2023年2月11日 14:15
祖父の葬儀で大パニック、泣き暴れの自閉症息子。「参列させないで」祖母の悲痛な叫びが心に沁みてーーユーザー体験談
初めての場所が苦手な自閉症と知的障害のある長男。実父の他界で葬儀へ…
わが家の中2の長男は3歳のときに、自閉スペクトラム症(ASD)と知的障害の診断がおりました。
長男は社会性の部分が特に低く、未就学児時代は同居する家族以外の人に興味がなく、「他人は空気」のような様子でした。また、初めての場所に入ることがとても苦手で、知らない人が多い場所ではパニックを起こすことがほとんどでした。
長男が6歳のころに私の実父が他界しました。私は次男(当時3歳)を連れて、夫たちより一足早く向かい、葬儀場で身内として準備や来客対応などに追われていました。夫は長男を連れて義実家へ向かい、義両親と義妹をピックアップして、車で1時間かけて葬儀場まで来てくれました。
しかし、長男は葬儀場に着くやいなや、いつもと違う場所・いつもと違う雰囲気を察して葬儀場へ入れず、駐車場にひっくり返って暴れて大泣き…。
今、落ち着いて考えてみれば、初めての場所、たくさんの知らない人、長男がパニックを起こしてしまうのは当たり前です。
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葬儀場という場もあり、周りの人の目も気になります。泣き暴れる長男をそのままにもしておけないと、夫と義父は無理矢理にでも葬儀場に入れてしまえば何とかなると考えたようで、長男を抱き上げて力づくで連れて行こうとしました。
そのときです、長男たちの様子を見ていた私の母が「やめて!」と悲痛な声で叫びました。泣いている孫を無理矢理葬儀場へ連れていくのが見るに耐えなかったのでしょう。
母は「私はこの子の気持ちが大事。このままお葬式に参列してもきっと慣れない環境でまたパニックを起こしてしまいます。
そこまでして葬儀に参列させなくていいから…。せっかく来ていただいたのに本当に申し訳ないけれど、この子のためにも、この子を連れて今日は帰ってもらってもよいでしょうか」と夫の両親に伝えました。
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実母は昔からよくわが家に遊びに来てくれていたこともあり、息子の様子もよく分かっていました。障害について理解し受容しており、孫として普段から普通に接してくれています。息子は実母にも、ときどきペットボトルの飲み物を床にわざと撒くなどのいたずらをしていました。そんなときも実母は、一方的に怒ることはせず、淡々と「やりません」とだけ言って片づけてくれていました。