コミックエッセイ:四方向へ散らないで
まったく見分けがつかない双子、退院直前に天才的なアイデアが閃いたものの…!?【四方向へ散らないで Vol.6】
■ネームタグにサヨナラしなければいけないことに動揺
「ネームタグ外さなきゃダメ!? これ外したら多分、車に乗せるあたりで、もうどっちがどっちか分からなくなる自信あるよ!? 」と、焦りなら旦那に連絡していた私。
後で冷静になった時に「イチゴ状血管腫のある方が“いもちゃん”って、見わけ方ができたな」と気がつきましたが、退院当日の私はひたすら見分けられないまま、ネームタグにサヨナラしなければいけないことに動揺していました。
看護師さんに「ネームタグ、つけたまま退院したらダメですか?」と聞いたのですが「取らなきゃいけないんですよ」と…。
刻々と迫る退院時間、退院の服を着てベビーベッドで眠る双子。そして、見分けられない母。
焦った末、私の中にとあるアイディアが浮かびました。
■あるアイデアがひらめいた
これは天才的なひらめきや!!
ネームタグがついている、いまのうちに! と思い立ったら即行動。
2人お揃いで退院用に買っていた、真新しい靴下の足の裏部分に、部屋にあった油性マジックの黒でしっかりくっきりと名前を書きました。
そう、書いたのですが、靴下がブカブカだった…
冬の退院だったので、分厚くて暖かそうな靴下を買っていましたが、産まれたての赤ちゃんの足は思っていたよりも小さく、靴下をしっかり履かせていても、少し手足をパタパタすると、スルンと脱げてしまう状態でした。
完璧や! と思ったら策も前途多難。
どうしようかと考えていたところに、看護主任の方が来ました。
そして一言。
「ネームタグ、必ずおうちで早めに取ってくれるのなら、つけて退院してもいいですよ」
ありがたやーーー!!
どうやら主治医の先生たちに掛け合ってくれたようで
「なるべく早いタイミングで必ず取るのなら」と、ネームタグごとの退院の許可がおりたのです!
こうして双子は無事にネームタグをつけた上から、名前をデカデカと書かれた靴下を履き、退院することができました。
この靴下は履けなくなったいまも、良い思い出の品として、そっと棚の奥にしまっています。
トラブルが重なってメンタル急降下! 最後にとどめを刺したのは…【めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々 第408話】