ライター、料理講師。 アレルギー持ちの8歳と1歳の母。自然と調和したライフスタイルの提案、情報発信をワークショップや個別指導を通じて行う。ベジタリアン料理と普通食、離乳食や制限食など、両立料理の展開メニュー開発など多数提案。インタビュー記事、ベジタリアン料理やレストラン紹介、コラム執筆、人物や料理撮影も担当。
出産後すぐの母乳は初乳と呼ばれ、赤ちゃんにとって栄養と免疫の濃縮ジュースと言われるほど貴重なものです。「できれば母乳で育てたいけど、産まれてすぐから出るのかしら?」そんな不安を持つ妊婦さんは多いとおもいます。 今回はスムーズに母乳育児を始めるために妊娠中からできることについて、桶谷式母乳マッサージをされている『まどれ助産院』の真木先生にお話を伺ってきました。 妊娠中期(妊娠5~7カ月)くらいから血行が良くなり乳腺が発達し、乳頭から透明だったり少し黄色味がかった分泌液が出ることがあります。絞ってみたい気持ちにかられがちですが、この時期からマッサージを始めるのはあまりオススメできません。 産後の母乳量との関連はあまりないようなので、無理にがんばると乳頭感染の可能性もありますし、乳頭への刺激は子宮収縮の原因にもなります。切迫早産になりやすい人や子宮頚感管長が短いと指摘された方は特に避けた方がよいです。 妊娠中の母乳マッサージはいろいろな方法が紹介されていますが、いつ産まれても大丈夫な妊娠10カ月の37週頃になったら開始しましょう。 それまでは乳腺を圧迫しないよう、乳房を支えられるくらいのノンワイヤーブラジャーに切り替えて血行良く過ごせるようにしましょう。この時期からフロントホックのものにしておくと出産後にも使えて便利です。 乳頭に白いポツポツのような固まりや栓のようなものができていたら、お風呂に入る前に植物性オイルをつけたコットンを張って少しラップパックをしてからそっと拭き取ります。この他に扁平乳頭や陥没乳頭の場合は特別なケアが必要になるので、母乳外来や助産外来などで診てもらい相談すると良いでしょう。 女性は出産するとホルモン分泌が変わり、そこで初めておっぱいを出す体に切り替わります。産後すぐの時期、産院ではおっぱいをあげる前と後に赤ちゃんの体重を測り「どれだけ飲めているか」を計算します。最初は増えても10gや20gだったりと極少量が当たり前なので心配いりません。何度も何度も吸わせていくことで少しずつ赤ちゃんの吸い方も上手になり、たくさん飲めるようになっていきます。 赤ちゃんのおっぱいを吸う力は思いのほか強く、生きるために本能的にがんばる姿は胸を打つものがあります。赤ちゃんはママのおっぱいが最初はあまり出ないことを知っていて、出るようになるまでの栄養をお弁当のように体に蓄えて産まれてくるともいわれています。だから大丈夫。出生体重が少なくて母乳を吸う力がなくなってしまいそうな場合は最初だけミルクを足した方が良いこともありますが、とにかくあげ続けることが一番大切です。 子供を産むという大仕事を成し遂げたあと、喜びもつかの間にすぐ始まる授乳リレー。赤ちゃんが眠った時に一緒に眠り、少しでも体を回復させて楽しく子育てができますように。
2014年07月22日「赤ちゃんが来る!」と夫婦で喜びに満たされる妊娠初期。同時に心配事も増えますね。心拍が確認できて母子手帳をもらっても、受精後8週(妊娠10週)まではお腹の赤ちゃんの医学的呼び名は『胎児』ではなくまだ『胎芽』、流産の可能性が妊娠期を通して高い時期でもあります。 妊娠期を全体を通して無理せずゆったり過ごすことが大切になりますが「無理しないで」と言われても一体どこまでが無理でどこまでが無理じゃないかもわからず、何を食べれば良くて何がダメなのかなども謎ばかり。どの情報を信じれば良よいかわからなくなることもあります。 「わからない」ということはそれだけで不安ですよね。今回はその「わからない」ストレスを最小限にするために必要なことをお伝えします。 妊娠出産の常識は日進月歩。私も1人目と2人目に6年のブランクがありましたが情報がかなり変わっていて驚きました。便利グッズや流派のようなものも増えて迷いましたが、押さえておきたい基本情報は変わりません。 ■妊娠中・安心の目安とする基本情報は? ・妊娠4ヵ月の12週 胎芽期を過ぎてひとまず安心できるので、流産の確率がまたグンと下がる。 ・妊娠5ヵ月の16週頃 安定期に入り胎盤が完成する。 ・妊娠8ヵ月の28週頃 赤ちゃんがお腹から出ても保育器に入って何とか自発呼吸できる。体重は1000g超えたくらいが目安 ・体重目安 妊娠8ヵ月の30週頃1500g、妊娠9月の34週で2000g それ以降は、いつ生まれても大丈夫になる正産期(妊娠10ヵ月36週~)まで、病院の先生や助産師さんたちと力を合わせて赤ちゃんを見守ることになります。 ■妊娠中の注意事項 病院でも助産院でも変わらず指導されていること ・体を冷やさないこと ・塩分を控え、甘いものや油物を取り過ぎないこと ・栄養をバランスよく取り、動物性葉酸を多く含むレバーやマグロや赤魚の過剰摂取に気をつける ・カフェインやお酒や喫煙(受動喫煙も含む)や生肉やカビ系のチーズの摂取を避けること ・重い物を持たない ・車や自転車の運転や熱いお風呂に長時間浸かることを控える ・安定期以降は体調が良ければ適度な運動をする など 妊娠する前はただただ幸せそうで羨ましかった妊婦さんにもいろいろな制約や不安があったんだな…と自分が妊娠して改めて気づきました。 妊娠出産は奇跡の連続。人それぞれにたくさんのドラマがあり、どれもが特別です。その特別な10ヵ月が不安に曇らないように、楽しいことや幸せな気持ちを存分に味わって、赤ちゃんに会える喜びに満たされますように。
2014年07月21日出産は大きな喜びですが、その後すぐにフニャフニャした小さな赤ちゃんを生かすための必死の日々が始まります。産後間もなく骨盤もグラグラで、悪露(おろ)と呼ばれる出血があったり睡眠不足が続き、ママひとりでは到底立ち向かえる気がしません。心細くもなりますし体力的に追いつかないことも。 そんな時は夫婦の協力が不可欠になりますが、夫が仕事で忙しかったりいないことが多い場合、実家の母や義理の母に援護をお願いする人も多いでしょう。おばあちゃんからしても赤ちゃんと過ごせる懐かしい時期、ママにとってもおばあちゃんの絆と感謝を新たに強める良い機会になるかもしれません。 産後のママはホルモンバランスの変化や子どもの授乳間隔が2~3時間と短いため睡眠不足もあり、育児への心細さと責任感が入り混じった気持ちを周りから「神経質になった」と捉えられることがよくあります。 実際、ホルモンバランスの変化や睡眠不足、夜泣きなどから、産後の女性はイライラすることも多いです。 適当なやり取りをしたりケンカをしてもそこに安心し合える関係が構築できていれば良いのですが、お互いを思い合うあまり赤ちゃん以外のことで心配が増え、疲れが溜まり、それがストレスになってしまうことがあります。また、ママが頑張りすぎて「産後ウツ」になることもあります。 若いパパやママでもきつい生活なのですから、双方の親(おじいちゃん、おばあちゃん)の体力の心配もしなくてはいけません。赤ちゃんが生まれて来たばかりの特別な時期を、「お互いに気持ちよく、楽しく過ごすためにできることは何だろう」と考えることが必要になります。 そこにはいろいろな考え方がありますが、家族からの援護が難しい場合、地域や行政で行っているファミリーサポートをお願いするという手もあります。大体一時間800円くらい。登録時には必ず赤ちゃんを交えた三者面談があります。赤ちゃんへのサポートのため数時間分の無料券が配られていることが多いようです。 わが家で「これをしてもらえたら助かる!」と思ったのは「買ってきた野菜をひたすら切っておいてもらうこと」でした。母乳を与えているととにかくびっくりするくらいお腹が減るのですが、まだ抱っこ紐に入れられない状態の泣いた赤ちゃんを抱っこしながら片手で大量の野菜を切るのは難しく、すぐ食べられるお菓子やパンに逃げそうになることがあります。 そんな時、産後良質なおっぱいを作るために、「たとえお味噌汁とごはんと小さな副菜ひとつでもすぐに作れる状態である」というのは大きな安心に繋がります。 また、「洗濯物を干してもらい、一緒に畳みながら育児相談に乗ってもらうこと」や「下の子を見てもらって、その間上の子とゆっくり時間を過ごさせてもらった」「沐浴は自分でしたけれど、そのための支度と片付けを手伝ってもらった」「赤ちゃんを見ていてもらい、その間少しだけ横にならせてもらった」というママ友達もいました。 どれも正直家族でもできそうなことばかりですが、どうしても事情があって難しい場合、産後弱った心と体を助けるために少しだけ利用してみるのも良いかもしれませんね。
