結婚もし、子供にも恵まれ誇りある仕事にも就き、それなりに充実した生活で、幸せの形は手に入っているはず。なのに、心は満たされるどころか虚しさと寂しさは、どんどん膨らむばかり…。50歳を過ぎた頃から、その気持ちはピークを迎え、報われない現実に心身ともに疲れ果てていました。
2012年、転勤命令を機に26年間の仕事にピリオドを打ち、当時学んでいたカウンセリングスキルを活かして独立。その2年後、テレビ番組に出ている心屋仁之助氏のカウンセリング手法に衝撃を受け、2013年の9月から「心屋塾」で学び、心屋流カウンセリングの凄さを肌で感じる。
2014年3月「心屋塾」を卒業し、以後「心屋流言ってみるリセットカウンセリング」で日々の暮らしやストレスで悩む女性・働く男性を中心にサポート。
2016度末には「心屋塾認定講師」としても活動開始。起業してからの6年間、のべ600人以上のカウンセリング実績を有する。現在は、秋田を拠点にしながら全国各地の悩める皆様の問題解決に幅広く活動中。
メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「嫉妬心が強すぎて、人間関係をダメにしてしまう」という、ムクさん(34歳・看護師)に、心屋塾認定講師の心みねこさんからアドバイスをいただきました。 ■ムクさんのお悩み ねたみや嫉妬の感情が強すぎることに悩んでいます。ねたみを感じると、怒りを感じたり、勝手に裏切られたと思ったりしてしまい、そういう自分になるのが嫌で、人間関係を疎遠にしてしまいます。私の心の中に「誰よりも自分を一番に評価してほしい」「大切に扱われたい」「傷つきたくない」という感情があるように思います。 こんな自分に振り回されてバカみたいだと思いつつも、ねたみと嫉妬の感情のせいで、怒り疲れてしまいます。こんな自分の心をコントロールする方法があれば教えてください。 ※一部、質問内容を編集しています。 ■心屋塾認定講師の心みねこさんより ムクさん、ご相談ありがとうございます。心屋塾認定講師の心みねこです。 ねたみや嫉妬心が湧いて、怒り疲れて、そんな自分が嫌で人間関係を疎遠にしてしまうのですね。本当は誰よりも人からの承認が欲しいのに、裏腹な行動を取ってしまう…。寂しいやら、やるせない思いをたくさん感じてこられたのではないでしょう。 ムクさんは「嫉妬心」を嫌悪している。嫌悪している感情を抱いてしまう自分自身も、嫌悪してしまっている。加えて、そういう感情を喚起する相手にも「裏切られた!」と感じてしまう…。自分だけではなく、相手まで勝手に巻き込んでしまうことも、情けないと感じているのではないでしょうか。 「感情をコントールできたら」と書かれていますが、実は感情は、コントールしようとすればするほど暴れまわる習性もあります。 まずは、どんな感情も肯定してあげること。嫉妬心は湧いてもいいのです。嫉妬心は誰もが持つもので、心に湧いてもいい感情だと肯定しながら、ぜひ次の3つの思考法を試してみてください。 【嫉妬心を和らげる思考法1:嫉妬をチャンスととらえる】 嫉妬心を「ようこそ!」と歓迎してみましょう。 嫉妬心とは、自分と大差がない相手に対して抱く感情です。自分と同じ土俵にいる人だから、嫉妬する。すでに同じ土俵に上がっているのに、「相手からすごく引き離された」と思い込み、「かなわない」と感じて嫉妬するのです。 つまり、嫉妬を感じている相手は「超えられない相手」ではないということ。相手は「ちょっと手を伸ばせば届くんだよ」という地点を見せてくれています。自分がこれからたどり着く先の姿を体現してくれているのです。「次はあなたよ」と教えてくれています。 嫉妬心が湧いたときほど、チャンスだとも言えます。 たとえば、友人が結婚することになりました。「よかったわね」と素直に喜べない自分がいます。その友人に嫉妬しているからですね。しかしその友人は、「あなたも結婚できる」と教えてくれている人なのです。 お互いに大差ない位置にいるということは、その友人よりさらに上へ行くことも可能です。もっとイケメンで、高収入で、かつあなたを幸せにしてくれる人に出会うかもしれません。 嫉妬を感じたときには、ぜひ「嫉妬」→「次は自分」という図式を思い出してください。嫉妬心が湧いたら、あなたは次に進める。信号で言えば「青」のGOサインだと思ってみましょう。 【嫉妬心を和らげる思考法2:心の痛みを優しく受け止める】 ムクさんは、ねたみや嫉妬心が湧いてくる際、「自分が評価されなかった、大切に扱われなかった、そのことで傷ついた」といった強い心の痛みも伴なっているようですね。 