2022年2月1日 08:00|ウーマンエキサイト

ママが「勉強させなければ!」と思うのは当然…でも勉強すれば幸せになれる?【想定外の時代を生き抜く「見えない学力」の育て方 Vol.1】

想定外の時代を生き抜く「見えない学力」の育て方

想定外の時代を生き抜く「見えない学力」の育て方

時代が大きく変わっている今、「見えない学力」を身に着ければ「見える学力」も上がると話すのは、映画『みんなの学校』で「不登校ゼロ」の公立小学校として話題となった大空小学校初代校長・木村泰子先生。「母親…

子どもを産んだら、ママになる。けれども、自分がイメージするようなママになれず、落ち込んでしまうことは、ありませんか? 今回は、「子どもに、『あれしなさい』『これしなさい』とばかり言っている気がして、落ち込む」という読者のAさんと木村泰子先生の会話からスタートします。

【木村泰子(きむら やすこ)先生はこんな人】
木村先生は、映画『みんなの学校』の舞台となった大空小学校の初代校長です。大空小学校は、「奇跡の公立小学校」「こんな小学校にわが子を通わせたかった」と言われる大阪の公立小学校。「木村先生が子どもたちから学んだこと」をベースにした子育て論が、ママたちの支持を集めています。

■「あれしなさい」「これしなさい」ばかり言ってしまう

ママが「勉強させなければ!」と思うのは当然…でも勉強すれば幸せになれる?【想定外の時代を生き抜く「見えない学力」の育て方 Vol.1】

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Aさん:私の悩みは、つい、子どもに「あれしなさい」「これしなさい」とばかり言ってしまうことなんです。本当は、何でも大らかに受け入れて、「大丈夫よ!」と、子どもの気持ちに寄り添いたいのに……。

木村先生:表面上、「大丈夫」と言って子どもを落ち着かせようとするのは、「大丈夫」という言葉を、単なる道具として使おうとしているのかもしれませんね。


子どもは、それをすぐ見抜きます。子どもが暴れたりイライラをぶつけたりするのは、親を困らせようとしているのではなく、ただ、本人が困っているだけ、不安を抱え、困っている子どもに対して、大人は寄り添おうという気持ちが大切です。

今、こんなふうに偉そうに言っている私ですが、私の娘が孫にあれこれ言っているのを見て、「そうやって力で押さえつけても、子どもは納得しないよ」と伝えたら、娘から言われた言葉があるんです。

Aさん:娘さんは、何と?

木村先生:「お母さんにだけは、そんなこと、言われたくない!!」と、猛反発されました。私も、母親時代は、娘と同じことをやっていましたからね。

Aさん:木村先生も、自分の娘さんに、あれこれ言ってしまう母親だったのですか?

木村先生:そりゃそうです、当たり前です。

Aさん:木村先生でもそうだったと伺って、何だかホッとしました。学校の宿題など、「どうしてもやって欲しいこと」があると、子どもに寄り添えなくて、落ち込みます。


木村先生親は、「子どもが自分の望んでいるような姿になって欲しい!」と願う生き物です。私も、「いろいろなことができるお子さん」を見ると、「うちの娘も、ああなって欲しい!」と、いつも思っていましたよ。

Aさん:「こういう子になってほしい」という自分の気持ちを子どもに押し付けてしまう気がして…。

木村先生:母親だったら、全員そうでしょう。親の思うように行動していない子どもに、「あなたは、大丈夫!」なんて、とても言えませんよね。仮に母親が表面上そう言っていたとしても、子どもは見抜きます。

■勉強をしたら、幸せになれますか?

ママが「勉強させなければ!」と思うのは当然…でも勉強すれば幸せになれる?【想定外の時代を生き抜く「見えない学力」の育て方 Vol.1】

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Aさん:では、どうしたらいいんでしょう? 勉強をする時間になっても、子どもがダラダラと漫画を読んでいる時、どんなふうに声かけをしたら良いですか?

木村先生:その前段階として、勉強をする目的を、ママはどう考えていらっしゃいますか?

Aさん:子どもが勉強することで自立する手助けになればと。私が高齢出産なので、少しでも子どもの選択肢が広げられたらと思って…。


木村先生:わかります。私は、一人っ子なんです。そして、小学校の参観日に母が来るのがすごく嫌でした。友だちから、「お前は、おばあちゃんが来ているのか?」と聞かれるほど、友だちの母親と比べて年配感が漂う母だったんです。でも「世界中で一番尊敬している人は誰?」と、聞かれたら、私は「母」と答えると思います。

そんな母ですが、一緒に暮らしている間、ずーっと私に、「勉強しなさい」と言っていました。その時代の自分を省みて思うのは、「勉強しなさい」と言われたところで、勉強なんてしません。勉強をしている「ふり」だけして、まったく勉強しないで大人になりました。
小学校の成績は、真ん中より下だったと思います。

Aさん:そうだったんですね…。

木村先生:でも、「勉強しなかったら、大人になった時に幸せになれないのか?」と問われたら、そんなことはないと思うんです。ママたちは、今、子育ての真っ最中で、「子どもが勉強をしていれば安心。勉強をしていないと、不安」なのは、とてもよくわかります。

私は子育てが終わっているので、「このように育てたら、こんな結果になる」ということがわかっている人間です。その人間から言わせてもらえば、「勉強して、いい学校に行けば、子どもは幸せになる」というのは幻想です。

繰り返すようですが、「わが子が勉強をしていない」という姿を目前にすれば、母親なら誰だって、「勉強させなければ!」と思うのは当然のことなんです。
けれども、そんなママたちだって、一個人に立ち戻った時に、「勉強すれば、幸せになれるの?」と問われたら、もはや「そんなことは、ない」と、気がついてはいるでしょう?
ママが「勉強させなければ!」と思うのは当然…でも勉強すれば幸せになれる?【想定外の時代を生き抜く「見えない学力」の育て方 Vol.1】

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