2014年07月20日昔のテレビ番組のように「うっ」と流しに駆け込んで妊娠に気づくことはないにしても、常に胸の底の方からくる気持ち悪さに覆われたり、特定の食べ物に殺気を覚えるほどの嫌悪感を持ったり、かと思ったら突然「もうこれしか食べられない!」と思い込み、家族をも巻き込む魔の時期、それが悪阻(つわり)です。 つわりとは、どのような症状がいつ頃から出るのか、何なら食べられるのか、家族の反応、つわり対策メニュー、その地獄はいつになったら終わるのか、つわりの原因、つわりに対する考え方などをお伝えします。 まずつわりの始まりについてですが、一般的には妊娠4週から6週くらいの間から始まり、胎盤が完成する安定期(妊娠5か月:16週~)頃に落ち着いてくることが多いようです。 そうは言っても「つわり? なかったわ」という人もいれば「出産までつらかった」という人もいたりでつわりにはかなりの個人差があります。 期間もバラエティーに富んでいて、たまに軽い車酔いを感じる程度の人もいれば、枕元に常にエチケット袋を用意しておかないと危ない人もいますし、体重がガクンと落ちて血液検査でケトン体が出たり脱水や栄養障害で点滴に通ったり入院する人まで本当にさまざま。 つわりの症状も一般的な「食欲がなくなる」「食べられない物が増える」という症状と、他に「常に何か食べてないと気持ち悪い」という『食べづわり』になる人もいます。(最悪なのはその両方に交互にかかることです。) ソファーで吐き気を抱えて「いつになったら終わるんだろう」とうめき、ごはんを作る時も耐えられない匂いに悩まされたり、「つわりくらいで」と言う夫に「一瞬でいいからこの気持ち悪さを共有できたらいいのに。あなた絶対一発でノックアウトよ!」と奥歯を噛み締めたり、と精神的なストレスがかかることも多いようです。 その他にも「方向音痴なのにどこへ言っても精肉売り場と生鮮売り場の場所をすぐに気持ち悪さで感知できる」など異様な嗅覚の発達に驚いたり、突然無性に季節外れの物が食べたくなったりも。 つわりの原因はまだはっきりとわかっていないそうですが、胎盤になる絨毛(じゅうもう)から分泌されるホルモンが嘔吐中枢を刺激するという説や、父親の成分を持つ赤ちゃんがママの体の中で異物として認識され、その反応としてつわりが起きるという説が有力です。 気づけば一日中吐いていたり、体重が急に落ちたり、水が飲めなくなってトイレへ行く回数が減ったり、クラクラするなどの症状に思い当たったら、それは妊娠悪阻と呼ばれる病気の範疇に分類されるサインです。「まさか…」と思っても血液検査をするとギリギリのラインだったということもありますから、健診の時には必ず相談してみましょう。 次回はつわりになったらどのようなものを食べると良いのか、この時期をなるべくラクに乗り越えるためにどのようなことをすれば良いかなどを紹介します。
2014年07月19日妊娠するちょっと前にふと「何月に出産するのが一番育てやすいだろう?」と考えたことがありました。いつ産まれても可愛いことには変わりはありませんが、同じ年でも月によってこんなに違う、ということについて紹介します。 ■出産時期:冬生まれ 冬生まれは、ママは着込んで温かくできるから良いけれど、赤ちゃんはお風呂に入れる時の着替えもオムツ替えも冷えないよう手早くしなくてはいけません。 寒い時期の頻回授乳もつらく、夜も部屋を温かく設定して加湿器をつけたりと気を遣う事も多く、赤ちゃんに触れるママの手やおしりふきが冷たくて困ることも。お宮参りも寒い時期に当たりやすいため心配です。 また、保育園は満二ヶ月以上にならないと入園できないので2、3月生まれは激戦期に当たってしまいます。ですが、冬生まれは花粉の時期から遠いため、一番敏感な新生児期を花粉にさらすことなく過ごさせてあげられます。 幼稚園時代は春生まれの子と体格も発達も違い過ぎて心配かもしれませんが、小学校中学年くらいになると差はなくなり、将来的には良い面も出てくるでしょう。 ■出産時期:春生まれ〜初夏生まれ 春~初夏生まれは暖かく風邪などの心配もあまりない時期なので、一般的には一番人気があります。