子育て情報『発達障害のある子の支援を、支える家族の「生きにくさ」とともに紐解く――精神科医・田中康雄が描くこれからの精神科医療』

2019年5月30日 07:00

発達障害のある子の支援を、支える家族の「生きにくさ」とともに紐解く――精神科医・田中康雄が描くこれからの精神科医療


コマーシャルとちょっとした宣言

このたび、金子書房から新刊が出ます。タイトルは『ADHDとともに生きる人たちへ〜医療からみた「生きづらさ」と支援〜』です。

これは、2017、18年の2回にわたり開催した研修会の講演内容を文字化し、大幅に加筆修正したものです。精神科医になった1983年に、僕は診療録に書いた内容を先輩医師のまえで報告する時がありました。報告後、「キミは、書いたものよりも、口頭のほうが、伝わりやすいね」と言われました。果たして本書がそうなっているか、内容について関心があれば、読んでいただければ幸いです。

ADHDに関しては、実は、もう一つ、2001年に刊行した、星和書店の『ADHDの明日に向かって』を、ここ1、2年の間に大幅に修正するか、新たに書き下ろさないといけないと思っています。あのままでは置いておけないと思っているのです。
僕は、発達障害のなかでも、縁あって特にADHDに関心を抱き続け、ここまで来ました。でも、正直、ADHDに関しては、今でも2001年のあの本を超えたものが書けていないように思っています。これは、悔しいというか、恥ずかしいというか、このままではいけないと思っています。

ただ、今の課題は、日々の臨床のなかで、その作業時間がつくれるかどうかです。でもこうして宣言しておくと、これからとぼけることが出来なくなります。これは覚悟です。

さて、話は変わって。発達ナビからは、「日々の臨床で感じていること、考えていることを書いてみて」と依頼されました。
でも、日々の臨床で感じ続けていることは、いつも己の力不足であり、学習不足と自責の念です。

そこで、過去と現在と未来について考えてみました。


過去のこと――院外での出会いも。発達障害のある子どもたちと社会との架け橋役に

発達障害のある子の支援を、支える家族の「生きにくさ」とともに紐解く――精神科医・田中康雄が描くこれからの精神科医療の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10168003041

僕は1983年に精神科医になり、故郷を離れて北海道に来ました。初期研修を終えて、医師になって10年を目前にしたとき、僕は児童精神科医を目指し、児童部門のある精神病院に就職し、数年後に児童部門を背負いました。当時は不登校から(軽度)発達障害と児童虐待問題へと大きく展開した時期でもありました。

僕は北大や札幌医大、旭川医大の卒業生でもなく、本州からの流れ者医者です。

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