連載記事:子どもの「病気・けが」教えて!ドクター

【医師監修】子どもは熱中症にかかりやすい…マスク着用は大きな負担に【子どもの「病気・けが」教えて!ドクター 第3回】



■子どもは熱中症にかかりやすい?

子どもは、熱中症のリスクが高いのが特徴です。
<熱中症のリスクが高い原因>
●体温が上がりやすく脱水になりやすい
●大人よりも背が低く地表の熱を受けやすい

また、年齢が低い子ほど自分の症状をうまく伝えることができないため、とくに注意深く様子を見る必要があります。

外出時は休憩や水分補給をこまめに取らせる室内の温度調節をするなどして、子どもの様子をこまめに見てあげましょう。


■熱中症予防のポイント

それでは、熱中症にならないために、普段から心がけたい予防のポイントについて、見ていきましょう。

<熱中症予防のポイント>
●体調のコントロール
・十分な睡眠(午後の昼寝が効果的)
・食事をしっかりとる
・胃腸炎や風邪などにかかっている時は熱中症にかかりやすいので注意する

●暑さに慣れさせる
・日頃から適度に外遊びをして、体を暑さに慣れさせておく

●十分な水分と電解質補給
・こまめな水分補給が大切

●日焼け対策
・適した服装をする
(薄い色、吸水性や通気性のいい素材)
・屋外では帽子を着用
・直射日光を避ける
・保冷剤の併用
・ベビーカーの日よけ


そして、とくに注意が必要なシーンは次の項目です。
<熱中症に注意が必要なシーン>
●天候:梅雨の晴れ間、梅雨明け、30度以上
●地面:地面の熱に注意
●屋内:屋内でも油断しない
●車内:暑い環境に置き去りにしない

生活のふとした瞬間にも熱中症のリスクは潜んでいます。とくに注意したいタイミングを把握しておくことで、子どもたちを熱中症のリスクから守ってあげましょう。

■おうちでできる応急処置

子どもが軽い熱中症になった場合にできる、おうちでの応急処置についてご紹介します。


1、涼しい場所に移動し、仰向けに寝かせる

【医師監修】子どもは熱中症にかかりやすい…マスク着用は大きな負担に【子どもの「病気・けが」教えて!ドクター 第3回】

出典:『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』(KADOKAWA)


クーラーがきいた室内など、涼しい場所に移動させましょう。

2、身体冷却

【医師監修】子どもは熱中症にかかりやすい…マスク着用は大きな負担に【子どもの「病気・けが」教えて!ドクター 第3回】

出典:『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』(KADOKAWA)


服を緩め、保冷剤やタオルで首や脇の下、太ももなど太い血管の部分を冷やしましょう。肌に水をかけたり、ぬれタオルなどで拭き、厚紙などで仰ぎます。

3、水分摂取


脱水の治療のためには、経口補水液がおすすめです。ただ、意識レベルが悪い場合や、おう吐がある場合は、水分摂取は控えましょう。

おうちでの応急処置をしても症状が改善しない場合は、病院を受診しましょう。熱中症の症状は進行することがあるので、経過には十分注意してください。

また、そもそも頭痛や吐き気がある、体温が高い、呼びかけへの反応がおかしいなどの症状が出ている場合には、中等症や重症の熱中症になっている可能性があります。すぐに病院を受診するか、救急車を呼ぶ必要がある場合もあるので、子どもの様子をしっかりと見て、対応してあげましょう。



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