダーも使い分けられる器用なタイプ。もちろん両者ともそれぞれに魅力はありますが、朝ドラでロス現象を生み出すのは常に2番手のポジションにいるイケメン俳優なのではないでしょうか。間違いなくおいしい2番手男。近年のロス代表格は『あさが来た』のディーン・フジオカ演じる五代様ロス。『わろてんか』では、初期にいきなり“ナレ死”してしまったイケメン兄役の千葉雄大ロスも記憶に新しいところです。『ひよっこ』では、最後まで1番手となる俳優が読めませんでした(苦笑)。有村架純演じるみね子と超ラブラブだったのは、竹内涼真演じる島谷。ところがどっこい、2番手だと思われていたヒデ(磯村勇斗)がいつのまにか追い馬のポジションにつけ、気がつけばみね子のハートをかっさらっていました。思うに、2番手男がママたちにウケるのは、だれのものにもならない独身キャラな設定。ようするに「イケメン+悲恋=友情」という黄金の方程式が成立するからなのではないかなと。『あさが来た』五代様のモデルとなった五代友厚は実際には妻子持ちだったにも関わらず、ドラマでは伴侶は描かれませんでした。もっと深読みすると、『ひよっこ』の島谷ロス(別れた後、ドラマからはフェイドアウト)が思ったよりは引っ張らなかったのは、待望の再登場の際、左手薬指に結婚指輪がはめられていたからではないかと。おそらく親孝行者の島谷は、佐賀の父親がプッシュしていた政略結婚をしたんでしょうね。目ざとく指輪をチェックした視聴者の落胆ぶりがネットでも話題となりました。■ママを敵に回したダメ夫・松坂桃李のスゴさ松坂桃李といえば、近年は人間ドラマにアクション、色ものまでもいける演技派俳優として引っ張りだこです。ルックスも高橋一生より一枚上手だと思いますが、やっぱり藤吉は役どころとしてのおいしさ、もっと言えば、女性への“ひき”には欠けてしまいます。理由は簡単。1番手は、ヒロインと結ばれてハッピーな分、陰りを帯びないので、当然ながら胸キュンポイントが少なくなります。ただ戦地に行ってしまったり、病死なんてことが起こってしまったら別の話。でも、中盤までは単なるダメ夫キャラでママたちを敵に回していた藤吉が、いまや海千山千で貫録をつけ、いい感じになってきた気がします。やっぱり、タダでは終わらない実力派スター松坂桃李! 2018年、今後の藤吉に期待していきたいです。
2018年01月11日葵わかな演じる“笑い”をふりまくヒロイン・藤岡てんの人生を描くNHK連続テレビ小説「わろてんか」。このほど、本作で夫婦役を務める葵さんと松坂桃李から、“新年のごあいさつ”の写真とコメントが到着した。2017年10月より放送スタートしたNHK連続テレビ小説97作目「わろてんか」は、吉本興業の創業者である吉本せいをモデルに描くドラマ。明治から昭和初期の活気あふれる商都・大阪を舞台に、ヒロイン・藤岡てんが愛と笑いをもって家族や仲間たちと懸命に生き、日本で初めて“笑いをビジネスにした女性”と言われるまでを描いた一代記。主題歌は、松たか子が歌う「明日はどこから」が起用されている。今回2,378名の応募者の中から、朝ドラヒロインオーディション3回目で見事夢をつかんだ葵さんは、本作の出演について「毎日の撮影がとても楽しい」と現在の状況を語り、嬉しかった出来事について「やっぱり『笑顔がステキ』と言ってもらえたことかな。てんちゃんを演じる上でキーになるのが笑顔なので」と語る。また、ヒロインの夫・藤吉役の松坂さんは、「濱田岳くんと高橋一生さんと再び共演が出来たことが嬉しかったです。『軍師官兵衛』で共演しましたが、大阪の地でもう一度集まることができて感激です」と喜び、さらに「兵動大樹さんとごはんに行けたことが楽しかったです。話が面白すぎて、ごはん食べている間ずっとリアルにスベらない話で最高に楽しかったです」と明かした。2018年を迎え、今年の抱負やチャレンジしたいことについて問われると、「チャレンジする気持ちは忘れないでいたい」と言う葵さんは、「今回の現場で、みんなで一緒にモノを作ることの可能性を強く感じました。なので、人と積極的に関わることや、てんちゃんのように誰とでも心を開いて、色んなことにチャレンジしていく年にしたいです」とコメント。一方松坂さんは、「2017年にやってきたことの成果を出すことが目標」と言い、「あとは、VR機器を買うことですかね(笑)」と具体的な目標(?)