昭和50年から、多くの古典芸能ファンに親しまれてきた「第46回NHK古典芸能鑑賞会」が、今年も東京・渋谷のNHKホールで開催される。日本の伝統芸能の各ジャンルを代表する方々の出演で、一夜限りの贅沢な舞台が繰り広げられる。【チケット情報はこちら】幕開きは箏曲で宮城道雄作曲の「越天楽変奏曲」。昭和3年、昭和天皇即位の大典の奉祝曲として作られた大合奏曲だ。雅楽の「越天楽」を主題にしており、令和に改まった年に相ふさわしい作品を、牧瀨裕理子ほか宮城合奏団の演奏で堪能できる。続いて、舞踊・清元「四季三葉草」。「式三番叟」を「四季三葉草」ともじった題名にし、四季の草花を詞章に詠み込んだ曲で、歌詞は「とうとうたらり」や「おおさえおおさえ」など、「三番叟」の定型句に、さまざまな草花をあしらい、洒落のきいたものだが、舞踊としては、ほかの「三番叟物」同様、品格を保った御祝儀的色彩の濃い作品となっている。今回は、芸術院会員の花柳壽應の翁、花柳壽輔の三番叟、花柳ツルの千歳という配役にて、素踊りで演じられる。次は、大蔵流の狂言「髭櫓」。新天皇が即位した際に行われる大嘗会にまつわる、夫婦の喜劇だ。立派な髭ゆえに大嘗会の犀の鉾の役を任された夫だが、妻と夫婦喧嘩となり、怒った妻は近所の女たちに加勢を頼み、夫の髭を剃ってしまおうと計画する。人間国宝の山本東次郎演じる夫を中心に、おおらかな笑いが繰り広げられる。そして最後は、文楽座特別出演による歌舞伎「義経千本桜・川連法眼館の場」で締めくくる。狐が親を思う情愛を描いた名作「川連法眼館の場」は、人形浄瑠璃文楽を先行作品として歌舞伎で繰り返し上演されているが、今回は一夜限りの豪華な舞台として、歌舞伎俳優と文楽座の共演が行われるのが、大きな話題だ。次々と大役を勤め、芸域を広げる尾上菊之助の忠信、立役・女方ともに芸を極める中村時蔵の義経に、文楽太夫の最高峰、豊竹咲太夫の浄瑠璃、華麗な撥さばきをみせる鶴澤燕三の三味線という配役が見どころだ。取材・文:七海友信
2019年08月20日「国立新美術館 開館10周年記念ウィーク」が、2017年1月20日(金)から1月30日(月)まで開催される。2017年1月21日(土)に開館10周年を迎える国立新美術館。「開館10周年記念ウィーク」では、そのアニバーサリーを祝って、だれもがアートを楽しめるスペシャルイベントが用意される。国立新美術館の活動に迫る特別展示期間中は、特別展示として国立新美術館が軸にしている展覧会、教育普及、美術資料、美術の情報収集と発信という4つの活動を紹介。普段は無色彩である会場は、フランスの建築家/デザイナーのエマニュエル・ムホーの華やかな色彩を用いたインスタレーションで飾られ、来場者はいつもと異なる空間で美術を楽しめる。また、「アーティスト・ファイル2010―現代の作家たち」展の出品作家である石田尚志による映像インスタレーションも開催。彼は、美術館の展示室におけるインスタレーションはもとより、屋外での大掛かりなプロジェクション・マッピングでも注目を集めるアーティスト。期間中は、地下鉄から美術館への通路に作品を投影する予定だ。年齢・性別問わず楽しめる特別プログラム10周年記念ウィークには、幅広い世代が楽しめる6つのプログラムが行われる。シンポジウム1では、マスメディア共催による美術展の歴史的な経緯や海外の事例をふまえつつ、今後の展覧会のあり方を考察。そして、アーカイブ的な傾向が美術館という実践の場でどのように機能し、それが美術館の未来にどのような地平を切り開くのかを議論するシンポジウム2、クリエイティブ・ユニット「SPREAD」を講師に迎える色と形のワークショップといった形で、多角的に国立新美術館独自の芸術世界を繰り広げる。また、山本東次郎家一門による狂言公演、黒川紀章が設計した建築の魅力に迫るツアー、さらにはピアノコンサートまで。年齢・性別問わず楽しめるコンテンツが揃う。ミュージアムショップでは若手アーティスト・デザイナーの作品や、購入して持ち帰り身近で楽しむことのできるプロダクトなどを揃えるほか、カフェ・レストランでは特別メニューの提供も。なお、21日(土)は「19th DOMANI・明日展」など含む開催中の全ての展覧会観覧料が無料となる。この機会に思う存分アートに触れ、そして国立新美術館の違った魅力を発見してみてはいかがだろう。【開催概要】国立新美術館 開館10周年記念ウィーク期間:2017年1月20日(金)~1月30日(月)※1月24日(火)は休館。会場:国立新美術館住所:東京都港区六本木7-22-2開館時間:10:00~18:00※金曜日、土曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)※2017年1月21日(土)は、開催中の全ての展覧会観覧料が無料。※特別展示、特別プログラムはそれぞれ開催日時が異なるため事前確認を推奨。
2016年12月12日