こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では8歳、6歳、4歳の子どもを子育て中の3児の母です。今回は「叱りかた」についてです。家にいることが増え、子どもにイライラしたり、叱ることも増えたかたも多いのではないでしょうか。
私は医師という仕事柄、在宅時間は増えていませんが、子どもが3人になり、大きくなってきてやっぱり叱ることは増えました(汗)。自分への自戒をこめて、効果的な叱り方をお伝えしたいと思います。
「叱る」と「怒る」は違います
まず、「叱る」と「怒る」は違います。「怒る」は顔を真っ赤にして怒るなど、自分の感情をぶつける行為で、「叱る」は諭すように言い聞かせるようにすることです。
なるべく感情に任せて怒ってしまうより、叱ることで子育てしたいですよね。私も“ついつい”怒ってしまうことがあります。
そう、「怒る」って湧き上がってきてしまう感情で、コントロールできないものと思いがちですが、アドラー心理学では怒ることにも「人は目的があって感情を使っている」と考えています。つまり、私たちは意図的に「怒る」ことを選択しているという考え方です。
この考え方を知ってから、怒ってしまったあとは「“つい”じゃなくて、私はガミガミするって選択して怒ったんだな」と考えるようにしました。
私が怒らない理由
あまり感情的に怒ってばかりだと、子どもの脳が傷つくという研究も出てくるようになって(※1)、なるべく怒らないように気をつけています。私のそこまで長くはない子育てライフの中で習得した、怒らないコツがあります。
怒りにまかせて怒鳴っても子どもは聞いてない
怒ったときの子どもの様子を見ていると、「悪いことしちゃった」よりも「ママすんごい怒ってる!」ということしか感じていないなとわかりました。注意して同じことを繰り返さないためにも、きちんと子どもにわかってもらえる伝え方をしないとダメだなと感じ、感情的に「怒る」回数が減りました。
親がガミガミ言わなくても子どもは習得できる
親がガミガミ言っても、子どもはすぐには習得できません。ガミガミ言わなくても、何回、何十回と失敗をくり返すことで、子どもはちゃんと覚えてくれます。子どもの学びを待ちたいと思っています。