そういう痛みを感じるのは、もしかしたら相手との距離を絶対に縮められないシチュエーションでの嫉妬を覚えているのかもしれません。たとえば、家柄や育ち、身長や脚の長さなどの体形、すでに身につけている技術、身体能力の違いなどは、どうしようもない部分もありますよね。 変えようのないことに嫉妬してしまうときは、「一番に評価されたかったね」「もっと大切に扱われたかったね」「傷ついたんだね」と自分の心の痛みを優しく受け止めてあげてみてください。 【嫉妬心を和らげる思考法3:嫉妬対象の悩み・努力を想像する】 ムクさんは他人の「華やかな部分」や「光の当たっているところ」だけを見て、嫉妬をしていませんか? しかし、相手は湖に浮かぶ白鳥のように、水面下では足を猛烈にバタバタ動かしているのかもしれない。あるいは、これまで人には見せない血のにじむような努力をして、苦労に苦労を重ねて、ようやく花を咲かせたのかもしれない。セミのように長い間、土の中でひっそりと辛抱してきての今、なのかもしれない。 華やかに見える今この瞬間も、大っぴらには言えないようなつらい悩みを抱えているかもしれません。見た目ほど幸せではない可能性もあるわけです。 相手がうらやましいからといって、その人の人生と自分の人生をそっくり入れ替えて、その人と同じ称賛を浴びたいと思いますか? そのように考えていくと、「今のままの自分のほうが居心地がいいし、家族をはじめ愛する人たちも身近にたくさんいるし、取り換えたくはないな」と気づけるのではないでしょうか。 「あんなに苦労するんだったら、いいや」と思えた時点で、嫉妬の気持ちは昇華され、かなり和らいでいると思います。 ムクさんの幸せを願っています。 ※嫉妬の心理については、自著「心屋流、すっごく!うまくいく方法」(PHP研究所)に基づいてご紹介しています。 ・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年11月06日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「愚痴ばかりの夫にうんざり」という、ももこさん(50歳以上・会社員)に、心屋塾初級認定講師の心みねこさんからアドバイスをいただきました。 ■ももこさんのお悩み 8年前に再婚した夫の愚痴が最近ひどくなり、うんざりしています。上司や同僚、SNSの友だちなどの悪口を言い出したら止まりません。不平不満の塊です。食事時の話題も悪口、テレビを見ても出演者の悪口、黙っているときはいつもため息。私が笑って「幸せが逃げちゃうよ」と言うと、烈火のごとく怒り出します。 基本的には「うんうん」と聞いてあげているのですが、先日、娘の婚約者(やさしい好青年です)の悪口を言い出したときは、温厚な私も「はあ?」となりました。娘は前夫の子どもなので「娘を取られる寂しさ」などではなく、単になにかが気に入らないのでしょう。 再婚当初に悩まされた複数の女性関係も今はなくなり、その分、“愚痴の聞き役”が私に一気に来たのかもしれません。怒られるのが嫌なので面と向かって意見はしませんが、私まで不幸の渦に巻き込まれて抜け出せなくなりそうです。 主人にはバカにされていますが、私は楽天家で、正社員で勤続25年。大勢の人に恵まれ、みんな頼りにしてくれています。社会生活は幸せです。 主人が悪口を言っている際、心の中でなにかいい言葉をつぶやきたいです。私のメンタルが負けないよう、主人のマイナスパワーに引っ張られないよう、心の持ちようを教えてください。 ※一部、質問内容を編集しています。 ■心屋塾初級認定講師の心みねこさんより ご相談ありがとうございます。心屋塾初級認定講師の心みねこです。 結婚に希望を持って再婚したにもかかわらず、ご主人から出てくる言葉は人の悪口と不平不満ばかり。口を開けばマイナスな言葉、黙っているときはため息…。 しかし、温厚なももこさんは文句ひとつ言わず、ご主人の言動を「うんうん」と受け止めてあげている。笑いながらたしなめると、彼は烈火のごとく怒りだす。ももこさんは場の雰囲気をこわさないように配慮しているのに…。 マイナスの言葉を毎日、聞かされる方はうんざりですよね。 悪口は言いたい放題、自分の気分は出し放題、しかも複数の女性関係もあったとのこと。なんだかご主人は体だけ大人で、言動は子どものようだなと感じました。 一方のももこさんは、子どもをあやすような“物わかりのいい母親的役割”になっている様子。もしかしたら、今までも、いろいろなところでそうした役割をしてきたのかもしれませんね。 そうした役割を引き受けている分、自分が悪口や文句を言いたくなっても、ぐっとこらえる習慣が身についているのかもしれません。 