沖縄在住の編集者・ライター・カメラマン。雑誌『カメラ日和』、『自休自足』副編集長を経て、手紙社で紙媒体の編集、イベントの企画・運営などを手がける。2012年に独立を機に沖縄に移住。さまざまな媒体で沖縄の魅力を発信する。観光情報サイト「沖縄CLIP」編集長。著書に『あたらしい沖縄旅行』(WAVE出版)、『あたらしい移住のカタチ』(マイナビ出版)など多数。近著に『石垣 宮古 ストーリーのある島旅案内』(JTBパブリッシング)。企画・制作に 「みんなの沖縄」。SNSでは、カフェ、パン屋、おすすめスポットなど、沖縄での暮らしを綴る。チューイチョーク取締役。
今回の「やさしいママのヒミツ」は番外編です。沖縄に移住した セソコマサユキ さん一家が愛用するのは、人と地球にやさしいサラヤの洗剤「ヤシノミシリーズ」。 毎日使う洗剤の売上の1% が原材料の産地ボルネオの 環境保全に使われている と知り興味津々。二児のパパでもあるセソコさんによる 「ボルネオの旅」 レポートです。 しっかりと冷房の効いたコタキナバル空港の扉を開けると、湿気をたっぷりと含んだ暑い外気が体を包んだ。同行者たちからは「暑いー、、、」と言うため息にも似た声が漏れたが、僕は少しホッとした。なんだか、沖縄の空気に似ているような気がしたからだ。 僕の住む 沖縄 の家からは、ほんの少しだけ海が見える。その海へは、車を走らせれば15分もかからずにたどり着くことができる。夕方少し早めに仕事を切り上げて子どもたちと海で遊び、夕日を眺めながらビーチで家族そろって晩ご飯にするのが、僕のささやかな楽しみでもある。 自然を身近に感じることのできる沖縄の暮らし。でも、僕たちは本当の意味で、 地球と繋がる暮らし をできているだろうか。 自然を思い、自然とともに暮らすこと って、どういうことだろう。 我が家でも愛用している人と地球にやさしい 「ヤシノミ洗剤」 。サラヤが展開する環境保全活動の視察ツアーに参加させてもらい、その原材料に使われている パーム油 の産地である ボルネオ へ、旅をする機会を得た。 1億年以上前の熱帯雨林が現存するという、その雄大な自然を感じる旅へ。 パーム油の産地、ボルネオ島へ 成田空港からマレーシアの首都クアラルンプールの空港を経由し、サバ州の州都、ボルネオ島北部に位置するコタキナバルへ。インドネシア、マレーシア、ブルネイの 3カ国 の領土である ボルネオ島 は、日本の国土の約1.9倍、世界で 3番目 に大きい島だ。 熱帯雨林が発達していて、ボルネオゾウやオランウータン、テングザルなどの動物たちが暮らしている。氷河期の影響を受けなかったため、およそ1億年も昔にできた自然が残っているのだそう。 そのボルネオで近年、 パーム油 を採取するために、熱帯雨林を切り開いてアブラヤシのプランテーション(農園)が作られているため、自然破壊が懸念されているのだそうだ。自然が失われるということは、そこに暮らす動物たちの 「暮らしの場」 も無くしてしまうということ。 さて、その パーム油 とはなんだろう。耳慣れないその油は、僕たちの暮らしに必要なものなんだろうか? 実はポテトチップスやカップラーメンなどの食品から、化粧品や洗剤、プラスチック加工品まで、その原材料として記載されている 「植物油(油脂)」 の多くが 「パーム油」 のこと。近くにある食品や日用品を手にとってみて欲しい。思った以上に身近な存在であることがわかるはず。 これがアブラヤシの実。この果肉から「パーム油」が採れる。日本へ輸入されているパーム油の85%は食品に、残りの15%が洗剤などに利用されている。 日本は年間65万トンものパーム油をマレーシアから輸入している。つまりそれは僕たちの暮らしが、マレーシアの熱帯雨林と、そして地球が1億年の昔から培ってきた 自然と繋がっている ということ。 圧倒的なスケールの自然を前に 沖縄を出発して成田空港へ。そこからクアラルンプールを経由してコタキナバル、そしてマレーシア・サバ州のサンダカン空港へと向かう長い旅路。 最初にたどり着いたのは テングザル の保護地区 「ラボックベイ」 。 キナバタンガン川の下流域には、オランウータンやテングザルほか10種の霊長類、ゾウやサイなど絶滅の危機に瀕した動物をはじめ、多種多様な野生生物が生息しているのだそう。 