コミックエッセイ:両手に男児
なくしたはずの本が、机の中から出てきた…!?【両手に男児 Vol.36】
■前回のあらすじ
小学1年の時、大事な歌の本をなくしてしまい、隣のきみちゃんに見せてもらうことになりました。しかし、きみちゃんが落とした歌の本を代わりに拾おうとしたところ、一瞬自分の名前が書かれていたように見えたのです。
私が小学校1年生だった冬。
6年間使う「歌の本」をなくしてしまいました。
なくなったと思っていた歌の本。
しかし事態はそこから思わぬ方向に展開したのでした。
歌の本をいっしょに見せてくれていたきみちゃんは、集会が終わると持っていた本を落としてしまいました。
その時パッと本に目をやった瞬間、私の名前が消された跡のようなものが見えたのですが…。
落とした歌の本はきみちゃんが慌てて拾い上げたので、私は実際それが本当に自分の名前が消されたものだったのか半信半疑でした。
一瞬の出来事だったので、そう見えただけかな? きみちゃんが自分の名前を書き間違えただけだよね。
まだ小学1年生だった私はこの時良くも悪くも人を疑うことに関して未熟だったのでそう思ったのでした。
今なら「ちょ…!!私の!!?盗られてる!?!?」と疑いますがこの時はそういった考えが全く湧いてきませんでした。
その日、家でも探しましたが歌の本は出てこず。
そしてその後も数週間、歌の集会ではきみちゃんが歌の本を貸してくれていました。
しかしいつまでたっても出てこない歌の本をこれ以上探しても無理だろうと先生から再購入を打診されました。
なくしてしまったショックと親に怒られる心配で、ものすごく気持ちが沈んだのを覚えています。
しかし…