を話していた。年明け本編の再開は、明日4日(木)から。第14週「みんなの夢」は、大阪で安来節を流行らせようと、てんと藤吉は島根から踊り子4人を連れてきて安来節乙女組を結成。稽古もうまくいかず大阪の暮らしに馴染めない中、とわ(辻凪子)がてんの幼い息子・隼也(南岐佐)と家出騒動を起こす。とわは自分が乙女組の結束を乱していると落ち込んでいたが、都(大後寿々花)らほかのメンバーと話し合うことで結束が固くなった。踊りに艶っぽさが足りないと感じた風太(濱田岳)は、リリコ(広瀬アリス)に指導を頼む。4人は厳しい指導に反発するが、的確なアドバイスに心を開いていくというあらすじだ。連続テレビ小説 「わろてんか」は月曜日~土曜日8時~NHK・総合にて放送。(cinemacafe.net)
2018年01月03日2017年12月31日(日)大晦日にオンエアされた「第68回紅白歌合戦」。22:26頃からは松たか子が登場、NHK連続テレビ小説「わろてんか」の主題歌「明日はどこから」を、同作のヒロインを務める葵わかな、共演の高橋一生らが見守るなかパフォーマンスした。松さんが今回歌う「明日はどこから」が主題歌になっている連続テレビ小説「わろてんか」は、吉本興業の創業者である吉本せいをモデルに、明治後期から第二次世界大戦の大阪を舞台にして“笑い”をふりまくヒロインの人生を描くもの。朝ドラヒロインオーディション3回目で夢をつかんだ葵さんが主人公のてんを演じ、そのほか松坂桃李、濱田岳、広瀬アリス、徳永えり、大野拓朗、前野朋哉、鈴木京香、そして今回「紅白」の審査員としても出演している高橋さんらが出演。松さんの出番になると「わろてんか」の場面が映し出され、松さんと共に、同作でヒロイン葵わかなと審査員としても出演している高橋一生が登場。自ら書き上げた同作の主題歌「明日はどこから」について松さんは「長期の撮影に挑む皆さんを応援したいという想いを込めた」とコメント。続いて葵さんは「てんちゃんの人生を包んでくれる歌」、高橋さんは「涙がキーワード、波だと笑いがあって豊かな人生につながると思いながら聴いている」とそれぞれ楽曲への印象や想いを語った。松さんの歌唱後に感想を聞かれたゲスト審査員の加藤一二三は「とっても幸せなファミリーの歌、歌詞も巧み」と独特の“ひふみんトーク”で楽曲を絶賛。SNSにも「おてんちゃんのお着物姿でとおっても可愛らしかった」「曲中のスクリーンの一生さんの笑顔がとても良かった!」などの投稿が多数上がっている。(笠緒)
2017年12月31日12月29日(金)と12月30日(土)の2日にわたり、NHK総合では今年放送された連続テレビ小説「ひよっこ」と「わろてんか」、そして大河ドラマ「おんな城主 直虎」の総集編をオンエアする。連続テレビ小説「わろてんか」総集編(前編)/29日(金)8時~まず29日(金)午前は現在放送中の連続テレビ小説「わろてんか」総集編の“前編”がオンエア。同作は10月から放送中が開始。吉本興業の創業者である吉本せいをモデルに明治の後半から第二次大戦直後の大阪を舞台にした、ヒロイン・藤岡てんが愛と笑いをもって家族や仲間たちと懸命に生き、日本で初めて“笑いをビジネスにした女性”と言われるまでを描く一代記。朝ドラヒロインオーディション3回目で夢をつかんだ葵わかなが主人公のてんを演じるほか松坂桃李、濱田岳、広瀬アリス、徳永えり、大野拓朗、前野朋哉、高橋一生、鈴木京香らが出演。今回の総集編は10~12月放送の前半部(第1週~第13週)をまとめたものだが、1月からの放送では成田凌、松尾諭、水上京香らも新たに出演予定。また31日(日)の「第68回NHK紅白歌合戦」には主題歌「明日はどこから」を歌う松たか子の応援で葵さんが出演するのでこちらにも注目。連続テレビ小説「わろてんか」総集編“前編”は29日(金)8時~。連続テレビ小説「ひよっこ」総集編/30日(土)前編8時20分~&後編9時55分~翌30日(土)の午前は今年4月~9月まで放送された連続テレビ小説「ひよっこ」の総集編が登場。同作は東京オリンピックが開催された1964年を舞台に、茨城県の北西部にある山あいの村・奥茨城村で育った谷田部みね子が、“金の卵”として東京に集団就職し、様々な出会いや別れを通して成長していく姿を描いた。