コミックエッセイ:こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~
妊娠前と妊娠後、扱いの違いに悔しくなる【こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~ 第32話】
妊娠が判明したこてつさん。気持ちの整理がつかないまま、妊娠前と妊娠後のまわりの人の変化に驚きます。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。
妊娠後、変化があったのは…
再判定の前日、実母から電話がきました。「赤ちゃん、どうだった?」と。
母には移植前に、何日に結果が分かるということを教えていたら、ちゃんと覚えていたようで、なかなか私から連絡がこないので心配してかけてきたようでした。
母にも言う気にはなれず「まだ分からない」と嘘をつきました。次はいつ病院か、と聞くので「明日、明日で分かるよ」と言いました。
おどろくことに「一度でできなくても、何度か挑戦している人もいるから落ち込まなくていいんだよ」と優しい言葉をかけられました。
病院通いを内緒にしていたころは「できないのはおかしい。病院に行け、検査しろ」「早く産まないと苦労する」などと、身内だけにストレートでデリカシーのない言葉で散々私をモヤッとさせてきた母でした。
しかし、毎日注射だ薬だと通院する娘を見て、段々と心配になってきたようです。コロッと豹変した態度に笑ってしまいますが、やはり母親なんだなと少し嬉しくも感じました。
そして、再判定の日。hcg値は増えていました。赤ちゃんを包むための袋・胎嚢も確認できました。小さな黒豆のようでした。
次の週は心拍を確認することになりました。赤ちゃんは育っていました。
この日も診察後、待合室で泣いてしまいました。自分の気持ちをどうすればいいのか分かりませんでした。
少しずつ、変わっていってくれるのを待つしかないのかな…。