「洗濯物が乾きやすく、赤ちゃんも湯冷めしにくく薄着で大丈夫」「温度調節がとにかくラク」など利点を感じる場合も多いようです。 とにかく成長が早く、3歳ごろの幼稚園などの入園時に「まだオムツが外れない」「ひとりで着替えられない」などの心配事が少なくて済みます。 しかし、お散歩し始める時期が真夏に当たってしまうため秋まで外に出づらいのと、妊娠中はママの悪阻(つわり)が暑い時期と当たって夏バテが心配です。また、妊娠後期は寒く、インフルエンザ予防をしっかりしなければいけません。 ■出産時期:夏生まれ~秋生まれ 夏~秋生まれはとにかく臨月期が暑い! しかし、お腹を冷やす心配はありませんし、マタニティウェアも少なくて済みます。産後一ヵ月は湯船に浸かれなくても体が冷えなくて良さそうです。 あせもや湿疹、ひどい紫外線や熱中症には気をつける必要があります。秋生まれはお散歩できるようになる頃に寒い冬が来るため、防寒が大切になります。 わが家の場合、長女が4月生まれ、次女が1月生まれなので、学年の中で一番のお姉ちゃんと早生まれの小さい子という位置づけになります。長女は4月生まれだからか幼稚園が始まる頃にはすでにできることが多く、積極的にお友達の輪に入れました。 身長差はもちろん、勉強の理解度や計算速度、着替える早さや言葉の発達も違うかもしれません。でも妊娠期は暑さと悪阻が重なり大変でした…。 産まれる前はいろいろ考えますが、産まれてしまえば子供の誕生月は何月でも親にとってかわいさは同じ。最初の一年は特に大変な時期ですから、いつ産まれても総合的に考えたらあまり関係ないかもしれません。
2014年07月18日■妊娠中のファッションのポイント 妊娠して最初のころは微笑ましい膨らみのお腹ですが、週数が進むと「もうムリ!」と言いたくなるほど冗談みたいに大きくなります。着られなくなる服の数々にファッションの路線変更を余儀なくされた妊婦さんも多いはず。 体を冷やすと逆子になりやすいため手足・足首が冷える服は避けた方が体調良く過ごせますし、体のバランスを取るために自然とハイヒールよりスニーカーに手が伸びます。外ではちょっと頑張ってお洒落をしても家では体を冷やさないように過ごすのが良いですね。 マタニティ用のレギンスや、産後も使える授乳機能付きのカットソーやタンクトップ、授乳期にも重ね着しやすい襟ぐりが大きく開いたチュニックやワンピース、乳腺やアンダーバストを締め付けない授乳ブラなどが長く着られておすすめです。 ■出産前後のファッションのポイント 出産直前は、今にも「お腹を破って出てくるのではないか」と心配になる腹囲になるので、パジャマなどもマタニティサイズがおすすめです。入院時や出産後のためにも必ず授乳口付きで、特にパジャマは前開きボタンのほうが、傷の手当てをしたり、ボディクリームをこまめに塗りやすいです。 また、出産前は「こっそり胸を出せる服」なんて目線で洋服を選ぶことはありませんから「授乳期の今だけ着倒そう」という覚悟で授乳機能付きの服を買い直すこともあります。とはいえ産後3ヶ月くらいして授乳ペースが落ち着けば、ママも少しずつ慣れてくるので産前の服と組み合わせられるようになりますよ。 外出先には授乳室もありますし、授乳ケープを使えれば買い足すのは必要最小限で大丈夫です。また、子供の安全のためにも、産後まだグラグラしている骨盤のためヒールがある靴は控えた方が良いでしょう。 ■子育て期のファッションのポイント 乳児期からはママの顔を積極的に触ってくる赤ちゃんのため「触られても安全なファンデーションを」と無添加の物を選ぶママが多いです。 もう少し大きくなると今度は子供を追いかけるためにスカートよりジーパン、長時間の抱っこはスポ根を通り越して足首を傷めるのでやはりハイヒールよりスニーカーがベストです。 ネックレスも子供にとってはちょうど良い手綱になり、指輪はおしゃぶり、ピアスにいたっては「ひっぱるとママが泣き叫ぶ面白スイッチ」になるので注意が必要です。 ■最後に… 子育てに照準を合わせるとお洒落から遠のきがちですが、大切なのは「少しでも自分を大切にする『物』や『時間』を確保する」ということかもしれません。 「体の変化と赤ちゃんのために」を中心に考えなくてはいけない時期であっても、自分が本当に気に入った物をひとつでも持つようにしましょう。好きな色や、好きな肌触りの服を着たり、自分の体を労る時間や美しいものを感じる時間を持つなども大切なことです。それらは全て繋がって、育児が少し落ち着いてきた時のための良いリハビリになりますよ。 子どもは本当にあっという間に大きくなります。この忙しさや慌ただしさはまさに期間限定です。あとで思い返すと必ず良い思い出になります。このドタバタも笑顔で楽しめますように。