有村架純がヒロイン・田部みね子を演じ、「陸王」の竹内涼真や磯村勇斗、竜星涼、島崎遥香など人気若手俳優から峯田和伸といった個性派、沢村一樹、木村佳乃らベテランまで幅広い俳優陣の共演で見ごたえのある青春記になっていた。連続テレビ小説「ひよっこ」“前編”(第1週~第13週)は30日(土)8時20分~、“後編”(第14週~最終週)は9時55分~それぞれオンエア。大河ドラマ「おんな城主 直虎」総集編/30日(土)13時5分~続いて30日(土)の午後からは本年度の大河ドラマ「おんな城主 直虎」の総集編が登場。戦国時代、遠江国の井伊氏の当主を務め、女性領主として戦国の世を生き抜き「女地頭」と呼ばれた井伊直虎の生涯を描いた同作。直虎を柴咲コウが演じて主演し、井伊直親を三浦春馬が、小野政次を高橋一生が演じたほか、小林薫、柳楽優弥、橋本じゅん、菜々緒、阿部サダヲらが出演した。第33話「嫌われ政次の一生」で高橋さん演じる政次の処刑シーンでは多くの視聴者が涙、SNSにも大量に感想が投稿されるなど大きな話題を呼んだのは記憶に新しい。「おんな城主直虎」総集編第一章「これが次郎の生きる道」は30日(土)13時5分~「おんな城主直虎」総集編第二章「直虎の覚醒」は30日(土)14時~「おんな城主直虎」総集編第三章「逃げるは恥だが時に勝つ」は30日(土)15時5分~「おんな城主直虎」総集編最終章「井伊谷は緑なり」は30日(土)16時30分~それぞれオンエア。どの作品も放送期間が長かったため途中見逃した回があったり、途中から見始めたりした視聴者も多いことだろう。「わろてんか」などはこの総集編で追いつくチャンス。そして「ひよっこ」「おんな城主 直虎」は、初見の方は凝縮された名場面のオンパレードにより深く感動できること間違いなし。すでに本放送を見てきた視聴者も感動をもう1度振り返ってみてはいかが?(笠緒)
2017年12月28日NHKの連続テレビ小説『わろてんか』に出演中の広瀬アリス(23)。その高い演技力が話題を呼んでいるという。 小学校6年生のときにスカウトされ、ファッション誌「Seventeen」の専属モデルとして活躍。女優としてもキャリアは意外に長いが、これまでは“広瀬すず(19)の姉”と呼ばれることが多かった。 「すずさんといえば、19年前期の連続テレビ小説100作目となる『夏空』にヒロインにも抜擢。来年1月からはドラマ『anone』(日本テレビ系)でも主演を務めています。共演者がこぞって“天才”と評価しており、いまもっとも勢いのある女優です。いっぽうアリスさんは姉妹仲がいいことでも知られていますが、『ライバルは妹です』と漏らすことも。意識することも多かったようです」(芸能関係者) だが、14年公開の映画「銀の匙 Silver Spoon」で転機を迎える。オーディションを勝ち抜きヒロインの御影アキ役に選ばれたアリスは、長かった髪をばっさりカット。並々ならぬ決意で、周囲を驚かせたという。 「役作りのため、彼女はひとりで住み込みの酪農を2週間も体験。乗馬も練習して、代役なしでこなしたそうです。この仕事で彼女は仕事への責任感が芽生えたそうで、『自分は女優なんだ』と強く意識するようになったと聞きました」(映画関係者) その意識が彼女を変えたのだろう。『わろてんか』でも、スタッフを驚かせるほどの“憑依ぶり”をみせている。 「アリスさんが演じるのは、主人公の恋敵である活動写真女優・リリコ役。クランクイン前は関西弁を猛勉強して『難しい』と頭を抱えることもあったそうですが、いざ撮影が始まると目を見張るような好演を見せてくれています。アリスさんについて『妹以上の逸材だ』と評価する声も高まっていますよ」(NHK関係者) 12月16日には自身のブログを更新し、11日に23歳の誕生日を迎えたこと心境を明かしたアリス。「ここまで誕生日感がないのは初めてかも」と多忙な撮影生活を振り返りながらも、「マイペースに、でも時には貪欲に、頑張って行きたいと思います」と決意をつづっている。アリスにとって、来年は飛躍の年となりそうだ。
