「育て方のせい」実母からの心ない言葉。発達障害のわが子と自分の心を守るため、出した答えは…【読者体験談】
突然突きつけられた「可哀想」の言葉と、母としての葛藤
- 発達障害のわが子に対する「育て方のせい」という周囲からの無理解や偏見への向き合い方
- 実の親など、身近な存在からの心ない言葉でメンタルが追い詰められた際のセルフケアと相談の重要性
- 子どもの自己肯定感と未来を守るために、負の連鎖を断ち切る「心理的な境界線」や「絶縁」という選択肢
長女
- 現在の年齢:大学1年生(18歳)
- 診断名:ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)※グレーゾーン
- 診断時期:小学1年生(6歳)
- エピソード当時の年齢:中学3年生
長男
- 現在の年齢:専修学校2年生(19歳)
- 診断名:ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)※精神障害者保健福祉手帳2級
- 診断時期:小学1年生(6歳)
- エピソード当時の年齢:中学1年生
わが家には二人の子どもがいます。娘はおっとりとしていますが、以前は自己肯定感が低くパニック障害を抱えていた時期もありました。息子は多動・衝動性が強く、こだわりも人一倍。現在は二人とも自分の足で未来を切り拓こうと奮闘しています。
私が実母との関係を考え直すきっかけとなったのは、実父が亡くなった時のことでした。葬儀の際、特性ゆえにじっとしていられなかったり、パニックを起こしたりする懸念があったため、私は意を決して実母に二人の障害について打ち明けたのです。しかし、思いもかけない言葉が返ってきたのです。
「可哀想!あなたの育て方が良くなかったんじゃないの?」
実母から責められることはある程度覚悟していましたが、実際に投げかけられた言葉の威力は想像以上でした。
知識として「育て方のせいではない」と分かっていても、やはり心は深く傷ついたのです。この出来事で実母の「相手の気持ちに寄り添えない」性質を痛感した私は、分かり合えない現実を受け入れ、必要なことだけを淡々と伝える道を選ぶようになりました。
エスカレートする実母……追い詰められた私の心は限界に
しかし、実母はその後、会うたびに私を責めるようになりました。それも、夫やほかの家族の目が届かない、二人きりの瞬間に言葉をぶつけてくるのです。
「特別支援学級っていうところに通わせてるの?将来就職に影響するんじゃないの?」「全部あなたの責任よ」
そんな言葉の数々に、私のメンタルはついに限界を迎えました。地元の相談窓口へ駆け込み、心療内科での受診を勧められるほどに追い詰められていたのです。
そんな中、さらなる悲劇が起こります。中学生だった息子がパニックから児童相談所に保護され、施設へ入所することになったのです。
正月の帰省。息子を連れて行けなかった理由を正直に話した瞬間、実母は今まで見たこともないような険しい表情で、激しい口調で私を責め立てました。
「こんなことになって、あの子の人生はもうおしまいだ」と、息子の将来まで否定するような言葉をぶつけられ、私は頭が真っ白になり、言い返す言葉も出てきません。ただ震えている私の横で、当時中学3年生だった娘が、このやり取りをすべて静かに聞いていました。
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娘の意外な一言に「決別」を決意
帰りの車中、後部座席で黙り込む娘を見て、私はハッとしました。
「おばあちゃんの言葉、キツかったよね。ごめんね……」
震える声で謝る私に、娘は静かに、でも力強くこう言ったのです。
「私は大丈夫だよ。
それより……ママは大丈夫なの?」
胸が締めつけられました。自分だって同じ障害を抱え、未来を否定されるような言葉を聞いたはずなのに、娘は私の心配をしてくれた。娘の優しさに救われると同時に、猛烈な決意が湧き上がりました。
「私はもう、この子たちを傷つける環境に身を置いてはいけない。守れるのは、親である私たちだけだ」
私は後日、実母に電話をかけました。
「あなたの言葉は、息子だけでなく娘も傷つけた。もう、実家には行きません」
「遺産もいりません」
実母は電話口で絶句していましたが、私は迷わず電話を切りました。それは、これまでの「娘」としての自分を捨て、「母」として生きるための決別でした。