2014年06月29日「赤ちゃんが産まれたらこれをしよう、あれもしよう」と思いを巡らせる妊娠期。体調の変化も激しく、楽しみも不安も混ざった忙しい毎日だと思います。しかし出産したら1時間置きで授乳する新生児期がスタートします。オムツ替えや「夜泣きしたら抱っこであやし続ける」など、絶え間ないミッションが始まります。 そのため、出産するとしばらくできなくなることがたくさんあります。今回は『もしもタイムマシンがあったら妊娠中にやっておきたかったこと』4つをご紹介します。 1)もっといろんなところへ外出する 体調を優先して無理しないこと前提ですが、『映画やライブ鑑賞』『スポーツ観戦』、『美容院に行く』『食べ歩き』そして大事なのは『夫と2人きりのデート』です。 赤ちゃんは音と光に敏感です。映画館やライブ会場で無理をするのもさせるのも良くないので出産前に満喫しておきましょう。また、産後の数年間は、赤ちゃんとセットで動く家族行動がメインになります。妊娠期のうちに思い残すことのないよう夫婦2人で行けるところに行っておくことをおすすめします。 2)もっと外食を楽しむ 『ラーメン屋などの狭い店』や『高級ディナー店』での外食です。想像に難くないと思いますが、やはり産後間もない赤ちゃんを連れて入るのはむずかしいです。狭い店内でいつ泣くかわからない赤ちゃんを抱えながら熱いラーメンを急いで食べたり、マナー違反にならないように気を遣いながら食べなくてはならない高級ディナーなど、どちらも味を楽しむことができずまるで罰ゲームのようです。 3)もっと家のことをする 新しい生活のために、家の片付けと模様替えです。出産が近くなると本能からか「家を整えたい!」と感じる人が多いようです。新生児服やオムツの収納場所を整えたり、赤ちゃんをどこで寝かせるかを考えるなどです。 4)妊娠・出産の記録をつける 病院へ行くたびに溜まっていく赤ちゃんのエコー写真のファイリングも、やっておくと良いことの1つです。その時々の気持ちや赤ちゃんへのメッセージを添えてあられると良いですね。 このように、やらなくてはいけないこともたくさんある妊娠期ですが、自分の心のためにも出産前に好きなことや、やりたいことをやって満足しておける時間を持つことが一番大切です。 本当に産後しばらくは遠出や夜遅くの外出は難しくなります。ですが実際のところ、つらいことばかりではありません。私達は出産前には知らなかった最大の夜遊びを知ることにもなるのです。 それは『赤ちゃんの寝顔や日々の成長を存分に見ていられること』です。出産前には知らなかった甘い時間。夫婦で夜中に赤ちゃんの寝顔を見ながら「幸せだね」と頷き合ったり、アホみたいにたくさん赤ちゃんの写真を撮っては「かわいいかわいい」と目を細めたり…。 産まれたら新しい大きな楽しみが待っているので、お腹の中にいるうちの楽しみもたっぷり味わって出産にのぞんで下さいね。
2014年06月28日今までパパとママの愛情を一心に受けてきたひとりっ子。急にお兄ちゃんお姉ちゃんになれと言われても簡単になれるわけはなく、気持ちの容量オーバーから赤ちゃんのように必死でダダをこねることが増えたり、手がかかるようになったりします。それがどの子にも形を変えて少なからずある「赤ちゃん返り」というもののようです。 例えば女の子には小さな頃から母性本能があり、3歳くらいになると下の子を「かわいがろう」とする気持ちが芽生えます。また、ママの真似や人形ごっこの延長線でお世話をしたがります。わが家の場合は長女が6歳の時に次女が生まれました。もう6歳。だから赤ちゃん返りはなく「一緒に赤ちゃんのお世話しようね」という言葉で乗り越えられるものと思っていました。 ところが、それまで次女の誕生を待ち望んでいたはずの長女が、出産する数日前に次女のことで初めて大泣きしました。きっかけは小さな話でした。その日は寒い夜だったのに長女が「毛布をかけたくない」とダダをこねていたのです。しかし、その言葉は表面的なもので、本当の気持ちがその奥に隠れていました。 