子育て情報『臨月に入ったある日、突然亡くなったわが子。悲しみを乗り越えて…』

臨月に入ったある日、突然亡くなったわが子。悲しみを乗り越えて…

目次

・子どものことよりも仕事を優先してしまう自分
・胎動が感じられない
・心も体も回復できないまま…
・2人目の妊娠
・著者:八代 華
臨月に入ったある日、突然亡くなったわが子。悲しみを乗り越えて…


現在、生後8カ月になる娘の子育て中です。この子には姉がいました。結婚3年目でやっと授かった子どもは妊娠10カ月のときにおなかで突然亡くなり、不育症の診断を受けました。子どもの死を経験し、そこから這い上がって無事出産するまでの体験談です。

子どものことよりも仕事を優先してしまう自分

結婚後、私はすぐに子どもが欲しいと思っていましたが、夫は妊活にあまり積極的ではありませんでした。お互いの考え方やタイミングが合わなかったこともあり、子どもを授かったのは結婚して3年後のことでした。

妊娠中はおなかの子どものことよりも仕事を優先してしまう自分がいました。職場で貧血で倒れることや、おなかが張ることがありましたが、「これくらい大丈夫」とおなかの子どもに言い聞かせていました。


職場の先輩が「ひとりの体じゃないんだよ」と声を掛けてくれても、妊娠の経過が順調だったこともあり、大分無理をしていたと思います。

胎動が感じられない

臨月に入ったある日、おなかが張ったかと思うと、それから胎動を感じなくなったような気がしました。不安な気持ちのまま誰にも相談することができず、一晩過ごしました。そして、次の日の朝、かかりつけの個人病院の診療時間が始まるのを待って受診しました。

病院の診察台の上に横になったときには、すでにおなかの子どもの心臓は動いていませんでした。原因不明の突然死でした。私は事態を受け入れる間もなくそのまま市内の総合病院に運ばれ、陣痛促進剤とバルーンで陣痛を誘発して3日後、赤ちゃんを出産しました。


心も体も回復できないまま…

医者からおなかの子どものことは説明されていたのに、産んだら本当は生きているんじゃないかと、出産するそのときまで私はどこかで期待していました。そして、動かない自分の子どもと対面するまで、私はひどい夢を見ているんだと思っていました。

現実を受け入れられないまま退院し、子どもの埋葬を済ませ、夫は仕事に戻っていきました。空っぽのおなかと残酷な現実に、私は何のために食べるのかわからなくなりました。そして、子どもと幸せそうに過ごす友だちを見るのがつらくて、部屋に引きこもっていました。体は軽くなったはずなのになぜか鉛のように重いのが不思議でした。

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