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絶縁から数年。取り戻した「穏やかな日常」と、これからの希望
あれから数年が経ちました。
ある日、施設から戻った息子が「お正月、おばあちゃんの家に行かないの?」と尋ねてきたことがあります。私は家族全員を集め、あの日起こったこと、そしてなぜ今実家に行かないのかについて包み隠さず話しました。
「おばあちゃんは、あなたたちの個性を否定する言葉をぶつけてきた。お母さんは、あなたたちを守りたかったから、会わないことに決めたんだよ。孫孝行したいだろうけれど、その分、おじいちゃん(義父)に優しくしてあげてね」
話を聞いた息子は、神妙な顔でこう答えてくれました。
「僕の特性を否定されたり偏見のある目で見られるのは嫌だ。お母さんがそう選んだなら、僕は(父方の)おじいちゃんを大切にするよ」
現在、娘は「私は私でいい」と前向きになり、大学生活を謳歌して留学準備に励んでいます。
息子も自分の苦手と向き合いながら、専門学校に通っています。実母との関係を断ったことで、わが家には平穏が訪れました。もちろん、心のどこかでは「親不孝な娘」という思いが消えることはありません。それでも、家族4人の結束力は、あの決断の日以来、格段に強くなったと感じています。
「自分と子どもたちの心を守るための選択」は、間違いではないと信じて
親族と縁を切ることは、決して手放しで推奨できることではありません。私自身、今でも「正しかったのか」と自問自答することがあります。でも、もしこれを読んでくださっている中に、私のように周囲の心ない言葉に傷つき、自分を責め続けている方がいたならば、伝えたいことがあります。それは「自分と子どもたちの心を守るための選択は、決して間違いではない」ということです。
私は一人で決めて行動してしまいましたが、できればパートナーや専門家と話し合い、納得したうえで動くことをお勧めします。私の経験が、同じように悩む方の心を少しでも軽くするきっかけになれば幸いです。
イラスト/SAKURA
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。
実母の無理解に深く傷つきながら、ご自身とお子さんを守るためにされた決断について、ご経験を聞かせてくださりありがとうございます。
昭和の時代にはほぼなかった発達障害という概念は、祖父母世代に理解されにくいことが少なくありません。それでも丁寧に説明しても聞く耳を持たず、考え方を改めてもらえないとあれば、単純な世代の価値観の違いで説明できるレベルではないでしょう。最も身近な存在である親から否定の言葉を継続的に浴びせられることは、非常に強い影響をもたらします。善意や心配の形をとりながら発せられる否定的な言葉は、受け手にとっては逃げ場がなく、自己否定や強い孤立感につながることも少なくありません。
今回の体験で印象的だったのは、実母との関係において「分かり合えない相手がいる」という現実を受け入れ、関わり方を調整していかれた点です。家族であっても価値観や理解の程度には差があり、努力すれば必ず分かり合えるとは限りません。その中で「どこまで関わるか」「どこで線を引くか」を考えることは、ご自身や大切なお子さんの心を守るうえで非常に重要なプロセスです。血縁者と「距離を置く」「関係を断つ」という選択は、簡単に勧められるものではなく、葛藤を伴うものです。しかし一方で、継続的に心を傷つけられる関係の中にとどまり続けることが、子どもに深く影響する場合もあります。不要な偏見を子どもたちから遠ざけることが、子どもの自己肯定感を守るために必要なことだったともいえるでしょう。
その後、ご家族が穏やかな日常を取り戻し、それぞれが前を向いて歩まれている姿は、この決断がネガティブな「断絶」ではなく、ご家族を守るための「環境整備」の過程であったことを示しているように感じました。本当にお疲れ様でした。(監修:小児科医新美妙美先生)
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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