「今までずっとママと同じ毛布で寝てたのに、ママのお腹が大きくなったから別の毛布をかけるようにしていたの。寝袋みたいに自分の足を包んで、ママのお腹を蹴らないようにして気をつけていたんだよ。でも本当はずっと抱っこしてもらって寝たかった。『ママの毛布に入れて』って言いたかったけど、ずっと言えなかった」と長女が話してくれました。そんなことを言われた私は思わず泣いてしまいました。 長女は産まれてくる赤ちゃんにママを取られてしまうのではないかという不安と、「出産でママが死んじゃうのではないか」という恐怖、「ママが入院している間、頑張らなければ」という気負い、お姉ちゃんと呼ばれることへの緊張で、最初は意味がわからないワガママから、だんだん一言ずつ本当の気持ちを話してくれたのです。 本当の気持ちを話すことができて、泣き疲れて眠った長女の顔は、赤ん坊の頃の寝顔にそっくりでした。「お姉ちゃんと呼ばれるようになっても、赤ちゃんの頃と同じ甘えん坊でママっ子な娘なんだわ。もっと大事にしよう」と出産直前に肝に銘じたのでした。 子供の本当の気持ちはいつもくだらないダダやワガママの裏側にこそ本当の気持ちが隠れていることが多く、どの「赤ちゃん返り」にも意味があるように思うのです。 だからなるべくその本当の気持ちを一緒に探るべく、下の子にも時々「ちょっと待っててね」と伝えて上の子に時間を使うようにしています。 「赤ちゃん返り」というより、子どもの心にはいつまでも赤ちゃんのように柔らかい部分があって、いくつになっても親に愛されていると感じ続けたいのかもしれませんね。
2014年06月27日名前は人生最初のギフト。その子が生まれて死ぬまでずっとそばにあるものです。本人はもちろんのこと、親である私達が毎日使うものなので夫婦で話し合って赤ちゃんへの愛情と願いを込めた良い名前をつけたいものですね。 今回は基本的な命名のポイントを5つご紹介します。 1、呼びやすい名前にすること 病院や公園、学校などの公共の場所で、友達や近所の人達から呼ばれる名前です。いつか出会うだろう恋人や将来の配偶者や、職場の同僚からも呼ばれるので、その子の人生の流れをイメージして呼びやすい名前をつけてあげましょう。 2、親類の名前を確認すること 自分達や両親から一文字いただいて命名することもよくありますが、気をつけないと親類と思いがけず同じ名前になってしまい、会うたびにお互い気まずさを感じることもあります。それを避けるために、まずはできるだけ遠い親類までチェックをしておくことをおすすめします。 「同じ名前でも良い」と自分達が思っていても、親類側はそう感じない場合もありますので、やはりあやかってつける以外は控えておいた方が良さそうです。 3、同音異語、いろいろな角度や言語からも検証すること 良い名前だと思っても、読みだけだとその漢字がどうしても思い浮かばないことや別の意味にもとれてしまう場合があります。日本語では普通でも外国へ行くと恥ずかしい思いをする名前も多いので、英語やフランス語など数カ国語でひと通り確認しておくと良いでしょう。 例えば「ゆうだい」という名前は英語圏では「You die」に聞こえやすく、「こうま」という名前は「昏睡状態」に聞こえがちだそうなので注意が必要です。 4、姓名判断的な見方もをしてみる 「できるだけ縁起の良い名前をつけてあげたい」と願うのが親心。画数の重要性を感じることも多く命名の際に姓名判断を視る家族もとても多いです。いろいろな流派がありますが、まず新字体と旧字体の両方で良い意味を与えてあげられる名前が無難かもしれません。 例えば「さんずい」は新字体では3画ですが旧字体では「水」と意味づけられ4画になり全体の画数が変わります。「くさかんむり」も新字体では3画ですが旧字体ではなんと4画や6画になります。このように全体の総画が数え方によって変わってしまう漢字だと、それこそ「視る人によって全然違う」ということになり混乱を招きやすくなります。 5、子供の立場に立って考えてみる 「テストのときに漢字の画数が多過ぎる名前は不利だ」という話もあります。わが家では「将来、就職活動の時に子供が面接官に名乗った際にどう思われるかを考えよう」と話していました。世に言う“キラキラネーム”は避け、美しく堅実な、読みやすく書きやすい名前をと考えるのが大切です。 冗談でからかわれないよう、名前から派生しそうなあだ名にも気をつけてあげると良いかもしれません。 名前はこれから数え切れないほど呼んでいくもので、幸せになるようにと祈りがいっぱい詰まっているものです。たくさんの候補を並べて悩んでいる方がいたとしても、結局はお腹を撫でながら「会ってから決めようか」となることも多いですから心配しなくても大丈夫ですよ。きっと考えるだけ考えて、顔を見た時に「これだ」と思い浮かびます。 新しく生まれてくる赤ちゃんが良い人生を送るために親からの願いと愛を込めた名前をつけてあげられますように。
