連載記事:『みんなの学校』流 親子関係のつくり方
親が子に望むべき1番目の価値観とは?【『みんなの学校』流 親子関係のつくり方 第6回】
トラブル発生、親としてわが子にどう向き合うか
「間違ったらやり直せばいい」と、親が言えるか?
「怒られずに済んだ」という成功体験をつくらない
大人は正解を言ってはいけない
自主的に学ぶ子は、こうやってできるの続きです。
「親が自分の子どもを見ようとしていないだけ」と、木村先生。そう言われると、「もやっ」とするのは、なぜだろう? それは心当たりがあるからだ…。
© Olesia Bilkei - Fotolia.com
■その子が思っていることを、その子がわかるように通訳する
―― 親は、ついつい、子どもを自分の思う通りに動かしたくなります。「これは、こういうことでしょ」と整理したくなります。それが「教育」だとすら思っています。
木村先生(以下、木村):整理というよりも、その子が思っていることを、その子がわかるように通訳することね。整理っていうのは、大人がやってしまうことが多い。
でも、大人がやってしまったら、子どもは大人の整理に乗らないといけなくなります。
―― 子どもが一番できていないことは、「自分との会話」ということですか?
木村:大人が整理して、そこに子どもをのせようとしてしまう。その子だけを見たらいいんですよ。でも親は、周りを見たり、学校を見たりするじゃないですか。
―― あと、親自身の価値観というのもありますよね。「この枠内でないとダメ」という思い込みというか…
木村:そんな迷惑なことはありません。親の価値観を押し付けられるほどに、子どもは親を信頼しなくなる。信頼しなくなるだけじゃなくて、
親のために仮面をかぶって生きようとする。
それは
子どもの権利条約違反。条約違反ですよ?
親は自分の価値観を子どもに当てはめたい。でも、親の価値観は、自分がこれまで生きてきた中で培った価値観でしょ?
子どもに必要なのは、この先、10年、20年、30年、40年、50年、60年後を生きるための価値観。親の価値観なんて過去の化石や。そんなもん、どれだけ子どもに与えても、子どもは時代を逆戻りするだけです。