子どもの発達障害を知ろう、考えよう
発達障害による“生きづらさ”は決して他人事ではありません。まずはみんなで「知ること」から。子どもの発達障害とそのご家族のこと、大人の発達障害、専門家インタビューなど、さまざまな切り口でわかりやすく発達障害を取り上げていきます。
発達障害による“生きづらさ”は決して他人事ではありません。まずはみんなで「知ること」から。子どもの発達障害とそのご家族のこと、大人の発達障害、専門家インタビューなど、さまざまな切り口でわかりやすく発達障害を取り上げていきます。
【NHK「あさイチ」発達障害特集を見て思う】 発達障害の子育てにおける、夫(=父親)の役割とは?
■他の子と比べすぎるお母さんと、比べすぎないお父さん
© tatsushi - Fotolia.com
また、一般的に、子育てはお母さんが主役になることが多いので、同世代の友達と関わることも増えるが、お父さんは集団でのわが子の姿を見る機会がほとんどない。なので、年相応の発達状態を把握しにくく、「男の子なんてこんなもんじゃない?」とか「俺も子どもの頃そうだったよ」などと問題を見逃しがちな面がある。
でも、これって悪い面もある反面、意外と良い面もあると思うのだ。
わが家の場合は、私が他の子と比べてばかりいて、「普通」であることに縛られ、ふさぎ込んでしまっていた時期があった。だが、夫は、他の子と比べることは一切しなかった。
「他の子と同じである必要はまったくない」、「比べることには何の意味もない。もし比べるなら、『他の子と』じゃなく『過去の息子と』」「『普通』の定義って何?」と、落ち込んでいる私を容赦なく詰めて(励まして?)くれたものだ。そんな夫に、「あなたは他の子のことを全然知らないからそんなに呑気なの!」と噛みついたこともあった。だが、文句を言いつつも、わが子のことだけをしっかり考えるという夫のブレない姿勢は、どこかで、とても心強い支えになっていたのだ。
また、夫と私では子どもについての見方も全然違ったので、多面的に話し合えることもありがたいことだった。お父さんというポジションは、お母さんより、子育てを冷静かつ客観的に見られる位置にいると思う。お父さんには、ぜひそういう強みも活かしてほしいのだ。
■「わがまま」と障害の線引きは?
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最後に、番組を見ていて、もう一つ気になったことがある。
「わがまま」と障害の線引きは? ということだ。番組に出演した古山家のお父さんも、「どこまでが発達障害の特性なのか個性なのか切り分けが難しい」と葛藤していたし、スタジオの出演者たちもそのことについては判断つかないようだった。
このことは、私も、よく健常児のママから聞かれるのだが、私も答えがわからずに困っている。専門家の井上雅彦さんも、「(線引きは)厳密には難しい」と言っていたので、かなり悩ましいテーマなのだろう。
ただ、重要なのは、障害との線引きにこだわることではなく、「どう工夫すれば(生きにくさを感じている)子どもたちの努力が報われるか?周りがどう対応するか?ということの方に目を向けるべき」(井上雅彦さんコメント)とのこと。
そう、私たちの目的は、子どもをカテゴリ分けしたり、レッテルを張ることではない。困っている子どもたちが、いかに生きやすくなるかを考えぬくことなのだ。
まちとこ出版社N
【発達障害についての記事一覧】
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