2017年12月21日NHK連続テレビ小説「わろてんか」に、芸人キース役で出演中。「街中で声を掛けられます!」と朝ドラの影響力を実感中の大野拓朗は、12月23日(土)から東京芸術劇場シアターウエストで開幕する舞台「池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE」に主演する。大阪で朝ドラの収録、東京で舞台の稽古という生活を送るが、デビューから7年、今が“勝負の時”と自覚するその目は熱く輝いている。舞台「池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE」チケット情報「IWGP」こと「池袋ウエストゲートパーク」は、石田衣良の小説が原作。池袋生まれの主人公マコトがストリートギャングやチンピラたちを相手に、様々な難事件を解決する。2000年には宮藤官九郎の脚本で連続ドラマ化され、大野もリアルタイムで見ていたそう。「当時小6だったけどみんなのカリスマ性に痺れたし、『あの輪の中に入りたい』と思っていました。僕はなんなら学級委員タイプだったので(笑)、不良っぽさに惹かれたわけではなくて。作品全体にも登場人物たちにも、とにかくカリスマ性があったんです。今回の舞台も僕の中では“カリスマ性”がキーワード。お客さんが『とにかくカッコよかった!』って思って帰ってくれたら、もう大成功。伝えたいメッセージなんて何も考えていないけど、『IWGP』の物語の中で一生懸命生きているみんなを観て楽しんでもらえたら、それが一番のメッセージになると思います」多忙を極める中の、限られた稽古時間での主演舞台。「大丈夫かなって、最初は不安でした」と、胸の内を明かす。「でも今、焦りは全くないんです。台本を読んだ段階ではどうやってやろうかなと悩んでもいたんですけど、現場に来たらマコトがすんなり入ってきて。周りがとても個性的な人たちばかりだから、逆にナチュラルなほどマコトが立つ。カリスマ性を出そうと無理に考える必要はなく、ニュートラルでいればいいというのがとても楽です。マコトのどんな人の立場も認める中立なところは自分に似ていてやりやすいし、僕も生まれが池袋の近くなので『ここは俺の庭だ』という気持ちも理解しやすい。出会うべくして出会えた、とも思っています」脚本・作詞は柴幸男(ままごと)、演出は杉原邦生(KUNIO)、振付は北尾亘(Baobab)。演劇界の次世代ホープが組んだミュージカルという点でも、話題性十分。将来的には同劇場のプレイハウスでの上演を目指す一大プロジェクトの、“伝説のはじまり”を見逃すな!東京公演は12月23日(土)から1月14日(日)まで。取材・文/武田吏都
2017年12月12日いよいよNHKの連続テレビ小説『わろてんか』も10週目に突入。てん(葵わかな)の「ごりょんさん」(昔の良家や商家で使われていた敬称)と肝っ玉母さんぶりも板についてきましたが、まだまだ夫・藤吉(松坂桃李)の手綱さばきには手こずっているようです。先週の副題は「女のかんにん袋」。てんは文字どおり、リリコ(広瀬アリス)からもらった「かんにん袋(きんちゃく袋)」に、子育てに非協力的な藤吉への不平不満を叫んでいきます。それにしても、父親となっても相変わらずダメ亭主のままである藤吉。いや、さらに拍車がかかったというべきか。特に先週は、かなり奥さま方を敵に回したのではないでしょうか?■妻のかんにん袋が切れるとき風太(濱田岳)が会いに来たので、てんは藤吉とともに3人で夕食をとろうと待っていました。ところがさんざん待たされた後、酔っぱらって帰ってきた藤吉は、てんの料理をひっくり返してしまいます! 風太はここでもまた、藤吉にブチ切れ。てんの苦労を代弁し、藤吉を叱りつけますが、藤吉は「寄席のことを何もわかってないくせに」と逆ギレ状態に。てんも、藤吉に頼んでいた初節句のかぶとのことを何度も忘れられていたことで怒り心頭です。このあと、仲直りして食卓を囲むのかと思いきや、藤吉は「疲れたから寝る」と行ってしまいました。これはますますないですよね……。かんにん袋に「おしめ替えたこともあらへん! 夜泣きしても知らんぷり! いつまでもかぶと買ってこうへん! それでも父親か!」と藤吉への不平不満をぶちまけるてん。かんにん袋が実際に膨らみすぎて爆発するという演出には笑うしかなかったです。トキ(徳永えり)から「男は鈍い」と言われ、おおいに納得するてん。イクメンなんて存在しないに等しい明治時代、てんたちの独白に、ママたちはおおいにうなずいたのではないでしょうか?