【ご相談】妻が病気で働けなくなった…。中学生2人の教育費、老後資金も準備したい43歳女性です。これまで共働きで家計を賄ってきましたが、私が病気になり当分パートができなくなってしまいました。食べ盛りの中学生の男の子が2人いるのですが、塾の費用や携帯代など削れない支出が多く、不安です。また、私も夫も40歳を超えており、将来への備えもそろそろ意識しなければならないと思うのですが、夫だけの収入で、将来への備えもしながら教育費を賄うことは可能でしょうか?現在は、子どもたちの進学先は、公立の高校を考えており、体調が安定しているようならまた働きたいと思っています。東京都在住 加藤雅子さん (仮名)【回答】これから教育費が増していく時期。家計のスリム化を図って、毎月の教育費を捻出しながら、少しずつ老後資金の準備も開始しましょう(ファイナンシャルプランナー 鈴木 さや子からのアドバイス)育ち盛りのお子さまがいらっしゃる今、病気と診断を受けられて、精神的にも金銭的にもさぞかしご不安なことかと思います。一刻も早くお元気になれるよう、治療に専念されたいですよね。そのためにも、金銭的な心配事を少しでも減らしていきましょう。体調が落ち着かれたらまたお仕事を再開されるご予定とのことですが、当面はご主人の収入だけで将来への備えをしながら教育費を賄うことが可能かどうかのご相談ですね。お仕事を再開されたら、その収入は貯蓄に充当するようにしましょう。まず教育費ですが、一般的に最もお金がかかるのが大学入学時です。初年度にかかるお金は、私立文系で約114.9万円、国公立で約81.8万円(※1)となり、受験費用を含めると、私立文系で約153.5万円、国公立で約125.3万円(※2)と高額です。受験のための塾も年間10万円以上かかりますので、お二人の大学入学関連費用で、預貯金の半分近くを使うことに。大学在学中は、私立文系で年額約90.2万円、国公立で年額53.6万円(※1)の学費がかかり、一人当たり月額約4.5万円~7.5万円かかる計算に。また、多くの大学で前期と後期の2度に分けて納付する点はご注意を。大きな出費が1年に2度訪れますのでその分を毎月とっておくことが必要です。このように学費だけでも高額なので、学費以外にかかるお金は、お子さま自身にアルバイトなどで賄ってもらい、残りの預貯金は老後資金のために温存できればと思います。また、私立大学に進学する場合などは、大学の学費を奨学金で賄うことも検討を。ただし奨学金はお子さま自身の借金になり、働きながら10年以上返済の義務があることをお子さまに説明した上で、少しでも負担を軽くできるよう、成績優秀であれば利用できる無利子奨学金の情報も親子で調べてみてください。返済義務のない給付型奨学金を導入している大学なども増えてきています。お子さまと一緒に情報収集に努めるようにしましょう。これからお子さま方が進学する高校では、学費だけで公立で月額約1.9万円、私立で約6万円かかります。私立に二人とも進学すると、お二人が同時に高校に通う時期には合計で12万円もかかることになり、今の家計では非常に厳しいと言わざるを得ません。公立をご検討とのことですが、実際に進路を決めるのはお子さま方なので、現状の家計状況をお子さまにも話し、共有することをおすすめします。塾の費用については、大学受験の塾には成績優秀者は塾費用が免除になるスカラシップ制度というものがあります。お子さまと一緒に今からその認定基準などをチェックして、少しでも教育費を下げられるようにお子さまにも努力してもらえると良いですね。また、インターネットを活用して、月額1,000円程度で授業が受けられるサービスなども登場しています。ぜひ調べてみてくださいね。老後資金準備は、今から少しずつ始められると良いですね。そして上のお子さまが大学を卒業して教育費負担が減る頃から貯蓄額を上げていきましょう。たとえば、今は月額1万円を積み立て、上のお子さまが7年後に大学を卒業されるとした場合、7年後から月額5万円、下のお子さまが9年後に卒業されるとした場合、9年後からは月額9万円に増やしたとします。その場合、ご主人が60歳になる19年後には、積立原資だけで総額1,284万円に。もし3%の複利運用ができた場合は、19年間で約1,533万円にもなります。預貯金の残りや退職金などと合わせれば2,000万円以上と見込まれますので、まずは一安心といったところでしょう。60歳以降も仕事を続けられるとさらに安心ですね。現在は医療費がかかるため、毎月の収支が赤字になるのはやむを得ません。治療が進むにつれ、その金額は減っていくと思われますので、医療費に関しては月々1万円と試算し、足りない分は貯蓄から補填すると考え、月々の支出を以下のように見直しました。なお、生命保険については、ご主人が万一のときのお子さまの教育費や奥さまの生活費を考慮すると、これ以上削減しない方が良いでしょう。見直しをする項目のうち、通信費については、今は格安SIMを活用するなど費用を抑える手段が豊富にあります。家族4人で2万円以下にできると良いですね。また、雑貨や被服費も無駄な買い物がないか見直し、20%削減を目指しましょう。収支金額のうち、前述のように老後資金の貯蓄に1万円、そして39,800円は教育資金の貯蓄に充てると、教育資金として、上のお子さまが大学に入学される3年後までで約143万円貯まります。医療費がかかるうちは貯蓄が減ってしまいますので、毎月しっかり取り分けておきましょう。なお、ボーナス分は、毎月の支出以外にかかる突発的な家電の買い替えや冠婚葬祭、旅行費用などのためにとっておきましょう。今、本当に大変な時期かと思います。ご家族皆さまで力を合わせて、情報収集、そして節約につとめ、乗り切ることができるよう心より願っております。※1 文部科学省「私立大学等の平成25年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」および文部科学省「平成22年度国立大学の授業料、入学料及び検定料の調査結果について」より。※2 日本政策金融公庫「教育費に関する実態調査結果」より。コラム執筆者プロフィール 鈴木 さや子(すずき さやこ)(株)ライフヴェーラ 代表取締役/mamaTanoマネーサロン 代表/CFP(R)/1級FP技能士/住宅ローンアドバイザー/キャリアコンサルタント(CDA)家族が笑顔になれるための生活に役立つお金の知識を、主に女性向けに、セミナーやコラム記事などを通じて情報発信。保険などの商品を一切販売しないファイナンシャルプランナーとして活躍中。専門は教育費・ライフプラン・保険・住宅ローン・マネー&キャリア教育。女性の心に寄り添う個人相談にも定評がある。企業講演の他、小・中学校や地域コミュニティなどでの講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行っている。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月15日京都銀行は21日、同行九条支店において、元パート職員による不祥事件が発生したと発表した。同行によると、九条支店元パート職員(40歳代・女性・窓口担当)が、2010年8月から2012年9月までの間に、5先の顧客から、持参した金額が確定しない状態で店頭で入金した現金の一部、総額7,132,506円を着服し、ローンの弁済や生活費に充当していたことが判明した。同行では、被害に遭った顧客には、事情を説明のうえ謝罪するとともに、被害金については全額弁済済みで、着服金については、当該元パート職員とその家族の拠出により全額回収したとしている。京都銀行では、監督官庁など関係機関に報告するとともに、警察に連絡しているという。また、当該元パート職員については、2012年11月16日付けで懲戒解雇とした。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月21日