コミックエッセイ:おかっぱちゃんの子育て奮闘日記

「夫が脱サラ!? ~仕事と育児~前編」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.20 


そんな中、息子が産まれて2カ月が経った夜のこと。
夫がいつもにも増して疲れてた表情で家に帰って来た。

普段ならドアを開けるなり、息子を抱き上げ、お決まりの赤ちゃん言葉で「ただいま~かえりまちたよ~」と笑顔を見せるのに、今日は息子の顔を見てもニコリともしないのである。

心配した私は、あまりにも元気がない夫に「どうしたの?」と聞くと、どうやらこの春人事異動があってから、仕事量が増え、人手不足でかなりつらい状況だと言う。

真面目で、忍耐強さが売りの夫が、珍しくまいっている。こんなこと今までなかった。

息子が産まれる直前に、今の部署になってから忙しいと話は聞いていたけれど、まさかここまで疲れきってしまうとは。忙しさから心を無くしているように見えた。

大学卒業後、あまり興味の持てない金融の仕事を、真面目に7年も勤めてきた彼が初めて愚痴をこぼした夜だった。

思い返すと、わたしは毎日仕事と育児に追われ、自分のことばかり話して、不満をぶつけ、夫の変化に気付かずにいた。夫がSOSを出す前に、なんでもっと気にかけてあげられなかったのだろう。

わたしは好きな仕事をしている一方、夫は仕事を楽しんでいるのだろうか。つらい事ばかりではないのか? 話を聞いて「面白そうな職場だねえ」と言ってあげられたことは一度もない。

人生の楽しみ方は、いろんなところに転がっているはず。
仕事もひとつではない。意志さえ強く持てば、選ぶ権利あるはずだ。
人生のほとんどを締める仕事の時間を夫にも、もっと楽しんでもらいたい。

小さな息子を抱きながら、わたしは夫にこう言った。

「会社、辞めておいでよ」。
「夫が脱サラ!? ~仕事と育児~前編」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.20 

つづく~

おかっぱちゃんの夫の仕事はどうなる? 乞うご期待!
次回は「夫が脱サラ!? ~仕事と育児~後編」をお届けします。
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