連載記事:今日からしつけをやめてみた
「あいさつは?」「早く帰るよ!」もう怒りたくない“子育てあるある”3場面【今日からしつけをやめてみた 第3回】
■場面その2:帰ろうと声をかけても遊びが切り上げられず、泣いて暴れる
マンガ・イラスト/あらいぴろよ
――夕方、帰宅のため子どもに「帰ろう」と声をかけると「イヤだ!」「帰らない!」とごねられ、なかなか帰れない…というお悩みについてはどう思いますか?
柴田先生:これは、当たり前のことだと思う。親っていうのは勝手なときがあるわね。公園でおしゃべりしていて、子どもが「帰ろうよ!」といったら「待ってて」と待たせるのに、自分の用事が終わったら「さあ、帰ろう」って。
こんなときは「待っててくれてありがとね。ママの話、終わりました! じゃあ、帰ろうか」といってほしい。
――確かにそうですね…!
柴田先生:帰ろうっていわれて、素直に準備して帰るのは大人にゆずっているのよ。子どもに失礼なことだと思う。
でも、子どもからの「帰ろう」の言葉を自然に待ってたら、夜は更けちゃうわけね…。
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――そのとおりです…!
柴田先生:そんなときはね。「もうすぐ帰ろう」と声をかけて、遊びたい熱をさましてあげる時間をつくるの。「もうちょっとたったら帰ります」「もうすぐ帰ろう」「そろそろ行きます」「そろそろですけど…?」という感じで、4回くらい繰り返すのよ。
――4回もですか…!
柴田先生:場所と時間によっては大変かもしれない(笑)。3歳くらいの子だったら、20分くらい用意できるといいわね。20分たつと、子どももそろそろ意識しはじめるから。
――20分かぁ…(涙)。「ごはんが食べられなくなるよ~」と声がけするのはどうでしょう?
柴田先生:時間的な把握は、子どもにはまだ難しい。
だから「早く帰らないとごはんが食べられなくなる」といっても「早く帰ること」と「ごはん」が結びつかずに、ピンと来ない。脅かしになってしまうの。
だからとにかく「早く帰ろう」っていう気持ちにさせるしかない。「もうすぐ帰るからね。もうすぐね」「お母さん、ごはんをつくらなきゃいけないから」って少しずつプッシュする。そして最後は「さあ、帰ろう!」でいいですよ。
だけど夢中になってるときに、いきなり「帰るよ!」は人さらいみたいで無謀よね。泣いて暴れるっていうのは自分の気持ちを無視されて、腹がたっているんじゃないかな。
急に連れて帰ろうとするから「なんなんだ!」って抗議しているんだと思うわね。