ももこさんの温厚で楽天的な人柄は、周りの人たちから好かれ、信頼もされている。いつも明るく笑顔で悪口を言わず、ポジティブで心地良い言葉だけを口にするようにして、ちゃんとした大人になろうと心がけてきた。そうした努力のたまものだと思います。 しかし、対外的に“良い人”でいる分、“ネガティブな自分”は抑え込み、外で出さないようにしてきたのかもしれません。 人は誰でも、コインの裏表のように2つの面を持った自分がいます。明るいところもあれば、暗いところも持っている。笑顔でいたいときもあれば、ため息をつきたいときもある。両方があってバランスが取れるのです。 どちらかに傾きすぎている場合、身近な人を介して、自分が抑えこんできた面に気づこうとする心理が働くケースも少なくありません。 ご主人の嫌な言動を見聞きした際、一度試しに「私だって、あれをしてもいい」「彼のような言動をしてもかまわない」と自分自身に許可を与えてみてください。そうすることで、相手のネガティブさに負けないメンタルを育んでいくことができるかもしれません。 そして抑えこんでいる言葉たちを、ひとり言でかまわないので口に出し、“心のデトックス”をしてみましょう。 「また悪口!? もう聞きたくない、うんざり。私はあなたのお母さんじゃない」 「私も主人のように、いつも人の悪口、不平不満を言ってもいい」 「私は烈火のごとく怒ってもいい」 「私は人前でため息ばかりついてもいい」 「私が聞きたくない話は、途中で席を立ってもいい」 「私も主人のように、マイナスな言動ばかりしてもいい」 「私もああいう言動をして、相手に不快な思いをさせてもいい」 いかがでしょうか? さらに可能であれば、あえてご主人と同じ言動をしてみるのも一案です。ご主人が悪口を言い始めたら、ももこさんも悪口や不平不満を言ってみる。ご主人がため息をついていたら、ももこさんもため息をついてみる…。 ネガティブな言葉がどれほど聞き手のエネルギーを奪うか、ご主人も身をもって知ることでしょう。 ももこさん夫婦の幸せを願っています。 ・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年09月06日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「依存心の強い母が重荷です」という、カフェオーレさん(50歳以上・医療)に、心屋塾初級認定講師の心みねこさんからアドバイスをいただきました。 ■カフェオーレさんのお悩み 15年程前から実母が私に依存し、執着するようになりました。私はシングルマザーですが、私にお付き合いする男性ができると実母はイライラし、近所にそれを言いふらし、結局1カ月で私と子どもを追い出しました。 それから1年半、疎遠になりましたが、その間は浪費とギャンブルで迷惑ばかりかける妹と仲良くしていたようです。妹には何も求めずいい顔をし、少ない貯金も差し出して仲良くしていたようです。しかし、お金の無心ばかりの妹とは案の定うまくいかなくなり、私の耳に届くようにサインを送ってきました。 母も苦労した生い立ちですし、「歳をとったのだから」と自分に言い聞かせ、また行き来するようになりましたが、幼い頃から我慢ばかりで、同じ娘なのになぜこんなに違うのか、やるせないです。 それでも放っておけない気持ちのほうが勝ってしまい、また母の世話をし、わがままを聞いています。「後悔しないように」とだけ思いますが、こんなモヤモヤしたままでいいのかと悩んでいます。台所で、知らぬうちに涙が出てきます。 ※一部、質問内容を編集しています。 ■心屋塾初級認定講師の心みねこさんより カフェオーレさん、こんにちは。ご相談ありがとうございます。心みねこです。 ご相談を読んで最初に感じたのは、お母さんのために50年という長い間、よく我慢して尽くしてこられたのだな…という思いでした。 人生の大半をお母さんや家族のために費やしてきたにも関わらず、報われなさ、やるせなさが積もり積もって、知らず知らずの涙となってあふれ出ているのでしょう。家族のために、誰よりもお母さんのために、ご自身が遊ぶ時間やお金も犠牲にしてこられたのだろうと思います。 それなのに、解放されるどころか歳を重ねるごとにお母さんの依存度は増し、ようやくできた彼との間を嫉み、あなたと子どもを家から追い出す始末。 11年間、女手ひとつで子どもを育ててきた娘が、ようやく心を許せる男性ができたのなら、お付き合いを応援してほしかったですよね。今まで尽くしてきてこの仕打ちかと思うと、さぞガッカリされ、情けないとも思ったでしょう。 