連載記事:ママが知るべき「子どもの感染症」傾向と対策
予防接種で水ぼうそうを防ごう! ワクチンを何回打つのがベスト?【ママが知るべき「子どもの感染症」傾向と対策 第3回】
毎年、冬から春にかけて流行することが多い水ぼうそう。
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2014年にワクチンが定期接種化される前までは、日本国内で年間約 100 万人が水ぼうそうにかかり、約 4000 人が重症化から入院し、約 20 人が死亡していたという怖い感染症です。幼稚園や保育園のころに感染したというママも多いのでは?
赤ちゃんや小さな子どもがかかるとどうなるのでしょうか? 症状や予防方法などをくわしく見ていきましょう。
■ワクチンの定期予防接種「乳幼児の患者数が激減!」
水ぼうそうと聞くと、幼いころに感染してつらかった…という経験を持つママも少なからずいるでしょう。
日本で水ぼうそうのワクチン接種(任意)が始まったのは1987年のこと。その後、2012年に日本小児科学会からワクチンの2回接種が推奨されるようになり、2014年10月に国が接種を強くすすめる定期接種ワクチンになりました。一定の月齢に達した子どもなら、基本的に無償で接種することができます。
国立感染症研究所によると、全国約3000の小児科の定点あたり、報告数(年間)は2005年~2011年まで66.1人~88.1人でした。
しかし、2012年から減少し始め、定期接種化後の2015年には大幅に減って2011年の約3分の1にまでなりました。
なかでも1歳~4歳の占める割合が2005年~2011年までは約70%だったのに対し、2016年には約40%にまで減少しています。患者数が大きく減ったのは、ワクチンの定期接種化が大きな要因のようです。
■水ぼうそう「どんな症状? どうやってうつるの?」
症状は軽くなりますが、ワクチンの接種が1回だと水ぼうそうにかかることがあります。
感染すると、どんな症状が出るのでしょうか?
【水ぼうそう 症状】
全身、とくに顔から首にかけて、かゆみを伴う発疹や発熱があります。発疹は最初のころが紅斑(赤い発疹)で、その後は丘疹(小さな発疹)、水疱(すいほう)、膿疱(のうほう、うみのある水疱)、かさぶたの順に進行していきます。
発熱はしない場合もあります。脳炎や肺炎、皮膚の細菌感染など合併症があります。白血病や免疫抑制治療を受けている子どもは死亡にいたることがあります。大人は重症化しやすい傾向にあります。免疫の低下している妊婦はとくに注意が必要です。
【水ぼうそう 潜伏期間と感染期間】
潜伏期間は14~16日間と比較的長いのが特徴。
感染期間は発疹が現われる1~2日前から、すべての発疹がかさぶたになるまで。
【水ぼうそう 感染経路】
空気感染します。せきやくしゃみなどのしぶきによる飛まつ感染や接触感染、母子感染(胎内感染)もあります。水疱や膿疱にはウイルスがいるため、触れないように気をつけます。かさぶたの中にはウイルスは存在しません。