仕事が終わったら、保育園や自宅への移動時間で“おかあさんスイッチ”をオン! 家族の夕飯の支度や子どものお風呂、歯みがきなど、働くママたちは帰宅後も任務をたくさん抱えています。日々の暮らしをどう組み立てていけばいいか、悩んでいるママたちに紹介したいのが、書籍 『かあさんの暮らしマネジメント』 (SBクリエイティブ)です。ガラス作家のイイノナホさんや「くらすこと」主催の藤田ゆみさんなど、8人の「働くかあさんの暮らしのマネジメント術」がまとめられています。著者の一田憲子さんは、専業主婦や料理研究家など、さまざまな人たちにインタビューを行い、その習慣を紹介する 「暮らしのおへそ」 シリーズも手掛けています。一田さんが仕事やプライベートでたくさんのかあさんたちに出会い、日々を乗り切る術に感銘を受けたことから生まれたという本著で紹介されている「かあさんの暮らしマネジメント術」の一部をご紹介しましょう。■「1日を100%使い切らないのが自分を潤すためのコツ」(りょうこさん)「1日を100%使い切らないのが自分を潤すためのコツ」。これは、二人の息子さんを育てながらフルタイムで働くりょうこさんが、マネジメントの基本にしていることだそうです。1日をフルに活用しようとすると、体力・気力ともに消耗してしまうこともあるものです。取り込んだ洗濯物をたためずに山ができていたり、食器を洗えないまま子どもと一緒に寝落ちしてしまったり…。仕事と家事、育児をうまく回せずに自分を責めてしまう人もいることでしょう。あれもこれもと作業を詰め込みすぎず、1日の中で30〜40%くらいの余力を残しておく。そうすれば、「やること」「やらなくていいこと」も選択しやすくなります。時間にも余裕ができるため、子どもとゆっくり向き合ったり、読書をしたり、平日の夜も心穏やかに過ごせそうです。 ■「任せたら口出ししないのが、『やってもらうシステム』をつくるコツ」(石渡深里さん)産業医の石渡深里さんの家では、家事の一部を夫や子どもたち(7歳、5歳)がやっているそうです。ときには、7歳の長女が朝食づくりを担当することもあるのだとか。夫婦間の家事・育児の分担は、働くおかあさんたちにとって関心の高いテーマのひとつです。仮に夫が協力的な場合でも、やり方が気に入らずに結局自分でやってしまうというケースも。しかし、それではおかあさんばかりにしわ寄せがいってしまいます。石渡さんも夫のやり方に対して「私だったらこうする」と思うことはあるものの、そこまで相手に求めないそうです。口を出すよりも、相手のやり方を尊重して任せる。それは、子どもたちに対しても同様のようです。「任せる」ことで互いに信頼も生まれるうえに、一人ひとりが自発的に動くようにもなる。家庭内の雰囲気もぐっとよくなりそうです。■「いいおかあさん」よりも「ご機嫌でいること」を目指すこのように『かあさんの暮らしマネジメント』で紹介されているかあさんたちは、職種も立場もさまざまです。一田さんが序文で触れていた、かあさんたちのマネジメントの目的が印象的でした。今回、8人の働くおかあさんたちにお話を聞いてみると、なんと、みんな目的が同じでした。それは、自分自身を「ご機嫌に」すること。出典: 『かあさんの暮らしマネジメント』P3 「いいおかあさんであること」を目的にしてしまうと、できないときに落ち込んでしまうこともあります。自分自身が機嫌よくいられるためには、潔く手放すことも必要だとかあさんたちはいいます。育児や家事、仕事などで苦しい時期を経験してきたかあさんたちが悩みながら見つけた方法は、等身大のものばかり。「これなら自分でもできそう」と思えることでしょう。忙しいママたちが、ご機嫌でいられるためのヒントが詰まった一冊です。 『かあさんの暮らしマネジメント 仕事、家事、人生をラクに楽しくまわすコツ』 一田憲子 著(SBクリエイティブ)一田憲子編集者・ライター。OLを経て編集プロダクションへ転職したのち、フリーライターになる。さまざまな職種の人へのインタビューを通じて、暮らしまわりの記事や生きるヒントなどを読者に届けている。著書に『暮らしのおへそ』(主婦と生活社)、『「私らしく」働くこと』『ラクする台所』(マイナビ)など。新刊は『わが家のお金を、整える』(主婦と生活社)。WEBサイト「外の音、内の香」を運営。「外の音、内の香」: Instagram: @noriichida Facebook:
2017年06月07日