2020年9月16日 11:00
「自分も障害になったのかな」インフルエンザの高熱で暴れたきょうだい児の小6息子が、不安げに発したその一言にドキッとして...
息子が小学6年生の時の出来事
小学校6年の冬、息子は季節性のインフルエンザにかかりました。病院で処方された抗ウイルス薬を服用した後も高熱は暫く続きました。
夜、私と娘が話をしていると、隣の部屋で寝ていた息子が何か訴えてきました。
「どうした?しんどいの?話し声がうるさかった?」
娘との話を中断し息子の部屋に向かうと、息子がドアの前に立っていました。
何やら不穏な様子
息子はこちらの問いに答えず、唸り声を上げていました。
「吐き気がするの?トイレに行く?」
私は息子をトイレに誘導しましたが、背中をさすっても息子は上手く吐くことができないようでした。
唸り声は徐々に大きくなっていき、息子は便器に顔を突っ込んだまま便座の蓋の開閉を始めました。
「ちょっと⁉頭、挟まってるよ!危ないって!」
私が制止しても息子はやめる気配がありません。
唸る息子が自ら“便器怪獣に食べられてるような仕草”を繰り返すのを見て私は思いました。
「これは熱せん妄かも…」
知識はあったけれど
1~10才台の子どもが発熱に伴って異常な行動をとる『熱せん妄(もう)』は、ニュースなどで見て知ってはいました。
実際、娘が小さいときに、インフルエンザの高熱でうなされながら布団の中で足をバタバタさせていたのを(私も横で寝込みながら)目にしたことがありました。
2才の幼児が布団の中で足をバタバタするぐらいなら「熱でうなされているのかな?怖い夢でも見たのかな?寝ぼけているのかな?」と思う程度ですが、11才の男子が立ち歩いて大声を上げる様子を目の当たりにすると、知識はあってもやはり動揺します。
救急外来を受診
幸いそのときは家に主人がいたので、叫び声を発しながら便器に頭を突っ込んで便座の蓋を開閉する息子を主人に押さえてもらい、その間に私は救急に電話をしました。
救急隊の人に支えられ救急車に乗り込む頃に息子は落ち着き始め、受け答えもできるようになっていました。病院に着いて医師の診察を受けたときには日時や名前、自分がいる場所なども言えていました。
医師によるとインフルエンザの流行時期だったこともあり、その日は息子と同じような症状の子どもが10人ほど救急外来を訪れ、そのうち何人かは経過観察の為そのまま入院になったそうです。
息子は会話もできるようになっていたので、解熱剤を処方され帰宅することになりました。