カッコ悪くて何が悪い!? 飾らないありのままの育児を描く荻並トシコの魅力
■タイトルに込めた想い、「母になる。」で変わったこと
世間の母親像にしばられない、あくまでマイペースな子育てを実践する荻並さん。しかしそんな彼女にも母親になったことで自分の中である変化が生まれたといいます。
それが、母になって確実に優しさが増したことだったそう。
産後すぐには、産まれたばかりの息子を抱いては泣き、外国で10人亡くなったという新聞の見出しで泣き、まさに母性のインフレ、優しさのインフレを起こすほどの異様なモードに…。
COLUMN vol.01「トシコ、母になって…。母性のインフレが起こったあの日」(P46)より
通常の精神状態に戻ってからも、「皆、母から生まれた」という大前提で世界を見られるようになったことで、
“優しさの一定値を引き上げる”ことにつながったといいます。
そんな今の自分の姿を“ちょっといいな″と感じていることから、あらためて母になった実感を込めて「トシコ、母になる。」というタイトルをつけるにいたったそう。
一人の女性から母へ、守るべきものが増えたことで、背負う責任はときに重たくも感じるけれど、人として成長する機会を与えられたことで、母になったことへの喜びと感謝を感じる荻並さんの想いが伝わってきますね。
そして、母になって変わったことはこれだけにはとどまらず、ププッと笑えるエピソードとしても描かれています。
「夜の外出」
「もうこれ、自分のことみたい!」と笑わずにはいられないママたちもいるのでは?
育児がつらくて、もう逃げ出したいと思うことだってあるのに、夜のフリータイムをせっかくもらっても、
口ずさむのは、すっかり耳慣れた育児ソングなんて…。
母になって変わることは山ほどあり、ときに失なったものに目がいくこともあるけれど、そんな母の姿をシュールにおかしく描いてくれることで、笑いと共感で心が救われることがあるんですよね。