「こっちの子の方が可愛い」わが子に向ける愛情の偏りの話【新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記 第24話】
子どもが複数いる場合にどちらか片方の子をどうしても可愛く思えないとか、もしくは誰か一人が特別に可愛く感じてしまうとか、お母さん達のそういう話は、結構よく聞く話ではある。
中でも突出して多いのが、一番目の子が女子で、二番目の子が男子の場合。俗に言う一姫・二太郎の関係における「弟可愛い」だ。
知恵をつけてよく喋るようになったお姉ちゃんと、その後に生まれた赤ちゃんの弟。弟の方が可愛くてたまらない、お姉ちゃんは小煩い、弟にはずっとこのまま赤ちゃんでいてほしい、なんていうお母さん達の言葉は、これまで色々なママ友から何度となく聞かされた。
本当にずっと赤ちゃんでいられちゃ大変で仕方ないだろうと思うが、息子に限っては、そんな手がかかることを差し引いても愛おしいと感じる、ということだろう。この裏側には何となく、男性だけに許された赤ちゃん特権の残り香を感じてしまう。
赤ちゃん特権というのは私が今適当に考えたものだが、「男はみんな赤ちゃんよ」みたいなやつである。
女性の生活力の低さは許されないが、男性の生活力が低いことは許される、またそれを女性がサポートするのは当然というような空気が、母親の息子への偏愛を後押しさせ、特別なことじゃないよ、という温度で口に出させ、社会もそれをナチュラルに受け止めているような気がする。
また逆のパターンで、父親が娘を特別に可愛がるというのも当然のこととされている。
普通、「自分の子どものこっちの子が可愛くて、こっちの子が可愛くない」なんて言えば周囲からは当然非難されそうなものだが、女はこう、男はこう、男と女はこう、というような、固定概念が土台にあるからこそ、性差を理由にした兄弟間の偏愛はカジュアルに表出する。性差に起因していることが、ギリギリ免罪符になるのだ。
だから、実際には表に出にくいだけで、姉と妹とか、兄と弟とか、同性の兄弟間にも、親が実感する「可愛い」の差というのは当然あるのだ。
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