連載記事:ママが知るべき「子どもの感染症」傾向と対策
風しん流行中「妊婦は特に要注意!」風しんから身を守るには?【ママが知るべき「子どもの感染症」傾向と対策 第1回】
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風しんが大流行の兆し――。ニュースで見かけたという人も多いはず。胎児に影響を及ぼすリスクが高いため、妊婦は特に注意が必要だと言われています。
そもそも、風しんはどんな病気なの? 風しんにかからないようにするためにはどうすればいいの? もし子どもがかかってしまったら保育園や幼稚園、学校にはいつから通えるの?
風しんについて、くわしく解説しましょう。
■風しん「感染者数は昨年1年間の約10倍!」最も多い東京都
国立感染症研究所は10月10日、今年に入ってからの風しん患者累積報告数10月3日時点で952人になったことを発表しました。既に昨年1年間の感染者数と比べて約10倍になっており、大流行した2013年の前兆と似たような状況になっています。
都道府県別では東京都(307人)や千葉県(195人)、神奈川県(108人)が多く、埼玉県や愛知県が続いています。首都圏を中心に全国的に広がりを見せています。
風しんというと、子どもがかかる病気と思われがちですが、感染者の約9割が大人。男性の数は女性の約5倍で、ワクチン接種経験のない30~40代の男性が患者の中心なのです。
そこで心配になるのが、妊婦への感染です。
日本産婦人科医会と“風しんゼロ”プロジェクト作業部会(厚生労働省)は、「妊娠20週までの妊婦が風しんにかからないように」「妊婦が風しん患者に接触することがないように」注意を呼びかけています。
妊婦が風しんに感染すると、胎児にも感染して、難聴や心臓の病気、白内障などの障がいを持って生まれてくる「先天性風しん症候群」にかかる可能性があります。妊娠初期であるほど、その確率は高くなります。
日本小児科学会によると、妊娠1カ月以内の妊婦が感染した場合、生まれてきた赤ちゃんに先天異常が現れる確率は50%以上。実際に2012年、2013年の大流行の際には、2012年から2014年にかけて45人の発症が確認され、残念ながら11人の赤ちゃんが亡くなりました。
妊婦や妊娠の可能性がある女性本人はもちろんのこと、周囲の人も本当に気をつけたいですね。
■風しんの症状は? どうやってうつるの?
【症状】
発熱と同時に淡紅色の発しんが全身に現れます。首(頚部・けいぶ)や耳の後ろの部分にリンパ節の腫れがみられます。発熱に気づかないケースもあります。3,000人に1人の割合で血小板減少紫斑病を、6,000人に1人の割合で急性脳炎を合併します。
妊婦の感染によって胎児が耳、目、心臓の精神運動発達の遅れを伴う先天性風しん症候群を発症することがあります。大人が発症すると、高熱や発しんが長引いたり、関節痛があるなど子どもよりも重症化するケースがあります。15~30%の人は感染しても症状があまり現れず、自覚症状のないまま免疫がついていると言われています(*)。
【潜伏期間と感染期間】
潜伏期間は平均して16~18日。
感染力があるのは、発しんが出る7日前から、発しんが現われて7日目ごろまでです。
【感染経路】
くしゃみやせきなどのしぶきによる飛まつ感染、接触感染、母子感染(胎内感染)によって感染します。風しんの感染力はインフルエンザより強く、1人の患者が免疫のない5~7人にうつす可能性があります(*)。