前編 では年齢と脳の戦略の関係について、黒川先生の理論を聞きました。では、合コンなど普段の出会いで、どうやって運命の人を探せばいいのでしょう? そのコツを聞いてみました。■相手のポイントを見つけよう合コンのときは、「好奇心のツボ」を見つけることですね。それは、相手の「好奇心の先」であり、自分自身が「好奇心を持てること」を見つけ出すこと。たとえば、鉄道の話になって、相手がローカル線の旅が好き、と言ったら、「あなたの一押しローカル線はどこ?」などと「それはなぜ?」と聞いて行けばいい。質問上手は、惚れさせ上手ですよ。趣味が難しければ、仕事の話でもいい。けれど、その場合も、「何やってるんですか」なんてつまらない質問はしないこと。たとえば、銀行員なら、「世界で一番いい銀行って、どこ? プロから見て」みたいな普段聞かれない質問をしてみて。「実は学生時代ラグビーやっていて」と言われたら、「ルールわからないんですよね」って。今度連れて行って、ルールを教えてやるかと思われるぐらいまで、無邪気に一生懸命になれればいいですよね。相手に合わせるのではなくて、自分の興味に従って。自分がその話を続けたければ、それもOKですし、知らなくて教えてもらいたかったら聞けばよいのです。興味がなかったら別のポイントをみつけましょう。正直に自分が興味を持てるところを探すんです。それを小賢しくマニュアルとしてやるのとは全く反対。合コンでは、集まった5人の男性のうち、誰なら自分が楽しめるかを探せばいいんですよ。誰が自分を気に入ってくれるかではありません。ゴルフなのか、ラーメンなのか、鉄道オタクなのか。私の息子だったらバイクかモトクロスのレース、パンクロックかな。その中に自分のきっかけを見つけられるかです。一通り聞いても興味が湧かなかったら、もうふた通り目聞いたらいいでしょう。自分が聞きたいことを引き出します。それを聞くとき、「日曜日何をしてますか」「趣味は何ですか」ではつまらないので、「去年一年で一番感動したことって何ですか」や「最近泣いた?」「笑いが止まらなかったことって何?」などを聞いてみて。「小学校のとき一番好きだった先生の名前を教えて」とか、何でもないことですよ。■自分ならではの考えをぶつけよう男性は異性の射程範囲が広いから、10人の若い女の子がいれば、8人くらいはいい子だなと思っちゃう。だから、「キレイで優しい」なんてことで競っても、特別なひとりにはなれません。「この人としか、話せないことがある」という“心のフック”を感じたら特別な人になれるし、「この人に、もう一度、話を聞いてもらいたい」と思ってメールをしてくれます。でもね、世の中の大半の人がいいと思う話題じゃ、フックにならない。逆に、「世の中の人と違うところ」がフックになるんですよ。たとえば、「私、ディズニーランドが好き」「定番すぎるけど、やっぱ、ミッキーってよくない?」じゃ、「あ、そう」って感じ。けど、「私、ディズニーランドが意外に苦手。イベントって、嫌いかも」「あ~、おれ、それわかる」とか「キャラクターでは、プルートだけが好き。だって、あの子だけかわいそうなんだもん。グーフィーは洋服着てるのに、なぜ、プルートは犬のままなの?」「あ、おれも、それ思った!」みたいなことなら、仲良くなれるでしょう? 自分だけの、小さな心の引っ掛かりは、会話のフックを創り出すいいネタになります。「小さな頃、大人に嘘つくなって言われて、大人は嘘ついてんじゃんって思わなかった? 」というような、そんな話題でもいいでしょう。自分の人生の中で心に引っかかってることを言っていけばいいのでは。惚れあう相手は感性の正反対の相手だけど、こういう些細な着目点が重なることはよくあります。着目点が似ていて、実際の行動は食い違うというのが、感性真逆の相性なんです。そして、それこそが恋の相手。共通の着目点を見つけて、「え、あなたはこうするの。なるほど」と違いを味わいましょう。それこそが、合コンの正しい使い方ですよ。ということは、「楽しいけど共感できずにムカつくことも多い」という人にアンテナを向けてみて。そういう人を見つけるには、まず自分の人生や生活に好奇心を持つことが大事ですね。人の言うことを鵜呑みにしないで、自分の感覚を大事にしておくこと。そうすれば、いつか同じように感じている人と出会えます。そうやって出会った人が運命の人かもしれないですよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2013年12月20日