コミックエッセイ:こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~
たかをくくらず、腹をくくる時がやってきた【こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~ 第14話】
自分の中でなんとなくそんな気がしていました。もしかするとドクターもそう思っていたかもしれません。けれども、治療をステップアップする決心がつきませんでした。
排卵誘発の注射の量を増やして、8回目の人工授精をすることにしました。また5日間注射に通います。
そんな中、台風が接近し、クリニックが休診となった日がありました。が、私は毎日注射を打たねばならないので、暴風域を抜けるであろう夜9時に通院することになりました。
夜だったので、オットも一緒に行けました。
クリニックには私たち同様、注射を待つご夫婦が何組かいました。
ぼそぼそと会話をする声と、窓の外を通り過ぎる大きな風の音。二つの音を聞きながら、ぼーっと座っていました。
あぁ、どうして今、私はここに座っているんだっけ…
台風の後、夫婦で話をしました。人工授精はこれで最後にすることに決めました。
そして、8回目の人工授精の日。