■高橋一生が男の言い分をフォロー最近、よく目にする高橋一生演じる伊能と藤吉の2ショット。伊能は、藤吉の恋敵的なポジションからスライドし、今では良き友人として藤吉をサポートしてくれています。藤吉について「仕事がおもしろい時期なんだ」とフォローする伊能。高橋一生、相変わらず、クレバーな二番手キャラがしっくり来ていますね。藤吉は「母親になると、みんな強なって面倒なんや」とぼやき、さらに「結婚してへんからわからんのや」とグチりまくりますが、伊能は「失ってから後悔しても遅いぞ」と穏やかにさとします。うーん。伊能は本当にキャパが広いですね。藤吉の愚痴を流さずに、かといって同意しすぎず、絶妙なさじ加減で受け止めています。ますます伊能株が上がる一方で、藤吉株の下落ぶりが心配な今日この頃です。■夫婦間の溝を埋めるには?かんにん袋の緒が切れてから、てんは藤吉とまともに口をききません。そんな2人を見かねた寄席の仲間たちが、なんとかてんたち夫婦を仲直りさせようと、隼也の初節句をみんなでお祝いします。これに感激したてん夫妻。締めは、これまで何度もてんのピンチを支えてきたトキ(徳永えり)の出番です。藤吉には「おてん様に結婚申し込んだときのお気持ち、隼ちゃんの前で思い出しとくれやす」と、てんにも「何があっても藤吉さんの言葉を信じてついていかはったのに、なんで今は信じてあげられへんのですか?」と詰めよります。そのとおり!いいぞ、トキ!その言葉にハッとしたてんと藤吉は、あらためて初心に戻り、夫婦の絆を取り戻しました。てんは今後について「お互いに愚痴はためずにすぐ吐き出すことです」と笑顔で提案し、めでたしめでたし。これまでにないくらいに亀裂が入っていた夫婦仲でしたが、仲間たちのサポートによって修復に向かいました。時代は違えど、ママがいろんなことに煮詰まったとき、こういう周りのサポートは非常に大きいなあと実感します。と言いつつ、週明けには藤吉が、性懲りもなくさらに寄席の小屋を増やしたいと言い出しました(苦笑)。まったく懲りない男ですが、だからこそてんの妻としての度量も大きくなっていくんでしょうね。ますますごりょんさんとして、気張っていってほしいです。
2017年12月05日葵わかながヒロインを演じる、現在放送中のNHK連続テレビ小説「わろてんか」の新たな出演者として、成田凌、松尾諭、水上京香の名前が明らかになった。明治の後半から第二次大戦直後の大阪を舞台に、ヒロイン・藤岡てんが愛と笑いをもって家族や仲間たちと懸命に生き、日本で初めて“笑いをビジネスにした女性”と言われるまでを描いた一代記を描く本作。葵さんが藤岡てん役を務めるほか、松坂桃李、濱田岳、広瀬アリス、徳永えり、大野拓朗、前野朋哉、高橋一生、鈴木京香らが名を連ねる。1月末からの物語を彩る、新たな出演者たち今回新たに発表されたのは、来年1月末からの物語を彩るキャストたち。葵さん演じるてんと松坂さん演じる藤吉の一人息子の隼也が帰って来るところから、「わろてんか」の新しい時代が始まっていく。そんな隼也を演じるのは、「人は見た目が100パーセント」「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 3rd season」に出演し、今回が連続テレビ小説初出演となる成田凌。隼也は、カリフォルニア在住の祖母・啄子を頼ってアメリカへ遊学していたが、レビューやミュージカルについての見聞を広め、先進的なエンターテインメントを学んで帰国。北村笑店の経営に参画するつもりだったが、最初は丁稚奉公からという昔気質の親や風太たちとぶつかりながらも、北村の跡継ぎとして成長していくという役どころだ。また、広瀬さん演じるリリコの漫才の相方、川上四郎役には『シン・ゴジラ』や「ひよっこ」にも出演していた松尾諭。音楽学校でピアノを学び演奏家として大成する夢を追うが叶わず、無声映画の伴奏楽士をしていた川上。だが、映画トーキー化のあおりを受け仕事がなくなり、リリコの流行歌漫才で伴奏の相方を務めることになるのだ。口べたでプライドの高い四郎が、リリコとどんな漫才を作り上げていくのか注目だ。そして、成田さん演じる隼也の恋人・加納つばき役には、こちらも連続テレビ小説初出演となる水上京香。