コミックエッセイ:おかっぱちゃんの子育て奮闘日記
「はじめてのおっぱい」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.3
壮絶なお産を経て、ようやく息子が誕生した。
小さな小さな手足。お猿さんのようなくしゃくしゃの顔。
狭い産道を通って来たせいで、頭は宇宙人のように後方に向かって尖っていた息子。
それでも、かわいい。
死にそうな想いをして産んだ自分の子は、想像以上にかわいかった。
「あぁ、本当によかった。本当によかったよ」。
お産に立ち会ってくれた夫も、堪えきれず泣いていた。
世の中のお母さんが同じような痛みを経験して、こどもを産んで来たことに驚きを隠せなかった。あんな思いをして、みんなこお母さんになっていたのか…。
なんたる凄まじい忍耐力なんだろう。
出産は過酷だ。世界中のお母さんに頭が下がる想いだった。あんなに力を振り絞った経験は未だかつてない!
小さな息子を抱いて分娩台に寝たまま、ぼお~と天井を眺めていると、助産師がやってきて
「おっぱいあげてみましょうか」
と話した。
え? もうあげるのか! それよりも、この貧弱な胸から乳が出るのだろうか?