連載記事:「幸せ力」の育て方

叱られながらやる勉強はなぜ身につかないのか(「幸せ力」の育て方 Vol.6)

「幸せ力」の育て方

「幸せ力」の育て方

自分の子どもが大人になったとき、「勉強はできるけれど、就職できない」「就職したけれど、仕事がつらくて病気になりそう」「収入は高いけれど、友だちがいなくて孤独」などという状態にはなってほしくありません…

「勉強しなさい」「どうしてこんな問題が解けないの」と子どもを叱っていませんか。
叱られると、子どもは勉強嫌いになるだけでなく、脳のパフォーマンスまで落ちてしまいます。
子どもが本来持っている脳のパワーを最大限に引き出すためには、どうしたらいいのでしょうか。
子どもの発達心理学が専門の内田伸子先生にお話を伺いました。

どうしたら勉強を楽しいと思えるようになるの?

© Sergey Nivens - Fotolia.com


学んだことがすぐ身につく子どもと、なかなか覚えることができない子どもの違い

それは、脳のしくみに秘密があると内田先生は言います。

「脳の中に海馬(かいば)という部分があります。
海馬は、体験の記憶を記憶貯蔵庫に転送する宅配便屋です」

海馬が働くと、たくさんのものが記憶されるようになります。

「海馬のとなりに、扁桃体(へんとうたい)という部分があります。

扁桃体は、好き嫌いや快不快感情を判断します」

扁桃体が快適な状態だと、海馬がよく働くので、そのときの記憶はどんどん記憶貯蔵庫に入っていきます。

「楽しさや心地よさを感じているときは、お子さんが自分の世界についての認識をつくり上げたり、知識を覚えたりしやすい状態です。

反対に、叱られながら勉強をしていると、扁桃体が不快感でいっぱいになってしまいます。
すると、海馬は働きが鈍くなり、記憶力が低下します」

脳をフルに動かすためには、扁桃体が勉強を快感だと思ってくれるよう、楽しみながら取り組む必要があるのですね。


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