大手銀行の頭取の父を持ち、乳母日傘の箱入り娘のつばきだが、アメリカでの生活経験もあり進歩的な考えの持ち主。隼也と偶然知り合い、互いにひかれあうようになるが、行く手には大きな障害が…。今後の北村笑店と風鳥亭は荒れる時代の波に翻弄されていくという。そんな中、今回発表されたキャストたちがどう物語に関わっていくのだろうか?■出演者コメント成田凌:わろてんかファンとして、この作品に携わることができ、嬉しく思います。後半からの出演で、視聴者の皆さまに馴染んでいただけるか不安もありますが、しっかり役と向き合い、愛される人間を演じ、日本の朝に笑いを届けたいと思います。松尾諭:四郎はとても素敵な役です。漫才に加えて、アコーディオンはとても難しいですが、広瀬アリスさんの足を引っ張らないように日夜、笑いと演奏を磨いております。できれば美女と野獣と言われないように、美も磨いていきたいです。水上京香:念願の朝ドラへの出演が叶い、感謝の気持ちでいっぱいです。笑って泣いて、たくさんの愛が溢れる作品の中で、魅力的なキャストの方々とお芝居できることが楽しみです。笑いの輪が広がっていくように精一杯頑張ります!連続テレビ小説 「わろてんか」は月曜日~土曜日8時~NHK・総合にて放送。(cinemacafe.net)
2017年12月01日NHKの連続テレビ小説『わろてんか』で、ついにてん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)がめでたく祝言を挙げました。ここに至るまでの紆余曲折に泣き笑いの日々でしたが、てんの商才を花開かせた姑・啄子(鈴木京香)の功績はかなり大きいと言えるでしょう。しかも啄子はもう一度一旗揚げようと、「おなごの夢に年は関係ありまへん」と海外へ旅立つ姿は心意気も粋!啄子は、嫁いびりをするだけの姑ではなく、お人よしだけどツメが甘い藤吉とてんの夫婦を、みごとに鍛え上げてくれるカッコいい姑でした。■姑が嫁に教えた3つの家訓てんと藤吉が経営している寄席「風鳥亭」。しかし売り上げを伸ばすためにしたことが仇となって、信用がガタ落ち。そんな状態となった風鳥亭を立て直すべく立ち上がった啄子。夏場の暑い中、てんは、冷やしアメを寄席で売ることを提案。その際も啄子は、店頭でも売って客を寄席に呼び込むようにアドバイスをします。さらにてんは氷の上で瓶を転がして、見た目も涼しく、冷やしアメの瓶をギンギンに冷やして売るというインパクト大のアイディアを思いつき、こちらが大当たり!この“冷やしアメ”はネットでも話題に。関西でも昔からある夏の定番商品で、水あめとしょうがで作った飲み物だそう。ほかにも、寄席の客の下駄磨きをするてんを啄子が手伝ったりもします。こうした細やかなサービスも手伝ってか、風鳥亭の信用は徐々に回復していきます。そしてついに啄子がてんを「ごりょんさん」(昔の良家や商家で使われていた敬称)と認める日がやってくるのです。<啄子がてんに教えた3つの家訓>1、節約ではなくて、無駄な出費をせず使うべきときに思い切り使う『始末』2、どこに商いの勝機があるかを見極め、誰もやらないことをやるという『才覚』3、損をして得を取って帳尻を合わせるという『算用』でした。ここに今回、啄子がてんから教わったという「人=財産」という『人財』が加わったのです。寄席を訪れたてんの母・しず(鈴木保奈美)も、てんの成長ぶりに安堵(あんど)し、啄子に心から感謝します。啄子としずが過去にバチバチの火花を散らせた母親対決をしていただけに、この着地点は非常に感慨深いものがありました。■嫁と姑の絆を深めたダメ夫効果!これまで良いところを見つけることが難しかった藤吉。商家に生まれるも商才はなし、笑いの才能もなし。さらには儲け話に引っかかってしまったり。優しいだけの夫(松坂桃李が演じているので顔が良いというのもあるが)にしか見えていませんでした。そしててんと啄子の嫁・姑関係もずっとギクシャク。しかし、夫があまり頼りにならなかったからこそ、嫁と姑の絆が深まったと言えるかもしれません。さらには根っからの商売人である啄子にとって、その後継とも言える資質を持っているのが息子よりも嫁・てんであることはきちんと見抜いていたでしょう。藤吉とリリコ(広瀬アリス)の関係にもんもんとするてんに、「ヤキモチは一銭の得にもならん。あの子はウソをつけん子や。