テングザルは名前の通りの大きな鼻が特徴の猿。最近息子が気に入っている『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)にも登場していて、一緒に読んだことを思い出した。大きな鼻が邪魔になり、時に手で鼻をよけたりしながらご飯を食べる、なんてことが書いてあったっけ。 間近に見るテングザルは、やっぱりどこかユーモラス。大きな体をしたオスがゆったりと過ごすその周りにちいさな群れをつくり、子どもたちがキャッキャと遊びまるその様子は 「家族」 そのもの。その微笑ましい様子に、沖縄の家族を少し、思い出す。 テングザルはボルネオ島にしかいない固有種。一般的には水辺にあるマングローブ林などに群れなして生活をする 森林伐採により生息地を失った動物たち 絶滅が危惧される何種もの動物たち。そのひとつが オランウータン 。続いてやってきたのは 「セピロク・オランウータン・リハビリテーションセンター」 。 43平方kmもの広大な天然原生林につくられた保護施設「セピロク・オランウータン・リハビリテーションセンター」。世界でも有数のリハビリテーションセンターで、世界中から多くの人々が訪れる。 ここは、動物種保全条例が制定される前にペットとして飼育されていたり、森林伐採の際に生息地を失ったオランウータンを保護し、再び森での生活に戻れるようリハビリをする施設。 入り口で手の消毒。サラヤが日本でも販売している消毒液が設置され、こんなところでも日本との繋がり、貢献を感じることができたのは嬉しい。 給餌の時間になると森の奥からオランウータンがバナナやミルクをもらいにやってくる。 途中、見学客用の歩道にオランウータンがヒョイっと降りてきた。遠巻きに写真を撮る人々。沖縄を含め、日々の暮らしの中ではなかなか接することのない大きさなので、近くに来るとちょっと怖い。でも、森とは本来彼らが暮らす場所。ぼくらがお邪魔しているんだ。 次に向かったのは、絶滅が危惧される ボルネオゾウ を保護する施設、 「ボルネオ・エレファント・サンクチュアリ」 。ここで出会い、餌やりを体験させてもらったゾウの「ガンバロン」。 推定10~14歳くらいだというガンバロン。バナナを持って手をあげると、その動きに合わせるようにスッと鼻を伸ばして口を開ける。口に入れてあげるともしゃもしゃと。鼻をなでればざらりとしたその皮膚から、安らいだ心が伝わってくるようだった。 サラヤや旭山動物園、ボルネオ保全トラストジャパンの強力なサポートによって完成した「ボルネオ・エレファントサンクチュアリ」では、捕獲されたり傷を負ったゾウたちを一時的に保護・治療をし、他のゾウの群れと重ならない地域を探して森に還している。 幼いころ、自宅の近所にはちいさな「林」がいくつもあった。住宅街ではあったけれど、家々の間にはそうやって自然が残っていて、「あっちの林にクワガタがいるぞ」なんて友だちと話しながら、虫捕りに出かけたものだ。 歳を重ね、林へ遊びに行く回数が減るのと時を同じくして、そこは次々に住宅へと姿を変えていった。それは僕たちにとって遊び場でしかなかったけれど、やっぱり寂しさを感じたものだった。森に暮らす彼らは、いま何を思うんだろう。 リバークルーズ、ナイトハイクで出会ったもの その後もキナバタンガン川をクルーズしたり、ナイトハイクを通して、自然や動植物と触れ合った。「虫」たちがびっくりするような大きさだったり、見たことのない花や生き物がいたり、沖縄と似ているようで、やっぱり違う。 キナバタンガン川をクルーズ中、シルバーリーフモンキーやサイチョウ、ワニなどとも出会う。ここでみた夕景は美しかった。 ナイトハイクで夜のぬかるんだ森を40~50分歩いて出会ったのが、1年でたった一夜だけ咲き、夜明けとともに散ってしまう1輪の「サガリバナ」。その美しさにちょっとホッとしたのは僕だけだっただろうか。そう、サガリバナは梅雨明け頃から夏にかけての沖縄の風物詩でもある。 写真左:一夜だけ咲くという「サガリバナ」。写真右:ナイトハイクでは素晴らしいボルネオの星空を堪能。 