コミックエッセイ:たんこんちは ボロボロゆかい

乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきた息子…ハードな施術のあとに涙したのは…!?【たんこんちは ボロボロゆかい Vol.35】


■歯医者さんの回答は…

ドキドキで歯医者さんに向かい、待合に娘を待たせ、診察台に息子を寝かせると、先生は…。

「あーこれは…抜歯だね」

ニコニコ笑顔でそう言いました。

ば…抜歯ーーー!!

歯医者さんの回答は…
先生によると、これはそれなりにポピュラーなトラブルで、歯が生え変わり始めるまさに今、6歳頃に生じる問題なのだとか。

重なっている乳歯がぐらつき、抜けるそぶりをみせていれば、経過観察にもなるそうですが、息子の場合はガッチガチ。

抜ける気配がまったくありません。

このままでは炎症を起こしてしまったり、歯並びにも影響する。

しかし、息子はオペ経験もなく、しかも抜かなければいけない歯は二本。

なかなかハードな抜歯術になるはず…。

母である私が焦る中、先生は優しく息子に語りかけます。

「大変かもしれないけど、今日2本抜いちゃった方が楽かもしれない。でも、イヤだったら今日は1本で、また落ち着いたら次やろう。君の好きにしていいんだよ」

優しいーーーー!

この優しさに惚れて、ずっとお世話になっている歯医者さんです。

本当にありがとうございます。

息子の回答は…。

「にこ、やる…」

息子はしっかり先生を見て、そう頷きました。


■息子、初めての抜歯…

抜歯はまず麻酔作業から。

麻酔も注射での投与になるため、息子も針を見て静かに焦っていました。

しかし何も言わず、“痛かったら手をあげる”という指示に従いながら、黙って施術を受ける息子。

乳歯は思っていたよりも根深く力強く、揺さぶったりねじったり…傍から見ていると半ば大工仕事です。

今まで娘は順調に歯の抜け変わりを迎えていたため、息子がこんな苦労をすることになるとは思ってもいませんでした。

昔から固いものが好きでスルメを愛してきた息子。

アゴに良い生活はしてきたはずなのにこうなるとは、本当に子どもの成長はわからないものです。

何度も麻酔を追加しながら、何度も手を挙げながら、決して弱音は吐かず、泣くこともなく、格闘すること20分。

格闘すること20分
やっと戦いが終わりました。

驚くことにその乳歯は、とても長く鋭利でした。

なんでも、普通なら下からやってくる永久歯が乳歯の根元を溶かしていき、短くなり、ぐらついて抜けていくものですが、今回は位置がずれてそれがなかったため、乳歯が長いまま埋もれていたそうです。

だから、ビクともしなかったんだ…。


乳歯が長いまま埋もれていたそうです
歯茎には深い穴がポッカリ開いていましたが、息子は抜けた乳歯をキラキラとした目で見ていました。

がんばったね…! またひとつ、お兄ちゃんになったね。

戦いを終えた息子をたたえていると、そこに歯科助手さんが焦った様子で駆けてきました。

「すみません、お姉ちゃんが心配しているので、行ってあげてくれますか…!?」

え…!?

お姉ちゃんが心配している


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