大阪生まれ。海外旅行誌のエディターとして取材、執筆、インタビュー等に携わる。その後、広告ディレクター、タレントキャスティングを勤める傍ら、フリーライターとして活動。日本各地のお祭りに関するプロジェクト中に懐妊、活動を休止して出産。出産後は子育ての楽しさに目覚め、子育てライターとして活動を開始。
育児に悩んだり、子育てに疲れたりした時は、子育て講座に参加してみるのがおすすめです。主催は自治体だったり民間団体だったり、さまざまですが、講座に参加して話を聞くことで新しい気づきが得られ、子どもと向き合える力も戻ってきます。 今回はそんな子育て講座で聞いた話から、子どもの心の育て方をまとめてみました。 子育てで最も大切なことは「自信を育てる」こと! 子育て講座では、「子どもの自信」や「自己肯定感」「自尊感情」を育てることが、子育てで最も大切だ、と教えられます。「自分には価値がある」「自分ならできる」「自分が好き」という心を育てる、ということです。中には「自信は生きる力の土台」だと言う先生も。 自信がないと、「何をしてもうまくいかない ⇒ チャレンジできない」というサイクルになってしまうのに対し、自信が育つと、「きっとうまくいく ⇒ チャレンジできる」と、人生がどんどん良い方向に動き出します。 では、子どもの自信を育てるにはどうすればいいのでしょう? ポイントは以下の3つだそうです。 <子どもの自信を育てる3つのポイント> ほめる スキンシップ 関心をもって話を聞く 加えて、栄養学の先生によると、食事の記憶も「自尊感情」を育てるのに一役を担うのだとか。毎回栄養バランスの整った、手間ひまかけた食事でなくても、「仕事が忙しいのに、おにぎりは必ず作ってくれた」といった、心のこもった食事の記憶は「愛された記憶」として定着し、子どもは生きている価値を感じるというのです。 なお、自尊感情が順調に育っているかどうかの指針として参考になるのが、「イヤイヤ期」。「イヤ、イヤ!」と自我を通そうとするのは、自分に自信がついてきた証です。「こんなにすごい自分が、なんで欲しいものを買ってもらえないの?」という気持ちの表れだそうです。つまり、「イヤイヤ期」は、親が子どもを上手に育ててこられた証拠と言えそうです。 穏やかな心を育み、社会に適応できる子どもを育てるために 自分に自信があっても、「攻撃性」の高い子どもに育ってしまうと、社会で上手に生きていくことができません。そんな時に参考にしたいのが、子育て講座でよく話題にあがる「セロトニン」の話。 「セロトニン神経」は穏やかな心を育むのに大切な神経で、これが不足していると、姿勢や寝起きが悪かったり、ストレスが我慢できなかったり、コミュニケーションを苦手に感じるようになるそうです。 セロトニン神経の発達には、 見つめる ほほ笑む 話しかける ほめる 触れる、なでてあげる 「歩行・呼吸・咀嚼」などのリズム運動 太陽の光を浴びる が、効果的。こう見ると、「子どもの自信を育てる」のも、「セロトニン神経の発達を促す」のも、「ほめる」「なでる」など、当たり前のことのように思える愛情表現の積み重ねなのだとわかります。 教育よりも「ヒマが大切!?」 心と同様に、子どもの脳もどんどん鍛えてあげたいもの。「子どもの教育のため」と、おもちゃを次々に買い与えているご家庭も多いのではないでしょうか。 しかし、先生たちの講義を聴いていると、与えることが決して良い結果を導くとは限らないようです。 ある先生は、 「英才教育より、ヒマが大切」 「意欲はヒマと退屈から生まれる」 と言います。与えられ過ぎると、子どもは使いこなすことに忙しくなり、自ら学ぶ力や工夫が減るからだそうです。 また、「求めているのに与えない」ことも、「求めてもいないのに与えすぎる」ことも良くないそう。与えすぎると、「何事にも受け身」の子どもに育つ危険性が。 かわいいわが子に、いろいろと買ってあげたい気持ちを、時にはぐっとこらえて、子どもの様子を観察しながら、本当に必要なものを適切なタイミングで与えるよう、工夫してみては? 無関心より、怒ったほうが何倍もいい! 子どもは大人の真似をして育ちます。親が幸せでポジティブでないと、子どもだけが前向きに育つことは難しいでしょう。子育て講座の先生たちも、最後にはたいてい「親がまず幸せに!」と発破をかけてくれます。自尊感情の豊かな子どもを育てるために、「私の子どもだから大丈夫」というぐらい自分に自信を持って、と諭してくれた先生もいます。 また、子どもが思いやりのある子どもになるには、親が、「怒り」も含めて、さまざまな感情を子どもに見せてあげることも必要だと説く先生も。子どもに「怒ってしまった」と、落ち込むこともあるかと思いますが、「無関心」より何倍もいい!というぐらい、おおらかに考えたほうがよさそうです。 まずは自分が、失敗も落ち込みも笑い飛ばして、子どもとたくさん触れ合ってはいかがでしょうか。 (滝 亜紀)
2015年10月11日