広大なプランテーション、動物たちとの共存へ ヤシノミ洗剤の原材料として「パーム油」を使うサラヤは、プランテーションによって失われた熱帯雨林の森を買い戻し、分断された森と森をつなぐ 「緑の回廊」 プロジェクトや、 「命の吊り橋」 プロジェクト、オランウータンやゾウなど 「野生動物の救出」 プロジェクトなどを行なっている。 僕らが使っているヤシノミ洗剤の売上の1%は、マレーシア・サバ州政府公認の国際NGO「ボルネオ保全トラスト」(BCT)を通じて、こういった野生動植物の保護と生息域の確保に使われているという。 熱帯雨林だった土地を買い戻し、分断された緑(保護地)をつなぐことで 「緑の回廊」 を回復させるプロジェクトも今年で11年目を迎える。 アブラヤシ農園の拡大によって森は小さく分断されてしまう。オランウータンを絶滅の危機から救うべく、分断された森と森をつなぐ「命の吊り橋」プロジェクトがスタート。吊り橋は、サラヤ本社のある大阪・東住吉区の消防署から提供された「廃棄消防ホース」を再利用して作られている。 実際に訪れたアブラヤシのプランテーションは広大で、ヘリコプターに乗り上空から眺めても、途方もない広さだということがわかる。川沿いに、少しばかりのジャングルを残して。 規則正しく並ぶ広大なアブラヤシ農園と残されたジャングル。上空から見る眺めに複雑な思いがよぎる。 その地に降り立ってみるとアブラヤシの大きさがわかる。長い鍬のような道具を使って、器用に20mにもなる樹上の果実のついた房を落とす。どさっと40~50kgにもなるという房が落ちてきて、そこから果実をとって油を精製するのだ。 遠くマレーシアで手にしたこのアブラヤシが、沖縄にいる僕たちの暮らしにつながっているというのは、なんだか不思議な感覚。 これまでプランテーションのなかにはゾウなどの動物が立ち入ることはできなかったのだが、今回の旅では、ゾウのために畑の一部を開放するという新しい取り組みをしているプランテーションを訪れた。 熱帯雨林と同じようにはいかないだろうが、プランテーションが動物たちの暮らしの場の一部になって、人と動物たちがより良い環境で共存できる日が、いつか訪れるのだろうか。 人の営みと、動物の営み。繋がり、自然を守ること 今回の旅では、沖縄とは違う自然の力を感じ、日頃出会うことのない動物たちの営みを見た。暮らしと環境、そして地球はつながっている。そんなことを強く感じた旅だった。 未来を生きる子どもたちのために、動物たちの営みのために、僕たちにできることはなんだろう。ちいさな台所から始まった旅は、地球に思いを馳せる壮大な旅になった。 野生動物と自然を満喫できるボルネオだが、コタキナバルの街には海辺のリゾートや子連れで楽しめる施設もあり、世界中から観光客が訪れている。 飛行機や電車を乗り継いで帰宅して、ただいま、と玄関を開ける。しばらくぶりに会う子どもたちが「おかえりー」と駆け寄ってくる。 抱きしめて、コーディネーターさんからもらったぬいぐるみをお土産に渡すと「テングザルだ!」と言って、大喜びしていた。あれ、なんで名前を知っているんだろう? そうだ、こないだ一緒に本で読んだんだね。 子どもたちの未来のために “人と地球にやさしい”ヤシノミ生活を ヤシノミシリーズはヤシノミ由来の植物性。洗った後の排水もすべて微生物によって分解され、すばやく地球にかえります。洗っても、洗っても、安心。今日の汚れをあしたの未来に残さない。そんな “人と地球にやさしい” ヤシノミ生活をはじめてみませんか。 【売上1%で、ボルネオ環境保全を支援】 ヤシノミシリーズの売上1%はマレーシア・サバ州政府公認の国際NGO「ボルネオ保全トラスト」を通じて野生動植物の保護と生息域の確保に使われています。 また、サラヤの製品は、違法労働や違法伐採によって作られた植物油を使用せず、 環境と人権 に配慮して生産された RSPO認証 植物油が使われています。 無香料、無添加のヤシノミシリーズを見る ★ヤシノミシリーズは ロハコ や amazon でお買い求めいただけます。 「やさしいママのヒミツ」ほかのインタビューも見る 沖縄に移住したセソコさん 子育てインタビュー 写真:竹谷健太朗、柏倉陽介(サガリバナのみ) 写真・取材:セソコマサユキ [PR] サラヤ株式会社
2019年07月30日