藤吉郎を信じた方が得ということです」と、結婚に反対と言っているくせに、てんを叱咤激励。商才に欠ける息子・藤吉ですが、誠実で優しいところは誰よりもわかっている母・啄子。そんな藤吉を内助の功で支えてきたてんをずっと見てきた啄子は、いつしかてんをサポートする側に回っていました。てんの商才が開花したのも、嫁姑に絆が生まれたのも、藤吉あってこそ。まさに結果オーライ。夫婦や嫁・姑の関係は、バランスが大事なんだなとあらためて実感させられました。■松坂桃李と高橋一生、イケメンすぎる男たち『わろてんか』の2強イケメン、高橋一生と松坂桃李の2ショット。先週、高橋演じる伊能がてんに「君が必要なんだ」と言って、藤吉が大慌てするくだりは、視聴者の胸をざわつかせました。ふたを開けてみたら、伊能はてんから冷やしアメの売り方を教えてもらいたいというだけだったのですが、啄子は、それを教える代価として藤吉と伊能に客引きをさせました。イケメン2人の呼び込み効果は絶大で、女性たちは寄席に興味を示します。伊能はさらに、昼間に寄席を開けば女性を集客できるのではないかとアドバイス。この目のつけどころもすばらしく、当時はどこもやっていなかった平日の興行を始めたことで、風鳥亭はますます繁盛。その後、啄子の承諾を得て風鳥亭から「北村笑店」と名を改め、てんたちはますます気張っていきます。それにしてもイケメン夫にイケメンのビジネスパートナーがいるというてんは、間違いなく果報者で、うらやましいかぎりです。今週スタートした第9週では、てんと藤吉の間に長男・隼也が誕生。藤吉は、家族を養うために寄席をもう1軒増やしたいと、あらたたな小屋探しを始めたようです。ただ、てんは子育てと仕事に追われて大わらわ。今週のサブタイトルが「女のかんにん袋」ということで、今後の動向が気になるところ。働くママたちが共感するエピソードがふんだんに出てきそうで、毎回見逃せません。
2017年11月29日NHK連続テレビ小説「わろてんか」、映画『ミックス。』など、名脇役として数々のドラマや映画に出演している遠藤憲一が、BARのママとなって人生相談を聞くWEB限定動画「エンケンの人生相談BAR」が、本日11月20日(月)より公開された。「ハンコヤドットコム」による本動画は、遠藤さん(通称:エンケンさん)がド派手な衣装を身にまとったBARのママに扮し、カウンターに立ちながら人生に悩む男女の悩みを聞くという内容。名脇役として数々の作品で活躍するエンケンさんが、普段の役どころとは180度違うママ姿にチャレンジする内容は必見だ。今回公開された動画は「法人印篇」「印鑑篇」「スマホ篇」「チタン篇」の全4篇。例えば、「スマホ篇」では、ある女性客に「いらっしゃい。いいから、いらっしゃい」とBARのドアから手招き。「あなた長い付き合いだとホントめんどくさい女ね。何度も通わなきゃできないなんて、相手のペースに乗せられっぱなしじゃないの。ねぇ、お店だと、注文すんのに1回、受け取るのにもう1回。二度手間でしょ。欲しくなったらスマホ。ね、ハンコはスマホよ」と、ハンコの話!?やおらスマホを手にハンコヤドットコムの魅力を語り出すが、その指先はしっかりとネイルアートまで施されていることに注目。また、「チタン篇」では、「いらっしゃい」とお客を招き入れ、「そんな見てくれして、あっちの方だめだったのね。肝心なときに役に立たないんだからホントに」と、なんの話をしているのかと思いきや「欠けちゃって、実印」とエンケンさんのひと言。「で、登録し直しでしょ。ちっ、めんどくさい。ホントにめんどくさい。そういう話し聞くとね、もう飲まなきゃやってられない」と、客のお酒をグイッと飲むも「まずい!」。「酒もまずいわ、あたし、今日。だからあたしは、チタンハンコ」と胸元からハンコを取り出し、「あんたのと違って、カチカチでピッカピカ」とハンコ自慢。その後、「しかもね、印影がね、美し~」と素敵な笑顔でハンコを押して紹介、今度はキスマークもしっかりつけて、「こっちも、美し~」と笑顔を見せるのだった――。人生相談を受けるBARのママを、ド派手な女装で演じたエンケンさん。「たまにやるぶんには楽しい役でした」とコメント。「真逆な役をやるのが好きなので、まじめな役が続いたら急にハメを外した役もやりたくなります。そういうスタンスなのでギャップが大きいと思われるんでしょうね」と真摯に語る。実際の遠藤さんはどんな人?と聞かれると「全く普通です(笑)」。ということは、怖い人…?「止めてください(笑)逆です!怖くないですよ。悪役のイメージを持たれているかもしれませんが、最近は小心者の役も多くなってきて、普段の自分はそんな感じです」と弁明。実際は人に相談するよりも「相談されることばかりです」と、劇中さながら(?)の人柄を垣間見せていた。「エンケンの人生相談BAR」はハンコヤドットコム公式サイト、YouTubeにて公開中。(text:cinemacafe.net)