2014年06月26日「出産後はホルモン分泌量が変わってマタニティブルーになったり、イライラしたりするかも。だから今から謝っておきますね、ごめんなさい」と、私は妊娠中から夫にそう伝えていました。 ところが出産してみると、マタニティブルー以前に想像以上の家事の量や育児の負担の変化、赤ちゃんの泣き声にも追われる24時間タイムトライアルのような家事へのストレスのオンパレードでした。 「誰か助けて!」と爆発する寸前の絶妙なタイミングに限って、ソファでくつろぐ夫から「晩酌したいからおかず作ってくれない? あ、そっち終わってからで良いから」と追い討ちをかける声をかけられたり、寝かしつけで赤ちゃんがやっと寝そうな時に限って大きな声や音を立てられたり、電話がかかってきたりしてカチンと来ることがありました。 そんな夫に思わず「今ムリ!」と叫んでしまったり「何でずっとテレビ観てるの?」など言葉が荒くなってしまうことがありました。 それが何度か起きると、パパも夫婦間の関係が変わったように思えて寂しくなり、結果どうしたら良いかわからなくなるようです。 このように、産後のママが夫に対してイライラや不満を募らせてしまい、夫婦間の関係をぎくしゃくさせてしまうことを「産後クライシス」と言うようです。しかし、それも無理もない話です。ママになると環境は激変するのですから。 出産後は新しい命が自分の手に委ねられている責任感と緊張感、赤ちゃんのことが一瞬たりとも頭から離れず、自分のペースで物事を進められることはほとんどなくなります。 「今は夫を寝かせておいてあげたい」「帰ってきても疲れているだろうから…」など気を遣って、ひとりで頑張り過ぎてしまいママも相当疲れています。こんな時は爆発してしまう前に「これならパパにお願いできそう」と思える『やって欲しい行動リスト』を作ってみましょう。 例えば『洗濯をしてほしい』という項目があった場合、 1、洗濯機のボタンを押す 2、干す 3、取り込む という細かい行動を書きだしたリストにして渡します。 私の友達の話ですが、パパに「洗濯しておいて」と頼んで子どもを連れて出かけた日に雨が降り、「パパに頼んでおいたから大丈夫ね」と帰宅してみたら洗濯物がベランダでずぶ濡れになっていたそうです。パパに聞くと「取り込んでとまで言われなかったから思いつかなかったよ」と言われたという話もあります。 そのため、リストに1つ1つ書くことが最初は面倒でも、お互いの行動を確認するためにも大切なステップになります。頼んだことの全てができなくてもパパはママの仕事量を見て「こんなに忙しかったのか」と知ることもでき、一緒に改善案を練ることもできますよね。これまで1人で頑張って来たママは良い意味で人に甘える、倒れる前に人に頼ることを学ぶことができるでしょう。 そして一日のミッションが終わったあとにはお互いに「ありがとう!」と伝え、励まし合い、「今日もおつかれさま!」と時々発泡水で乾杯したりして家族のチーム力を高められると良いですね。『子育ては自分育て』とよく言いますが、『家族育て』でもあるのですから。
