近年、日本で子宮体がんにかかる女性が上昇中?!原因や症状、生存率は?
子宮体がんは婦人科のがんの中では最も多いといわれる子宮がんのひとつで、国立がん研究センターによると、年間およそ13,000を超える人が子宮体がんにかかり、子宮体がんによる年間の死亡者数は2016年で約2,300人となっています。近年、日本でも子宮体がんにかかる人の数は上昇していますが、子宮がんは早期発見によりその生存率は高くなるともいわれています。では、子宮体がんとはどのようながんなのでしょうか。詳しくお話ししていきます。
子宮体がんとは
子宮がんはできる場所により、子宮体がんと子宮頸がんに分けられます。子宮は風船のような形をしていて、腟から続く子宮頸部と呼ばれる細い管のような部分の奥に子宮体部は位置しています。
子宮体がんとは、その内部にある子宮内膜からがんが発生するため、子宮内膜がんとも呼ばれています。子宮頸がんの多くはヒトパピローマウイルスと呼ばれるウイルスの感染が影響しているのに対して、子宮体がんは女性ホルモンの影響を大きく受けるといわれています。
子宮体がんの原因
子宮体がんの原因としては、女性ホルモンのひとつである卵胞ホルモン(エストロゲン)が大きく関わっているといわれています。このホルモンには子宮内膜の発育を促す作用がありますが、卵胞ホルモンの値が高いと子宮内膜増殖症になりやすくなります。
そして、子宮内膜増殖症が子宮体がんの発生につながるといわれています。特に、出産未経験者、肥満、月経不順、ホルモン療法を受けている方は子宮体がんのリスクが高くなるといわれています。しかし、なかには卵胞ホルモンの影響によるものではなく、がん関連遺伝子の異常によって起こる子宮体がんもあります。この場合は比較的高齢者に多く見られます。
子宮頸がんの場合にはヒトパピローマウイルスの接触感染がきっかけになりますが、子宮体がんに関しては卵胞ホルモンが大きく関わっていることからもわかるように、他人からうつることで発生するがんではないとされています。
子宮体がんの症状
子宮体がんの症状は何といっても不正出血です。不生出血は患者さんの約90%にみられ、比較的初期から症状が現れるといわれています。比較的高齢の方に多いため、閉経後の出血がある場合には特に注意が必要です。ときにはおりものに茶褐色の古い血液が混じっている場合もあります。