連載記事:今日からしつけをやめてみた
「あいさつは?」「早く帰るよ!」もう怒りたくない“子育てあるある”3場面【今日からしつけをやめてみた 第3回】
マンガ・イラスト/あらいぴろよ
ガミガミいわず、いつも子どもと笑っていたい。でも親である以上「私がしっかり言い聞かせないと」と思っているママは多いですよね。
私たちは、本当にしつけをしなければならないのでしょうか?
最終回となる今回は子育てにありがちなシチュエーション別の対応を
『
今日からしつけをやめてみた』(主婦の友社)を監修された柴田愛子先生にうかがいました。
お話をうかがったのは…
「りんごの木 子どもクラブ」代表
柴田愛子先生
「子どもの心により添う保育」をモットーにした「りんごの木 子どもクラブ」代表。絵本作家。 保育者。育児書の執筆、雑誌への寄稿だけでなく全国で保育者向けセミナーや母親向け講演会をおこない支持を得る。NHK『すくすく子育て』出演。園で行っている「子ども達のミーティング」はテレビ・映画で取り上げられ「子どもの力を最大限に引き出している」と話題に。
■場面その1:おはよう、バイバイなどのあいさつをしない
マンガ・イラスト/あらいぴろよ
――先生、今回は子育て中によくあるシチュエーション別に、ママの対処法をお聞きしたいと思っています。最初の事例は「あいさつ」です。「おはよう」や「バイバイ」がいえない…と悩むお母さんは少なくありませんが、先生はどのようにお考えでしょうか?
柴田愛子先生(以下、柴田先生):これはね、大人がいいたいの。だから大人がいえばいいのよ。
――え、大人がいうんですか?(焦)
柴田先生:そう。「〇〇ちゃん、おはよう」っていわれて、子どもが何もいわなかったらお母さんが「おはようございます!」って代わりに答えればいいの。
――それでいいんですか…?
柴田先生:いいと思う。親の後ろ姿を見て「こういうときは、こういうのか」って子どもは学んでいくもの。いわなくてもいいよっていうことではなくて「母は母でやらせていただきます。母のやり方で」っていうことなの。
――親がお手本になる…ということですね! ちなみに、どのくらいで自らあいさつできるようになるんでしょうか?
柴田先生:そうね。最初のうちはお母さんが「おはようございます!」っていっても子どもはボーッとしてる。でも、5歳の中ごろになると、親をまねて「おはようございます」っていうようになる。それまではいいんじゃない?
りんごの木に子どもがやってきて、私が「おはよう!」っていうと子どもは「ふふっ」と満足そうな顔をするの。それでいいじゃないですか。
――ふふって、かわいいですね(笑)。親の私たちが「あいさつ」ができた、できなかったを必要以上に気にしているだけなのかもしれませんね。
柴田先生:そうね。
「おはようございますは?」と子どもにいうのは、調教しているように思う。もちろん、儀式的なことを大事に考えている人もいるわね。その人はそれで良いかもしれない。
でも、礼儀作法はあとでも間に合うと私は思っているの。人と人とのつながりを優先したいと思うから。