2014年06月25日出産後、すぐに始まる朝晩関係ない授乳と常に気が張っている毎日。初めての出産では何を揃えておけばいいのか分からない、出産後では買いに行くこともできなくて困ることも多いはず。そこで今回はママ自身が揃えても、もらっても嬉しい“あって助かる産後の即戦力グッズ3つ”をお伝えします。 ■軽くて大容量のママバッグ 軽くて丈夫で洗えるママバッグは産後ママには必需品。私が使っていたのは、ママバッグの代名詞としても有名なレスポートサック。この中でもRYAN BABY BAGはベビーカーにつけやすく、軽くて大容量で便利でした。オムツシートもついていて飲み物やオムツを入れておける場所もしっかりあります。 ■搾乳器 産後すぐは母乳の分泌量が追いつかなかったり、赤ちゃんとリズムが合わなかったりして悩むお母さんが多いそうです。赤ちゃんが授乳中に眠ってしまった時はおっぱいが張ってシコリができ、乳腺炎の危険が迫ることもしばしば。 そんな時は少しだけ搾乳をするとラクになりますが、特に母乳の分泌量が増えると言われる夜中は、眠気の極限状態の中、手で搾る作業はきつい時があります。 そんな時に活躍するのが『搾乳器』。私が使っていたのはメデラの「ハーモニー」。この搾乳器は握るだけで簡単に搾ることができ、フタをして冷蔵庫に入れておけばママの不在時や緊急時に家族が温めて、乳首パーツを取り付けるだけでそのまま赤ちゃんにあげることができるのでとても便利でした。 ■授乳クッション 産院にはたいてい置いてあるU字クッション。産まれたばかりの赤ちゃんを寝かせてあげると、手を添えるだけでちょうど良い高さで授乳することができます。あまりのラクさに退院した時にこれがないとどうしたら良いか困るほど。 退院時に病院からもらえる場合もありますが、授乳する場所は寝室だけではなく、リビングや車の中であることも多いため、2つくらいあっても困りません。選ぶ時は“クッションの中綿がへたれにくい”ということが大切になります。もしへたれてきてしまったら中綿を補充するか、使っていないタオルを詰めたりすることでも代用できますが、重くなってしまうのが難点です。 産後の数か月は必ず毎日使う物なので、使わなくなっても赤ちゃんを真ん中の凹みに座らせてあげたり、昼寝の時に使ったりと何かと便利です。
2014年05月28日妊娠がわかると同時に、女性の心と体には大きな変化が訪れます。悪阻、流産への不安、食欲や体重、体型の変化、夫との関係、仕事のこと、子育てに伴うお金、今後の人生設計、友人との比較、安産で産まれてくるか、など…挙げればきりがないほど。 そのうえ妊娠期の女性の心の中では、母になるための通過点として無意識に“自分の中の親との対話”が行われていると言われています。つまり自分を育てた人、言うことを聞かなくてはいけないと捉えてきた大きな存在です。 そして妊娠をきっかけに特に夫の両親とも、多かれ少なかれ関わり方が変わり「こうあるべき」と言われる内容も今の時代と違い混乱することも多いそう。 産後は「神経質になり過ぎ」「おっぱい出てないんじゃない?」と言われて思わず石になる人達も多い時期ですね。 実の親とも気を使い合って疲れることが多い出産後、夫の両親にも頻繁に家に来られたり、過度な干渉や言葉に傷ついたりして「お願いだからこの子に触らないで」という気持ちが湧き出て来て、夫にさえ気持ちをうまく伝えられないこともあるでしょう。 自分でも心が弱くなっていると感じると思います。考えることが普段の数倍ある時期なのに、妊娠・出産に伴うホルモンの変化で涙もろくなったり、体調の変化の波も乗りこなさなくてはいけない日々は、無我夢中だと思います。 妊娠・出産の時期とは本当に不思議です。自分が誰かに乗っ取られたような気分になることもあります。でもだからこそ自分をもう一度見つめ直す良い機会になるように思うのです。 親子関係の根底には親子共に「愛し愛されたい」という欲求があります。それは義理の親子でも同じで、「好かれたい好きになりたい」からお互いに悩みイライラするのです。 愛する夫を産んだ、彼にそっくりな両親。自分とは違うやり方で夫を愛する義両親。彼らにどう思われているか不安を感じながらも新しい家族を作らなくてはならない重圧を感じた時、筆者は昔、実母に言われた言葉を思い出すことにしています。 「子育ては、産んだ本人だけが一度だけ通れる道。私はあなたを育てた時に充分楽しませてもらったわ。だから次はあなたの番。周りがどうこう言っても自分が考えて育てたいように育てれば良いのよ。もっと楽しんで。」 義理の両親に何を言われても気にするな、と聞こえるかもしれませんがそれだけではなく、妊娠・出産期は「私達は新しい家族を作ろうとしている」と自覚し、本当の望みや関わり合い方を見つめ、学び直すことで改めて実の親からも、社会からも、医者からも、先輩や友人からも、そして自分の中の先入観からも自由になれるチャンスなのかもしれませんね。
2014年05月27日