■いよいよ出産間近! 3つの出産直前の兆候
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いよいよ出産という時の兆候は次の3つが挙げられます。
おしるし
個人差が大きいのが「おしるし」。
子宮の収縮によって赤ちゃんを包む卵膜がはがれたり、子宮口が開いたりすることによって少量の血液がおりものと一緒に出てくるのをおしるしといいます。
色や量、回数、粘りがあるかどうかなど、おしるしの症状は人それぞれ。おしるしが全くない場合もあります。
破水
赤ちゃんを包む卵膜が破れ、羊水が流れ出る「破水」。下の方で破れた場合は、勢いよく羊水が出てきますが、上部が破れる「高位破水」の場合は、少量が継続的に流れ出ます。
また、陣痛前の破水を「前期破水」、子宮口が全開になる前の破水を「早期破水」と呼びます。
破水したら、子宮内に雑菌が入り込みやすくなり、赤ちゃんが細菌感染する可能性があります。
すぐに出産予定の産院へ連絡しましょう。
おしるしと同様に破水がないまま出産が進むケースもあり、その場合は、子宮口が全開になった段階で産科医が安全に破水をさせて出産に導きます。
陣痛
前駆陣痛とは違い、本陣痛は一定の間隔で痛みがあり、だんだんその時間が短く強くなっていきます。
初産の場合は、陣痛が10分間隔になるのが一つの目安。それを待って、かかりつけの産院へ連絡しましょう。ただし、出産が2人目以上の経産婦は、陣痛が始まって出産までが早く進む傾向にあります。
一般に、初産婦の出産時間は陣痛間隔が10分になってから12〜16時間、経産婦は5〜8 時間程度といわれています。出産の進み具合にはかなりの個人差があるので、経産婦はあらかじめ、担当医に何分間隔で連絡したらいいか相談しておくといいですね。
参考サイト:日本産科婦人科学会「HUMAN+」
■出産の兆候に似た要注意症状とは?
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急激な腹痛と大量の出血
急激な腹痛に大量の出血。陣痛のような間隔のある痛みではなく、おしるしというには出血が多すぎる…。それはもしかしたら、「常位胎盤早期剥離」かもしれません。
本来、胎盤は赤ちゃんが生まれて子宮壁からはがれるものですが、常位胎盤早期剥離は、その前に何らかの理由で胎盤がはがれ始めることです。
もし、胎盤が完全にはがれてしまうと、おなかの赤ちゃんに酸素と栄養が届かなくなるので、そうなる前に入院して絶対安静のうえ、母体と胎児の医師によるモニタリングが必要となります。
出産間近のタイミングなら、緊急帝王切開手術となることもあるでしょう。
妊娠37週未満で出産直前の兆候が出ている
正産期ではない妊娠37週未満で、陣痛のようなおなかの張りや痛みが規則的にたびたび起こり、子宮口が開き始めているといった症状は、「切迫早産」かもしれません。
妊娠37週に入り、おなかの赤ちゃんの体はようやくほぼ完全に整います。
そのため、それより早く生まれた赤ちゃんは、何らかの障害が残る可能性が。
正産期に入る前に出産直前のような兆候があるようなら、かかりつけ医に相談しましょう。子宮収縮を抑える薬や、赤ちゃんへの細菌感染を防ぐ抗菌薬などが処方されます。もちろん、お母さんは無理のない妊娠生活を心がけて。
参考サイト:日本産科婦人科学会「早産・切迫早産」
ひどい頭痛
妊娠後期の頭痛の原因には、おなかが大きく重くなったことによる体のこりやストレスによるもの、体内の血流量が増え血管が拡張したことによるものなどがあります。
その中でも注意したいのが、「妊娠高血圧症候群」が原因の頭痛。高血圧による頭痛やめまいといった症状があり、重くなると脳出血や胎盤早期剥離などに進む場合も。
妊婦健診での血圧検査などでわかることが多いので、きちんと定期健診は受けましょう。
■出産の兆候が出て慌てないために
入院準備はバッチリ?
いつでも病院へ行けるように、あらかじめ入院・出産準備はしておきましょう。
出産予定の産院から事前に渡される「入院のしおり」などに準備品リストが紹介されているでしょう。そちらをチェックしながら用意し、旅行バッグなどにまとめておくと、急な入院・出産となっても慌てないでしょう。
連絡先をまとめておく
出産準備品を用意するついでに、いざ入院する時に連絡が必要な先の電話番号をまとめておくといいでしょう。
特に上の子がいる場合、入院中は育児・家事を手伝ってもらうために実母やきょうだい、ママ友に応援を頼む方も多いでしょう。また、病院へ行くためにタクシーを考えている方は配車の連絡をしなければいけません。
陣痛が始まったり破水したりすると電話をかける余裕はなくなりなるので、夫や家族がすぐ連絡できるようにわかりやすくリストアップしておくと安心です。
病院へ向かうまでのシミュレーションをしておこう
出産予定の病院へは、どうやって行く予定ですか?
「病院が近いから歩いて行く」「バスや電車で」と考えるお母さんもいますが、陣痛が始まると、立つこと・歩くこと自体が難しいことも。お母さん自身で移動できないことを想定して、近距離でもタクシー利用をおすすめします。
自家用車を想定している場合、陣痛中のお母さんが運転するのは危険なので、ほかに運転できる人が必要となります。運転できる人がいない場合もタクシーなどの利用となるので、配車をお願いできるタクシー会社をチェックしておきましょう。
自動車移動で怖いのが渋滞。いつ入院することになるのかわからないので、あらかじめ渋滞する時間帯などを調べておき、余裕を持って行動することが大切でしょう。
■まとめ
主な出産の兆候をご紹介しましたが、出産の数だけ兆候はさまざま。あらわれる兆候は人それぞれで、ほとんど兆候がない方もいます。
出産予定日が近づくと、「もしかして、これって出産の兆候かも?」「この痛みは陣痛?」と気になってくるものですが、それにとらわれ過ぎず残りわずかの妊婦生活を楽しみましょう。
参考資料:
・日本産婦人科学会
・日本産婦人科医会
・厚生労働省 ヘルスケアラボ