2020年10月26日 18:30
赤ちゃんに「転倒防止リュック」は不要です!【3児ママ小児科医のラクになる育児】
東京衛生病院の小児科医、私生活では8歳・6歳・4歳の子育て中という3児のママでもある保田典子先生のコラム。今回は子どもの安全対策前編「転倒」と「溺水」のお話です。
こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では8歳、6歳、4歳の子どもを子育て中の3児の母です。今回は子どもの安全対策についてです。コロナ禍で家にいることが多くなった今、もう一度気をつけたいことを私の体験談を踏まえて、お話ししたいと思います。
子どもの死亡原因
1歳以降の子どもの死亡の大きな原因の1つ、「不慮の事故」。実際には、動きが活発になってくる生後9カ月ごろから、赤ちゃんはさまざまな危険に自ら突っこんでいくことが多くなっていきます。
子どもから1秒たりとも目を離さない、というのは不可能なので、子どもの事故は多かれ少なかれ必ず起こります。ポイントは、「命の危険がない事故にするという工夫」です。
家の中で気をつけたい命に危険が及ぶような事故とは、溺水、やけど、窒息が多いかなと思います。転倒で頭を強くぶつけることにも気をつけたいですね。前編は「転倒」と「溺水」のお話です。
危ない事故1:転倒
頭の後ろにクッションがある転倒防止リュックが流行っていますが、フローリングの上で転んだくらいでは脳出血などの重大なケガは起こりにくいです。
転倒防止リュックはいらない
赤ちゃんの重さに対してリュックが重いため歩くバランスが崩れること、転倒はクッションのある真後ろに倒れるだけではないので、有効に使えるシーンは少ないことから、個人的にはあまりおすすめはしていません。
お子さん自身が転倒防止リュックを気に入ってつけていたり、転倒時の痛みやたんこぶができるのを少しでも減らしてあげたいという親御さんは、取り入れてもいいかもしれませんね。
1歳弱の子どもの予想外の行動に驚き
椅子を重ねて高いところものを取ろうとしました。不安定で危険ではあったのですが、椅子を重ねれば高いところのものが取れるという、1歳の子の発想力はすごいと思ったことがあります。
危険がないように注意を払うことは大切ですが、ある程度の安全が確保された状態であれば、なんでもすぐに手を出さず、ある程度は見守ることも必要だと思っています。
転倒時、特に危険なもの
危ないのは、コンクリートやガラス、家具などの硬くて鋭利な角にぶつけることです。