困難をしなやかに乗り越えろ! 失敗をチャンスにできる子は「つまずき経験」が豊富だった

子どもが転んで泣いているとき、あなたはどうしますか?すぐに駆け寄って「大丈夫?」と声をかける?それとも、しばらく様子を見守る?じつは、この瞬間の判断が、子どもの将来を左右しているのかもしれません。
「失敗を恐れる子」と「困難を乗り越える力をもつ子」――この違いを生むのは、親の何気ない関わり方だったのです。しなやかに立ち上がる子どもたちの共通点は「豊富なつまずき経験」でした。
予測不能な時代を生き抜くために必要なのは、知識の詰め込みではなく、「困難をしなやかに乗り越える力」。本記事では、脳科学や教育の専門家の知見をもとに、失敗を恐れずチャレンジできる子どもの育て方を具体的に解説します。今日から実践できるヒントで、わが子の「困難を乗り越える力」を育んでいきましょう。
困難を乗り越える力とは?今なぜ求められているのか
困難を乗り越える力とは、困った状況に直面してもあきらめず、解決策を見つけ出し、自分で考えて立ち直る力のこと。近年、この力の重要性がますます注目されています。
正解のない問いや予測不能な出来事があふれる現代社会において、子どもたちは、学校や社会でさまざまな壁にぶつかる機会が増えています。困難を乗り越える力が備わった子どもは、自己肯定感が高く、自立心も強い傾向がある一方で、この力が不足すると、ちょっとした失敗で心が折れやすくなり、挑戦すること自体を避けがちに。
脳科学者の西剛志氏は「子育ての最終目標は自立できる人間に育てること。そのために困難を乗り越える経験が欠かせない」と語っています。困難から目を背けずに向き合い、乗り越えていける子どもこそが、これからの社会でしなやかに生き抜いていけるのです。
自立するために「困難を乗り越える経験」が必要【西剛志氏】
「子どもが将来自立して生きていくにはどうすればいいか」――この問いに対して、西氏は「小さな頃から困難を乗り越える経験を積むこと」と明確に答えています。
ただし現代の子育てでは、子どもが困る前に先回りして手を差し伸べてしまうことが少なくありません。わが子への愛情ゆえの行動ではありますが、それによって「困難を乗り越えるチャンス」を奪ってしまっている、と西氏は指摘します。
しかしそれでは、子どもが自らの力で問題を乗り越える経験が不足し、社会に出たときにちょっとしたことですぐに心が折れ、挫折しやすくなるリスクが。