今回の「やさしいママのひみつ」は、ブランディングプロデューサー、クリエイティブディレクターとして、幅広く活躍する保手濱歌織さん。7歳の男の子、2歳の女の子、0歳の男の子、3人のママです。
保手濱歌織(ほてはま かおり)さん
息子さん:幸歌(こうた)くん7歳、織都(おと)くん0歳、娘さん:幸都(こと)ちゃん2歳
ファッション大手通販カタログの総合ディレクションを担当後、独立。デザイン制作会社、シェアオフィス兼撮影スタジオの「そよかぜ屋」を運営するかたわら、「mazecoze(マゼコゼ)研究所」の所長として活躍する。都心で、お子さん3人と夫の5人暮らし。
http://mazecoze.jp
instagram:
@hotatekouta
保手濱さんが試行錯誤の上にたどり着いた、笑顔で楽しむ
子育てのルールを教えていただきました。
■具体的にお願いすることで、家事や子育てを分担
保手濱さんは今年1月に、次男の織都(おと)くんを出産したばかり。4月から保育園に通い始めたものの、今はまだ生活パターンが確立されていないそう。そんな、ある平日のスケジュールを見てみましょう。
7:00: 起床
8:00: 長男、小学校へ。夫が長女と次男を保育園へ見送り。洗濯、打ち合わせなど
15:00: 長男帰宅。
18:30: 長女と次男を保育園にお迎え
19:00: お風呂、夕食
21:00: 子どもたち就寝。一人の時間、日によって仕事
23:00: 夫帰宅
0:00: 就寝
朝の子どもたちの支度や保育園の見送りはご主人、お迎えから夜の子どもたちの世話は保手濱さんと、役割を分担しているそう。
「それぞれで役割分担したほうが効率が良いんです。だから平日の夜は基本的に、夫には遅くまで仕事や勉強をしてきてもらって、私が用事があるときだけ早く帰って来てもらっています。家事は
分ける、
まとめることが大事です。
長男が小さいときはちょうど会社を立ち上げたばかりで、すごく忙しかったんです。それでも子育ても家事もすべて一人でやろうとしてしまって、生活はめちゃくちゃでした。
どこでもすぐに友だちを作る社交的な幸歌くんと、人前に出ると泣いてしまうという人見知りな幸都ちゃん。2人の性格は対照的だそう。
それから長女が生まれて、長男の小学校の入学準備の頃、すごく大変で
“これは無理”となったときがあって、具体的に
これとこれとこれをやってほしいと夫に伝えたんです。そうしたらすごく分かりやすかったようで、今は私が何も言わなくてもやってくれるようになりました。
役割を伝えると、主体性を持ってやってくれます。具体的に言わないで「手伝ってよ!」とだけ言っても、男の人は分かりづらいんですよね。
何も言わずに不満をためて、機嫌を悪くするのが一番よくなくて、ちゃんと伝えることが大切ですね」
■仕事の選び方を変えて、子育てと両立
保手濱さんが、子育てをしながら仕事を続けるためにまずしたことは、
仕事をする環境を整えることでした。
「基本的にはディレクションや企画、プランニングだけにして、作業が必要な仕事は、他の人にお願いするようにしました。作業仕事に追われると、夜中まで仕事をすることも多くなってしまいます。長女を妊娠したときに、会社は私がいなくても回るように体制を整えました。
仕事のやりとりは、ほとんどをメールからFacebookのメッセンジャーやLINEに切り替えました。メールはパソコンに向かわないとしづらいですが、メッセージのやりとりならスマホでもできるので、家事の合間にもチェックできます」
産休を取ることなく、驚くほど幅広い仕事をしている保手濱さん。お話を聞いていると、3人の、しかも0歳児の赤ちゃんもいるママとは、とても思えません。
「今は『mazecoze研究所』をメインに活動しています。お母さんたちが子育てしながら働き続けるために、どうすればいいか考えるために立ち上がったプロジェクトです。お母さんたちが働くことを応援するには、周りの人や環境を巻き込む、ダイバーシティ(多様性)が必要。
職種や肩書きなどの境界線を越えて一緒にやっていったり、プライベートと仕事の境界線をなくしてもいいんじゃないか、というのがテーマにあります。いろいろな人を多様に巻き込んでいくことが、子育てしながら働くことに繋がっていくと思うんです。
サイトでは、面白い働き方をしている人たちを取材しています。私自身、『ライターです』とか『制作会社です』と言い切っていない何でも屋。一本筋がありつつ、職人のようにひとつのことを深堀りせず、いろいろなことができるという働き方もいいんじゃないかと思っています」
「mazecoze研究所」のほか、会社を経営しつつ、ほかの企業や自治体の仕事をしたり、シェアオフィスと撮影スタジオの運営までしている保手濱さん。お子さんがいなくても十分忙しそうです。
「忙しそうに見えますよね(笑)。それぞれあまり多くの時間をとられないのでかなり余裕はあります。クライアントに合わせて作業仕事をしているときなどに、『ママ~』と来られると『ちょっとどこか行っててよ!』となってしまうけど、そうならないように仕事の選び方を変えたら、好きな仕事だけをできるようになりました」