しかも、身内にさんざん迷惑をかけてきた妹にはいい顔をして、仲良くしていた。幼い頃からずっと、同じ娘でありながら妹よりもずっと尽くしてきたのに…。「妹には差し出す愛情も私にはかけてくれないの?」と、情けないやら悔しいやら、寂しい気持ちも湧いていたのではないでしょうか。 カフェオーレさんは、子どもの頃から、お母さんの親代わりになってきたようにお見受けしました。 本来は「親が子を養う」ものですが、カフェオーレさんの家では「子が親を養う」という状態になっていて、親子関係が逆転していた。あなたは苦労したお母さんを助けたくて、早く大人になろうとしてきた。”しっかり者のお姉ちゃん”としてずっとがんばってきたのだと思います。 しかし、早く大人になろうとしてきた分、「子どもの頃の気持ち」が追いつけないままになっているかもしれません。私たちの身体は放っておいても成長しますが、心は成長しないのです。カフェオーレさんの場合は、理性で抑えようとしてきた分、むしろ感情が増幅し、心の中で暴れているのかもしれません。 お母さんを救うことより、あなたの心が「救ってほしい」と泣いているのではないでしょうか? 「心を救う」ためには、まず自分の気持ちに気づいてあげることです。体の外に気持ちを出すことで、あの頃の本当の自分の気持ちに気づくと同時に、自分が救われていきます。言葉にしてみてくださいね。 「なんで私ばっかり我慢しなきゃなんないの?」 「〇〇(妹の名前)、ずるい!」 「結局は私を頼ってくるくせに」「都合いいんだから、まったく」 「もういいかげんにして!」「私、いつまで尽くさなきゃいけないの?」 「もう我慢したくない」「私より妹が大事なの?」 「お母さん、もっと感謝してよ」 「お母さん、もっと褒めて」「ちゃんと認めて」「ねぇ、笑って」 「優しい子だねって言ってほしかった」 「いつもありがとうって言ってほしかった」 「あなたが一番好きだよって言ってほしかった」 「あなたのおかげだよって言ってほしかった」 「私よく尽くしてきたなぁ」「よく我慢してきたね」 「えらかったね」「がんばってきたの知ってるよ」 「もう、自分を犠牲にしなくていいよ」 「お母さんのために自分を我慢させる人生を卒業してもいい」 「お母さんの面倒をみなくていい」 「お母さんより先に幸せになってもいい」 言いづらい言葉もあると思いますが、苦労したお母さんを助けたい一心で、自分のことよりお母さんを優先させてきた。それがカフェオーレさんの幸せを遠ざけているように感じます。 「自分を我慢させてお母さんを幸せにする」のではなく、自分が先に幸せになれば、まわりまわってお母さんも幸せになるのです。 世の中には、親に結婚を猛反対されて駆け落ちし、一時期は疎遠になってしまったけれど、孫が生まれたのを機に和解した…という親子もいますよね。これは「親不孝」と言い切れるでしょうか。「一時期の親不幸が、結果的に、一生の親孝行になる」ということはよくあるものです。 そばに面倒を見てくれる人がいると、周りはその人をアテにします。誰かは面倒を見てくれているうちはそれが当たり前、失ってみて初めて気づくものです。 今まで「お母さんを助けてあげる人」はいても、幼い頃のカフェオーレさんを助けてあげる人はいませんでした。「あの頃の自分」を救ってあげる時期に来ているのではないでしょうか。 カフェオーレさんが、”お母さんのために自分を犠牲にする人生”を卒業する一歩を応援しています。 ・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年07月17日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「実母の存在に苦しめられ続けている」という、ちゃたろうさん(36歳・自営手伝い)に、心屋塾初級認定講師の心みねこさんからアドバイスをいただきました。 ■ちゃたろうさんのお悩み 母親の存在に苦しめられています。結婚後は離れて暮らしていますが、心のなかに常に母親がいて、認めてもらえていないことや否定されたことが暗い気持ちにさせます。母を思い浮かべると嫌な気分になります。 年に数回帰省する程度で関わる機会は少ないのですが、なぜこんなに母の存在が大きく、苦しめられなければならないのか不思議です。幼い頃に叩かれるなどの虐待をされた記憶もありませんが、よく叱られ、真っ暗なお風呂場に閉じ込められていました。 それなのに、私が子どもをきつく叱っていると「なんでそんなにイライラするのか」ととがめてきます。私は心のなかで「自分を棚にあげて」と思いますが、気持ちをぶつけたことはありません。