カッコ悪くて何が悪い!? 飾らないありのままの育児を描く荻並トシコの魅力
■イヤイヤ期の言動…「うちだけじゃないんだ!」に救われる
本書の面白さを引き立たせてくれるのが、何といっても2歳男児のハルくん。イヤイヤ期全開のその行動に母トシコも頭を悩ますことばかり。
しかし、トシコとハルくんのやりとりを眺めていると、
なぜか不思議と心が軽くなるんですよね。なぜか…!? その理由はきっと、「これってうちだけじゃないんだ」っていう安心感にあるのではと思います。
まずは最強2歳児のこんな一コマ。
「多彩」
特にイヤイヤ期真っただ中の子どもを持つママたちなら、ハルくんの行動は「やめて~」の連続のはず。なのに、不思議と笑えるうえに、普段のわが子の謎の言動がひも解かれ、読み進めるうち
わが子に対する愛おしさがじんわりわいてくるんです。
育児で八方塞がりになると、ついほかの子と比べて、「なんでうちの子は…」みたいにネガティブな気持ちになったりするもの。
自分の子以外は、なぜかおとなしく、いい子に見えてしまうことってあるんですよね。
まるでわが子だけが、“ダメな子”みたいに感じることもあるけれど、現実は決してそういうわけじゃない。
ただ毎日必死で子育てしていて、ふと周りが見えなくなっただけ…。
そんなときに、ページを開いてトシコとハルくんのやりとりを見ていると、「そういえば、うちの子も同じようなことしてたな~」なんて、わが子を引きで見られることで、ママの心がすっと軽くなるんです。