2017年6月6日 17:00|ウーマンエキサイト

突然の死を迎えた祖母… 母に残したのは「特別な絆」【新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記 第25話】

紫原明子
ライター (エッセイスト)
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新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記

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19歳で子どもを産み、“新米ママ歴14年”の紫原明子さんの家族日記。ママも14年経てばベテラン? いいえ、子育は予測不可能。思いもよらない出来事が日々起こります。

突然の死を迎えた祖母… 母に残したのは「特別な絆」【新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記 第25話】
祖母には、長女、長男、次女(私の母だ)、三女、四女、という順番の5人の子ども達がいた。みんな基本的には仲が良いものの、ことあるごとに、特に4人の姉妹は口をそろえて、「お母さんが一番好きなのは兄ちゃんよ」と言うのだった。ただ、そこには別にやっかみの感情がなさそうに見えた。

というのも、母の時代、長男というのは家の跡継ぎとして特別に可愛がられるべきものだったし、また早くに夫を亡くしていた祖母にとって、長男の存在というのは、当然ながら、夫にも匹敵する、唯一無二のたのもしい存在だったのだ。ところが深刻な問題は、長男を除く4人姉妹の中で生じる格差だった。

三女のミチコちゃんが、祖母から特別に可愛がられている、というのが、長らくミチコちゃんを除く、3人の姉妹の統一見解だった。

「ミチは小さい頃からほんとに愛嬌がよかったんよ」と母は昔からよく、隠しきれない苦々しい顔で語った。祖父がまだ生きているとき、今日は機嫌が悪いなと思えば、ミチコちゃんは砂糖をたっぷり入れたコーヒーをさっと出して、まあまあこれでも飲んで、と和ませるのだという。

私が生まれる前のことなので実際にその光景を見てきたわけではないものの、男性が恐ろしく頑固な昔ながらの九州の家で、女性が何人も一つ屋根の下に住んでいると、嫌が応にも、そういうことを誰がやるか、誰がそのポジションに収まるか、というところで、ピリピリとした空気が生じることは想像に難くない。

何しろ生活の中では自ずと、あの子はこういう子だからね、と今よりもっと無遠慮に個性が固定化されてしまっただろうし、誰か一人が自然な流れで“愛嬌よく無邪気”という愛されキャラを獲得すれば、確かに周りは面白くなかっただろう。

とはいえ、それは姉妹間のふるまいの問題で、当の祖母には、誰が一番可愛いとか、そんなつもりは全くなかったのだろうと私は思っていた。母が考え過ぎているのだろう、と。

ところが、この問題は思いのほか根深いと知らされたのは10年ほど前、祖母が、庭の畑で毒蛇に噛まれて生死をさまよったときだった。

その日、祖母の家にはミチコちゃん一家が遠方から帰省していて、祖母は、採れたての畑の野菜を食べさせてあげようと、視界の悪い夕どきの畑に出た。そこで蛇に噛まれ、直後にミチコちゃんと、祖母の家の近所に住む母とが病院に連れて行った。数日後、血清を打って幸いにも一命をとりとめた祖母は、母にこう言ったのだという。

「やっぱり、ミチコちゃんがいたから命が助かった」

自分が祖母の家の一番近くに住んでいて、日頃から一番近くで祖母の面倒を見ているという自負もあった母は、何気ない祖母の一言に相当なショックを受けていた。子どもの頃から溜め込んでいた煮え切らない思いが溢れ出し、その後しばらくは、見るからに落ち込んでいた。子どもが大人になって、親と子の、守る人、守られる人の立場がいつしかすっかり入れ替わったように見えても、それでもやっぱり子どもは、親から愛されたい。いつまでもそれは変わらないのだと、思い知らされた。

そんな祖母が先日、突然亡くなった。病気がわかってから、たった2ヶ月のことだった。最後は、4人姉妹、全員で看取ったという。
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