私も母親になり、当時の母の苛立ちは理解できるのに、「なぜ私の気持ちを分かってくれないのだろう」と不満でいっぱいです。 夢のなかにもしょっちゅう母が出てきて、私は泣きながら母を否定したり、怒りをぶつけたりしています。母をとことん傷つけてやりたいと思うこともありますが、私を一番心配しているのは母だと分かっているので、できずにいます。私はどうしたらいいのでしょうか? ※一部、質問内容を編集しています。 ■心屋塾初級認定講師の心みねこさんより ちゃたろうさん、ご相談ありがとうございます。心みねこと申します。 お母さんとは顔を合わす機会も減った。なのに、心のなかには常にお母さんがいて、お母さんのことを考えると感情の折り合いがつかず、暗くて嫌な気分になってしまう。なぜ、大人になった今もこんなに母親の存在に苦しめられなければならないのか? ちゃたろうさんは、随分と長い間「インナーマザー」の存在に苦しめられているのではないかと感じました。 インナーマザーとは、生きている実在のお母さんではなく、常に心のなかにいる母親のことです。心のなかに住み続けているので、距離や会う回数は関係なく、どこまでも付きまとってきます。 それはまるで、テレビ等で見かける「二人羽織」のようなもの。二人が前後に体をくっつけ、羽織に隠れた後ろの人が手を出して、前にいる人に不自由な食事などをさせて笑わせる、あの芸のような感じです。インナーマザーは常に支配し、コントロールしてくる存在なのです。 子どものころに宿ったインナーマザーに対し、私たちはあの頃に感じていた気持ちを残したままです。山ほどある「わかってほしい気持ち」をぶつけることができないまま、現在に至っています。 それらは消えることはなく、「未完了の思い」となって心のなかにどんどん蓄積されます。そうなると、良い感情も入ってこなくなってしまいます。 ちゃたろうさんも「気持ちをぶつけたことがない」とのこと。未完了の思いがたまっていると考えられます。 インナーマザーに話しかけてみましょう。インナーマザーにわかってほしい気持ちを伝えることでその思いは完了していき、苦しみからも解放されることが期待できます。 実在のお母さんに正面を切って言えないことも、インナーマザーに対してであれば、少しは言いやすいはず。真っ暗なお風呂場に閉じ込められていた幼い自分は、どのような気持ちだったでしょうか。 「暗いよー」「怖いよー」「早くここから出して!」「ひとりにしないで」 そんな言葉が口をついて出てくるかもしれません。浮かんだ言葉をすべて出しきってみましょう。 併せて、「○○ちゃん、怖かったね」「よくひとりで耐えたね」「えらかったね」「ずっと気づかないふりしてごめんね」「もう大丈夫だよ」「大人になった私が、いつでもそばにいるからね」等々、他にもかけてあげたい言葉が浮かんだら、どんどんかけてあげてください。 叩かれるという虐待はなかったけれども、幼い頃のちゃたろうさんの心は、長らく傷ついたままだった。言葉を出しきった後は自分を抱きしめたり、なでてあげたりして癒やしてあげてくださいね。 また、子どもをきつく叱っているとお母さんに自分がとがめられる…とのこと。本当はこんなふうに怒っていませんか? 「私にはあんなに怒ったくせに、なによ!」「自分のことは棚にあげて何なのよ!」「ずるいよ!」「私にちゃんと謝って!」「私を否定するのはやめて!」「ちゃんと認めて!」「否定されるたびに悲しかった」「わかってもらえなくてずっと寂しかった」 自分の気持ちに素直になってみると、ここでも「お母さんにわかってほしい気持ち」があったのではないでしょうか。 自分のことを一番心配しているのはお母さんだと思うと、ネガティブな気持ちは打ち消してしまいたくなる。しかしそうした気持ちは、打ち消そうとすればするほど湧き出してしまうものです。 傷つけたい、イライラする、不満でいっぱい。そんなネガティブな気持ちがあっていいのです。それらも、ちゃたろうさんにとっては「わかってほしい大切な気持ち」。口にしても構わないのです。 最初のうちは抵抗を感じるかもしれません。実際には存在しないインナーマザーの困ったような顔、あるいは険しい顔が浮かんできて戸惑うかもしれません。 そんなときは、「私は自分の気持ちに素直になってもいい」「素直な気持ちをお母さんに伝えてもいい」「私はお母さんに不満を言ってもいい」と自分に許しを与えながら取り組んでみてください。 ちゃたろうさんが、明るくいい気分になれるように願っています。 ・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年05月29日