カッコ悪くて何が悪い!? 飾らないありのままの育児を描く荻並トシコの魅力
■つい忘れがちになる…幼きわが子との「いま、このとき」
「トシコ、母になる。」では、見慣れたはずの育児の場面が荻並さんのフィルターを通して描かれることで、まるで子どもとのやりとりを追体験しているような感覚に陥ります。
日々育児と格闘し、泣いて、笑って、子育てしているトシコの姿はちょうど
あの日、あのときの自分のよう。
だけど、ただつらいと感じるだけで、果たしてトシコのように子どもと正々堂々と渡り合い、大切な時間として刻んでいるのだろうか? なんて、思わず自問したくなるんですよね。
日々の育児に追われて、つい忘れてしまう大切なことも、トシコとハルくんの日常が教えてくれるような気がします。
本書にもトシコとハルくんのほほえましい一コマがおさめられています。
「フォロー」
思い通りにならなくてイラッとすることもあるけれど、子どもながらに精一杯の気持ちを込めて、ママを元気づけたいという想い。
ハルくんなりにフォローする姿は、かわいすぎて、笑わずにはいられませんが、ほんわかやさしい気持ちになれるエピソードです。
育児はもちろん大変なものだけど、「飾らず、自分らしく、子どもと楽しもう」という気負いのないメッセージが本書のなかにはたくさんちりばめられています。