コミックエッセイ 両手に男児
友だちが盗るなんて…そんな発想すらなかった【両手に男児 Vol.37】
小学一年生だった私はある程度の善悪の判断はすでにできていたものの、良くも悪くもまだ疑うことに慣れておらず、この歌の本の一件で戸惑っていました。
キミちゃんは文武両道でクラスの人気者。
私も大好きな友だちでした。
だからこそ、キミちゃんが私の歌の本をとったなんて信じられない。というか、信じたくなかったのだと思います。
そんなキミちゃんとはこの後同じクラスになることはありませんでした。
ただ、私の手元に残った私とキミちゃんの名前が消された歌の本はその後の小学校生活でも使う物だったので、成長とともに消された名前の意味を深く理解していくことになるのでした。