連載記事:【親子で楽しむ絵本の時間】
長寿を祝う敬老の日! 大好きなじいちゃん・ばあちゃんと過ごす絵本【親子で楽しむ絵本の時間】 第16回
■やあ、やあ、やあ!おじいちゃんがやってきた
作:村上 しいこ/絵:山本 孝/出版社:BL出版
/出版社:光村教育図書
「やあ、やあ、やあ!おじいちゃんがやってきた」
ある日クラスにやってきた転校生は、なんとぼくのおじいちゃん! なぜかぼくの隣の席にやってきて… と読み始めからワクワク感をあおる展開のおじいちゃん絵本がこちら。赤いチェックのシャツに緑のスカーフ。終始ボケをかましてくるおじいちゃんに思わず吹き出してしまいます。国語の時間、隣の人のいいところを探して紹介し合うというシーンでは「何もないように思えて、誰にでもいいところがある」ことを発見!「表紙のおじいちゃんがアップでおもしろうそうだったから」を理由に本を選んだという子どもの意見からも、迫力と個性的なイラストの魅力が伝わってきますね。
■はやく あいたいな
作:五味 太郎/出版社:絵本館
「はやく あいたいな」
ある日突然おばあちゃんに会いたくなった、よおちゃん。そしてその瞬間同じように、よおちゃんに会いたくなったおばあちゃん。お互いに会いたくて会いたくてしかたがないのに、行き違いになってなかなか会えない2人。誰かを想うことはこんなにパワーがあって、生き生きするものだということがじわ~っと染みてくる絵本。「ここにいるってば!」と教えてあげたくなりつつも、親子とはまたう2人の関係性がとてもステキです。最後に木の下で会えたときの2人の笑顔が目にやきつき、予期せず胸が熱くなってしまう良作絵本となっています。
■ぼくおばあちゃんのこになってあげる
作:西本 鶏介/絵:渡辺さもじろう/出版社:鈴木出版
「ぼくおばあちゃんのこになってあげる」
ぼくのおばあちゃんは、たまに意味のわからないことをいったり、同じことを何度も繰り返したりする。ぼくのこと、お父さんと間違えて呼んだりもする。老いたおばあちゃんのことを、主人公ひろくんとその家族は心が「昔の国」にもどっていると表現しています。そんなある日、突然おばあちゃんがいなくなって…。最初はお父さんと間違えて名前を呼ぶおばあちゃんに腹をたてていましたが、おばあちゃんが見つかって「ぼくおばあちゃんの子になってあげる」と話すぼくに目頭が熱くなります。戻りたいあのころにいるおばあちゃんは、今とても幸せなのかもしれません。そんなおばあちゃんを見守る家族の愛の深さを感じさせてくれる一冊です。
誰しもふと、おじいちゃん・おばあちゃんのやさしさを思い出したりすることがあるのではないでしょうか。
そんなときはそばにいき、あるいは電話をして、お話してみてはいかがでしょう。きっと、心がホッとする楽しい時間が待っているはずです。