コミックエッセイ:子が育ちめいも育つ
「母親に向いていないかも…」壮絶な出産の後、私を襲った不安 ~トンデモ産院で出産した話(6)~【子が育ちめいも育つ Vol.6】
■出産後、ある「不安」が私を襲う
痛みと怒りと疲れに包まれた出産を終え、その日は赤ちゃんとは別室にて過ごしました。静かな部屋で疲れた体を休めようとするも、なかなか寝付けません。
というのも、明日から始まる母子同室が嫌で嫌で仕方がなく、退院までどうにか理由をつけて新生児室で預かってくれないか…、なんてことをずっと考えていました。
体力も気力もヘトヘトで、赤ちゃんのお世話をするなんて冗談じゃない…、1日しか休ませてくれないなんて…と「我が子に会えて幸せ!」なんて言っているドラマや映画に出てくる母親と自分とのギャップになんとも言えない嫌悪感を感じました。
お腹にいた赤ちゃんに会えて嬉しいはずなのに、なんでこんなに気持ちが落ち込むんだろう? こんなに気持ちも体もヘトヘトで明日からお世話なんて無理だ…。
何もかも初めての事なのに、なんで周りは私一人で赤ちゃんを守れると決め込んでるんだろう? もしかして私は【母親】として機能しないんじゃないか? こんな気持ちを抱えている私は、母親なんてできないのでは?
と今更後戻りできない不安と、自分は母親に向いていないんじゃないかという疑念で押しつぶされそうな夜に一人涙していました。
結局翌日から赤ちゃんと一緒に過ごす日々となりましたが、なんとなく赤ちゃんと二人きりになるのが嫌…というか怖くて、入院から退院まで付き添いで泊まってくれていた夫やお見舞いに来てくれる家族に、できるだけ赤ちゃんのお世話を頼んで、私はなるべくベッドで横になる事を徹底していました。
今思えば軽い
「産後うつ」だったのかもしれません。
出産6日目に退院し里帰りをしたことで、そういった気持ちはだんだんと薄れていきましたが、自分にこういう気持ちが存在することを知ってしまった私は、
と思ったのでした。