2017年11月20日現在、葵わかながヒロインを務め放送中の連続テレビ小説「わろてんか」。次回作は永野芽郁がヒロインを務め、北川悦吏子が脚本を担当する「半分、青い。」が撮影スタートし、放送を控えているが、このほど、続く99作目となる平成30年度後期の連続テレビ小説が「まんぷく」に決定したことが分かった。■あらすじ舞台は戦前の大阪。3人姉妹の末っ子で、貧しいながらも愛情をいっぱい受けておおらかに育ったヒロイン・福子。ある日、“父親代わり”となって母子家庭を支えた長姉が、病気で亡くなってしまう。次姉も結婚で家を出ていたため、「わたしがしっかりしなければ!」と、人生で初めての岐路に立たされ、健気にがんばろうと決意する福子。そんなときに出会った運命の人は──バイタリティーあふれる青年実業家・萬平だった。やがて2人は恋に落ち、結婚することになる。しかし、萬平はメリヤス、航空機エンジン、製塩、食品加工、金融など、次から次へと事業を手がけ、大成功したかと思えば大失敗、敗者復活戦の繰り返し。まさかこんな浮き沈みの激しい生活が待っていようとは…!「日本一の商売人」を目指して前に進み続け、穏やかな生活など考えもしない夫。武家の末えいで、“商売” に理解が乏しく、娘の結婚生活に口を挟まずにはいられない母。その間に立たされて、子どもを育てる福子に必要なのは、究極のマネジメント能力。初めは夫に振り回され、耐えるだけだった福子は、やがて夫を支え、背中を押し、引っ張っていく強い女になっていく。そして、全てを失ったどん底からの最後の敗者復活戦、ついに夫婦は「インスタントラーメン」を創り出す。それは世界の食文化に革命を起こす大発明だった――!連続テレビ小説第99作目となる本作は、いまや世界中で年間1,000億食近くも人々の口に入るインスタントラーメンをこの世に生み出した実業家・安藤百福氏とその妻・仁子氏の半生をモデルにした物語。■脚本は福田靖「身が引き締まる思い」脚本を担当するのは、テレビドラマ「HERO」や「海猿」「ガリレオ」シリーズ、NHK大河ドラマ「龍馬伝」など人気作を手掛ける福田靖。福田氏は、「誰もが元気になれる楽しい “朝ドラ” にしなければ意味がありません。『毎朝15分の美味しいエンターテインメント!』をお届けします!」とコメント。さらに、11月14日に行われた制作発表会見では、「脚本家になって22年ですが、とうとう“朝ドラ”の脚本を書く日が来てしまいました。いままで、大概のことは経験してきたつもりで、正直言って仕事に飽きちゃったなぁ、なんて思うこともあったんですが、“朝ドラ”を書くとなったら話は別です。身が引き締まる思いになっています」と心境を吐露。プロデューサーの真鍋斎氏から最初に「“朝ドラ”はマラソンじゃありませんよ。151本の100メートルダッシュです」という言われたそうで、「これは大変だと。体力、気力をあらん限り振り絞って書かなければならないと覚悟しました。とはいえ、毎朝、全国の皆さんに幸せな時間を届けるのが“朝ドラ”だと思っていますので、僕自身が楽しんで、遊び心を忘れずにおもしろいエンターテインメントを届けたいと思っています」と決意を語った。なお、タイトルの“まんぷく”は、物語のヒロイン・「福子」と、実業家の夫・「萬平」の夫婦の名前を合わせたもの。食と幸せのシンボル「満腹」という意味と、日本の朝に「福=幸せ」がたくさんあふれますように、という願いも込められているという。平成30年度後期連続テレビ小説「まんぷく」は平成30年10月1日(月)~平成31年3月30日(土)NHKにて放送予定(全151回)。(cinemacafe.net)
2017年11月14日